一億年も前から存在する古代のカメと考えられ、地球上に現存するカメの中では最大となるオサガメは、巨大な外見だけでなく口の中も特徴的です。
オサガメの口の中の秘密を紹介します。
オサガメの口の中は尖った突起物が無数に続いている
世界最大のカメであるオサガメの口の中を覗くと、とてもおぞましい光景を目にします。
なんと、まるで地球外生命体のものかと思えるような不可思議な光景が、口の中の先端部分からずっと奥まで続いているのです。
(出典:Sandy Ripple)
この奇妙な光景を作り出しているのが「papillae」、直訳すれば「乳頭突起」と呼ばれる歯とは異なる先っちょが尖った突起物で、これが、びっしりとオサガメの口の中に敷き詰められています。
しかも、この乳頭突起は口の中だけではなく、さらに奥の食道、そして胃の手前まで続いているのです。
なぜオサガメの口の中には乳頭突起がびっしりと詰まっているのか?
では、なぜオサガメの口の中には乳頭突起が延々と連なって敷き詰められているのでしょうか?
それは、オサガメがクラゲを捕食対象とするという点が、主な理由として考えられています。
(出典:pinterest)
クラゲは滑りやすい生き物です。
そのため、乳頭突起のように先が尖った形状の突起物を口の中から食道と胃の間まで敷き詰めることで、「口に入れたクラゲが滑って口から出ないようにする」という効果を期待出来ると考えられるのです。
さらに、長い食道を通る間にクラゲを引き裂いて、その後の消化を容易にするという役割も期待出来ます。
このような実用的な理由から、オサガメの口に中にはびっしりと乳頭突起が連なっているのです。
クラゲが大好物なオサガメの乳頭突起による弊害
(出典:pinterest)
一方で、人間が再現なく廃棄してきたプラスチックは、クラゲが大好物で乳頭突起を持つオサガメの生存を大きく脅かしています。
というのも、海を漂うプラスチック製のゴミは、一見するとクラゲの様に見え、間違ってオサガメが飲み込んでしまうことがあるからです。
そして、一度飲み込んだプラスチックのゴミは、オサガメの口の中にある乳頭突起に引っかかって外へ吐き出すのが難しくなり、最終的には胃まで届き、消化もされずに胃の中に溜まっていってしまいます。
このように、オサガメの特徴的な口の中の光景は、人間によるプラスチックゴミの不法投棄などと合間って、オサガメ自体の命を危険に晒しているのです。