フランス文化について宗教や服装など6つのポイントを見ていきながら、最後の方ではビジネス習慣に関して簡単に紹介していきます。
芸術的な都「パリ」を首都に置き、世界中で楽しまれている「フランス料理」や世界で最も美しい言語の一つと言われる「フランス語」を有するフランスは、多くの人が憧れて訪れたいであろう国。
実際、フランスは世界で最も訪問者数が多い国です。
そしてフランスはまた、世界で最も「文化」という言葉が似合うであろう国で、そのこともフランスが世界中の人達を魅了する理由の一つです。
この記事では、そんなフランス文化について宗教や服装など6つのポイントを見ていき、最後にはちょっとした追加事項として、フランスでのビジネスに興味がある人向けに、ビジネス習慣のポイントを簡単に箇条書きにして紹介していきます。
フランス文化を知る上で抑えておきたい6つのこと
フランスの文化:愛に関する表現が多いフランス語!
言語は人間の抽象的な思考を可能にし、人間が社会活動や文化活動を行う上では必須となるものであることから、その国の文化を知る上では非常に大切。
そして、フランスの言語はもちろんフランスの公用語である「フランス語」。
国内のおよそ87.5%の人々、つまり約5900万人の人々(フランスの人口全体は約6700万)が第一言語としてフランス語を使用しています。
ただし、フランスは移民を多く受け入れているため、フランスが第一言語じゃない人も多く住んでいたり、また、地域によっては独自の地域言語が話されているので、日本のように日本人と言えばほぼ全ての人が日本語を第一言語としている状況とは異なります。
とは言え、フランスに住んでいる限りフランス語は必要になってくるので、フランス語が第一言語でない人でも第二言語として習得していたりはしますが。
ちなみに、フランス語の中には「愛」を表現する言葉やフレーズが非常に豊富!
「フランスは愛の国」と言われることがありますが、言語が人々の思考を司っていることを考えると、フランス語ネイティブのフランス人のなかには愛の話題に尽きない人が多いのも頷けます。
フランスの文化:宗教はカトリックが多数派
また宗教も文化の形成に非常に強い影響を与えるので、フランスの文化を知る上ではフランスの宗教状況について見ておきましょう。
宗教面で言うとフランスは「信仰の自由」が保証されている国なので、フランス国民は自ら好きな宗教を信じてOK。
そんなフランスにおいて、最もメジャーな宗教はキリスト教のカトリックで、統計によって数字が異なってくるものの、おおよそ60%前後の国民が信じているとされます。
実際、フランスはカトリックの歴史が非常に古い国であり、例えば有名なカトリックの建築物ノートルダム大聖堂などは、フランスを象徴する建築物であると同時に文化的に重要な遺産であることから、フランス文化におけるカトリックの影響力が分かります。
そして、次に続くのが無神論者のおよそ30%とイスラム教の5%前後。
それ以外はユダヤ教や仏教などが信じられています。
フランスの文化:フランス料理はフランス人の情熱!
フランス文化を象徴する物の一つと言えば、フランス料理とワイン!
実際、食事はフランス人が情熱を傾けることの一つだと言え、フランスを知る上では欠かせません。
そんなフランス料理は、とにかく時間を掛けて作った濃厚なソースや、細部まで手間を掛けて作った洗練された料理といった感じ。
例えば伝統的な料理として、赤ワインとビーフブイヨンで牛肉を煮込み、ニンニク、たまねぎ、マッシュルームで味付けした「ブルゴーニュ風牛ワイン煮込み」や、「コッコ・ヴァン」と言う、チキン、ブルゴーニュワイン、ラルドン(豚のバラ肉または豚の脂肪)、ボタンマッシュルーム、たまねぎ、そしてオプションでニンニクを入れて作る料理があります。
そして、フランスの習慣として、特にディナーを食べる時にはたっぷりと時間をかけながら、他の人との交流が頻繁に行われるという点も特徴的で、他にも食事の際には次のようなエチケットがあります。
- 人に招かれたら時間通りに訪れる
- しっかりと着飾るべし(ただし派手なものではなくスマートな物が好まれる)
- いきなり食べ始めることはせず、ボナペティ(bon-appetit)と言われるまで待つ
- テーブルの上に肘を置かない
- お皿に乗った料理は綺麗に平らげる
ちなみに、海外ではフライドポテトのことを「フレンチフライ(French Fries)」と呼ぶことがありますが、フレンチフライはフランス発祥の料理ではなく、スペインかベルギーが発祥なんだとか。
後に第三代アメリカ大統領となるトーマス・ジェファーソンが、1785〜1789までフランスにて駐フランス公使を勤めていた時にこのフライドポテトを見つけ、そのアイデアをアメリカに持ち帰って広まったことから、いつの間にかフレンチフライと呼ばれるようになったらしいです。
フランスの文化:ファッションはもはや習慣!?
