海外で働くメリットとデメリットについて紹介します。また、海外就職をする前に知っておきたい9つのポイントにも触れていきます。
「海外で働いてみませんか?」と尋ねられたら、どんな答えをしますか?
キャリアや人生で達成したいことは人それぞれ違うため、一概に全ての人に海外で働くことが良いとは言いませんが、それでも他の国へ行って働くことは、日本では絶対に経験できないことを始め、チャンスを広げることになったりと、ポジティブな側面が多いように思います。
そこで、「海外就職も考えてみたいな」なんていう人向けに、実際に海外で働き、日本で転職コンサルタントをやっていた経験を基にして、海外で働くことで得られるメリットとデメリットについて考えていきたいと思います。
また、海外就職をする上で事前に知っておきたい9つのポイントも簡単に触れておくので、興味があれば確認してみてください。
海外で働くメリット
海外で働くメリット1:毎日異文化体験が出来ちゃう!
これは当たり前のことですが、海外で働くということは、日本と文化の違う社会で生活するってこと。
そのため、現地で普通に暮らしてるだけで、何気に毎日が異文化体験の連続です。
異なる宗教や文化に出会うことで、自分と同じ文化を共有した人たちと暮らすより、たくさんの価値観や考えを学ぶことができます。
そして見識が高まることで、今まで当たり前だと考えていた身の回りのことに対して、新しい気づきがあったり、新しいチャンスを得られることだってあるんです。
海外で働くメリット2:外国語学習
このメリットは海外で働く上で当たり前のものですよね。
どの国であろうが、通常は最低でも英語、そして可能なら現地語の能力が求められます。
つまり逆に言えば、とりあえず海外就職の為に日本を飛び出して現地で頑張れば、一定レベル以上の外国語を身につけることが可能で、自分にとっての一つの武器になります。
加えて、仕事という真剣な勝負の場で外国語を使うことは、なんとなく海外で生活するよりも外国語やコミュニケーションスキルを伸ばす上で最適です。
海外で働くメリット3:生活水準が高くなるかもしれない!
働くポジションまたは国によって生活水準は変わってきますが、先進国で海外就職するのでない限り、日本と同じ収入またはそれを少し下回ったとしても、生活水準が高くなることがほとんど。
例えば、日本人に人気のタイで就職したとして、仮に単身者が月収20万円程度の収入を得られたとしたら、日本ではまず住めないようなジムとプール付きのコンドミニアムに住みながら、余裕を持って貯金まですることが可能。
他に、ベトタムやインドネシアにもこのケースは当てはまります。
また、中東のドバイなどで就職する場合、通常は日本以上に給料の額面が高くなることが多い上に、所得税が一切かからないため、手取りの額が大幅にアップするなんてこともあったり!
日本人が就職しやすい外国の場合、生活水準が日本以上に高くなることが多いのが、海外で働くメリットの一つだと言えます。
海外で働くメリット4:世界中を旅出来ちゃう!
日本人が海外就職するとなると、多くの人はタイやシンガポールなどを選ぶことが多いはず。
これらの国で働いて住む場合、周辺国へ簡単にアクセス出来ちゃうなんていうメリットがあるんです。
例えばシンガポールであれば、東南アジアのハブとして機能するチャンギ国際空港があるため、そこから2~3時間で簡単に他の東南アジア諸国へ行くことが可能。
また、同じ地域にあるマレーシアは、LCCで有名なエアアジアの本拠地であるため、とにかく安く海外旅行が出来ちゃいます。
結果、平日は仕事をしながら週末は周辺国を回って楽しむなんていう海外旅行生活を、安く簡単に実行することが可能になっちゃうんです。
海外で働くメリット5:文化背景の違う人たちとのチームワークスキル
海外で働く場合、いくら日系の現地オフィスだったとしても、基本的には日本人以外の人と一緒のチームで働くことがほとんどです。
結果、文化背景、価値観、言葉、習慣などが全く違う人達と一つのチームとしてプロジェクトを回していくことになり、日本では難しい、グローバル環境でのチームワークスキルを身につけることが可能。
文化が違えば同じ仕事でも進め方が異なるのが一般的で、日本では得難いマネジメントスキルを伸ばすことが出来ます。
特にグローバル化が叫ばれてる昨今においては、とっても価値あるソフトスキルになるはずですよ!
海外で働くメリット6:外貨獲得でリスクヘッジ!
これまでであれば、日本円以外の通貨を持ってリスクヘッジするという考えは一般的ではなかったはず。
しかし、日本政府の財政が圧迫され、高齢化や人口減少によってマーケットが縮小する現在において、日本円だけを持つのはリスクが高いと言えるかも。
そんな状況であるからこそ、海外へ行って働けば、現地の通貨で給料をもらって外貨を貯めることが出来、リスクヘッジになると言えそう。
しかも、海外就職で世界に対する見識を高めれば、日本に住んでるだけでは思いもしなかった資産運用方法なんかを知ることが出来、将来日本で何かが起きても大丈夫なように準備することが出来ます。
海外で働くメリット7:履歴書が映える!
