世界三大瀑布と世界最大の滝を見ていきましょう。世界三大瀑布に含まれる3つの滝と、基準別で考えた場合に世界最大となる滝を確認していきます。
世界各地には大小無数の滝が存在していますが、中にはそのサイズや迫力によって有名な滝があります。
例えば、世界三大瀑布と呼ばれる3つの滝は、誰もが一度は名前を聞いたことがある滝でしょう。
また、比べる基準を変えれば、世界最大級の滝は世界三大瀑布以外にも存在します。
この記事では、世界三大瀑布に加えて、他の異なる基準による世界最大の滝までを、それぞれ紹介していこうと思います。
世界三大瀑布
それではまず、世界三大瀑布についての簡単な概要解説から。
世界三大瀑布(せかいさんだいばくふ)とは、世界的に知られる3つの滝、具体的には、
- イグアスの滝
- ヴィクトリアの滝
- ナイアガラの滝
を指す用語。
しかし、世界的に使われている用語ではなく、あくまでも日本限定で使用されているため、対訳となる英語はなく、上記3つの滝を組み合わせて「世界三大瀑布」と呼ぶことはほとんどありません。
また、「なぜこの3つの滝が世界三大瀑布として選ばれたのか?」、「なぜ対象になっているのか?」については不明なままです。
ただし、全体の大きさや迫力に関して世界最大級であるのは確かで、この3つの滝が大きさの比較として出されることはよくあります。
以下では世界三大瀑布に含まれる3つの滝について見ていきましょう。
イグアスの滝
イグアスの滝は、南米のアルゼンチンとブラジルにまたがる巨大な滝の1つ。
その幅は約2,700m(2.7km)に及び、高さは64〜82m、平均して毎秒1,756㎥の水が流れ落ちます。
また、1つの巨大な滝ではなく、季節によって異なるものの150から300近くに上る小さな滝から形成されているのが特徴で、アルゼンチン側に全体の80%が、ブラジル側に20%が位置しています。
世界三大瀑布に含まれるだけあり、観光地として非常に有名で、設置された近くの展望台からは大迫力な滝を見ることが出来、また周りの熱帯雨林が作り出す景色も、この自然のアトラクションにはぴったりだとして人気です。
その迫力は、世界三大瀑布に含まれる他の2つの滝に比べて抜きん出てると言われることさえあります。
ちなみに、イグアスの滝の幅は4,000m(4km)と言われることがあったり、その場合、幅を基準にすると世界最大になると言われることもあります(※幅世界一の滝については後述)。
ヴィクトリアの滝
アフリカのジンバブエとザンビアの国境に位置する滝で、幅は1,708m(1.708km)、高さは108mを誇り、毎秒1,088㎥の水が平均的に流れ落ちます。
そして、現地では「雷鳴の轟く水煙」と呼ばれ、また、新・世界七不思議の自然版の1つとして選定されるだけでなく、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
そのスケールから、力強く落下する水は水煙を1000mにも渡り高く吹き上げ、その様子は20km離れたところ、場合によってはその倍の40km離れたところからも見えるほどです。
ちなみに、ヴィクトリアの滝にある「ヴィクトリア」とは、当時、栄華を誇っていた大英帝国の象徴的存在であったヴィクトリア女王に由来しています。
ナイアガラの滝
ナイアガラの滝は、北アメリカでは誰もがよく知っている有名な滝で、カナダとアメリカの国境を形成しています。
その幅は1,203m(1.203km)で高さは51mと、大きさの点では世界三大瀑布の中でも他の2つに比べて見劣りしますが、平均的な毎秒流量に関しては2,407㎥と他の2つを圧倒します。
その強力な流れによって堆積物が無く、透明な水を有していることもナイアガラの滝を有名にしている特徴の1つです。
さらに、この滝へのアクセスはとても簡単なのと、どの角度からでもこの滝をよく見ることが出来るという点も、ナイアガラの滝を人気にしています。
基準によって異なる世界最大の滝5選
さて、世界三大瀑布について見てきましたが、ここからは基準によって変わる、世界最大の滝と呼ばれる5つの滝について紹介していきます。
世界最大の滝1:イグアスの滝(総合力NO.1)
三大瀑布のところでも紹介したので、詳細を説明することは必要ないかと思いますが、イグアスの滝は高さと幅を掛け算した総合力(体積)で世界No.1となる滝。
同じように世界最大級と言われるヴィクトリアの滝と比べても大きく、ナイアガラの滝と比べるとその差は圧倒的になります。
世界最大の滝2:エンジェルフォール(落差&高さNo.1)
南米のギアナ高地にあり、行政上はベネズエラ管轄となるエンジェルフォールは、「落差」または「高さ」の点で世界最大の滝。
赤道に近い熱帯雨林の奥深くにある神秘的なテーブルマウンテン(台形状の山)から、どこにもぶつかることなく807mの距離を水が垂直落下していくことで知られ、それも含めた落差は世界最大となる979mに及びます。
また、あまりにも落差が高すぎるため、落下する水の多くは途中で空気と絡み合って分散し、滝の最下部では滝壺を形成することがありません。
世界最大の滝3:コーンパペンの滝(幅No.1)
世界最大の滝の中でも「幅」の点で世界最大となるのが、ラオス南部にあるコーンパペンの滝。
イグアスの滝が幅においても世界最大と言われることがありますが、大小無数の滝が数多く横に広がって1つの大きな滝群を形成しているコーンパペンの滝は、その幅が10,783m(10.783km)にも及び、ギネス世界記録でも世界で最も幅の広い滝として公式に記録されています。
また、その流量においてもイグアスの滝を含めた世界三大瀑布を圧倒し、平均して毎秒11,000㎥近くの水が流れています。
世界最大の滝4: ボヨマ滝(流量No.1)
ボヨマ滝は、アフリカのコンゴ民主共和国国内の中でも、北東部の都市ウブンドゥから、100kmほどいった所にある交易都市キサンガニまでの間にある、7つの瀑布(滝)を総称した呼び名。
かつてはスタンリー滝と呼ばれていたこともありました。
総称であるため、これまで紹介した他の滝とは少し違いますが、ボマヨ滝は流量の点で世界最大となり、平均して毎秒16,990㎥の水が流れるとされています。
世界最大の滝5:カイエチュール滝(一段滝としてNo.1)
世界最大とされる滝の多くは、複数の段から形成されていますが、一段のみから成る一段滝としては世界最大の大きさとされるのが、南米のガイアナ共和国にあるカイエチュール滝。
見た目が長方形をしたこの滝は、高さ226m、幅113mになり、その流量も一段滝なのに関わらず、平均して毎秒660㎥もあります。
古代の香りがするギアナ高地の頂上に位置し、原始のままの姿を見せ続けています。
世界三大瀑布と世界最大の滝(基準別)のまとめ
世界三大瀑布から、基準別で考えた場合の世界最大の滝を見てきました。
世界には他にも数多くの滝がありますが、最大級の滝として今回紹介した滝をまずは覚えておきましょう。