大天使ウリエルについて詳しく見ていきましょう。ウリエルが持つ意味や色、そして役割とは何なのか?四大天使の一角であるウリエルを知りたければ要チェックです。
聖書や伝承の世界には様々な天使が登場し、また、その数は非常に多いとされますが、中でも強力な力を持つ特別な天使達は「大天使」と呼ばれます。
そして、大天使の中でも重要度が異なり、特に大切だとされる四体の大天使達は四大天使と称され、そこには、大天使ミカエル、大天使ガブリエル、大天使ラファエル、そして大天使ウリエルが含まれます。
この中で、ミカエル、ガブリエル、ラファエルは三大天使と言われ、さらに重要度が増す大天使であるため、一般的にも有名ですが、対する大天使ウリエルは、そこまで知られていないことも多々あるかもしれません。
この記事では、その大天使ウリエルに関して、基本的な概要、意味、色、役割の4つの軸で詳しく見ていきます。
大天使ウリエルとは?
大天使ウリエルについて理解する上で重要なのが、エチオピア正教などの特定のキリスト教を除いたキリスト教の宗派、例えば最大の宗派であるカトリック教会においては現在、認可されていない天使である一方、ユダヤ教の特に神秘主義的文学においては重要とされる天使であるという点。
(出典:wikipedia)
ユダヤ教では「四大天使」に含まれ、ミカエル、ガブリエル、ラファエルと共に、大天使の中でも特に重要な4体の大天使の一角と見なされています。
しかし、現在のカトリック教会において、ウリエルは崇拝の対象から除外されており、ミカエル、ガブリエル、ラファエルで構成された「三大天使」が崇拝されているのです。
ただし、カトリック教会においても6世紀末、教皇グレゴリウス1世の時代には大天使に加えられていたこともあり、四大天使と言う場合は大天使ウリエルが含まれるのが一般的で、逆に、大天使ウリエルと言えば四大天使の一体と見なされる傾向にあります。
「ウリエル」の意味と描写
では、大天使ウリエルはどのような意味を持ち、また、どのような描写で描かれるのでしょうか?
まず、ウリエルを崇拝の対象としての天使と考え、「神の御前に立つ四人の天使」の一人、つまり四大天使の一角として考えるユダヤ教において「ウリエル(Uriel)」とは、
- 神の光
- 神の炎
という意味を持ち、ウリエルが運んできた「神の叡智のもたらす光」によって、
- 人々の生活のなかに美しさを保つ
- 人々にインスピレーションやモチベーションを与える
- 美しい心と前向きな精神を人々の心と暮らしの中に宿す
など、人々の人生を導く役割を持つ、非常に聡明な大天使であると描写されます。
誰かの助言が必要な場面や、物事を見る時に新しい観点を持ちたいと思った場合には、この大天使ウリエルが人々を導いてくれるのです。
異なる大天使ウリエルの描写
ただし、大天使ウリエルに関しては、言及されている書物によって、その描写が微妙に異なります。
以下では、2つの例を挙げておきましょう。
第一エノク書(エチオピア語エノク書)
第一エノク書(エチオピア語エノク書とも呼ばれる)は、最後の審判、天界と地獄、ノアの大洪水についての予言などが集められた黙示文書。
カトリック教会では旧聖書正典から外されて旧聖書外典と見なされていますが、エチオピア正教会においては未だに旧約聖書の一つとされているため、ウリエルも崇拝対象の大天使だと考えられています。
この第一エノク書においてウリエルは、ノアの方舟伝説における主人公「ノア」に対して、洪水が迫っていることを知らせた天使として描かれているのです。
ペトロの黙示録
ペトロの黙示録とは新約聖書の外典で、使徒ペトラによる天国と地獄の旅を描いた物です。
その中でウリエルは、
- 神を冒瀆する者を永久の業火で焼き、
- 不敬者を舌で吊り上げて火であぶり、
- 地獄の罪人たちを散々苦しめる
という「無慈悲な天使」として描写されています。
また、「最後の審判の時には全ての魂を席に座らせる」という役目を持っていたことから、ここでのウリエルは「懺悔の天使」であり「地獄の支配者」として描かれたのです。
大天使ウリエルの色は「赤」や「琥珀色」ただし「緑」とされることも
「神の炎」や「神の光」を意味する大天使ウリエルを象徴する色は、「赤」や「琥珀色」とされることが一般的です。
一方で、「緑」を象徴するとされることもあります。
