大天使ハニエルについて紹介していきます。役割や色、そして聖書やカバラ思想におけるハニエルの描写までを見ていきましょう。
キリスト教やユダヤ教など、聖書の預言者アブラハムの宗教的伝統を受け継ぐ宗教には、「天使」と呼ばれる存在が描かれています。
そして、非常に多くの天使が語られる中でも、特に強力な力を持ち合わせて重要な役割を担う天使たちは大天使と呼ばれますが、その大天使の一人として名前が挙がるのが「ハニエル」です。
この記事では大天使ハニエルについて、役割や色、そして聖書やカバラ思想における描写までを含めて解説していきます。
大天使ハニエルとは?
アナエルやアリエルなどとも呼ばれる大天使ハニエルとは、エノク書や旧約聖書の民数記などでその存在が語られる天使の一人。
ヘブライ語で、
- 「神の喜び」
- 「神の優美」
- 「神の栄光」
- 「神を見る者」
などを意味し、美しさ、優美さ、そして霊力を持つ天使として大天使の一人に含まれ、天使中位三隊の力天使と、天使下位三隊の権天使の序列を支配するとされます。
そして、大天使ハニエルの主な役割は人間と神の国をつなぐことにあり、人間のもつ霊気と意識を高め、より神の叡智と真理に人間が近づくことを助けます。
加えて、より高い次元にある神の教えを、物理的実体を持つ人間が理解出来るように分かりやすく伝える役割も果たしています。
また、彼の誠実さや寛大な心、敬意をもつ者に対して癒しを与えて成長と変化を促す役割は、人間にとっては貴重な恵みとなります。
一方では激しい一面も持ちます。
ハニエルは猛々しいまでの力強さを表す時があり、それによって、重荷を抱える人間の心の奥底にまで入り込み、醜い情動や困難な状況をも恐れることなく良い方向へと変えていくように促すのです。
大天使ハニエルにまつわる5つの豆知識
金星と月をつかさどる女性的な大天使
大天使ハニエルが実体をもって人間の前にあらわれる時、女性の姿をしていると描写されることが一般的です(※ただし、あくまでも姿であってハニエルに対しては「彼」という代名詞が適用される)。
この特徴によって、大天使ハニエルは、女性の体のリズムを整え、直感や霊視、霊感の感度を高める助けをしているとも言われます。
さらに、愛と美を支配している天使であることから、魔術においては「寵愛」を勝ち取るために呼び出されます。
また、金星と月に関係のある大天使であり、12月を支配しています。
ハニエルの色と光
大天使ハニエルは、感情を癒す「ターコイズブルーの光」をまとっていると描写されます。
青と緑の色がバランスよく混ざったターコイズブルーの光は、天の国と、実体を持つ人間界をつなぐハニエルの力を象徴しているのです。
また、ターコイズブルーの光は人間に対して、
- エネルギーのバランスをとる手助けをする
- 喜びに気づかせる
- 力強さを与えて安心感をもたらす
- 神の叡智に触れさせて理解を深める手助けをする
といった力もあるとされることから、これらもハニエルが持つ色と光による恩恵と解釈出来ます。
このような背景からハニエルは通常、癒しの力とターコイズブルーの光をまとう優美で愛に溢れた、全てを育む存在のように描かれます。
他にも押さえておきたいハニエルの役割
- 以下のような状況で大天使ハニエルの存在は非常に力強い味方となる
- 感情の荒波を超えていく時
- 婦人科系の問題に悩んでいる時
- 何かに傷つきやすくなっている時
- 単に現状から抜け出して一歩前に進みたいと願う時
- 人間の抱えている重荷がなんであれ、まっすぐに飛びこみ寄り添う
- 大天使のなかでも特にこの傾向が強い
- 困難や先の見通せない状況のなかにあっても、平静さと自信を保てるよう支えてくれる
- 人間が進むべき最良の道を照らして真の喜び、愛、達成感を与える
- 人間の奥深いところにある「本当の自分」に気づく手助けをする
カバラ思想における大天使ハニエル
ユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想または教義とされる「カバラ」によると、ハニエルは10ある生命の樹(セフィロトの樹)を表現する10人の大天使のうちの1人だとされています。
10人の大天使は、各々が人間のエネルギーを高めてくれる存在だと考えられており、対応する天球が金星となる第七のセフィロトに宿るのがハニエルです。
喜びの天使であり、永遠の世界における創造力を司り、「時空を超えた天上の神の世界」と「地上の人間の世界」をつなぐ助けをしていると解釈されます。
聖書におけるハニエルとは?
聖書のなかで大天使ハニエルに関する明確な言及はありませんが、ハニエルの名が登場する箇所が2つあります。
まず一つ目が、旧約聖書民数記34章23節に書かれている部分で、そこではマナセ家系の部族の王子として以下のように記されています。
ヨセフの子マナセの家系の部族は、エフォドの子で指導者のハニエル、
(引用:日本聖書協会)
また、旧約聖書に収められたユダヤの歴史書である「歴代誌」では、その第7章39節に、
ウラの子らはアラ、ハニエル、リツヤ。
(引用:日本聖書協会)
という記述で、ウラの息子の名前として出てきます。
また、興味深いことに、旧約聖書の外典とされる第三エノク書では、ハニエルは預言者エノクを火車のなかから救い出し、天の国へと導いた天使の1人とされています。
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大天使ハニエルとは?役割や色・聖書やカバラにおける描写までのまとめ
大天使ハニエルについて、役割や色、さらには聖書やカバラにおける描写までを紹介してきました。
天使と呼ばれる存在は無数にいますが、中でもハニエルも含まれる大天使は、特に知っておきたい存在です。