海外へ引っ越しする時など、ペットの鳥を飛行機へ持ち込みたいことがあるかもしれません。実際に鳥を機内持ち込みにした体験談を紹介していきます。
鳥を飛行機の機内へ「ペットの持ち込み」扱いにして海外へ一緒に連れていったので、今後同じような必要性が生じた人のためにもまとめておきます。
主に、現在鳥をペットとして飼っていて海外移住することになった人にとっては、可愛い鳥たちを一緒に連れて行きたいけどどうしたら良いのか分からないことが多いはずです。
特に犬や猫に比べて鳥を海外へ連れていく情報は圧倒的に少ないので、同じ悩みを持つ人にとっては参考になるかと思います。
鳥を飛行機の機内に持ち込むことになった理由
飛行機の機内にペットの鳥を持ち込むなんていうのはかなりレアなケースだと思うんですが、まずは、そもそもなぜ鳥を機内持ち込みにする必要が生じたのかについて触れておきます。
アルメニアへ海外移住することになった
2017年の夏、兼ねてから計画していた海外移住を、トルコの右隣にある小国「アルメニア」へすることになったのがその理由の一つ(妻はアルメニア人)。
家族のように可愛がっていて超懐いていた4羽のオカメインコを他の人へ譲ったり、実家に託して海外へ移住するのはとてもじゃないけど「無理!」と感じたため、なんとかして一緒に彼ら彼女達(オス1羽、メス3羽)を連れていこうと思ったのがきっかけです。
ペットの鳥は「オカメインコ」である
しかも、セキセイインコなど、同じオウム目に含まれる他の鳥達と比べて、オカメインコはとにかく臆病。
安心出来る人がいない上に環境の変化がある中で長時間の移動をしたら、おそらくほぼ確実に死んでしまうと思ったのがもう一つの理由です。
そのため、ペットを飛行機で運ぶ場合は、専用のコンテナに入れて他の貨物と一緒に運ばれるのが一般的ですが、飼っているペットがセンシティブなオカメインコなので、どうしても一緒に機内へ連れていき移動する必要がありました。
まずはそもそもペットの鳥を国外へ連れていけるのか調べてみた
とは言え、そもそもペットの鳥を国外へ連れ出せないことには意味がありません。
そこで、まずペットとして飼っているオカメインコを海外へ持ち出せるのかを調べてみました。
もちろん、連れて行けたという結果から分かる通り、「ペットの小鳥の海外への持ち出しは可能」というのが結論です。
鳥の種類によって変わるので注意!
ただし、ペットだとしても、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」など、種類によっては移動が制限されている鳥もいるようなので確認が必要。
幸いなことにオカメインコ(他にはセキセイインコとボタンインコもほぼ大丈夫っぽい)は、その制限に引っかからない鳥のようで、その後、動物検閲所などにも連絡を入れたところ、問題ないという判断で無事海外へ持ち出せることがわかりました。
参考サイト:http://www.avian.jp/kikoku.htm
相手国の条件をクリアする必要あり
また、日本から該当の鳥の持ち出しがOKだとしても、相手国へ入国させるための条件をクリアする必要があるため、海外へペットの鳥を連れていく際には、その国の条件を入念に調べる必要があります。
今回は、移住先がアルメニアだったため、アルメニアの条件を調べた結果、以下の通りであることが分かりました。
- 日本側が問題なく出すのであればOK
- 後は、健康診断書を持参すること
で、アルメニアの場合、「健康診断書」としか言われなかったので、念のためアルメニアの大使館や、現地の政府機関(環境省か農林水産省のようなところ)へ確認したところ、民間または公的な機関に関係なく、資格のある獣医師が発行した健康診断書ならOKということが判明。
また、特定の病気に関する診断も必要なしと言われたので、いつも掛かりつけの獣医師さんのところで「一般的な健康診断書」を英語で発行してもらうことにしました。
相手国の条件によって対応が全く異なると思うので、鳥を海外へ連れていく際には相手国の大使館へ連絡して、まずは情報を集めてください。
アルメニア大使館は不親切で、担当者が全く役に立たなかったので、アルメニア現地の政府機関へ知り合いを通して確認することになってしまいました・・・。
飛行機の機内へ鳥を持ち込み可能な航空会社を調べた結果
日本からアルメニアへ簡単な条件をクリアすれば問題なく持っていけることが分かりましたが、次は一緒に機内へ持ち込み可能かどうかを確認しなくてはなりません。
この点については航空会社にもよっても異なるため、行き先の国まで利用する航空会社によっては無理な場合もある様子。
