世界最大級のクラゲを10種類紹介していきます。世界一大きいクラゲや世界一でかいクラゲとして名前が上がるものには、どのようなクラゲたちが含まれるのでしょうか?
クラゲは視覚的に非常に興味をそそる生き物です。
そのため、近年はペットとして飼われている事例も増えてきました。
また、地域や文化によってはクラゲは食用として重宝されてきました。
一方で、クラゲの仲間によっては触手に触れると危険なことから、恐れられてきたものも多くいます。
そんなクラゲの中には、クラゲとして思い浮かべる大きさを圧倒的に上回る、巨大な種類も存在します。
この記事では、そんな巨大なクラゲの中でも世界最大級とされる10種類のクラゲを紹介していこうと思います。
世界最大級のクラゲ1:パープルストライプドジェリー
カリフォルニア州のモントレー湾沖でよく確認されるこのクラゲは、和名が付けられていないため、日本でも英語名の「パープルストライプドジェリー」で呼ばれています。
その外見から特徴的な名前の理由が理解できます。
パープルストライプドジェリーの傘には、「紫(パープル)」の「縦縞(ストライプ)」の模様があり、傘全体に似たような色の斑点が見られるのです。
その大きさは傘径(傘の直径)で70cmほど。
また、触手はとりたてて長くはなく、30~50cmほどとなります。
外側の触手を使って獲物を麻痺させ、動けなくなった獲物を口のほうへ運び、魚卵や小魚、他のクラゲや動物性プランクトンを食餌とし、典型的なクラゲの食生活をしています。
世界最大級のクラゲ2:ユビアシクラゲ
ユビアシクラゲは、2003年にモントレー湾水族館研究所の一団が最近発見した新種のクラゲ。
深海に生息し、水深約1500mでも姿が見られるとされます。
ただし、人間がその深さまで潜水するには危険すぎるため、ユビアシクラゲの写真はほとんどが遠隔操作された潜水艦によって撮影されたものです。
このような状況から、ユビアシクラゲはこれまで小型な個体がわずか一匹捕獲されただけであり、その生態についてはほとんど明らかになっていません。
ちなみに、傘の直径は75cmに達します。
また、ユビアシクラゲには触手がなく、刺胞に覆われた肉質の口腕があり、これによって他の魚やクラゲを捕食します。
世界最大級のクラゲ3:オーストラリアウンバチクラゲ
オーストラリアウンバチクラゲ、英語名で「海のスズメ蜂」と呼ばれるこのクラゲは、オーストラリア、フィリピン、太平洋地域の島々の沿岸域に生息するハコクラゲ(立方クラゲ, 箱型の傘を持つクラゲ)の一種。
大型のクラゲの中で最も大きなサイズとはいかないまでも、その傘高は30〜50cmで、触手は最長で4.5mほどになります。
しかし、このクラゲは大きさよりも別な理由から知っておきたいクラゲかもしれません。
それは、海で最も毒性が強いクラゲ、つまり、「地球上で最も強い毒性を持つクラゲ」として知られている点。
これまで何人もの人が、オーストラリアウンバチクラゲに刺されて死亡してきました。
オーストラリアウンバチクラゲの毒に侵されると細胞が穴だらけになり、細胞からカリウムが血中に漏れ出して心停止を惹き起こすのです。
世界最大級のクラゲ4:オビクラゲ
刺胞動物(しほうどうぶつ)には含まれず、有櫛動物(ゆうしつどうぶつ, クシクラゲ類)に含まれるため、いわゆる「傘がありその傘の下から触手が垂れ下がっている形態を持つ」一般的なクラゲとは生物学的に異なりますが、名前からも分かる通り、オビクラゲはクラゲとして扱われることがある生き物です。
オビクラゲはクシクラゲ類の一種で、透明な紫色のリボンが水中に浮かんでいるように見える点が特徴的な生き物。
成長すると、最大で体長は1〜1.5mもの長さになることがあります。ただし、幅は10cm以下程度です。
他のクラゲ同様にプランクトンや甲殻類を捕食しますが、毒性はありません。
ちなみに、オビクラゲには獲物を捕まえるために使う小さな触手がありますが、片側の側面にしかなく、口はその反対側にあり、口を丸めて獲物を捕食するとされます。
世界最大級のクラゲ5:コクカイビゼンクラゲ
コクカイビゼンクラゲには、イギリスの海岸沖でその姿が良く確認される世界最大級のクラゲの一種。