フランスはファッションでも有名で、特にパリはファッションの先進都市。
ニューヨークやミラノと並んで、世界のファッション3大都市の一つであることからも分かる通り、パリには「ディオール」、「エルメス」、「ルイ・ヴィトン」、「シャネル」など、多くの最高級ファッションブランドが集まっています。
そして、このことに関係するフランス文化として忘れてはいけないのが、フランス人の多く(特に都会に住んでいる人達)は、洗練された本格的でおしゃれな服に身を包みのが習慣となっていると言っても過言でない点。
しかし、決して凝り過ぎることはなく、スッキリとスマートに着飾るんです。
そして、フランス人が好きなファッションアイテムとしては、
- 上品なドレス
- スーツ
- ロングコート
- スカーフ
- ベレー帽
などが挙げられます。
ちなみに、どれだけフランス文化においてファッションが大切かを表していることとして、「オートクチュール」に関することが興味深いかも。
オートクチュールとは簡単に言えば「手作り、またはオーダーメードで作られた高級な衣類や、それらを扱う高級衣装店」のことで、実はこの言葉、フランスでは法によって守られているんです。
そのため、あるファッションブランドが「オートクチュール」と呼ぶ衣服を販売したり、お店を出店するには、以下のようなルールを守らなくてはならないんだとか。
- パリにアトリエを持ち、フルタイムの従業員が15人以上いる
- コレクションをパリのプレスに各シーズン発表する
- コレクションは少なくとも35種類のデイタイムウェアーとイブンニグウェアーで構成されている
- 個人客からのオーダーメードをデザインする
- 一回またはそれ以上の着付けや寸法合わせを行う
文化の中にファッションが溶け込んでるフランスならではです!
フランスの文化:どこを歩いても見つかる芸術はフランス文化そのもの!
芸術は文化を代表するものの一つで、フランスのパリなんかは「芸術の都」と言われるぐらい、フランスの大都市ならどこへ行っても芸術に触れ合うことが出来ます。
例えば、多くの教会や公共の建築物は、それぞれゴシック式、ロマネスク式、ロココ式、そして新古典主義の技法が使われているため、街を歩くだけで芸術を鑑賞出来、それによって培われてきたフランス文化も感じることが出来るんです。
中でもエッフェル塔、ノートルダム寺院、そして凱旋門などは有名です。
実際、クロード・モネやエドガー・ドガ、そしてカミーユ・ピサロなど、歴史上最も有名な芸術家の多くは、パリでインスピレーションを受け、今に続く印象派の芸術運動を起こしたと言われます。
また、パリにあるルーヴル美術館は世界で最も大きな美術館の一つであり、モナ・リザやミロのヴィーナスなど、多くの有名な芸術作品が所有しており、これもまた、多くの芸術を生み出してきたフランス文化を象徴しています。
フランスの文化:いくつかの価値観がフランス文化を象徴してる!
フランス文化を知る上では、その文化を支えるフランス人を象徴する次のような価値観を知っておきましょう。
まず第一に、フランス人の多くは自分達の国家や政府を大変誇りに思っていて、自国に対するマイナスな意見に対しては決まって怒りを表す傾向にある点。
また、フランス人は上品さと洗練さを好み、人前に姿を表す時はスタイリッシュなファッションで身を整えたり、また、最低限のマナーを持って行動したりという人が多い点も、フランス文化や習慣を理解する上で大切です。
加えて、フランスには「自由、平等、友愛(リベルテ、エガリテ、フラテルニテ)というフランスの標語にもなっている3つの言葉があり、その起源が国民が自由を勝ち取ったフランス革命に遡ることから非常に重要視されています。
なかでもエガリテ(平等)と言う言葉は、リベルテ(自由)とフラテルニテ(友愛)より重要視されている傾向にあります。
そして、フランスと言えば「愛の国」として有名なことから分かる通り、フランス人はとにかくロマンスやパッションに溢れる人たち。
国の政治家達でさえ特に隠す事なく不倫をしているような状況で、他にもカップルが籍を入れずに子供を持つのはそう珍しくはありません。
また、現在のフランス大統領エマニュエル・マクロンの妻は25歳も年上で、さらに中学時代の恩師だったことが表している通り、年齢差や立場なども愛があれば気にしないのが、フランス文化の中で大切な「愛」を象徴していると思います。
フランスのビジネス習慣
フランス文化に関して6つのポイントを見てきましたが、最後にフランスのビジネスへ興味がある人向けに、知っておくと良さそうな習慣やちょっとしたマナーを箇条書きで紹介しておくので興味があったら参考にしてください。
- 礼儀が重要視される
- フレンドリーすぎるコミュニケーションはあまり好まれない
- 信頼は非常に大切で適切な行動やマナーを示すことで少しずつ得られる
- フランス語が喋れない場合はその旨を事前に謝っておくと好印象を得やすい
- 但し、幾つかの単語や挨拶程度は覚えておくとより印象が良くなる
- 基本的にはハッキリとして直接的な回答が好まれる
- 日本のように白黒あやふやにしたままにしない
- ミーティングには遅れない
- どうしても遅れてしまう場合は絶対に事前に連絡を入れておく
- 7月や8月にミーティングを入れるのは避ける
- 多くの人がバケーションへ行ってしまっているため
- 会話中は相手に目をしっかりと合わせる
- ビジネス全体は比較的ゆっくりと進むのである程度の忍耐が必要な時もある
- ※日本ほどではないかもしれないが
- 日本と同様にミーティングでは何かを決定するより問題や提案を議論することが多い
- 提案の詳細まで注意して分析する傾向にある
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フランス文化~宗教や服装など~6つのポイントからビジネス習慣まで!のまとめ
フランス文化について6つのポイントを紹介し、また、ビジネス習慣について知っておくと良さそうなことも、簡単に箇条書きで紹介してみました。
フランスは素晴らしい文化を有する国なので、興味があったらぜひ現地を訪れて色々と触れてみましょう。