ギリシャ神話の英雄|イアソン・オルフェウス・アタランテなど

ギリシャ神話の英雄11人を、その偉業や登場する文学作品などに触れながら簡単に紹介していきます。ギリシャ神話の理解を深めるためにも参考にしてください。

ギリシャ神話は壮大な物語として知られ、後の西洋文化の形成にも大きく影響を与えてきました。

そしてその中では、様々な神々や怪物達に加えて、英雄と呼ばれる存在が多く登場し、物語を彩っています。

例えば、ヘラクレスやアキレスと言ったギリシャ神話の英雄については、詳細は知らなくても名前を聞いたことがあるでしょう。

この記事では、そんなギリシャ神話の英雄の中から、11人の英雄をピックアップして紹介していこうと思います。

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ギリシャの英雄1:ヘラクレス(ヘーラクレース)

勇猛果敢なヘラクレス(ヘーラクレース)は、ギリシャ神話のなかでおそらく最も有名で、1番人気な英雄でしょう。

ゼウスとアルクメーネ(ペルセウスの孫娘)の息子で、半神半人の英雄として知られ、人間の力を超越した戦士に成長しました。

しかし、ゼウスが隠れてアルクメーネとの間に子供を作ったことに嫉妬したゼウスの妻「ヘラ」によって、ヘラクレスは錯乱させられ、自分の妻と子どもたちを殺してしまいます。

その後、自らの行いの償いとしてヘラクレスは、「12の功業」と呼ばれる12の異なる困難なつとめを果たし、後にこの功業は、様々な芸術や芝居の題材となります。

その姿はしばしば、筋骨隆々な体へ獅子の毛皮をまとい、こん棒を振りかざす姿で描かれます。

ギリシャの英雄2:アキレス(アキレウス)

アキレスまたはアキレウスは、ギリシャ神話の中でホメロスの叙事詩「イーリアス」の主人公として登場する英雄。

有名なトロイの木馬にまつわるトロイ戦争に参加し、たった一人で形成を逆転させるなど、無敵の力を誇ったとして知られ、ギリシャ勢の英雄として活躍しました。

しかし最後には、トロイの王子パリスに弱点である「かかと」を傷つけられ死に至ります。

これは、アキレスが幼い頃、母親によってステュクス川の水へその身体を浸されて不死身となったものの、その際に彼の母親はアキレスのかかとを掴んでいたため、かかとだけは不死の力を得なかったのが理由です。

このアキレスの話によって、今ではかかとの骨とふくらはぎの筋肉をつなぐ腱は「アキレス腱」と呼ばれると同時に、小さくとも急所となる弱点のことを英語では、「アキレスのかかと」と表現されています。

ギリシャの英雄3:ヘクトル(ヘクトール)

トロイ王の息子でありトロイ戦争においてトロイ防衛軍を率いたヘクトル(ヘクトール)は、ギリシャ神話に登場する英雄の一人です。

最終的に軍勢は破れたものの、ヘクトルの勇猛さとその気高さは広く尊ばれてきました。

ホメロスの長編叙事詩「イーリアス」の物語の終盤でヘクトルは、ギリシャ随一の戦士アキレスと闘うことになり、初めは逃げ回って街を3周するヘクトルでしたが、恐れを振り払って一騎打ちへと向かいます。

闘いのさなかヘクトルは、神々が選んだのはアキレスのほうであることを悟りますが、自らの死を見据えながらも勇猛果敢に闘い抜いたのです。

「イーリアス」によれば、トロイ戦争の結果は神々の手によるものでした。

ギリシャの英雄4:オデュッセウス

イタケー島の王であり名高い戦士でもあるオデュッセウスは、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」に登場し、トロイ戦争でギリシャ側の勝利に貢献したギリシャ神話の英雄。

戦いが終わった後、イタケーの地と妻ペネロペの元に戻るまでには10年近くの歳月がかかり、その帰還の道すがら、巨人ポリュペモス、海の魔物セイレン、怪物スキュラとカリブディスといった化け物たちと出くわすも、その度胸と知略で危機を乗り切ったことで知られます。

故国イタケーに帰還するとオデュッセウスは、ペネロペにその姿を明かして再び王位につきました。

ギリシャの英雄5:アイネアス(アイネイアース)

古代ローマの始祖と言われ、詩人ウェルギリウスの叙事詩「アエネーイス」に登場する英雄アイネアス(アイネイアース)は、ギリシャ神話とローマ神話、双方における主要人物です。

トロイ戦争ではトロイ勢として戦いましたが、アフロディテやアポロン、ポセイドンの寵を受けていたため、例外的にギリシャ勢に殺害されず生き残りました。

トロイ戦争終結後はイタリアに逃れ、その末裔がローマ建国を成し遂げたとされます。

ギリシャの英雄6:テセウス(テーセウス)

テセウス(テーセウス)は、クレタ島の迷宮ラビリンスに住む怪物ミノタウロスをはじめとする、数多くの化け物を退治したことでその名を知られるギリシャ神話の英雄であり、また、古代アテナイ(アテネ)の王。

古代においてアテネはクレタ島のミノス王の勢力下に置かれていた時期がありましたが、当時、アテネの住民は毎年、怪物ミノタウロスに14人の若者の生け贄を捧げなくてはなりませんでした。