その姿から現地では「樽クラゲ」、「ごみ箱の蓋フィッシュ」や「フリル状の口をしたクラゲ」などの名前でも知られています。
コクカイビゼンクラゲは、典型的なクラゲの捕食生活をしていますが、イギリス沖合に生息するオサガメがコクカイビゼンクラゲを好んで捕食するとされます。
そんなコクカイビゼンクラゲは、、傘の直径が90cmに達する巨大なクラゲで、中には1mを超えるような個体も確認されています。
また、2019年には傘の先から触手までの長さがゆうに2mを超える個体が確認されて騒がれたこともありました。
世界最大級のクラゲ6:ヤナギクラゲ
ヤナギクラゲはクラゲの「属名」であり、そこには異なる種類のクラゲがいくつか含まれますが、中には、大きさ、形状、生態が類似する世界最大級の巨大種が含まれます。
(ブラックシーネットル)
その巨大種とは「ブラックシーネットル(Black Sea Nettle)」と呼ばれる種と、「アメリカヤナギクラゲ(Pacific Sea Nettle )」という種。
(アメリカヤナギクラゲ )
両者の間には、体色と好む生息環境に関して大きな違い(ブラックシーネットルは、暗めのえび茶色であるのに対し、アメリカヤナギクラゲはほぼ透明など)が存在しますが、両者ともに傘の直径は1m近くになる可能性を秘めています。
また、個体によって触手は5〜6mにも達するとされます。
世界最大級のクラゲ7:ダイオウクラゲ
ダイオウクラゲは、水深約2,100mもの海底近い深海に生息しているとされる世界最大級のクラゲの一種。
その傘径は1mとなり、また触手は個体によって10mを超えるとされます。
非常に深い深海に生息するため、その真っ暗で水圧の高い環境下において何を食餌とし、何が見えているのか、研究者にも分かっていません。
研究者の見解によれば、ダイオウクラゲは口腕で小魚を口へ運び入れていると考えられています。
ちなみに、ダイオウクラゲには、ほとんどのクラゲにあるような獲物を麻痺させる毒針はないとされます。
世界最大級のクラゲ8:ピンク・ミーニー
ピンク・ミーニーは新種の巨大クラゲ。
傘径1mにも及ぶ傘の下から長さの異なる触手が伸び、その触手は「カーテン」のように広がることで知られます。
もともとは別のクラゲの仲間であると考えられてきましたが、メキシコ湾でピンク・ミーニーの観察と分析をおこなった結果、まったく生物種の異なる新種であると結論づけられました。
平均200本以上もの毒針を持ち、その傘の直径は1m、また触手は長いもので20mを超えてくると言われます。
世界最大級のクラゲ9:エチゼンクラゲ
日本海に生息し、日本国内でも度々話題に上がるエチゼンクラゲは、世界最大級のクラゲの一種として有名。
その傘径は2mに達し、触手の長さは2m程度でしかないものの、重量は150kgまたはそれ以上に達します。
一方で、エチゼンクラゲは日本海に生息する多くの大型魚にとって餌とされてきただけでなく、人間にとっても特に中華料理などで食材とされてきました。
ただし、日本では食用加工の歴史はなく、近年は大量に発生した結果、漁業用の定置網にからまり、販売されるはずの水産対象魚を食べてしまうといった出来事が起こっています。
世界最大級のクラゲ10:ライオンタテガミクラゲ
名実ともに「世界一大きいクラゲ」または「世界一でかいクラゲ」となるのがライオンタテガミクラゲ(ライオンのタテガミクラゲ)。
「世界最大のクラゲ」として知られるクラゲ最大種です。
北大西洋の寒い海域を好み、海水面に比較的近い沖合に浮遊しています。
泳ぎはうまくないために海流を利用して移動し、漂流しながらプランクトンを捕食するか、 ライオンタテガミクラゲの生物発光に引き寄せられてきた獲物を長い触手を使って捕獲します。
その大きさは傘径で2m以上、そして触手の長さは37m近くになるほどの巨大さで、他の世界最大級のクラゲとは一線を画すほどのサイズ感を持ちます。
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世界最大級のクラゲを10種類紹介してきました。
中でも世界一大きいクラゲとなるライオンタテガミクラゲは、驚くほどの大きさであることが分かります。