イギリス原産の犬種を15種紹介していきます。名前や起源を確認して、イギリスに起源を持つ人気な犬や特徴的な犬達について知りましょう。
イギリスはかつて大英帝国を築き、アフタヌーンティーやシェークスピア、そして世界言語である英語の発祥地などで広く知られていますが、イギリスに起源を持つ犬種は30種類以上あると言われ、中には世界的に有名な犬が含まれていることを知っていますか?
例えば、コーギーやボーダーコリーなどは世界的にも多くのファンを抱えますが、これらはイギリス原産の犬なんです。
この記事では、実は有名な犬種を多く産み出してきたイギリスに起源を持つ犬の中から、人気なものから特徴的なものまで15種類をピックアップして、名前や起源などを簡単に紹介していきます。
- イギリス原産の犬1:エアデール・テリア
- イギリス原産の犬2:イングリッシュ・マスティフ
- イギリス原産の犬3:ブルマスティフ
- イギリス原産の犬4:クランバー・スパニエル
- イギリス原産の犬5:イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イギリス原産の犬6:レークランド・テリア
- イギリス原産の犬7:ボーダー・コリー
- イギリス原産の犬8:イングリッシュ・ポインター
- イギリス原産の犬9:マンチェスター・テリア
- イギリス原産の犬10:シェットランド・シープドッグ
- イギリス原産の犬11:ベドリントン・テリア
- イギリス原産の犬12:ウェルシュ・コーギー
- イギリス原産の犬13:ジャック・ラッセル・テリア
- イギリス原産の犬14:サセックス・スパニエル
- イギリス原産の犬15:ビーグル
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- イギリス原産の犬種15選!名前や起源を確認しよう!のまとめ
イギリス原産の犬1:エアデール・テリア
主に地中に住む小動物を狩るために人間によって改良されてきたテリアには、様々な種類が存在しますが、そのテリア種の中でも「テリアの王」と呼ばれたり、また川の中でカワウソを獲るのが得意なことから「水のテリア」と呼ばれるのが、イギリスのヨークシャーのエアデール原産のエアデール・テリア。
テリア種の中では最大の犬で、驚くほど賢く、高い俊敏性から訓練競技会において常に優秀なことで知られます。
また、エアデール・テリアは通常、子どもとの相性がよく、年をとっても遊び好きで子犬のような気性を持つことから、家庭犬としてもぴったりなイギリス原産の犬です。
イギリス原産の犬2:イングリッシュ・マスティフ
主に番犬や闘犬などとして用いられてきた大型の犬マスティフの中でも、イギリス原産のイングリッシュ・マスティフは代表的な犬種です。
その起源は非常に古く、イギリスにこの犬の先祖がやってきたのは紀元前1000年頃だと言われるほど。
現在でもイギリスでは警備用の犬として重宝されており、ペットとしてもそれなりの人気を得ています。
ちなみに、とても筋肉質で大きな体を持つ一方で、性格は大人しく、心を許す人に対してはとても人懐っこくなります。
イギリス原産の犬3:ブルマスティフ
先述したイングリッシュ・マスティフとブルドックの一種であるオールド・イングリッシュ・ブルドッグが掛け合わされて生まれたのが、イギリス原産の犬の一つ「ブルマスティフ」。
農場や狩猟場などに侵入してくる不審者を捕まえることを目的とした警備犬として改良されてきたことからも分かる通り、比較的大きな体と強靭なアゴの強さを誇ります。
また、世界大戦時には軍用犬としても用いられるなど、非常に戦闘能力の高い犬です。
現在では警備犬として以外にも、ショーやペット犬としても人気で、他の国でも可愛がられています。
イギリス原産の犬4:クランバー・スパニエル
洗練された外見と利口さが売りのスパニエル種に含まれるクランバー・スパニエルは、その重量感と歴史から「スパニエル界の貴族」と呼ばれることさえあるイギリス原産の犬。
元々は、18世紀にノアイユ公爵からニューカッスル公爵へこの種の犬が与えられたことに起源を遡り、当時のニューカッスル公爵がクランバーパークというところで暮らしていたことから、この名前がつけられたと言います。
