他の大陸から離れていることもあり、大自然に恵まれたオーストラリアには非常にユニークな動物達が生息しています。
これはまた植物に関しても同じことが言え、オーストラリアではとても興味深い植物達を見つけることが出来ます。
この記事ではそんなオーストラリアに分布する植物の中から11種を厳選して紹介してみたいと思います。
オーストラリアの植物と花木を確認してみましょう。
オーストラリアの植物1:ユーカリ
オーストラリアといえば、オーストラリア南東部や南西部、タスマニア島に主に分布しながらも、現在では世界各地で栽培されているユーカリというイメージがあるでしょう。
ユーカリの木はオーストラリアの真髄であり、コアラのような最も象徴的な野生動物の生息地でもあります。
そんなユーカリには700以上の種類(変種も含めると1000種を超える)があり、ユーカリが咲かせる花の蜜を求めて様々な在来種の蜂や色鮮やかな大型鳥類が集まります。
ちなみに、ユーカリと言えばコアラを連想するかと思いますが、コアラは特定の種類のユーカリのみを餌としています。
オーストラリアの植物2:アカシア
アカシアもオーストラリアを代表する植物の一つ。
オーストラリア以外の地域にも自生しますが、オーストラリア国内には1,200種以上のアカシアがあり、また、オーストラリアではワトルと呼ばれているアカシアの仲間が多数あります。
オーストラリアに自生するアカシアは、その種類に関係なく比較的成長が早く、また、美しい花球を付けると同時に育つことでオーストラリアに生息する鳥達に住居や食料を提供るなど、自然保護の観点からも重要な花木です。
また、在来のハチを引き寄せる点でも優れています。
ちなみに、キャンベラ周辺、ニューサウスウェールズ州南部、ビクトリア州などに広く分布しているゴールデン・ワトルは、オーストラリアの花のシンボル(国花)で、毎年9月1日はワトルデーというオーストラリアの春祭りがあります。
オーストラリアの植物3:バンクシア
バンクシアは庭を彩り、たっぷりの密によってオーストラリアで確認できる多くのハチや鳥、小型哺乳類を引き寄せることができることから、園芸品種などでも知られるポピュラーな花木であり庭木。
切り花としても人気です。
白、黄色、オレンジ、赤などさまざまな色合いの花を咲かせるバンクシアは、オーストラリア産の野生の花の中ではとても有名な植物です。
オーストラリアの植物4:エレモフィラ
エレモフィラは200種以上が存在するオーストラリア原産で固有の多年草もしくは低木。
中でもエレモフィラ・ニベアは、オーストラリアで一般的に「エミューブッシュ(エミューの茂み)」と呼ばれます。
半乾燥地帯や乾燥地帯で通常は見ることができ、西オーストラリア州に多く生息しています。
また、エレモフィラは多肉質の果実を実らせ、その果実は現地の動物や鳥によく食べられることでも知られます。
オーストラリアの植物5:ワラタ
大きくて美しいワラタ(Waratah)は、オーストラリアを代表する花の一つで、オーストラリアの南東部に分布している植物。
真っ赤な花を咲かせますが、時には白やピンク、黄色もあり、さまざまな野鳥を惹きつけます。
かつてはシドニー大都市圏の多くの地域で見られました。
この見事な花はまた、ニューサウスウェールズ州の州章にもなっています。
オーストラリアの植物6:グリーンスパイダーフラワー
グリーンスパイダーフラワーやグリーン・グレヴィレア(Grevillea mucronulata)と呼ばれるこの植物は、オーストラリアのニューサウスウェールズ州に自生するヤマモガシ科の低木。
シドニー近郊とニューサウスウェールズ州南海岸周辺の、開けた硬葉樹林または森林に自生しています。
成長しても高さ3メートルほどの比較的低い木でありと同時に葉は変化に富み、5月から10月の涼しい時期に緑がかった花を咲かせます。
野鳥達にとってこの緑の花は、十分に魅力的です。
オーストラリアの植物7:ブラシノキ
この象徴的なブラシノキはオーストラリア原産の観賞用の花木。
円筒形の赤いブラシ型の花で知られる低木で、丈夫で手入れがほとんどいらないので園芸が苦手な方にもおすすめされる植物です。
また野生の中では、ポッサム、オオコウモリ、トカゲ、昆虫、花蜜を吸う鳥など、さまざまな動物に餌を与えて最適な住処を提供する、オーストラリアの自然界にとっては非常に大切な植物でもあります。
オーストラリアの植物8:メラレウカ
3回の航海を通してオーストラリア大陸に上陸したキャプテン・クックは、その後、オーストラリアがイギリスの影響下に入るきっかけを作った重要人物ですが、このクック船長が飲んだとして知られるのがメラレウカ(MELALEUCA)の葉。
そのためメラレウカは現地で、ティーツリー(お茶の木)とも呼ばれるオーストラリアの植物です。
約170種あるフトモモ科の植物で、そのほとんどがオーストラリアの固有種。
通常、水路や湿地の縁に生育していて様々な種類の土壌で生きることができます。
また、オーストラリアのアボリジニの間では万能薬として用いられてきたとも言われ、現在でもメラレウカから抽出されたエッセンシャルオイルを見かけることが出来ます。
オーストラリアの植物9:オーストラリアブルーベル
オーストラリアの道端で最も良く見かける植物の1つと言えば、このオーストラリアブルーベル(Australian bluebell)またはトールブルーベルと現地で呼ばれる植物でしょう。
ノーザンテリトリーを除くオーストラリア全ての州でその姿が確認出来ます。
鉢植えやハンギングバスケットに植えて明るい日陰で管理するととてもよく育つことで知られ、観賞用植物として比較的人気な上に、道端に咲く美しいロイヤルブルーの花は人々はもちろんのこと、ハチやチョウも惹きつけます。
オーストラリアの植物10:ムギワラギク
ムギワラギクはオーストラリア原産の常緑小低木。
それぞれの茎は直径60mmまでの花を支え、ピンク、黄色、白など、さまざまな色で咲きます。
暑さに強く鉢植えでも育つなど、オーストラリア現地では簡単に管理出来る観賞用植物ですが、寒さに加えて高温多湿に弱いという性質から日本ではやや管理が難しいかもしれません。
ちなみに、日本では別名テイオウカイザイクとしても知られます。
オーストラリアの植物11:カンガルーポー
カンガルーポーは、カンガルーの前足に似た毛皮のような花を咲かせることから、オーストラリアでこのように呼ばれている植物。
咲かせる花の色は赤が多いものの、野生のカンガルーポーが咲かせる花には緑、ピンク、黄色、黒などさまざまな色があります。
多くの蜜を作るため、様々な鳥や昆虫、哺乳類のエネルギー源としてオーストラリアの自然界では重要です。
またカンガルーポーは、日当たりのよい場所に置けば鉢植えの植物としても楽しめます。