危険なアリを一覧にして10種類紹介していきます。毒と持ち高い攻撃力を有するアリや、集団で襲いかかってくると恐ろしいアリなどをみていきましょう。
世界には2万から3万にも及ぶ種類がいるであろうと想定されるアリの中には、非常に高い攻撃力と共に毒を有することから、場合によっては人を死に追いやってしまう危険なアリが存在します。
また、死に至らなかったとしても、強烈な痛みを引き起こしたり、集団で襲いかかってくるために脅威となるアリもいます。
この記事では、そんな危険なアリの中から10種類を厳選して、それぞれを簡単に紹介していこうと思います。
どれほど危険であるか確認していきましょう。
危険なアリ1:グンタイアリ
巣を作らずに軍隊のように隊列を組んで前進し、群れ全体で攻撃する習性があるために「軍隊アリ(グンタイアリ)」と呼ばれるこのアリは、人にとって最も危険なアリの一種。
生息地はアフリカ、南アメリカ、アジアの3つの地域に分かれています。
巣を持たないために移動し続け、体の半分ほどの大きさの鋭い針をもつために攻撃力が高く、非常に危険なのです。
また、驚くことに働きアリはみな目が退化しているためほとんど盲目であるとされますが、目が見えないこともまた、何物もを恐れずに攻撃する性格を強化しているのかもしれません。
自らの体よりはるかに大きい相手を攻撃することに対して、全く怯む様子なく立ち向かっていくのです。
すばやい動きで攻撃して相手をパニック状態に追い込むことで、難なく死に至らせることが出来ます。
危険なアリ2:サスライアリ
上で紹介したグンタイアリは、生息地域によって大きく3つのグループに分けられますが、アフリカ大陸を生息地とするグループはサスライアリと呼ばれています。
現地ではシアフアントと呼ばれており、数百万匹といった群れで行動し、行く手を妨害するありとあらゆるものを攻撃し、食してしまう習性があるなど、とても危険なアリです。
その力強い顎によって、獲物をわずか数秒の間に激しく切り刻んでしまうことが可能で、これが、備え付けの針に加えて強力な武器となっているのです。
なかでも働きアリは大きな顎をしており、その力は非常に強力です。
危険なアリ3:キバハリアリ(ブルドッグアリ)
他の大陸から隔離されたオーストラリア大陸で独自の進化を遂げてきたキバハリアリ(ブルドッグアリ)は、これまで複数の人を死に至らしめてきたことから、ギネス世界記録においては最も危険なアリであるとされています。
攻撃性が非常に強く、人を恐れることはありません。
攻撃時には歯を備えた長い下顎で相手をしっかりと捉え、その下に体を丸めます。
そして、短時間の間に相手を連続で刺し、刺すごとに毒素の量も増えていくことから、最悪の場合は人であっても殺してしまうのです。
逃れるチャンスを失うと、わずか15分の間で人を死に至らしめるとさえ言われます。
また、大きな目を持ち、攻撃を妨害するような行為に対しては攻撃を強めることを恐れず、加えて前方へ大きくジャンプすることの出来る能力を備えているなど、見かけても絶対に距離を取っておいた方が良い危険なアリです。
危険なアリ4:ジャックジャンパーアント
ジャックジャンパーアントは、オーストラリアのタスマニア島からオーストラリア大陸最南端付近に生息するハバハリアリの仲間。
低草原地帯、森林地帯や乾燥した疎林地帯など、砂利や砂質土に囲まれた環境に巣を作って生息し、その名前からも想像出来る通り、前方へ大きく跳躍出来、条件に恵まれると最大50cmの距離をジャンプ出来ることさえあるとされます。
そんなジャックジャンパーアントによる被害として、1980年から2000年の間には4名の死者が出ました。
心拍数の上昇、血圧の低下などの症状に加え、アレルギー反応につながる状態を引き起こすため、ジャックジャンパーに刺されることは人にとって危険なことなのです。
一匹に噛まれても深刻な状態に繋がることはほぼないものの、集団で行動する習性があるために注意が必要です。
危険なアリ5:ヒアリ
ヒアリは北米、南米、アジア地域の一部、そしてオーストラリア周辺地域の一部など、非常に広い地域に分布しているアリの一種。
ヒアリに刺されると火傷のような痛みが走り、人によってはめまいや頭痛、激しい共通や吐き気などを引き起こし、アレルギー反応として知られるアナフィラキシーショックが起きると最悪の場合、死に至ってしまうこともあります。