クランバー・スパニエルはすべてのスパニエルの品種の中で最大で、猟の技術が非常に優れていることで有名。かつては猟の優秀さによって、イングランドで貴族から非常に人気が高い犬だったと言われています。
また、このイングランド原産の犬種は、忠実で愛らしい性質のため、現代においてさえペットとして最高。
非常に賢くて訓練にも積極的なため、初めて犬を飼う人にとっては理想的な選択肢です。
イギリス原産の犬5:イングリッシュ・コッカー・スパニエル
10世紀以前にイギリスへやってきたスペイン産のスパニエルを原種として、その後にイギリスのウェールズで犬種として確立していったとされるイングリッシュ・コッカー・スパニエルは、ウッドコック(ヤマギシ)という鳥を捕まえるために改良された犬。
コッカーという名前は、このウッドコックという鳥に由来すると言います。
今日では非常に優しい性格のため、人気のペットとなっており、また、アメリカのペット犬として人気なアメリカン・コッカー・スパニエルの祖先犬だったりもします。
ちなみに、1870年までイングリッシュ・コッカー・スパニエルは、外見がかなり異なるイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルという近縁の犬と同じ犬種に分類されていました。
イギリス原産の犬6:レークランド・テリア
イギリスの湖水地方(レークランド)で生まれたことから、レークランド・テリアという名前を持つレークランド・テリアは、かつては害獣を追い払うために飼われていたものの、その後に猟犬として改良されていったイギリス原産の犬。
体高は35cm強と比較的小型ながら、がっしりとした体格と分厚い2層の毛を持っているのが特徴。また猟犬だったことから非常に活発な性格を持ち合わせています。
レイクランド・テリアは品評会で非常に成功している犬種の一つで、これまで多くの賞を勝ち取ってきました。
イギリス原産の犬7:ボーダー・コリー
ボーダー・コリーはすべての犬の中でも最も働き者とされる犬種の1つ。
もともとは牧畜犬として、スコットランドとイングランドの国境(ボーダー)、イングランドとウェールズの国境で飼育されていたことから、ボーダー・コリーという名前が付けられました。
その運動能力や訓練に従順な性格、そして働き者の特性から、世界で最も牧羊犬として使われている犬で、ある意味ではワーカホリックな犬だとも言えるかもしれません。
一方で、非常に活発な性格のため、のんびりした犬種を求めている家族にはペットとしては不向きな場合があります。
イギリス原産の犬8:イングリッシュ・ポインター
16世紀から17世紀にかけてグレートブリテン島へ持ち込まれたスパニッシュ・ポインターが改良されて出来上がったのが、イングリッシュ・ポインターと呼ばれるイギリス原産の犬。
ポインターと呼ばれる犬の中でも最も代表的な犬種であることから、単に「ポインター」と呼ばれることもあります。
猟犬として改良されたことから、優れた猟の能力を持ち合わせ、現在も猟が盛んな地域では多くの個体が飼われています。
ちなみに、家庭向けに、より落ち着いた性格へ改良されていった個体が増えた結果、現在はペットしても飼われることが多くなっています。
イギリス原産の犬9:マンチェスター・テリア
外見がどことなくドーベルマンっぽいマンチェスター・テリアは、その名前から分かる通りイギリスのマンチェスター原産の犬。
ヴィクトリア女王がイギリスを統治していたヴィクトリア朝時代のイングランドにおいて、この犬の祖先は「紳士のテリア」と呼ばれていたとの話がある通り、その外見は高級感が溢れ、性格はとても落ち着きがあって優しいのが特徴です。
ちなみに、ドーベルマンのミニチュア版と言える外見を持っているのは、ドーベルマンの原種の一つがこのマンチェスター・テリアだからです。
イギリス原産の犬10:シェットランド・シープドッグ
イギリスのスコットランドにあるシェットランド島原産のシェットランド・シープドッグは、牧畜犬として、農家の土地を鳥やその他の脅威となる動物から守るために改良されてきました。