働く業界や会社によっても異なりますが、海外展開をしていたり予定している会社にとって、海外での就業経験は重宝されること間違いなし!
海外で数年間しっかりと働いて何かしらの業績を出してきた経験は、他の候補者の履歴書に比べて自分の履歴書を輝かせることになります。
ちなみに、働く国は違ったとしても、総じて「外国」で働いていたという経験は国際経験としてみなされ、就職する上でライバルに勝つ強力な武器になることが多いです。
ただし、あくまでも海外と何かしらの接点がある会社でないと評価されにくい点はお忘れなく。
海外で働くメリット8:昇進のチャンスが増えることもある
海外就職の中でも、日系企業へ現地採用として就職するのではなく、現地の企業や外資系企業に就職する場合、日本にある日系企業で働くよりも昇進のチャンスが多いことは良くあります。
日本の場合、未だに年功序列制度が残っており、実力に関係なく「先輩」が自分より早く昇進するのが基本。
しかし、他の多くの国では、入社歴よりも実力が評価されることが多いので、やる気と努力次第で、日本ではありえないぐらい早くキャリアを伸ばしていくことが出来てしまうんです。
さらに、海外である程度の役職を経験して日本へ帰国した場合も、必要とされる会社では最初から高い役職で入社出来ることもあり、一発逆転を狙える可能性もあります。
海外で働くメリット9:日本の枠から外れられる!
日本人が日本で働いていると、自分はそうしたくなくても、「日本人の常識」を受け入れるように強い同調圧力が働きます。
また、いわゆる「当たり前のキャリア」、例えば「良い大学を出て大手企業で働く」といった路線から少しでも外れると、白い目で見られたり負け犬のレッテルを貼られるなんてことが未だにあります。
しかし!
海外では「日本人だから」といった同調圧力が無くなり、代わりに個人としての実力が大切になってくるため、「日本の常識」や「日本の当たり前」に嫌気がさしていた人にとっては、もっと輝ける可能性大。
しかも、一度海外での生活が長くなってしまえば、他の日本国内の日本人と働く場合でも、「海外生活が長くて感覚がズレてまして・・・。」とか適当な言い訳を言えば、周りと同じことをしなくても気にされなくなりますよ!
日本人の枠から外れたい人は是非!
海外で働くメリット10:意味のわからない残業をしなくて良い
日本国内の法人企業の多くでは、昔からサービス残業とかいう「意味のわからない残業」が存在します。
本当は仕事が終わっているのに、周りがオフィスに残っているからというだけで、なんとなく帰り辛らくて、仕事をしていないのに忙しそうな表情でPC画面を見つめているなんてことがあります。
一方、海外でこのような「意味のわからない残業」をするなんてことはまずありません。
もちろん必要な時はしますが、必要ない時は無駄な時間とエネルギーを費やすことなく、さっさとオフィスを後にしても誰からも文句を言われないため、仕事の管理や進め方次第で、その後の時間を充実させ、意味のないストレスを抱えることもなくなるんです。
海外で働くデメリット
海外で働くデメリット1:最初にある程度まとまったお金が必要
海外就職に限らず、海外へ行って長期に住む場合、最初はかなりまとまった金額が必要なことがほとんど。
そのため、まだ仕事を見つけていないのであれば、現地で最低でも半年間は暮らせるような額を、仕事を見つけている場合でも、最低で3ヶ月は暮らせるような額を貯金してから行った方が絶対に安心です。
このように、最初にまとまったお金が必要になるという点は、海外で働く上での最初の障害でありデメリットと言えるかもしれません。
海外で働くデメリット2:日本に帰ってくるなら不利になる場合も
海外で働いた後、将来的に日本へ戻ってきたいと考えている人の場合、残念なことに不利になる場合もある点は頭に入れておくべき。
古い体質の日系企業だと、過去に転職して海外へ行ったことを良く思わなかったり、国内のマーケットだけを見ている企業だと、海外で働いていた数年間のキャリアは無駄なものとして評価してくれないことが多々あります。
このように、海外との接点が全くない日系企業への転職を考える上では、海外経験が活きない可能性があるのが、海外で働くデメリットの一つです。
逆に言えば、海外で働いたなら、日本へ帰国後も海外と接点のある仕事や企業を選んで、「そんな保守的で凝り固まった企業はこちらから無視してしまえ!」と思えれば大丈夫だと思います。
海外で働くデメリット3:レベルの低い仕事しか出来ないこともある
日系企業に現地採用として就職した場合に特に言えることですが、日本国内で十分な職歴がない場合、そこまで責任のある仕事を得られないことがほとんど。
しかも、その現地オフィスでどんなに経験を積んだとしても、いつまでも上司は日本からの駐在組で、給料や待遇面、そして役職の面で、見えない天井にぶつかってしまうことが多々あります。
そのため、現地採用として日系企業に就職したいのであれば、日本で最低でも2~3年は職歴を積んでから行った方が圧倒的におすすめです。