そんな中、テセウスはミノタウロスを倒すため、自ら生贄の一人となってクレタ島へ乗り込みます。

そこでテセウスはミノス王の娘アリアドネに会い、アリアドネがテセウスに恋をしたことで、彼女はテセウスを助けるために、赤い麻糸の鞠と短剣をこっそり手渡しました。

アリアドネから渡された短剣でミノタウロスを倒し、その後には糸玉を辿って迷宮ラビリンスから脱出したテセウスは、後にアテネ王となり戦士としてもその名を上げていきました。

ちなみに、テセウスはアテネ王アイゲウスの息子とされますが、海の神ポセイドンの息子と描写されることもあります。

ギリシャの英雄7:ペルセウス

ゼウスとダナエの息子で、その機転と戦士としての天賦の才で危険な偉業を成し遂げていったことで知られるペルセウスは、半神半人の英雄の一人。

ペルセウスにまつわる最も名高い話は、ギリシャ神話に登場する怪物メドゥーサの退治です。

メドューサは自らの姿を目にした者を石にしてしまう能力を持っているため、、ペルセウスは鏡に映ったメドゥーサを見ながら倒しにかかったのです。

剣で首をはねた後、その首を袋に納めました。

その後、海上で怪獣に襲われたアンドロメダ王女を救うため、ペルセウスは袋のなかのメドゥーサの首を取り出し、怪獣を石に変え、王女を救ったのでした。

ギリシャの英雄8:イアソン(イアーソーン)

イアソン(イアーソーン)は、伝説の黄金の羊の毛皮を求めて航海をした50人の英雄、アルゴナウタイを率いた指揮官。

叔父であるペリアスに王権を奪われますが、牡羊座となった伝説の羽をもつ羊の毛皮を持ち帰ってくれば王位を譲ると約束されたことで航海へ旅立ちます。

その航海中、イアソンとアルゴナウタイの一行は、歌声で誘い出し男たちの命を狙う魔物セイレンと対決するなど幾多の困難を乗り越えていくのです。

後にイアソンの妻となる魔力をもつメディアの助けを受け、一行は金羊毛を無事手に入れました。

ギリシャの英雄9:オルフェウス

オルフェウスは、ギリシャ神話に登場する吟遊詩人で、古代ギリシャ世界における密儀宗教のオルフェウス教の始祖とされる英雄。

カリオペとオイアグロス(名義上の父はアポロン)の子であるオルフェウスは、音楽の才に秀でていました。

オルフェウスが竪琴を奏でると動物たちも惹きつけられ、川までも流れを止めるほどだったと言います。

ある日、妻エウリュディケが死んでしまったことで、オルフェウスは黄泉の国まで行き、妻を探します。

そこで、黄泉の国の神ハーデスに会うと、オルフェウスは音楽を奏で、その音色はハーデスの心を動かし、条件付きで妻を連れて帰ることを許されたのです。

その条件とは、妻の前をオルフェウスが歩き、2人が黄泉の国を出るまで決して振り返らないというものでした。

しかし愛する妻を一目見たい誘惑に勝てず、オルフェウスは振り返ってしまったことで、エウリュディケは永遠にその姿を消してしまいました。

ギリシャの英雄10:プロメテウス(プロメーテウス)

プロメテウス(プロメーテウス)は、ティーターン(タイタン)神族と呼ばれる巨神族の1柱ですが、対立するオリュンポスの神々にティーターン族が打ち破れることを予見し、自らゼウス側についたことで知られます。

また、天から火を盗み、自然界の猛威や寒さに怯える人間達へ、その火を与えた存在として、さらには人間を想像した存在として、神でありながら英雄的扱いされることがあります。

天界の火を盗んで人へ与えたことで、ゼウスの怒りをかってしまった結果、プロメテウスにはコーカサス山の岩に鎖でつながれ、鷲にその肝臓をつつかれるという罰が与えられました。

そして、神であったことで不死の力を持っていたプロメテウスは死ぬことはなく、この拷問は3万年間も続きました。

諸説ありますが、プロメテウスは最終的に、ヘラクレスによって救い出されたと言われています。

ギリシャの英雄11:アタランテ(アタランテー)

ギリシャ神話に登場する英雄の多くは男性なのに対して、珍しく女性でありながら英雄に値すると言えるのがアタランテ(アタランテー)。

生まれた直後に山へ捨てられたことから、野生環境で自由に成長したアタランテは、狩りの名人として知られます。

アタランテにまつわる話としては、求婚者達との競争の話が有名です。

アタランテの名前が知られるようになると、多くの男性達が彼女へ求婚するために押し寄せました。

そこで、アタランテはいわゆるかけっこで自分に勝った男性と結婚すると言い、逆に負けた男性はその時点で射殺するといって競争をしたのです。

野生で鍛えた彼女の走りは相当なもので、多くの男性が命を落としてしまいましたが、ヒッポメネスという男性は競争の中で3つの黄金のリンゴを投げてアタランテの気を削ぐことに成功。

結果的に、ヒッポメネスが勝利したことで、二人は結婚することになりました。

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ギリシャ神話の英雄|イアソン・オルフェウス・アタランテなどのまとめ

ギリシャ神話に登場する英雄を11人紹介してきました。

ギリシャ神話には他にも多くの個性豊かな登場人物が登場し、壮大な物語を作り上げています。

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

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