FIREムーブメントのメリットとデメリットって何だろう?

FIREムーブメントのメリットとデメリットを紹介してきます。実際にFIREを実践しているからこそ感じられる、良い点と悪い点を確認していきましょう。

定年よりも早い段階で経済的自立を目指して退職し、自分が本来抱えていた目標やビジョンに向かって人生を送っていくことを目指すFIREムーブメントについて、実際にFIREを実践している私(筆者)の経験を踏まえながら、あまり日本ではまだそこまで触れられていないメリットとデメリットについて触れていきたいと思います。

メリットについては比較的よく触れられるものの、日本ではまだFIREを実践している人が少ないからこそ、デメリットが指摘されることが少ない気がするので、FIREを目指したい人は参考にしてください。

では見ていきましょう。

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FIREのメリット

メリット① 働きたければ働けるでも働かなくてもいい

私がFIREを実践している中で理解していることとして、FIREムーブメントが目指す究極の目的は決して、

  • 早期退職を実現すること

ではなくて、

  • 「人生における夢や目標を追い求める自由を手に入れること」

だと思っています。

そのためFIREでは、必ずしも完全に仕事を辞めなければならないわけではないです。

今いる会社を退職してFIRE生活に入った時には経済的自立を達成しているはずなので、最悪働かなくてもなんとなる状況が出来上がっています。

そのため、

  • たとえ安くても給料に関係なく元々取り組みたかったNPOで働く
  • 労働は一切せずに運用で毎月の支出分を確保しながら資産を減らさず、お金にはならないけど好きな創作活動に取り組む

といったことが可能になるんです。

この、働きたければはたらけばいいし、働きたくなければ働かなくてもいいと言う状況は、FIRE生活の大きなメリットだと思います。

メリット② 仕事の価値観のシフトによって起こる「時間に対する自由な感覚」の解放

FIREを目指す人のほとんどが頭で理解していることだと思いますが、セミリタイア状態になるFIRE生活では時間の自由が効くようになります。

完全な退職とは違ってFIREでは、自分がしたいと思えば働くこともありますが、生活のために会社で働いている大多数の人と違い、

  • 自分の好きなことを選んで働くことが出来る

ため、例え同じ時間働いたとしても、労働に対する「意義」や「感覚」と言うのはかなり異なってきます。

労働に対する価値観のシフトが起きるので、労働が、

  • 自らの人生をより楽しくするもの
  • 社会と接点を持ち続けるもの
  • 何かを学ぶもの

といったポジティブなものに変わり、またそこで得られる対価というのも「生活するために必要なもの」から、より人生に余裕を持たせるための「付属的なもの」へ変化します。

この仕事に対しての価値観のシフトってかなりインパクトが大きいです。

いくら仕事に時間を費やしていても「時間を自由に使っているという感覚」をキープ出来るので、精神面で大きな自由を得られます。

メリット③ 人生をコントルールすることでの幸福感と満足感の上昇

時間に対する自由な感覚を得る → 精神面で大きな自由を手に入れられる」という上のポイントに関連していますが、FIREの大きなメリットとして、自分の人生をもっとコントロールすることが出来るというのがあります。

通常、どこかの会社や組織に雇われて働いている場合、

  • 労働時間の自由
  • 取り組む仕事の自由
  • 場所の自由
  • 人間関係の自由

などは大抵制限されています。

Googleや一部の外資系、または一部の革新的なイケイケスタートアップを除いて、上4つの自由に関してはほぼ固定されているはずです。

すると、嫌でも無理をしながら自分の貴重な時間を提供して労働に従事しなくてはいけなくなるわけです。

もちろん、人によってはそれが楽しいと感じられる場合もあると思いますが、会社や組織に所属していては本来の人生の目標を達成出来ないと感じる人にとっては、とにかく苦痛に感じられるはずです。

それに対して、FIRE生活では基本的に上の4つはほぼ自由です。

そのため、毎日の生活をより自分でコントロールしていかなくてはいけない反面、それが出来るようになると多くの人は人生に対してもっと満足感を得られたり、幸福感を得られるようになるんじゃないかと思います。

実際私の場合は、FIRE生活を送ることで、会社勤めをしていた頃より得られる満足感や幸福感は大きいです。

特に、自分が本当にやりたいことへ時間を費やせるようになった時は、とても強い幸福感やモチベーションを感じます。

メリット④ 家計のやりくりが上手になる

FIREムーブメントで推奨されているFIREの生活においては、支出を把握する」ことが「収入を増やすこと」よりも大切です。

この辺りについて詳しく知りたければ、FIREムーブメントのFIREとは?方法・やり方の基本を経験から述べるを確認してもらうとして、支出について十分に把握してコントロールすることが出来ると、ほぼ確実に多くの恩恵を受けられるようになります。

