マリー・アントワネットの身長はどれほどだったのでしょうか?当時のエピソードや時代背景などを踏まえて論理的に考察していきます。
マリー・アントワネット(1774〜1792年)は、オーストリア大公であったマリア・テレジアの娘として生まれ、フランスのルイ16世と結婚したことで、その後にはフランス王妃となったことで知られる歴史的人物です。
当時の社会的では貧困が大きな問題になっていたのにも関わらず、宮殿で豪華な生活を送っていたために民衆軽視と見なされ、フランス革命が起きると最終的には処刑されてしまいました。
このような背景もあり、また、その美しさと軽率な浪費家というイメージから、マリー・アントワネットに対しては現代でも度々注目が集まり、その中には彼女の身長に関しての真偽も含まれます。
この記事では、マリー・アントワネットの実際の身長はどれぐらいだったのかについて、論理的な考察を含めた答えを示していきたいと思います。
マリー・アントワネットの身長はどのくらいだったか?
一般的な説 | 158.75〜167.64cm(5フィート2.5〜6インチ) |
論理的な考察による予想 | 158.75cm(5フィート2.5インチ) |
今から200年以上も前に生まれて18世紀に生きたマリー・アントワネットの身長に関しては、特に記録が残っているわけでもないため、現在となっては正確に求めることは出来ません。
そのような状況でも様々な考察や憶測がなされた結果、マリー・アントワネットの身長は158.75cm(5フィート2.5インチ)から167.64cm(5フィート6インチ)の間とされています。
しかし、当時の状況などを踏まえた上で論理的に考えていくと、どうやら158.75(5フィート2.5インチ)ぐらいであったと考えた方がしっくりときます。
マリー・アントワネットの身長に関する論理的考察
以下ではなぜ158.75cmという数値の方が、マリー・アントワネットの実際の身長に近いと考えられるかに関して、6つの理由を挙げていきます。
① 朗読係による証言
She has a most graceful figure; holds herself well; and if, as may be hoped, she grows a little taller, she will possess every good quality one could wish for in a great princess. Her heart and character are both excellent.
彼女の姿は非常に優雅であり、振舞いも美しい。他に何か望むとするなら、もしもう少し背が高ければ、優れた王女に求められる資質を全て兼ね備えた女性になることであろう。彼女の心と性格はともにすばらしい。
(マリー・アントワネットの朗読係であった「マチュー=ジャック・ド・ヴェルモン」による言葉)
これは、マリー・アントワネットが13歳の時の描写です。
そのため、思春期をこれから迎える、または思春期中であった彼女の身長は、その後伸びていった可能性も考えられますが、13歳の彼女は、当時の人の中でも比較的身長が低かったことが考察されます。
② 当時の平均身長は現在よりも圧倒的に低かった
当時のヨーロッパに生きた人々の平均身長は、現在の平均身長よりかなり低かった点も忘れてはならないでしょう。
特に、マリー・アントワネットが生きた当時のヨーロッパの人々の身長は、それ以前の数百年における平均身長に比べてやや減少したと考えられており、中世の時代に生きた祖先に比較して、18世紀の人々は平均で約6.4cmも低くなっていました。
その結果、1760年頃の南フランスに生まれた人々の男女を合わせた平均身長は約162.6cmで、1780年にオーストリアに生まれた人々は平均で約160cmでした。
このような背景に加えて、13歳当時の身長が低いと惜しまれたことを踏まえると、マリー・アントワネットが、当時の男女平均を大きく超えたとするのは難しいのではと考えられます。
③ マリー・アントワネットが愛用したヒール
以下はマリー・アントワネットが履いていたとされる靴ですが、彼女はわずかにかかとのある靴(2.5〜3cmほどカカト部分が高くなっているヒール)を履いていたことでも知られています。
(出典:arts & COLLECTIONS)
③ 足載せ台の存在
また、マリー・アントワネットの身長として示される上限「167.64cm」は、18世紀のフランスやオーストリアの女性としては背の高い方ですが、観察され描写される立場にあった彼女は、常に非常に高い足載せ台に乗っていたことを忘れてはいけません。
④ ルイ16世との比較
マリー・アントワネットの夫であるフランス国王「ルイ16世」は、当時の男性としては背が高かったとして知られています。
ルイ16世に関しては、
標準をはるかに超えた体格をしていたとして有名なザクセン選帝侯の家系にある母のおかげで、ルイ16世は背が高く、非常に均整の取れた体つきをしており、並外れた体力があった。
という描写が残っているほどです。
そして、足載せ台を活用することで、身長の高い国王と並んで立ったマリー・アントワネットもまた、実際よりも背が高く映ったことでしょう。
しかし、その後の研究によって、ルイ16世に関しては現在、
- 太っていて、身長は167.64~170cm(5フィート6~7インチ)程度であった
という意見で一致しています。
さらに、マリー・アントワネットが国王よりも身長が高かったという記述や考察はなく、二人が並んで描かれた絵では、マリー・アントワネットが国王よりも低く描かれています。
⑥ 王妃にふさわしい姿勢
加えて、当時の上流階級の女性達が着用していたコルセットのおかげもあり、王妃にふさわしいピント伸びた姿勢を人前では晒していたはずです。
それがまた、マリー・アントワネットの身長を実際よりも高く印象付けたと予想出来ます。
結論として予想される身長幅の中でも低い方に考えるのが論理的
マリーアントワネットは確かに、絵の中などでは背が高めに見えないこともありません。
しかし、彼女に関わった人物の証言や王妃としての世間に対するアピール、さらに当時の身長に関する状況などを総合的に考えると、マリー・アントワネットの身長幅とされる158.75cmから167.64cmの中でも、下限となる158.75cmに近い可能性の方が高いと言えると思います。
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マリーアントワネットの身長を当時のエピソードも踏まえて考察のまとめ
マリー・アントワネットの身長を、異なる要素を論理的に考察してきました。
彼女の正確な身長を確実に知る手段はありませんが、考察の結果、その身長は158.75cmぐらいではないかという結論が導き出されました。