フランスの宮殿を一覧にして見ていきましょう。歴代のフランス王が使用した王宮から、歴史的事件「アヴィニョン捕囚」によって一時的に法王の宮殿になった建物などを見ていきます。
フランスには歴史的な建物が多く残っていますが、これらフランスの建物の壮大さはとても有名です。
そして、中にはかつて、フランスの王や皇帝、そしてカトリック教会の法王(教皇)のための宮殿として使われていたものも存在し、フランスを訪れた人たちを魅了しています。
この記事では、それらフランスにある宮殿の中から10の建物を厳選して一覧にし、それぞれを簡単に紹介していこうと思います。
フランスの宮殿1:ヴェルサイユ宮殿
フランスにある宮殿の中でおそらく最も世界的に有名なのが「ヴェルサイユ宮殿」。
パリから南西に少し離れたヴェルサイユという街にあり、ルイ14世によって建てられたことでフランス絶対旺盛の象徴的建物となり、過去には有名なマリー・アントワネットが住んでいたなど、ヨーロッパで最も歴史的に重要な宮殿の1つになりました。
現在でも6万7000㎡と非常に広大な領地を誇りますが、なんとヴェルサイユ宮殿が建てられた当時は現在のおよそ10倍近い広さで、20kmに及ぶ道や200,000本の木が植えられていたなど、その規模が伺えます。
ヴェルサイユの宮殿と庭園は、1979年にユネスコの世界遺産に登録され、現在はフランスが誇る観光地として多くの人々を魅了しています。
フランスの宮殿2:アヴィニョン教皇庁
アヴィニョン教皇庁は、ヨーロッパで最も大きくて重要な、ゴシック様式で中世に建てられた建築物の1つです。
キリスト教カトリックのローマ教皇の座が、ローマからアヴィニョンに移されていた時期であるアヴィニョン捕囚(1309〜1377年)のために設けられた教皇(法王)のための宮殿で、フランスのアヴィニョンに建てられたことからその名前が付けられています。
ヨハネス22世やベネディクトゥス12世など合計で7人の教皇たちが、堅固な岩に守られた要塞としても機能するこの宮殿に住んでいた過去があり、ゴシック様式が最盛期だった頃に作られた建物としても知られます。
また、その歴史的な重要性によって、周辺地区と合わせて1995年にはユネスコ世界文化遺産に登録されています。
フランスの宮殿3:ルーヴル宮殿
かつては歴代のフランス王達に王宮として使用され、現在は世界最大級のルーヴル美術館があることで世界的に有名なのがルーヴル宮殿。
ルイ14世がヴェルサイユ宮殿に移った1682年まで、王宮として使われてきました。
フランス革命後、ルーヴル宮殿は文化や芸術のために利用すると決まり、この結果、現在では美術館として使われているのです。
ルーヴル美術館はおよそ380,000点もの作品を収蔵していて、世界で最も重要な美術館の1つであり、毎年1000万人近くの入場者を迎え入れています。
フランスの宮殿4:フォンテーヌブロー宮殿
フランスのセーヌ=エ=マルヌ県フォンテーヌブローに位置いるフォンテーヌブロー宮殿は、フランスで最も大きな王宮の1つで、700年以上フランスの王や皇帝達の宮殿として使われていました。
宮殿が囲む中庭、宮殿の構造や内装は、王達が生きた時代のフランスを代表していると言えます。
さらに、19世紀初頭には、フランス出身で世界的に有名な歴史的偉人「ナポレオン・ボナパルト」もこの宮殿を気に入り、自分の好みに合わせて改築を行っていました。
現在のフォンテーヌブロー宮殿ではガイドツアーがあり、そのツアーでは歴代の皇帝達の居室や書斎を見ることが出来ます。
特に16世紀にフランソワ1世とアンリ2世の指揮の下で装飾された美しいルネサンス様式の部屋は、それだけでも見る価値があるでしょう。
このように文化的にも歴史的にも価値が高いことから、1981年にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。
フランスの宮殿5:コンシェルジェリー(シテ宮殿)
シテ宮殿またはコンシェルジュリーは、パリを流れるセーヌ川の中洲「シテ島」の西側にある歴史的建築物。
