ベトナムの文化や習慣に関して13のポイントを紹介していきます。ベトナム観光を予定していたり、現地で生活してみたいなんて人はチェックしておくと良いかもしれません。
中国の南、カンボジアとラオスの東に位置し、南シナ海に沿岸部を接している東南アジアの国ベトナムは、歴史の過程で伝統文化に外国文化の要素が混じってきた結果、現在のベトナムが持つ美しく豊かな文化を築きました。
そしてこの美しい文化によって、ベトナムを訪れた多くの人たちを魅了してきたのです。
そんなベトナム文化の特徴は「物質主義ではなく家族や名誉などを大事にする点」だと言えるかもしれません。
この記事では、ベトナムの文化や習慣を理解するために知っておくと良さそうな、有名な料理、宗教、祝日など、13のポイントを紹介していきたいと思います。
ベトナムで生活したいと考えている人、または観光で訪れてみたいと考えている人には参考になるかと思います。
- ベトナムの文化や習慣1:宗教
- ベトナムの文化や習慣2:面目が重要
- ベトナムの文化や習慣3:年長者は尊敬される
- ベトナムの文化や習慣4:教育が超重要
- ベトナムの文化や習慣5:家族は超重要!
- ベトナムの文化や習慣6:ベトナムの衣服と言えばアオザイ!
- ベトナムの文化や習慣7:ベトナムの伝統的な結婚
- ベトナムの文化や習慣8:信頼を得るには時間がかかる
- ベトナムの文化や習慣9:交渉は当たり前!?
- ベトナムの文化や習慣10:楽観的な人が多い!
- ベトナムの文化や習慣11:チップは払う必要なし
- ベトナムの文化や習慣12:ベトナムと言えばフォーでしょ!
- ベトナムの文化や習慣13:ベトナム文化を知る上で抑えたい祝祭日
- 合わせて読みたい世界雑学記事
- ベトナム文化と習慣|生活するなら抑えたい宗教・料理・祝日などのまとめ
ベトナムの文化や習慣1:宗教
ベトナムの文化や習慣を理解する上では、現地で信仰されている宗教についての簡単な知識を確認しておくことが役立ちます。
ベトナムでは独特の民間信仰がいくつか発達。
その民間信仰とは「儒教、仏教、道教、そして、昔からあった土着の信仰が組み合わさったようなもの」で、ベトナムにはこれら民間信仰を信じている人々が多くいます。
また他にも、仏教、キリスト教カトリック、カオダイ教(儒教、道教、仏教、キリスト教、イスラム教の教えを土台にしたベトナム発祥の宗教)なども信仰されており、それぞれの宗教を信じる人口割合は以下の通りです。
- ベトナム民間信仰と無宗教:73.1%
- 仏教:12.2%
- キリスト教カトリック:6.9%
- カオダイ教:4.8%
- キリスト教プロテスタント:1.5%
- ホアハオ教(ベトナムの仏教系新興宗教):1.4%
- その他:0.1%
(参照:wikipedia)
ベトナムの文化や習慣2:面目が重要
多くのベトナム人にとって「面目」つまり「評判」を保つことは、富を持つよりも重要だと考えられることがあったり。
評判の良い人は尊敬と賞賛の的となり、その反対に評判の悪い人は、社会から疎外されるような傾向にあると言えます。
そのため例えば、友達、家族、同僚からどのように思われているかについて、ベトナム人は特に気にする傾向にあり、公衆の面前で人に恥をかかせる行為や、ないがしろにするような行為を嫌います。
例えば、公の場で大声で口論したり、馬鹿にしたり、喧嘩したりといった行為が該当するんです。
そして、これがおそらく、ベトナム人の多くは普段、あまりアグレッシブではなくて穏やかな性格を持つ理由の一つ。
相手を罵ったり攻撃することは、双方にとって面目を失うことになるため、ベトナム人は避ける傾向にあるんじゃないかと思います。
ベトナムの文化や習慣3:年長者は尊敬される
儒教の教えが浸透しているベトナム社会において、「年長者を敬う」のは重要な習慣の一つ。
年長者が持つ経験と知識が高く尊敬され、基本的には年齢が上であればあるほど尊敬されると言えます。
また、年長者と同じ空間にいる場合、ベトナムでは習慣的に、
- 相手を罵らない
- 死や性など不適切とされるトピックを話題に挙げない
- 夕食時は年長者から先に出されるようにする