しかし、ラッキーなことに、日本からアルメニアへ行く路線の一つ「アエロフロート」は、機内持ち込み可能なペットとして「鳥」も含んでいることを発見しました。
利用する予定の航空会社が鳥の機内持ち込みを受け付けているかどうかは、以下のサイトを参考にしてみてください(※ただし、航空会社へ直接連絡して確認することも忘れずに)。
念のため各関係機関へ確認
今まで調べた限りでは、問題なくペットのオカメインコたちを機内に持ち込み、海外へ連れていけることが分かりましたが、それでも心配だったため、念のため、各関係先へ直接連絡を入れて最終確認を取っています。
- アルメニア政府&エレバン国際空港
- 再度、関係省庁とエレバン国際空港へ連絡して確認をとったところ、「健康診断書だけあればOKだよ〜!」ってことで、なんとなく不安は残るものの大丈夫だと確認出来る
- 成田空港検閲所(連絡先はこちら)
- 電話に出ていただいた担当者の方はとても丁寧で、相手先の国が特に求めないなら検閲所で検閲する必要はないことが確認出来ました
- アエロフロート(東京オフィスの連絡先は03-5532-8781)
- 東京オフィスの方によると、相手国の条件を充していれば大丈夫。ただし、他にも持ち込みのお客さんがいる場合などは無理なこともあるので、チケットを予約したら連絡ちょうだいとのこと。
ペットの鳥を飛行機の機内持ち込みにするまでの手順(アエロフロートの場合)
さて、ここまででペットの鳥を飛行機の機内持ち込みにして海外へ持ち出せることが「ほぼ」確実に確認出来たので、早速、連れ出すための条件などを揃える作業を始めました。
今回のオカメインコに関しては、必要な物を一式揃えるのに1週間程度しかかかりませんでしたが、鳥の種類や利用する病院などによっては変わってくる可能性もあるので、あくまでも参考程度にお願いします。
チケットを予約
まずは、今回予約するアエロフロートの航空チケットを予約しました。
(ビジネスクラスだとご覧の通りのスペースがあるのでキャリーを置いても余裕があります)
ただ、持ち運び用のケージ(キャリー)にオカメインコを入れるといっても、ある程度の大きさになるため、エコノミークラスではなくビジネスクラスのチケットを利用しています。
この時は偶然、プロモーションのタイミングでチケットを予約出来、また、ビジネスクラスが必要なのは片道だけだったため、チケットも一人あたり15万円ぐらいで購入できてます。
(※4羽いるので妻と一緒に運んでも全員を運ぶまでに2往復しています。どちらとも比較的安く購入できました。)
アエロフロートへ鳥の機内持ち込みの連絡を入れる
その後、チケットの予約番号と共に、アエロフロートの東京オフィスへ電話をし、機内へペットの鳥を持ち込みたい旨を伝えます。
その時言われたのが以下の結構重要な点。
- 希望は承るが持ち込み可能かどうかの最終判断は当日まで出来ない
- 他のお客さんとの兼ね合いや、他にもペット持ち込み希望者がいる場合、ペット持ち込み制限に引っかかる可能性も無きにしもあらずらしい
- そのため、最悪の場合はその日のフライトをキャンセルして日にちを変えることも必要になってくるかもしれません
- ケージは指定の重さと大きさ以下にすること
- 具体的な重さと大きさは忘れたので電話で確認してください
- 基本的には複数の「ケージ」を受け付けることは出来ない
- 一回目の移動に関しては「特別」に二つのゲージを妻と自分で一つずつ持ち込むという条件にして認めてもらいました(二回目はウサギ用の小型キャリーを改造してそこへオカメを2羽入れて持ち込んでます)
- 1つのケージに収まるのであれば複数羽入れても問題ないようです(具体的な上限数があるかもしれないので確認しましょう)
- 追加料金が掛かります
- 1羽に対してなのか1ケージに対してなのか忘れましたが、追加料金が8000円程度必要になります(支払いはチェックイン当日行います)
アエロフロート航空で鳥を運ぶさいの条件については、以下の公式ページも確認しておきましょう。
▶︎ http://www.aeroflot.com/ru-ja/information/preparation/special_transportation/animals
病院へ行って健康診断を受ける
飛行機を抑えたら、次は病院へ行って鳥達の健康診断書を書いてもらう番です。
今回利用した鳥の獣医さんは、以前から圧倒的に信頼してお世話になっていた「横浜小鳥の病院」。
状況を説明したところ快く引き受けてくれ、また英語で診断書を書いてくれました。
ちなみに、通常の健康診断だと10分程度で終わり、その後数日以内に、英語で記載してくれた診断書が手元に届きました。
チェックイン当日にケージに入れたオカメインコを一緒に連れていく