元々、10世紀から14世紀にかけてフランス王達の主な宮殿として利用されていましたが、その後には監獄として利用されるようになり、フランス革命期の1793年にはマリー・アントワネットが投獄された場所としても知られます。
一方で、現在は監獄としての役割は廃止され、「パレ・ド・ジュスティス」と呼ばれ、複数の主要な司法機関が置かれている建物として機能し、また、フランスにおける有名な観光地の一つとなっています。
フランスの宮殿6:ファロ宮殿
フランスで二番目に大きな都市であるマルセイユには、1858年にナポレオン3世の命によって着工が始まったファロ宮殿があります。
しかし、ナポレオン3世が皇帝としてなったフランス第二帝政は1870年までしか続かなかったこと、さらにファロ宮殿の工事が遅れたことなどから、ナポレオン3世の治世には完成されませんでした。
そのため、自らの邸宅として建設したものの、ナポレオン3世は一度も住むことがなかった場所として知られます。
現在は、マルセイユを象徴する建築物として有名で、主に会議場などとして使用されています。
フランスの宮殿7:レジオン・ドヌール宮
パリに流れるセーヌ川の左岸に建てられたレジオン・ドヌール宮は、元々18世紀後半に建てられたものの、フランス革命によってそれから約20年後には国家の所有物とされてしまいました。
ドヌールをフランス語で表した「d’ Honneur」は「名誉の」という意味であることから、現在はフランスが与える最高の賞である「レジオン・ドヌール勲章」の勲位局がある場所として使用され、これまで数々の功労者達を讃えてきました。
また、勲章を展示しているレジオン・ドヌール博物館を建物の内側に備えています。
フランスの宮殿8:リュクサンブール宮殿
フランス市内にある宮殿の一つ「リュクサンブール宮殿」は、元々はピネー=リュクサンブール公フランソワの邸宅として使われていたものが17世紀に、ルイ13世の母であるマリー・ド・メディシスの王宮として改築されたもの。
しかしその後のフランス革命後に国家によって摂取された結果、上で紹介したコンシェルジュリーと同じように監獄として使用されることとなったこともありました。
さらに第二次世界大戦中、フランスがナチスドイツの征服下にあった時は、ドイツ軍の空軍司令部の拠点として使用されました。
現在はフランス元老院の議事堂として利用され、周囲を囲むリュクサンブール公園と合わせてパリの観光スポットの一つとなっています。
フランスの宮殿9:エリゼ宮殿
1718年にフランス貴族であったルイ・アンリ・ド・ラ・トゥール・ドーヴェルニュのために建築が始まり1722年に完成したパリ市内のエリザ宮殿は、およそ150年間の間、貴族や王家の人々を迎え入れてきました。
フランス第二共和政の国民議会による決定によって、1848年にはフランス大統領の官邸として始めて利用され、その後には何度か大統領官邸としての役割を失ったものの、現在もここに大統領官邸が置かれています。
また、そのようなフランスにとって重要な役割を持つことから、宮殿内部を見学することは可能ですが、特定の参観日だけに限られています。
フランスの宮殿10:マジョルク王宮
フランス南西部の端と言って良い場所にあるペルピニャンの街には、マジョルク王宮と呼ばれるこの街にとっては歴史的にも文化的にも重要な建物があります。
1276年にマヨルカ王のハイメ1世用の宮殿として建てられ、それ以降はゴシック様式の建築物として完成され、17世紀には城壁が強化され、より要塞王宮的な特徴を兼ね備えていきました。
マヨルカ王国は地中海に浮かぶマヨルカ島を中心に栄えていった王国で、ペルピニャンはその中心地の一つだったため、マジョルク王宮はマヨルカ王国を知るためにも非常に大切な意味を持つ建造物だと言えます。
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フランスの宮殿一覧|歴史的な王宮から法王のための宮殿までのまとめ
フランスにある10の宮殿を一覧にしてまとめてみました。
フランスにはそこまで有名でない宮殿が他にもいくつか存在し、また、城に関しては宮殿以上に多く残っているので、フランスの歴史や文化を肌で感じるためにも訪れてみましょう。