- 家でも職場でも年長者の意見を尊重する
といったことに気をつける傾向にあります。
また、尊敬の対象である高齢の家族がいる場合、60歳や70歳などの節目の年齢に到達した際には、お祝いが催されるのが一般的な習慣。
このお祝いは、年長者へ敬意と献身を示す絶好の機会になるんです。
ちなみに、年齢だけでなくて地位の高い人も尊敬される傾向にあり、ベトナムではその尊敬を示すために、特別な敬称や所作などが存在しています。
ベトナムの文化や習慣4:教育が超重要
「学ぶことは富よりも重要」とか、「知識こそ美徳」という価値観が存在するなど、ベトナム社会において「教育」は重要。
これに関しては、ベトナム文化の中で教育が大切だと考えられている以外にも、実利的な理由もあるでしょう。
というのも、ベトナムの労働市場は非常に競争が激しく、ベトナム社会で良いキャリアを積んで行きたければ、学校で優秀な成績をおさめておくことがとても大切だから。
そのため、学校で長時間過ごし、家庭教師や塾のような特別クラスを利用してさらに勉強し、周りより良い成績を取ることが勝ち組になる近道なんです。
最近では、英語が特に重要になってきています。
このような競争を勝ち抜いて良い大学を卒業した高学歴の人間は、ベトナム社会において自ずと高い評価と尊敬、そして崇敬の念を得ることが出来るんです。
さらに教育は、社会経済的な地位を向上させるための、基本的で最重要な方法だと考えられています。
ベトナムの文化や習慣5:家族は超重要!
ベトナム社会において家族は超重要。
家族の存在は、ベトナム社会や文化において中核をなし、基本的にベトナム人は自分の家族を非常に大切にすることから、ある意味「家族に対して忠誠心を持っている」と表現することさえ出来るかもしれません。
ベトナム人は通常、家族のメンバーが困っていたら努力を惜しまずに世話をして助け、そのことが彼らの誇りの一部となっています。
一方で、家族の中に素行の悪い者がいれば、本人だけではなくてその家族も非難されることになるのです。
ベトナムの文化や習慣6:ベトナムの衣服と言えばアオザイ!
西洋の影響を受けた現在のベトナム社会では一般的に、普段は洋服を着ることがほとんど。
しかし一方で、ベトナムには正装として着用されることもある有名な民族服で、ベトナム文化を象徴するとさえ言える「アオザイ」が存在します。
アオザイは、ウエストの高さまで側面に切れ込みの入ったガウンのような長い上着で、男性用の物と女性用の物が存在。
今日では特に女性用の美しいデザインをまとったアオザイが世界的に有名で、体にぴったりとフィットするデザインが女性の美しいラインを一際美しく見せるため、世界中に多くのファンがいます。
ベトナムの文化や習慣7:ベトナムの伝統的な結婚
ベトナム文化における伝統的な結婚には、2つのプロセスが含まれると言えるかも。
まず1つ目が、「婚約のお祝い」と言える儀式。
この婚約のお祝いでは、
- 花婿が花嫁の家族の元を訪れて贈り物を渡す
- 両家によって結婚式の日取りを決定する
というステップで進んでいきます。
そして、2つ目が本番の「結婚式」。
- 花嫁の家を第三者が訪れて花婿の家まで連れて行く
- 花婿と花嫁は祭壇で祈りを捧げる
- 二人が結ばれたことを神聖なものとして披露宴が催される
といった流れで進んでいき、晴れて結婚となるのです。
ベトナムの文化や習慣8:信頼を得るには時間がかかる
「ベトナムでビジネスを始めたい」とか、「ベトナムの友達をたくさん作りたい」と思っているのなら、少しばかり辛抱が必要かもしれません。
と言うのも、ビジネスにしろ友達にしろ、そこでは「信頼」がとても大切になってくるわけですが、信頼をベトナム人から勝ち取るには長い時間をかけていくべきだから。
そのため、法的な書類に書かれていることは問題がなくても、新たなビジネスパートナーが自分を本当に信頼してくれるまで、また、新しいベトナム人と出会って本当の友達になるまで、長い時間がかかる可能性がある点をお忘れなく。
逆に、それが当たり前だと理解していれば、焦らずゆっくりと構えていられるはずです。
ベトナムの文化や習慣9:交渉は当たり前!?