全て揃えるものを揃えたら、アエロフロートのチェックインカウンターに行って、ペットの鳥と一緒にチェックインです。
パスポートを渡し、事前に電話で鳥を飛行機の機内持ち込みにすると連絡してある旨を伝えると、スタッフの方が手元にある資料で確認してくれ、当日は問題なく機内持ち込みへ出来ると言っていただけ一安心。
あとは指定された金額を、チェックインカウンター横にある支払いカウンターで済ませれば晴れて持ち込み許可がおります。
鳥を飛行機の機内に持ち込むまでからその後
その後、キャリーに入れた鳥を手に握りながら、税関やセキュリティーチェックをパスして、無事に機内へ持ち込み、また、今回はビジネスクラスだったこともあり、キャリーを床に置いても余裕のある空間で安心して飛行機で移動出来ました。
ちなみに、セキュリティーチェックの際、鳥達をX線検査の機械に通すことはないのでご安心を。
荷物だけを機械に通したら、手でケージを持ってセキュリティーチェックゲートを通り、その後に念のため係員の方が目視で色々とチェックして終わりです。
また、飛行機の離着陸時も、ケージを暗くしておけば特に暴れることもなく静かにしていたので、そのあたりの懸念もないかと思います。
ちょっとしたアドバイスとしては、以下のポイントを抑えながら鳥を飛行機の機内に持ち込むようにするのが良いかと思います。
- ケージは大きすぎず小さすぎず
- あまり余裕がありすぎるケージだと、大きく飛行機が揺れた時などに暴れたり傷を負ってしまかもしれません
- 一方、小さすぎるとストレスが溜まりすぎると思います
- おすすめはLittle Buddyさんの商品
- 防音対策は入念に
- 暗くしても鳴く場合があるので、周りのお客さんの迷惑にならないためにも鳴き声が漏れてしまわないように十分な対策をしておきましょう(空気穴を開けたビニールを被せて厚手のカバンに入れ、そこへさらにバスタオルをかけておきました)
- また、防音対策することは外の大きな音で鳥がびっくりしないためにも大切だと思います
- 小分けにした餌も持ち運ぶ
- 長時間のフライトや乗り継ぎがある場合には、小分けにした餌も持ち運び、餌の交換が出来るようにもしておきましょう
- ただし、ケージを開けるわけにはいかないので、外からでも餌や水を追加出来るスポイトなどを用意しておくのがポイントです
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鳥を飛行機の機内ペット持ち込みにして海外移住した経験談と方法のまとめ
海外移住をする際に鳥を飛行機の機内へ持ち込んだ経験談をまとめてきました。
同じように、ペットの鳥を海外へ連れて行きたい人は参考にしてください。
コメント
初めまして。
犬猫と移住する方の記録は簡単にヒットするのですが、鳥類となると途端にヒットしなくなるためこちら大変参考になりました。本当にありがとうございます。
当方も今から1年半後に文鳥を連れてイギリスに引越しをしようと考えていますが、いつも渡英の際はちょうどアエロフロートを使っているのでこちらの情報が本当に心強いです。
もし差し支えなければ教えていただきたいのですが、日本からアルメニアのフライトとなるとロシアで乗り継ぎがあったかと思うのですが、その際はどうでしたか?
何か書類の提示を求められたり、特別鳥を連れていることで増えた流れがあれば、ぜひエピソードを教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします。
乗り継ぎにおいて、シェレメチェボ空港からロシア国内へ出ることが無ければ、特に問題なく手に持って移動出来ます。
また、書類の提示なども特に求められていません。
ただ、
1)書類に関しては相手国によって変わるようなので、イギリスが文鳥を受け入れるのか事前に調べておく
2)またその際に、必要だとされる書類(健康診断であれば民間または公的なものなのか?とか、動物検閲所での検査は必要なのか?)などを確実に調べて押さえておく
3)さらに、イギリス到着後の対応なども調べておく
ことが重要だと思います。
イギリス大使館に連絡すれば協力してくれると思うので、まずはそちらへご連絡ください。
こちら大変迅速に、ご丁寧なご回答をありがとうございます!
大使館及び英国の関係機関には問い合わせをしており、文鳥の持ち込みに関しては指定のものを提出すれば問題ないとの回答が得られましたが、まだ先のことであるため、もうすこし日が近くなってからもう一度問い合わせるようにとのことでした。
生き物であり、大切な家族なので、間違いのないようよく調べて準備したいと思います。
ありがとうございました。