例えばですが、日頃の生活で何気なく払っているものの多くは、

  • そもそも払う必要がない
  • 支払額をもっと減らせる

ものばかりだったりします。

これに気づけると、無理することなく支出を減らせるようになる、簡単に言えば「無駄遣いが少なくなる」ために、最終的にはお金をもっと増やせるようになります。

FIREでは、少ないお金で上手に暮らすためにも、毎月の支出額を細かく把握して計画したり、実践していくなかで出来る限り「お金が払う価値があるもの」以外には無駄遣いをしないように考えていきます。

その結果、お金の使い方に関してもっと賢い選択をして経済的なストレスを減らし、消費よりも投資を優先すると言うマインドセットが出来上がってきます。

FIREのデメリット

FIREには魅力的なメリットがいくつもあるのに対して、デメリットも複数考えられるので、FIREを目指すのであれば把握しておいた方がいいです。

デメリット① 想定よりもお金がかかるかもしれない

FIREムーブメントの中で一般的に強調される、FIREを始めるにあたっての用意するべき金融資産の目安は「一年間に必要な支出×25年分」です。

それを4%で運用して、一年間の支出を資産の4%以内に抑えておけば、半永久的に経済的自立を達成出来るとされています。

ただし、私はこの点に関しては結構懐疑的で、この一辺倒のガイドラインは危険だと思っています。

と言うのも、

  • インフレが起きたらどうするのか?
  • 病気や事故などで思いもしなかった大きな支出があったらどうするのか?
  • 消費税が上がったらどうするのか?
  • 保険の負担が増えたらどうするのか?

などの可能性が考えられるからです。

この場合、もしもFIRE生活の中でプラスαの収入口を作らないとしたら、それなりのリスクを覚悟しなくてはいけなくなります。

デメリット② 4%運用は安全って言うけどなかなかしんどいよ

また、「年率4%の運用はリスクがほとんどないから安心!だからこそ、4%で運用していけばOK」とされますが、そもそもお金の運用にはリスクが付き物で、元本割れする可能性もあるわけで、その時、精神的に平静を保っていられるかっていう問題があります。

例えば私の場合、過去に香港のHSBCでおよそ3000万円を運用していた際、安全だとされた方法でも5%ほどを失っています。

もっと長期で持っておけば良かったんですが、マーケットの状況が非常に不明瞭になっていたのと、最大で10%近く価格が落ちていたので、びびって値段が少し回復した辺りで損切りしました。

ちなみに、値段が回復したのはそれからおよそ6ヶ月後でした。

なので、FIREの4%ルールに従っていけば大丈夫と言っても、マーケットが下降トレンドの時なんかは、結構長期間に渡って心配し続けなくてはならないデメリットがあると思ってます。

もしもFIREを実践していくなら、4%ルールよりも「プラスαの収入口を確保すること」に重要を置いた方が良いと個人的には考えています。

デメリット③ 仕事自体も無くなってしまうかもしれない

また、心配しすぎるとキリがないんですが、FIREを始めるタイミングでプラスαの収入を得る仕事として想定していたもの自体が無くなってしまう可能性もあります。

現在ではFIREやセミリタイアなどをする人の多くは、インターネットを通して単発の仕事を受注して収入を得ています。

でも、これから10年後20年後の労働市場が今と同じように機能するかどうかは分かりません。

  • ネットでお金を稼ぐことを可能にした技術やサービスにまだ需要があるの?
  • 人工知能に仕事を奪われた結果、単発での仕事などは少なくなってしまわないのか?

さらにこうなった状況で、

  • 一旦FIRE生活に取り組んで数年間労働市場から抜けた人が、再び働くことは難しくなってしまわないのか?

といったリスクがあり、これがFIREのデメリットの一つなんじゃないかと思います。

デメリット④ そもそもFIREを開始するまでの辛さ

私の場合は運良く、そこまで長期に取り組まなくてもFIRE生活を始めることが出来ました(詳しくはFIREムーブメントのFIREとは?方法・やり方の基本を経験から述べるに書いてあります)。

しかし、相続によってある程度の資産を既に持っていたり、よっぽど年収が高い人でない限り、FIRE生活に必要な金融資産を作るのには結構長い時間が必要で、どこに住むか、毎年どれだけの支出をするかにもよりますが、FIREを目指し始めてから最低でも10年弱、普通なら15年から20年は倹約生活が続くと考えておいた方がいいです。

そのため、なかには今やりたいことを我慢して、かなり大きな節約を続けながら生活をし続けなくてはならないというデメリットがあると思います。

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FIREムーブメントのメリットとデメリットって何だろう?のまとめ

「人生における夢や目標を追い求める自由を手に入れること」を可能にするFIREは、自由や満足感の上昇といったとても魅力的なメリットがあります。

それに対して、あまり話題になりませんが、リスクの面と開始するまでの難易度に関してはデメリットがあると思います。

全ての人にFIREがおすすめだという訳ではないので注意が必要で、むしろ今働いている会社から転職したり、業界自体を変えてみるといった方が良い場合も多々あるはずです。

FIREのメリットとデメリットを十分に比較しながら、自分にあった道を検討していきましょう。

ちなみに、FIREへの取り組みを検討しているなら、FIREで済的的自由を達成したから学んだ4つのことも合わせて確認してみてください。

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