ゼウスの子供達(息子&娘)|ヘラや他の女性達との間に生まれた神や英雄達とは?

ゼウスの子供達(息子と娘)とされる25名をまとめていきます。正妻であるヘーラー以外にも多くの女性と関係を持ったゼウスには、非常に多くの子供が存在します。

ギリシャ神話において最高神である全知全能の神として描かれるゼウスには、たくさんの子供がいました。

しかし、大の女好きで知られるゼウスの子供達の母親は、正妻であるヘラ(ヘーラー)だけではありません。

また、多くの女性と関係を持った結果、ゼウスの息子や娘と考えられる存在は非常に多く、さらに伝承によっても微妙に異なってきます。

そのため、ゼウスの子供達として描かれる存在を全て挙げることは難しいですが、ここではその中から25名を集めて、一覧として紹介していきたいと思います。

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ゼウスの子供1〜7:ゼウスとヘーラーの子供たち

ゼウスとヘーラーの間に何人の子供がいたかについては諸説あります。

(ヘーラー)

神話によっては二人の間に最大7人の子供が数えられる一方で、軍神「アレース」たった一人の息子しかいなかったという話まで存在するのです。

また例えば、鍛冶の神であるヘーパイストスは二人の間に生まれたとする話が残る一方で、ヘラが一人でもうけた子であるという伝承まであります。

このように、ゼウスとヘーラーの間に生まれた息子や娘に関しての絶対的な定説はありませんが、考えられる最大7人の子供達は以下の通りです。

ゼウスの子供1:アレース

ギリシャ神話に登場する神の中では唯一、どの物語や伝承においても「ゼウスとヘーラーの子供」とされる存在。

戦いを司る男神で、戦闘時の狂乱を神格化したとされる通り、戦闘が大好きな荒ぶる神として畏怖の対象だったオリュンポス12神の一柱です。

性格も粗野で残忍で不誠実であったとされますが、唯一、男神の中では1、2位を争う美貌を持っていたとされます。

ゼウスの子供2:ヘーパイストス

ゼウスとヘーラーの間に生まれた息子として描かれることもあれば、ヘーラーが一人でもうけた子供として描かれることもあるギリシャ神話の神で、オリュンポス12神の一柱。

アレースとは対象的に「親切で平和を愛する」性格を持っていたものの、両足が曲がった奇形児であり、神々の中でもっとも醜い外見を持っていたとして描かれます。

元々は雷と火山の神とされましたが、後に炎と鍛冶の神とされました。

ゼウスの子供3:エイレイテュイア

(出典:wikipedia

ゼウスとヘーラーの間に生まれた娘と言われることが多いエイレイテュイアは、ギリシャ神話において出産の女神とされ、産婦を保護する役割も司ります。

ゼウスの子供4:ヘーベー

ヘーベーもまた、ゼウスとヘーラーの間に生まれた娘として一般的に描かれることが多い女神で、ヘーベーとは「若さ」や「青春」を意味することから、青春が神格化された女神と言われます。

