ドイツのコーヒーとカフェについて見ていきましょう。ドイツはコーヒーに関して厚みのある歴史を有し、コーヒー大国という顔を持ち合わせています。
ドイツに関して有名な飲み物と言えば「ビール」。
このことは良く知られていますが、ドイツではコーヒーも驚くほど飲まれており、ドイツはコーヒー大国とさえ言える国だったりします。
例えば、ドイツでは14歳以上の人口の80%がコーヒーを飲んでいるとされ、これはなんとスターバックスなどの大手コーヒーチェーンが誕生してきたアメリカでの数値より上です。
また、ドイツ国内におけるコーヒーの年間消費量はビールを上回り、街中には至る所にカフェがあるだけでなく、パン屋(ベーカリー)などでも一杯ずつ淹れ立てのコーヒーを注文出来るなど、ドイツは知る人ぞ知るコーヒー大国なのです。
この記事では、ドイツとコーヒーの関係から、ドイツのカフェに関するちょっとした豆知識までを紹介していきます。
ドイツとコーヒーの歴史
ドイツでコーヒーがそれほどまでに愛されている裏には、ドイツとコーヒーの切っても切れない歴史があります。
17世紀のドイツではすでに、男性も女性もコーヒーハウスに集っていました。
女性は他の女性客とお喋りを楽しみ、男性客はコーヒーを飲みながら愚痴をこぼしていたのです。
そして、これを指していつしか、
- 「kaffeeklatsch(カフィクラチ)」
- =コーヒーを飲みながらのお喋り
という言葉が生まれ、19世紀までには定着した単語となっていきました。
20世紀に入っても、ドイツとコーヒーの関係は深くなっていきました。
まず、コーヒーメーカー用のフィルターは1908年に開発されたわけですが、それはメリタ・ベンツというドイツ人女性によってでした。
現在世界中で、挽いたコーヒーの粉が浮いていないコーヒーを飲むことが出来るのは、このドイツ人女性のお陰だったのです。
さらに、1954年にはドイツ人男性のゴットローブ・ウィドマンがドリップ式電気コーヒーメーカーを発明しました。
そして現在、ドイツの人々は遅めの午後休憩、日曜、休日などに、家族や友達とケーキと一緒にコーヒーを楽しみます。
このように、紅茶よりもコーヒーに傾倒する国である今日のドイツにはまた、年に一度の「コーヒーの日」すらあるほどです。
ドイツで買える試してみたいコーヒーの種類
では、歴史的にもコーヒーとの関係が深いコーヒー大国ドイツでは、どのようなコーヒーを見つけることが出来るのでしょうか?
ここでは簡単に、ドイツで売られているコーヒーの中から試してみたいものを紹介していきます。
Dallmayr(ダルマイヤー)
長い歴史と伝統を持つドイツのDallmayrは、日本でも知られています。
中でもでも「フレンチプレスセレクション」は、人気のフレンチプレスのメーカーの協力で生み出された超粗挽きブレンド。
100%アラビカ豆使用のブレンドで、フローラルでスパイシーな香りがします。
他にも、
- Kilimanjaro
- あっさりとしたライトでフローラルな香り
- Granverde
- ナッツのような香りで柔らかい
- Prodomo
- 主力商品で香りとコクが強く滑らか
- Espresso Dark Roast
- 強いコクがあるけどほのかに果物とチョコレートの風味を持つ
などもおすすめです。
IDEE Kaffee(イデー・コーヒー)
IDEE Kaffeeはカフェインの含量が多めの、マイルドで美味しく飲めるコーヒー。
また、特殊な製法によって胃に優しいのもおすすめな点です。
Jacobs Kronung(ヤコブス・コーヒー)
1895年まで歴史を遡るドイツ生まれのコーヒーブランド「Jacobs Kronung」の中でも、以下の3つは試してみる価値があります。
- Jacobs Crema Intenso
- コクの強いダークロースト
- Jacobs Espresso
- 濃厚で口当たり良く、ほのかにスパイシーな香り
- Jacobs Crema
- 滑らかでバランスの良いミディアムロースト
Eilles Kaffee(アイレス・コーヒー)
Eilles Kaffeeの「Gourmet」は、際立つ香りと風味が楽しめておすすめ。
コーヒー粉でもインスタントでもお試せ、また、ドイツの航空会社ルフトハンザの飛行機内や、フランクフルトの空港でも提供されています。
Davidoff Cafe(ダビドフカフェ)
Davidoff Cafeはインスタントコーヒーとして抑えておきたいブランド。
中でも、「Creation Superieure Jade」のインスタントコーヒーは、選びぬかれたコロンビア産とブラジル産のアラビカ豆のブレンドが、心地よいコクと甘い香り、そして柔らかい味を生み出しています。
Tchibo(チボー)
Tchiboはドイツの至る所で見かけるコーヒーの小売店であると同時にカフェ。
また、店内にはコーヒーだけでなく、雑貨も置いてあったりと、一見すると何のお店か分からなくなることもあるけど、1949年からドイツにあるれっきとしたコーヒー屋さんです。
そのTchiboブランドの中でも例えば、
- Exclusive Ground
- コーヒー粉はエスプレッソに最適
- Beste Bohne
- 名前が意味する通り、「最高の豆」を慎重に収穫して完璧な状態に精製、焙煎して挽いたコーヒー粉
- Espresso Milano Style
- ミディアム・ダークローストで、濃厚で程よいコクの素晴らしいエスプレッソ
- Tchibo Black & White
- 強いコクがあって濃厚な、他では味わえないスペシャルコーヒー
などはおすすめです。
ドイツのカフェに関するちょっとした豆知識
コーヒー大国ドイツでコーヒーを楽しむためにも、カフェは絶対に外せません。
ここでは、ドイツでカフェに行くなら抑えておきたい、くつかの豆知識を紹介しておきます。
ドイツのカフェはコーヒーだけじゃない!
