世界三大発明とは?なぜ3つの発明が世界を変えたのか?

世界三大発明とはルネサンス期、つまり15世紀から16世紀にかけて、ヨーロッパにおいて発明、改良、そして普及され、その後にヨーロッパの社会変革だけに収まらず、世界中に大きな影響を与えた3つの発明のことです。

その3つの発明とは火薬、羅針盤、活版印刷術。

当時、アラブ世界やアジアに文化、科学、軍事の面で圧倒されていたヨーロッパは、これら3つの発明によってアラビア並びにアジアからの脅威を斥けただけでなく、躍進して世界で大きな力を持つこととなり、ヨーロッパ主導とも言える現代の国際社会の基盤が出来上がっていったのです。

ただし、世界三大発明に関してはよくヨーロッパで発明されたと言われますが、実際にはいずれも中国大陸によって基本となるものが発明され、その後、15〜16世紀にヨーロッパで改良されて実用化に至ったというのが正確です。

この記事では、そんな世界三大発明それぞれについて簡単に見ていきます。

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世界三大発明① 火薬

火薬の中でも世界三大文明に含まれる種類のものは「黒色火薬」と呼ばれる火薬で、これは、

可燃物としての木炭と硫黄、酸化剤としての硝酸カリウム(硝石)の混合物よりなる火薬の一種

です。

中国大陸起源の四大発明(紙、火薬、羅針盤、印刷)の1つで、中国では6〜7世紀頃に発明されたと考えられています。

この黒色火薬がルネサンス期にヨーロッパで改良されて実用化されていった結果、ヨーロッパ諸国は火薬を実践で用いていない諸外国との戦争で圧倒的な優位性を獲得し、アフリカからアジアまで世界中に植民地の獲得並びに勢力拡大が出来るようになりました。

世界三大発明② 羅針盤

羅針盤とは簡単に言ってしまえば、、船舶や航空機の「方位・進路を測る」つまり「ナビゲーションする」目的で仕立てられた方位磁針(コンパス)のこと。

11世紀に生きた中国の沈括(しんかつ)によって編集された随筆集「夢渓筆談(むけいひつだん)」に初めての記述がなされていました。

ただし、その原型となるより単純な道具は3世紀頃の中国ですでに使われていたと考えられています。

この羅針盤がやがてルネサンス期のヨーロッパで改良されて実用化されると、食料はもちろんのこと、兵器などの大きな荷物も船によって輸送が可能となり、遠方への船出や貿易が盛んになっていきました。

また同時に、遠方への航海が可能になったことはヨーロッパ諸国の海外進出を駆り立てる結果ともなりました。

世界三大発明③ 活版印刷術

活版印刷とは凹凸の版の中でも凸部分にインクをつけて紙に転写する凸版印刷の一種。

中国では7〜8世紀頃、すでに木の板を利用した凸版印刷が利用されていましたが、1450年頃のヨーロッパでドイツ出身のヨハネス・グーテンベルクによって、金属を利用して作った活字(金属活字)を並べて文章にし、金属活字の凸部分を利用する活版印刷術が発明されました。

また、金属活字以外にも、油性インキ、印刷機、活字の鋳造装置などを開発していき、これらが組み合わさったことで大量印刷が可能となり、文書を書き残して社会へ広く行き渡せることが出来るようになって印刷という産業が興隆していったのです。

結果、最初こそ聖書が活版印刷されましたが、ヨーロッパではその後、学術書や実用書、歴史書や技術書などの印刷が一気に増えていき、ヨーロッパにおける科学や現代社会につながる社会システムの発展につながっていきました。

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