これは、ウリエルには四元素の中でも「地」が割り当てられるとする考えがあり、この古代ギリシャを起源にする四元素の考えの中で地には「緑色」が対応していたからです。
大天使ウリエルの役割
役割① 信心深い生活をサポート
「神の光」という意味を持ち、「神の叡智のもたらす光」として描写され、聡明な知性の天使とさえ言われる大天使ウリエルは、人々が日常で信心深い生活を送れるように、インスピレーションやモチベーションを与えくれると言います。
これによって、神に背いた間違った行いに気持ちが傾きにくくなり、より安定した精神状態で、日々の生活を送っていけるようになるのです。
役割② 決断力や直感力を高めて人生を進めてくれる
神の叡智を見つける手助けをする天使としてウリエルは、人々が様々な状況で決断を下す時、新しい視点で物事を見るように仕向け、最終的に最も良い選択肢を出来るようにしてくれると言います。
例えば、幻視、夢、思いがけない気づきなど、いわゆる直感力や一種の霊能力のような力を対象とする人から一時的に引き出すことで、支援してくれるのです。
そして、このウリエルのサポートは、大きなプロジェクトや人生の岐路に立った時だけでなく、日頃の問題解決にも役立つとされます。
ちなみに、このような直感力を伸ばしたいと考えている人に対してウリエルは、定期的かつ継続して支援しようとするらしいです。
役割③ 芸術面での閃きを導く
さらに、日頃の生活の中で人々へインスピレーションを与えたり、人々の直感力を高めてくれる大天使ウリエルは、芸術面でのインスピレーション、つまり「閃き」を導く役割も果たします。
また、何か新しい物を考えたり作ったりする際に行われる「ブレインストーミング」において、人々がアイデアを出し合うタイミングでも、ウリエルがサポートしていると言われます。
このように、新しい作品を作る際に大天使ウリエルは、その過程を見守り、創作に携わる人々を見守ることから、「芸術家の守り神」としての側面も持ち合わせています。
役割④ 予言や警告を通して人々を守る
エノク書において、ノアへ洪水が来ることを知らせたと描写される通り、大天使ウリエルは必要に応じて予言や警告を対象者へ与える役割も負っています。
そのため例えば、大きな地震やそれに伴う津波、他にも川の大氾濫や雪山での雪崩など、危険に遭遇しそうな人、またはその周りの人達へ、直感という形で警告や予言を与え、人々を守ってくれるとされるのです。
加えて、危機を回避するための方法を、閃きという形のインスピレーションで与え、人々の命を守ろうとします。
役割⑤ 自信を高める助けをしてくれる
人々が日々の暮らしの中で前向きな精神を維持するためにも、ウリエルは閃きや知恵、そしてインスピレーションとモチベーションを与え続け、その人の自信を高めてくれるとされます。
また、自尊心を無くした人をゆっくりと癒し、必要であれば、自分の価値を損なうような人間関係から逃れるように導いてくれることもあると言います。
大天使ウリエルは、対象となる人へインスピレーションを与え続け、その人が自分の価値を見出して強くなり、最終的には善行を行うことが出来るようにサポートしてくれるのです。
役割⑥ 他人を助けるように動機づける
大天使ウリエルが司る赤色が象徴する意味の中には「愛」が含まれ、また「琥珀色」が象徴する意味には「奉仕」が含まれます。
そのため、大天使ウリエルは人に対して、神の叡智のもたらす光によって授けた知恵を使い、神の導きに従って他人のために尽くしてほしいと願っていると言われています。
ウリエルは、他者への奉仕こそが、真の豊かさ、真の報い、真の内なる平穏をもたらすと考えており、そのためにも、他人と平和的な関係を築くこと、謙虚に相手に尽くすこと、物質世界のその先を見据えること、意義ある使命に忠実であることを、インスピレーションを通して人々へ推奨しているのです。
また、他人を助けたいという「奉仕と愛」を感じた時、ウリエルはあらゆる方法で助けてくれると言います。
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四大天使に含まれる大天使ウリエルについて詳しく見てきました。
神の光や神の炎が意味するウリエルは、神の叡智のもたらす光によって、人々へ様々なインスピレーションを与え、前向きな日常生活や人生の実現を支援しているのです。