オリュンポス12神が住むオリンポス山では、神々が宴会を行う際の給仕係という役割を担っていました。

ゼウスの子供5:アンゲロス

アンゲロスは他の神々に比べて名前は知られていないものの、ギリシャ神話の中で稀にゼウスとヘーラーの娘として描かれることがある女神。

描かれる場合には、地下世界を司る存在とされます。

ゼウスの子供6:エニューオー

エニューオーはゼウスとヘーラーの娘であり、戦いを司る女神として、兄であるアレースに付き添う形で描かれることがあります。

また、アレースと同様に戦闘に飢え、武器を持った血まみれの姿で描写される傾向にあります。

ゼウスの子供7:エリス

ギリシャ神話においては不和と争いの女神として描かれ、軍神アレースの妹、つまり、ゼウスとヘーラーの娘とされます。

一方で、話によってはギリシャ神話における原初の神で夜の女神「ニュクス」が一人で産んだ娘だと言われます。

ゼウスの子供8:アテーナー

知恵、芸術、工芸、戦略を司るギリシア神話の女神で処女神。

そして、オリュンポス十二神の一柱であるアテーナーは、ゼウスの子供としては最も有名な一人でしょう。

その誕生には異説があるものの、主に以下の話が一般的です。

ゼウスがオケアニスでメーティス(女神でゼウスの最初の妻)と一緒にいた時、メーティスが妊娠した。

将来、自分の権力を脅かす息子を持つという予言を恐れたゼウスは、メティスから妊娠した事を聞くとすぐに、メーティスごと胎児を飲み込んでしまった。

それから9か月後、ゼウスは変な痛みを感じ始めた。その胎児はゼウスの体の中で生き続けていた。

そして、激しい頭痛を感じるようになると、アテーナーがゼウスの頭部から大人の姿で、さらに武装した状態で現れた。

ちなみに、最終的にアテーナーは、子供達の中でゼウスの最もお気に入りとなりました。

ゼウスの子供9:ヘーラクレース

ヘーラークレースは半神半人で、ギリシャ神話に登場する英雄としては最も有名な存在。

また、ゼウスの子供一人としても知られます。

ヘーラークレースは、アルクメーネーという人間の女性を母に持っていましたが、ゼウスを父に持つため、若いころから普通の人間ではないことが明らかで、超人的な強さと勇気を兼ね備えていました。

一方で、ゼウスの正妻で嫉妬深いヘーラーにとっては、ゼウスの不貞を思い出させる存在だったため、ヘーラーはヘーラクレースの人生を惨めなものにしようと様々な仕打ちをしかけます。

その結果、ヘーラクレースは気が狂い、自分の子供たちを殺してしまいました。

そして、自らの罪を償うため、ヘーラクレースはかの有名な「12の功業」と呼ばれる12の試練をこなしていくことになったのです。

ゼウスの子供10〜11:ゼウスとレートーの双子の子供

ゼウスはまた、オリュンポスの神々以前から存在し、宇宙の支配を争う戦いにおいて、最終的にはオリュンポスの神々に破れてしまったティーターン神族と呼ばれる巨人神の女神とも関係を持っていました(アテーナーの母メーティスもティーターンとされる)

そのゼウスと関係を持った一人のティーターン神族の一人に、レートーと呼ばれる女神がいます。

(レートー)

諸説あるものの、レートーはゼウスとヘーラーが結婚する前からゼウスの恋人で、ゼウスとヘーラーが結婚してからはいわゆる不倫をし、双子を妊娠しました。

嫉妬深いヘーラーはレートーにとても嫉妬して、レートーが出産する場所を見つけられないよう邪魔をします。

その後、最終的にレートーは、孤立した不毛で岩だらけのデーロス島で、アルテミスとアポローンと呼ばれる双子を出産。

双子の成長は早く、二人は後にオリュンポス12神に加わることとなったのです。

ゼウスの子供10:アルテミス

アルテミスは「狩猟」と「貞潔」を司る女神で、後には「月の女神」や「闇の女神」とも言われるようになったゼウスの娘です。

また、アテーナーと同様に、生涯を処女で通した「処女神」の一人ともされます。

ゼウスの子供11:アポローン

詩歌や音楽などを司る「芸能・芸術の神」であるアポローンは、同時に「羊飼いの守護神」や「光明の神」とも言われる男神で、ゼウスにとっては息子です。

また、遠距離からの矢が得意で「遠矢の神」として描かれることもあります。

そして、古代ギリシャにおいてアポローンは、神託を授ける神と考えられた結果、多くのアポローンを祀った神殿が建設され、中でもデルフォイのアポロン神殿は有名です。

ゼウスの子供12〜25:ゼウスのその他の息子と娘達

ゼウスの子供12:アイアコス

(出典:wikipedia

ギリシャ神話に登場するアーソーポスと呼ばれる男神と、人間の女性メトーペーの娘であるアイギーナをゼウスが奪い去り、連れて行かれたオイノーネー島でゼウスと交わったことで、アイアコスと呼ばれる息子が生まれました。

オイノーネー島は、母の名前を取ってアイギーナ島と呼ばれるようになり、また、ゼウスの力を受け継ぐアイアコスはアイギーナ島の王となりました。

ゼウスの子供13:アグディスティス

(出典:wikipedia

ギリシャ神話の中でアグディスティスは、男性器と女性器の二つを持ち、野生や自然の脅威を象徴し、ゼウスの子供として描かれることもある神の一人。

アグドと呼ばれる岩で寝ていた、原初の神で地母神とされるガイアをゼウスが妊娠させたことで、アグディスティスが生まれたとされます。

ゼウスの子供14:アフロディーテー

アフロディーテーは「愛と美と性」を司る女神で、オリュンポス12神の一柱。

「最高の美神」と呼ばれるほど美しく、その美しさのためにゼウスが養女にしたという話も残っているほどです。

また、豊穣を司るとも言われます。

このアフロディーテーは一般的に、原初の神々の王「ウーラノス」の男根にまとわりついた泡から誕生したと言われますが、伝承によってはゼウスとディオーネーと呼ばれる女神の間に生まれたとされることがあります。

