エスキモーキスとはどんな種類のキスなのでしょうか？鼻をこすり合わせる方法として知られる特徴的なキスについて、詳しく見ていきましょう。
キスの方法や種類は一辺倒ではなく、異なるものが数多く存在しますが、その中の一つとしてエスキモーキスがあります。
エスキモーキスは通常の唇同士のキスとは異なり、鼻を使うのが特徴的な方法で、現在は世界中の様々な社会で広く取り入れられています。
この記事では、そんなエスキモーキスについて、方法も含めた概要から歴史、そして文化によっての差異などを見ていきたいと思います。
エスキモーキスとは？
エスキモーキス（Eskimo Kiss）とは、「鼻キス」とでも言える種類のキス。
その方法としては、両者がお互いの鼻をこすり合わせるようにするのが特徴で、それによってお互いの友情や愛情を確かめます。
また、エスキモーキスの一種として、鼻を相手の頬にこすりつけたり、相手のおでこにこすりつけるような方法も存在します。
そして、現在の世界においてエスキモーキスは、多様な文化や社会の中で一般的に取り入れられており、大抵は親しい人への挨拶として行われています。
エスキモーキスの歴史
エスキモーキスと言う名前の由来は、北極圏の先住民グループであるエスキモーに含まれるイヌイット達が、お互いに「エスキモーキス」をしているのを、現地を訪れたヨーロッパの探検家が目撃したことに遡ります。
そのエスキモーキスの歴史は有史以前に遡るとされ、古くから存在する神話の中では、
エスキモーキスはイヌイット族の人々から生まれ、彼らはこれをクニックと呼んでいだ
と語り継がれているのです。
また、その当時は言語が発達してなく、匂いなどの感覚を元に、お互いを認識したり絆を深めたりコミュニケーションを取っていたとされ、このようなコミュニケーションを繰り返す中で、自然と発生したのがエスキモーキスだという説があります。
一方で、なぜ通常のキスの様にお互いの唇をつけるのではなく、鼻を使う特徴的なエスキモーキスの方法を採ったかについては、
- イヌイット達が暮らす地域は極寒である
- 万が一にも唇が濡れていた場合は、唇同士が凍ってくっついてしまう恐れがある
- よって、唇がくっつくのを避けるために鼻を使った
と言われ、実際にそれらしい論理立った説明ですが、まだ実証はされていません。
また単純に、「厚手の服でほぼ全身を覆っている状態では、唯一外部に露出しているのが鼻だから」という説もあります。
異なる文化の中での意味合いや対象範囲
エスキモーキスは、そのやり方がイヌイット達に「クニック」と呼ばれるものとは多少異なるものの、他の文化やコミュニティにおいても昔から行われてきました。
例えば、
- ニュージーランドにいるマオリ族
- タイやベトナムなどの東南アジアのコミュニティ
- 伝統的なアラブ民族の社会
- ゴビ砂漠に住むモンゴル系遊牧民
など、他の多くの社会で伝統的な挨拶として存在してきており、マオリ族で行われる鼻キスは「ホンギ」と呼ばれ、お互いが鼻を短時間押し合い続け、深呼吸するのが特徴です。
また、ある文化の中でエスキモーキスは、愛情表現や絆を深める目的では母と子の間だけで行われるなど、その意味合いや対象範囲は文化やコミュニティによって異なってきます。
以下で具体的に、ヨーロッパとイヌイット社会における、エスキモーキスの意味合いと対象範囲を比較してみましょう。
ヨーロッパにおけるエスキモーキスの意味合い
ヨーロッパのでエスキモーキスは基本的に、恋人や愛する人に対して行う愛情表現として伝わっており、人によってはロマンチックに行い、カップルがお互いに公衆の場で鼻を寄せ合い擦り付け合っている姿がよく見られます。
そのため、この場合のエスキモーキスは、唇同士でするキスとほぼ同様の意味合いを持つのが特徴です。
さらに、公衆の面前ではエスキモーキスを、「通常の唇同士のキスよりも上品な愛情表現」として捉える人もいます。
また、人によっては親子の間の愛情表現として取り入れており、学校から帰った子供を母親がエスキモーキスで迎えたり、小さな子供を抱く時に鼻を頬に当てるといった光景も一般的です。
イヌイット社会におけるエスキモーキスは通常のキスとは意味合いが異なる
一方で、イヌイット社会で古来から行われてきたエスキモーキスは、欧米や日本における「唇同士でするキス」とは、その意味合いが異なります。
通常、唇同士でするキスは、家族、恋人、夫婦など、非常に近しい間柄で愛情を確かめる方法として、また時には性愛を表現する方法、つまりロマンチックな方法として行われます。
しかし、イヌイット社会でのエスキモーキスは、この唇同士のキスにそのまま取って代わるようなものでなく、行われる対象は家族、夫婦、恋人だけでなく、親しい友人にも広げられ、単純に相手に対しての愛情や親しい気持ちを表す方法となるのです。
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エスキモーキスとは？鼻をこすり合わせる方法が特徴的なキスの種類のまとめ
通常の唇同士のキスとはその意味合いが異なるものの、キスの一種として知られるエスキモーキスについて、その方法や歴史、そして文化による違いまでを見てきました。
イヌイットによる「エスキモーキス」は、1922年に公開された「極北の怪異」と言う、北極圏の人々の文化や生活を撮影したドキュメンタリー映画によって、世界中に広く知られることとなりました。
しかし、実際にはイヌイット社会以外にもエスキモーキスと同様または近しい愛情表現が存在していたのも事実です。
いずれにせよ、古来から現在まで、これら「エスキモーキス」は、異なるコミュニティや文化の中で伝統的な挨拶として、親子の絆形成として、そしてロマンチックなジェスチャーとしてなど、様々な捉え方をされてきたものの、根底として「愛情」や「親愛」を示す手段であるということは変わりません。