ベトナムへ観光に行った外国人が買い物中に遭遇するベトナムの習慣の一つが、ベトナム人店主との交渉。
外国人だと認識されれば、通常より高い金額で吹っかけてくるので、良い価格で購入するためにも巧妙さと戦略の戦いが始まるんです。
そして、ベトナム人の店主に付き合っている間は、自分の方が有利だと考えているのか、なかなか最後まで値段を下げてくれません。
そこで、秘密兵器「足」を使いましょう。
相手がこれ以上下げないと頑なになる値段まで値下げ交渉したら、足を動かしながら「その場を去る」と脅迫してみましょう。
するとほとんどの店では、ゼロよりもわずかな利益を得る方を選び、こちら側の勝利となります。
ベトナムの文化や習慣10:楽観的な人が多い!
フランスによる植民地化や、ベトナム戦争など、非常に辛い過去を歴史の中で経験したのにも関わらず、ベトナム人の多くはかなりの楽天家。
これは、昨今の経済発展によって「未来は今日よりもっとチャンスがある」と希望を持てるからというのはもちろんのこと、ベトナムでは習慣的に、
- 今日費やした時間と犠牲はやがて報われる
という、長期的な考えがあるからだと思います。
もちろん、嫌なことに対して愚痴をこぼすこともありますが、それでもベトナム人は基本的に楽天的な傾向にあると思います。
ベトナムの文化や習慣11:チップは払う必要なし
基本的にベトナムでは日本と同じように、チップを払う習慣はありません。
そのため、ベトナムへ観光などにいった際、「いくらチップを払ったら良いのだろう?」と頭を悩ます必要はありませんが、それでも、提供されたサービスが本当に良いと感じるなら、少しばかり多めに払うと喜ばれます。
ちなみに、チップの習慣に慣れていないお店へ行くと、多めに渡したお金にチップが含まれていることを気づかず、単に計算間違いだと思われ、チップ分もお釣りとして返ってきてしまうことがあるので、さりげなくチップを含めたことを伝えてあげると良いかもしれません。
ただし、あからさまにチップを支払う行為をされるのは、彼らにとって大切な「面目」を潰してしまうことにもなりかねないので、あくまでも「さりげなく」というのが重要だと思います。
ベトナムの文化や習慣12:ベトナムと言えばフォーでしょ!
ベトナムの食文化は他のアジア諸国と同様に、非常に豊かであると同時に独自の料理が存在し、中には世界的に有名なものも含まれます。
そして、ベトナムの文化や伝統を知る上で代表的な料理と言えば「フォー」でしょう。
ベトナムには様々な種類の麺がありますが、米粉で出来た「フォー」は恐らく最も有名。
ライスヌードルにヘルシーで繊細な味のスープがかかり、そこへ牛肉や鶏肉、そして野菜が加わり、さらにライムや唐辛子などを好きな量入れて、味を調整すれば出来上がり。
とても優しい味で美味な上に健康的だとして、世界中で人気なベトナム文化を代表する料理です。
ちなみにベトナムでは、麺であっても食事をする時は習慣的に、音を出して食べることはほとんどない点を覚えておきましょう。
ベトナムの文化や習慣13:ベトナム文化を知る上で抑えたい祝祭日
ベトナムには一年を通して、様々なお祭りや祝日が設けられていますが、ベトナム文化を知るためにも、次の祝祭日を抑えておくと良いかと思います。
- テト(旧正月)
- 旧暦での新年を祝う祝日
- 花の供え物が飾り付けられ、多くの人が集まって盛大に祝われる
- 中秋節
- 9月と10月の間
- この時に行われる獅子舞は重要な行事の一つ
- お盆
- 毎年8月と9月の間に行われる祭日
- 先祖の霊が家族の元を訪ねに戻ってくると言われ、生きている人は亡くなった親族の墓を訪れ、食べ物、お花、紙幣、衣類などをお供え物として捧げる
- 南部解放記念日
- ベトナム戦争が終結した日(4月30日)
- 現在のベトナム社会主義共和国の再建が始まった日と考えられいる
- 建国記念日
- ベトナム建国の父「ホーチミン」が独立を宣言した日
- 国全体が祝賀ムードになり多くのイベントが開催される
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ベトナム文化と習慣|生活するなら抑えたい宗教・料理・祝日などのまとめ
ベトナムの文化と習慣に関する13のポイントを見てきました。
ベトナムの文化は、自国の伝統に、中国や西洋からの影響が組み合わさって形成されてきました。
そして、ベトナム社会には、個人の行動に倫理的価値観を求める文化が存在し、それは名誉、尊敬、学問、家族の4つの柱から成っていると言えるかと思います。