その外見がコリーと似ていることからも分かる通り、いくつかのコリー種を起源としていると言われ、コリーよりは少し小さくて美しい外見が特徴的です。
また、「シェルティー」という愛称でも知られると同時に、最も賢い犬種の1つで、学習を好む性格と高い知性のおかげで、訓練競技会などにおいては好成績を出す傾向にあります。
さらに、歴史の中で家畜などを守るように改良されてきたことから、現在でも日常生活においては子供たちの番をしようとするなど、家族の一員としても最高です。
イギリス原産の犬11:ベドリントン・テリア
ジプシーと呼ばれるロマ人達によって飼われていたとされるベドリントン・テリアは、イギリスのノーサンバーランド州にある炭鉱の町「ベドリントン」に起源を遡ります。
その後、イギリスの貴族たちはこの犬が猟に優れた犬種になるかもしれないと気づき、改良を加えて自分たちの狩猟犬として採用しました。
さらに、ベドリントン・テリアはネズミなどの害獣を捕まえるのが得意なので、工場や鉱山の労働者の間でも人気となりました。
家族にとってとても愛情あふれるメンバーとなる愛らしい性格から、今日でもベドリントン・テリアはイギリスで人気です。
イギリス原産の犬12:ウェルシュ・コーギー
体高が25~30cm程度で、体重が15kg前後しかない小さなサイズにも関わらず、もともと牛や羊、さらには馬の番をするために改良されたウェルシュ・コーギーは、イギリスのウェールズが原産とされる犬。
民間伝承の中には、コーギーは妖精と小人の土地から来た犬という話も残っているなど、人々に愛されてきた犬で、体の小ささを補って余りある頭脳と活発さを持ち合わせています。
また、ただ小さいだけでなく、先のとがった小さな耳と短足な足がとても可愛いのが特徴です。
イギリス原産の犬13:ジャック・ラッセル・テリア
ジャック・ラッセル・テリアは素早くて賢い頭脳と、獲物を捕らえる高い意欲を持ち合わせていることで知られるイギリス原産の犬。
テリア種としては小型で、小さなものでは4kgにも満たない個体が存在したります(大きさは4~12kgと個体によってかなり幅がある)。
もともとは200年ほど前にキツネ狩りの目的で、小さな穴にも潜り込める小さな体に改良されていったのが始まりで、素晴らしいネズミ捕りの能力もあって現在でも農家などに人気です。
一方で、飽きっぽい性格を持っているため、知能が高い割には訓練に時間がかかると言われ、飽きさせないための工夫が鍵となってきます。
イギリス原産の犬14:サセックス・スパニエル
イギリスのイースト・サセックス原産のサセックス・スパニエルは、短足、垂れ耳、短い首、毛むくじゃらで平らな背中など、見る人にとってはとても愛らしく感じられるであろう犬。
元々は鳥を探して飛び立たせるための作業を行うために改良された犬でしたが、その外見と人懐こい性格から、現在はペットとして飼育されていることの方が多いです。
ただし、過去には8頭にまで個体数が減ってしまったこともあり、現在、イギリスでもあまり見かけることができない希少種になっています。
イギリス原産の犬15:ビーグル
ビーグルは世界中で最も人気のある犬種のうちの1つで、もちろんイギリス原産の犬。大きくて優しい瞳と、明るい性質をみれば、その人気が簡単に分かります。
一方で、実は古代ローマ時代から存在してきた犬で、ウサギ狩りを中心に、様々な点で優れた能力を持った職業犬としても有名です。
特に、ビーグルの鼻には約2億を超える嗅覚受容体があり、匂いを嗅ぎ取ることが非常に得意な上に、かわいい見た目のおかげで周囲にもあまり脅威を与えないため、現在では空港で麻薬やその他密輸品の匂いを嗅ぎ出す警備犬として重宝されています。
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イギリス原産の犬種15選!名前や起源を確認しよう!のまとめ
イギリス原産の犬種を15種ピックアップして紹介してきました。
イギリスに起源を持つ犬は、今回紹介した以外にもまだまだいます。イギリスは犬の発祥地としても世界に影響を与えてきたんです。