とは言え、人によっては職歴がなかったのに現地へ飛んで、最初は日系企業で働いてその後に外資系へ転職し、いつの間にか偉い役職に就ていたなんてこともあるのでなんとも言えませんが、割合的には稀です。
海外で働くデメリット4:生活水準が下がってしまう
海外で働くメリットとして生活水準が上がる話をしましたが、国や労働条件によっては、逆に生活水準が下がってしまう可能性がある点は注意が必要。
これに関しては、特に日本以外の先進国へ海外就職したい場合に起こりやすいことです。
例えば、アメリカへ行って海外就職したい場合、多くの仕事では、高い英語のスキルと同時に、アメリカのマーケットや習慣などを理解していること、加えて、その仕事に関する高い専門性が求められます。
そのため、日本でそこそこ程度の職歴の人がアメリカで最初に見つけられる仕事は、待遇が良い仕事でないことが多く、生活がカツカツになることも覚悟しておかなくてはなりません。
それでも、「どうしてもアメリカで一旗上げたい!」とか「最初は待遇が悪くても実力で這い上がってみせる!」といった気概を持っている人には良いと思います。
海外で働くデメリット5:孤独と不安
今まで日本で育ってずっと生活してきた人がいきなり海外へ行くと、当初は強い孤独感や不安に駆られることがあります。
友達もあまりおらず家族もいない、そんな状況下で孤独と不安を感じながら生活していると、社会生活全般に支障をきたしてくることになり、せっかく海外で仕事を得たとしても身が入らず、ほとんど何も出来ずに日本へ戻ることになりかねません。
こうした感情を乗り越えて前へ進まなければならないという点が、人によってはデメリットの一つとなってしまうかもしれない点は覚えておきましょう。
海外で働くデメリット6:異文化に馴染むのが大変かもしれない
国が異なれば文化、信仰、価値観、習慣は異なります。
そして、人によってこの異文化に馴染む難易度と言うのは異なるため、海外へ行ったは良いものの、いつまで経っても周りに上手く馴染むことが出来ずに辛い思いをする人もいるかもしれません。
そうなると、いわゆるカルチャーショックが起こったり、現地の人の何気ない行動でイライラしたりと、ストレスの元凶となってしまうことがあるため、海外で働く上でのデメリットの一つと言えるのではないでしょうか。
海外で働くデメリット7:治安が悪いかもしれない
日本は世界でも有数の安全な国。
そんな国から海外へ行く場合、基本的にほとんどの国は治安の面で日本より悪いことがほとんどです。
そのため、日本と同じ感覚で生活をしていると、思いもかけない事件に巻き込まれることがあり、その点はデメリットと言えるかもしれません。
せっかく海外で働くチャンスを得たなら、安全面では気を引き締めて生活していくことが大切で、事前に考慮しておくべき重要事項の一つです。
海外就職するうえで知っておきたい9のポイント
海外で働くメリットとデメリットを見てきましたが、それぞれを検討した上で海外就職してみたいと考えている人は、その思いを実行に移すためにも、次の9個のポイントを参考にすると良いかと思おうので紹介しておきます。
- ビザの手続など、あらゆる面で協力してくれる雇用者を選ぶ
- 就職先の会社が協力的だと、スムーズに仕事を始める上でも、見ず知らずの土地で生活を始める上でも心強いです
- 会社の風土を理解する
- 海外就職にワクワクするだけでなく、働く先の会社についても理解を深めておきましょう
- 明確なビジョンを持つ
- 海外就職で何を成し遂げたいか、何を得たいかなどのビジョンを明確にしておきましょう
- ビザの条件を理解する
- 働きたい国で就労可能なビザを得るにはどうしたら良いかを知っておくと、事前に十分な準備をしてチャンスをより確実なものに出来ます
- ビザの手続きには余裕を持つ
- その時の状況によってビザの発行に時間が掛かる場合もあるので、ビザの申請は早めにして余裕を持つようにしましょう
- 日本で所得税を申告してから出国する
- 日本で働いていた人が海外就職の為に海外移住する場合、出国前に所得税を税務署で申告しておく必要があります
- クレジットカードを事前に用意しておく
- 国によっては移住後すぐにクレジットカードを作れない場合があるので、最低でも1~2枚は海外で使えるカードを日本で作ってから出国するのがおすすめです
- 十分な資金を持っていく
- アパートを借りたり、生活に必要なものを揃えたりと、当面の生活費を賄える十分な資金を持っていくようにしましょう
- 現地語の簡単な知識
- 英語圏以外の国に行く場合は挨拶程度でも構わないので、挨拶程度の簡単な現地の言葉を覚えておくと喜ばれます
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海外で働くメリットとデメリット|海外就職をする上で知っておきたい9つのポイントまで!のまとめ
海外で働くメリットとデメリットを見てきました。
海外就職にはデメリットもありますが、良い面の方が多いと思います。
そのため、海外で働きたいという希望があるなら、その目標へ向かって前進していくのがおすすめです!