そのため、「殺人アリ」としても有名。
しかも、集団に攻撃された場合はその可能性がグンと高まって危険度が増加するのです。
そんなヒアリはまた、貿易で使われるコンテナなどを通して世界中に広まった結果、これまで日本においても何度も発見されており、人の居住地の比較的近くまで脅威が迫っている点でも危険です。
危険なアリ6:グリーンヘッドアント
オーストラリアに生息するグリーンヘッドアントは、光加減によっては緑色に輝く頭部と、紫色そしてアリによっては赤紫色のメタリックな体つきを持つことで知られるアリで、その輝きからも、どことなく危険なアリであることが想像出来ることでしょう。
針で刺すことで人に対し激しい痛みを引き起こす力を持っており、また、かゆみや吐き気、腫れなどの症状がでることもあります。
さらに、その毒素によってアレルギー反応の一種であるアナフィラキシーショックを引き起こす場合には、刺された人は命の危険にさらされるのです。
危険なアリ7:ブルホーンアカシアアリ
中米に住むアカシアアリは、交尾を終えたばかりの女王アリがブルホーンアカシアの木の香りに誘引され、住み着くことから群が形成されていくため、その名前で呼ばれるようになりました。
女王アリはブルホーンアカシアの木のとげを蝕むようにして、そこに15から20の卵を産卵。この卵から孵ったアリたちが第一世代の働きアリとなり、群の基盤が出来上がるのです。
羽は持たないものの、カリバチのような体つきをしており、大きな目を持っているのが特徴。
さらに、ブルホーンアカシアアリの針は、ズキズキする激しい痛みをもたらします。
しかし、このアリをさらに危険にしている特性が、集団での攻撃。
このアリを威嚇すると集団で攻撃されることになりかねず、しかも、木の幹をつたって地面に降りて攻撃してくるだけでなく、木から飛びかかってくることもあるなど、攻撃性が非常に高いのです。
危険なアリ8:フロリダ収穫アリ
アメリカの東海岸地域に生息するフロリダ収穫アリは、植物の種子を収穫し、地中の巣に貯蔵することからその名前が付けられているアリ。
驚くべきことにこの種のアリは、コブラや西洋ミツバチと同じ毒素を持っているとされ、危険なアリと見なされています。
ツノトカゲなどの敵から身を守るためこの毒を使います。
小さなアリでありながらトカゲ程度の小動物なら死に至らせることができ、人の命を奪うことはないにしても、刺されると極度の痛みを生じさるため、危険なアリなのです。
危険なアリ9:ツムギアリ
ツムギアリは東南アジアを中心に、他にも南アジアやオーストラリア北部などでも見つかっているアリ。
幼虫の絹糸を用いて葉を紡ぐ(つむぐ)ように合わせ巣を作る特徴から、「ツムギアリ」と呼ばれています。
針で刺すことはないものの、噛む力が非常に強く、噛まれると肌を突き刺すような痛みを感じることとなり、群全体としての力はあなどれないのです。
巣の中には数々の木にまたがる非常に大きなものもあり、百以上の小さな巣と50万人もの働きアリから構成されるものも存在するなど、集団としてのツムギアリはとても危険な存在となります。
危険なアリ10:サシハリアリ
サシハリアリは、中米から南米北部までの湿潤な低地多雨林に生息する最も危険なアリの一種。
針で刺された痛みに関しては、生き物の中でも最強だとさえ言われ、まるで銃で撃たれたような強力な痛みを生じることから、英語では「Bullet Ant(弾丸アリ)」と呼ばれます。
さらに、その痛みは一瞬ではなく、なんと24時間以上も続くことから現地では「24時間のアリ」と呼ばれ、痛みが走るだけでなく、神経系を侵し、筋痙攣などを引き起こす場合もあるのです。
アレルギー反応をもつ場合を除いて、人が死に至ることはないものの、サシハリアリのもつ毒素は激痛をもたらし、その後も数時間にわたりズキズキする激しい痛みが続くことから、現地では非常に危険なアリとして恐れられています。
ただし、サシハリアリは威嚇された場合のみ、その攻撃性を発揮するため、こちらから刺激しなければ襲ってくることはありません。
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危険なアリ一覧|毒を持ち攻撃的で危ないアリ10選!のまとめ
危険なアリを10種類一覧にして紹介してきました。
これらのアリを見かけたとしても、興味本位に近づかないのが無難でしょう。