ゼウスの子供15:ディオニューソス

豊穣、ぶどう酒、酩酊の神で、オリュンポス12神の一柱に含まれるディオニューソスは、ゼウスの息子の一人として描かれます。

テーバイの王カドモスの娘であるセレメーとゼウスの間に出来た子供です。

ゼウスの子供16:エパポス

ギリシャ神話に登場する人物で、エジプトの王として描かれたエパポスは、イーオーと呼ばれる元々は神職にあった女性とゼウスの間に生まれました。

ヘーラーの嫉妬によって雌牛の姿に変えられたイーオーがエジプトへ逃れ、そこで元の人間の姿に戻った結果、エパポスはエジプトで生まれ、成長してからはエジプトの王となったのです。

ゼウスの子供17:エルサ(ヘルセー)

ギリシャ神話において月の女神とされるセレーネーとゼウスの間に誕生した娘「エルサ」は、「(つゆ)」または「しずく」を象徴する女神です。

ゼウスの子供18:パンディーア

エルサとは姉妹にあたるパンディーアは、同じくゼウスとセレーネーの娘として生まれたと描かれることがある女神。

ギリシャ神話に登場する女神達の中でも、度々、非常に美しい存在として描かれます。

ゼウスの子供19:ヘレネー

ヘレネーはスパルタ王テュンダレオースと王妃レーダーの娘でしたが、実はレーダーに一目惚れしたゼウスが、白鳥の姿に化けて彼女を誘惑した結果生まれた女性。

大人になると地上で最も美しいと形容されるほどの美女となり、メネラーオスという男性と結婚しました。

しかし、イリオス(トロイア)の王子パリスにそそのかされてイリオスまでついてってしまった結果、メネラーオスは激怒し、ヘレネーを取り戻すために兄であるアガメムノーンと一緒にイーリオスに攻め込み、トロイの木馬で有名なトロイア戦争が始まったとされます。

ゼウスの子供20:ヘルメース

ヘルメースは、神々の伝令使という重要な役割を担い、旅人、商人などの守護神であると同時に、能弁、境界、体育技能、発明、策略、夢と眠りの神、死出の旅路の案内者、そして体育や芸術を司るなど非常に多面的な性格を持つ男神です。

また、オリュンポス12神の一柱であり、マイアと呼ばれる女神とゼウスの間に生まれたと言われます。

ゼウスの子供21:ラケダイモーン

成長するラコニア地方を治めてスパルタ王になったラケダイモーンは、ゼウスとギリシャ神話に登場する7姉妹「プレイアデス」の一人であるターユゲテーとの間に生まれた男性。

伝説上ではスパルタの創始者と考えられる人物です。

ゼウスの子供22:ミーノース

(出典:wikipedia

ゼウスと女神エウローペーの間に生まれ、成長するとクレタ島の王になったと描かれるのがミーノース。

牛頭人身の怪物として有名なミノタウロスの父親としても有名です。

ゼウスの子供23:ラダマンテュス

(出典:wikipedia

冥界の審判を務める一人としてギリシャ神話で描かれるラダマンテュスは、ゼウスとエウローペーの間に生まれた息子であるため、ミーノースとは兄弟関係にあたります。

ゼウスの子供24:ペルセポネー

豊穣を司る女神でオリュンポス12神の一柱であるデーメーテールと、ゼウスの間に生まれた娘がペルセポネー。

後には冥界の王ハーデスの妻となり、冥界の女王となりました。

ゼウスの子供25:ペルセウス

神話によると、ペルサウスはミケーネ文明で知られるミュケーナイ王家を創始した人物と知られ、また、英雄の一人にも数えられます。

アルゴス王アクリシオスの娘ダナエーと、ゼウスが交わったことで誕生し、その半神の力を使って怪物メデューサを討伐したことで知られます。

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ゼウスの子供達(息子&娘)|ヘラや他の女性達との間に生まれた神や英雄達とは?のまとめ

ギリシャ神話における最高神で女好きなゼウスは、数多くの子供を作ってきました。

今回紹介した25名の息子や娘以外にも、まだまだゼウスの子供と言われる存在はいるので、興味があったら調べてみましょう。

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

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