通常、カフェと言えばコーヒーを主に出す場所という認識でいると、ドイツのカフェでソファーに座ってビールを飲んでいるドイツ人達を見ると驚くかもしれません。
さらに、ドイツのカフェはアルコールを提供するだけでなく、夜が更けるに従って、どちらかというとバーのようだとさえ言える場所になってきます。
実際、多くのカフェは夜になるとテーブルを片付けて、パーティーに来る人達のために場所を提供することも珍しくはありません。
とは言え、カフェは昼も夜も大半は、コーヒー派にふさわしい場所であることに変わりないので安心してください。
ドイツのベーカリー
ドイツにはベーカリーが至るところにありますが、最初の見出しのところでも触れた通り、ここでもコーヒーを飲むことが出来ます。
カフェほどの選択肢はないかもしれませんが、ブラックコーヒー一杯の価格はカフェの半分程度で、安価で出来立てのロールパンやサンドイッチと一緒に、より手頃な価格のコーヒーを楽しめるのです。
ドイツ語の一般的なカフェメニューと読み方
ドイツにあるカフェには、そのお店ごとに独自のメニューを提供していることもありますが、基本的に次のメニューは定番なので、覚えておくと楽だと思います。
- Schwarzkaffee(シュヴァルツカッフェ)/ Americano(アメリカノ)
- → いわゆるブラックコーヒー
- Milchkaffee(ミルヒカッフェ)
- → 熱いミルクを入れたコーヒー
- Latte Macchiato(ラテマキアート)
- → 泡立てたミルクにエスプレッソを加えることで二層に分かれて提供されるもの
- Cappuccino(カプチーノ)
- → カプチーノ
- Tee(テー)
- → 紅茶
- heiße Schokolade(ハイセショコラーデ)
- → ホットチョコレート
- Wein(ヴァイン)
- → ワイン
- Bier(ビーア)
- → ビール
チップはどうなの?
セルフサービスのカフェ以外、カフェであってもドイツでは基本的にチップを渡すのが暗黙の了解になっています。
ただし、コーヒーを飲み終わった後にウェイターが持ってきた勘定書には、特にチップ代が含まれているわけではないので、どの程度のチップを払ったら良いか気になるところだと思います。
そのチップの額はずばり「10%」。
もちろん、お店のサービスが気に入ったらもっと払っても良いですが、いくらのチップを含めたら良いか分からないなら、10%のチップを渡しておきましょう。
ちなみに、現金で払う際にチップを含めてちょうどの額がない場合は、いくらお釣りを返して欲しいかを伝えればOKです。
また、クレジットカード支払いの場合は、チップを含めた金額を伝えてあげましょう。
ドイツのカフェでコーヒーをオーダーするために知っておきたいフレーズ
次の4つのフレーズを知っておけば、ドイツのカフェでコーヒーを注文する際に役立つはずです。
- Einen Kaffee, bitte.(アイネン・カッフェ・ビッテ)
- → コーヒーを一杯ください。
- Was können Sie empfehlen?(ワス・ケンネン・スィー・エンプフェーレン?)
- → おすすめはなんですか?
- Zum Mitnehmen, bitte. (ツム・ミットネーメン・ビッテ)
- → 持ち帰りでお願いします
- Haben Sie…?(ハーベン・ズィー・・・)
- → …はありますか?
合わせて読みたい世界雑学記事
- ドイツ食文化の特徴|有名な食べ物から食事マナーまで
- ドイツビールの歴史と種類|その発祥や起源とは一体?
- →こちらからドイツに関する情報をさらに確認出来ます
ドイツのコーヒーとカフェの歴史や種類は非常に興味深かった!のまとめ
ドイツとコーヒーの深い関係や、ドイツにおけるカフェに関する豆知識までを紹介してきました。
ドイツ国内では、コーヒーが至るところで楽しまれていることが分かりました。
ちなみに、そんなコーヒー大国のドイツでは、ドイツのデザイナーとベルリンのスタートアップ会社が提携し、「コーヒー粉のかす」と「木片」を組み合わせた再使用可能なコーヒーカップを制作しています。
使用されるコーヒー粉のかすはベルリンのカフェから集められたもので、木は持続可能な森林資源から入手されています。
そして、混ぜ合わされて液体状になった材料を型に流し込むと、
- エスプレッソ用
- カプチーノ用
- トラベル用
のカップが出来上がるのです。
再利用、リサイクル、資源の節約の3つの点を満たしているこのコーヒーカップは、まさに、環境問題に積極的に取り組むコーヒー大国であるドイツだからこそ、誕生した商品だと言えますね。