フランスの城を一覧として紹介していきます。ヴァンセンヌ城、ランジェ城、シュヴェルニー城など、16のお城について簡単に見ていきましょう。
フランスは数多くの城が残っている国として知られ、その中の多くは観光名所となって人々を引きつけています。
フランスの豊かな歴史と同時に、その美しい芸術的価値を感じられる城があったり、中には強大な城塞として機能していた城も存在します。
この記事では、フランス国内に建てられた多くの城の中から、16の城または城跡をピックアップし、一覧にして紹介していきます。
- フランスの城1:アンボワーズ城
- フランスの城2:シュノンソー城
- フランスの城3:アンジェ城
- フランスの城4:トゥールドメル
- フランスの城5:シャンティイ城
- フランスの城6:シャンボール城
- フランスの城7:ランジェ城
- フランスの城8:ヴァンセンヌ城
- フランスの城9:オー・クニグスブール城
- フランスの城10:ヴィランドリー城
- フランスの城11:ヴォー=ル=ヴィコント城
- フランスの城12:サルス要塞
- フランスの城13:ペルペルテューズ城
- フランスの城14:シュヴェルニー城
- フランスの城15:ボナギル城
- フランスの城16:ヴァル城
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- フランスの城一覧|ヴァンセンヌ城・ランジェ城・シュヴェルニー城などのまとめ
フランスの城1:アンボワーズ城
過去には有名なフランスの王達(シャルル7世、ルイ11世、シャルル8世など)が過ごしたことで有名なアンボワーズ城は、フランスのロワール渓谷、アンドル=エ=ロワール県のアンボワーズにある城。
ロワール川を見渡せる高台に建てられたことから、同地域に住む人々にとっては戦略的に重要な場所でした。
また、歴史の中ではレオナルド・ダ・ヴィンチが住んだことでも知られ、礼拝堂にはダヴィンチのものとされる墓があります。
一方で、フランス革命期には破壊活動の被害にあったり、第二次世界大戦中にはナチスドイツによって破壊されるなど、度重なる被害を被ってきましたが現在は修復されています。
フランスの城2:シュノンソー城
ルネサンス様式のシュノンソー城は、ロワール峡谷内のシェール川にかかったアーチ橋の上に建てられたとても美しい城。
フランスでは有名な観光地で、多くの観光客が訪れます。
11世紀以降から文献上に登場したと言われますが、中でもこの城にまつわる歴史的出来事として有名なのが、フランスのヴァロワ朝第10代の王「アンリ2世」が、妻の王妃カトリーヌにではなく、妾(めかけ)のディアーヌ・ド・ポワチエへこの城をプレゼントしたことです。
一方で、この城を欲しがっていたカトリーヌは、アンリ2世が亡くなるとすぐにディアーヌを城から追放しました。
フランスの城3:アンジェ城
ロワーヌ峡谷の一部、メーヌ=エ=ロワール県に建てられたアンジェ城は、その頑とした外観が特徴的な城。
もともとは戦略的に防御の要となる要塞として建てられたのが、その外観の理由で、周囲600mを大きな城壁が囲っています。
一方で、内側にはゴシック様式の中庭があったりと、ずっと洗練された雰囲気になります。
フランスの城4:トゥールドメル
フランスのコレーズ県に位置する中央高地の西側にある険しい谷には、トゥールドメルと呼ばれる森に囲まれた城跡が残っています。
フランスにある他のお城のように、完璧な姿形が残っているわけではありませんが、12世紀から15世紀の間に建設された要塞の一部として、歴史的価値がある場所です。
中世の様々な争いに関わり、14世紀に起きた百年戦争では、イングランドによって占領されたこともあります。
フランスの城5:シャンティイ城
フランスのシャンティイ市にあるシャンティイ城は、ルネサンス期の1560年頃に建てられたものの、フランス革命下で一度破壊され、19世紀後半に再建された城。
優美なパルテール(植栽、花壇、生け垣、道などが、ある模様になるよう配置された庭の構造)が魅力的で、城にある馬小屋は、18世紀から現在までそのままの姿で残っており、馬と馬術の博物館として使われています。
また、貴重な芸術作品や彫刻、中世の写本の図書室を有するコンデ美術館があり、莫大なコレクションを貯蔵していることでも有名で、なかにはラファエロやボッティチェッリなど、ルネサンス期の巨匠の作品も含まれています。
フランスの城6:シャンボール城
フランスのロワール=エ=シェール県のシャンボールに位置するロワール渓谷にあり、ロワール峡谷に複数ある城の中では最大の広さを誇り、最も美しく権威あるのがシャンボール城。
16世紀にフランソワ1世のために建てられた狩猟小屋が始まりと言われ、数ある屋根の上に設置されたタレット(中世の城にある円筒形の射撃用の塔)が特徴的です。
ちなみに、ルネサンス時代に生きた万能の天才で歴史的偉人であるレオナルド・ダ・ヴィンチが、シャンボール城の内装で最も称賛されている二重螺旋階段を設計したらしいです。
フランスの城7:ランジェ城
百年戦争で一度大破されたランジェ城は、15世紀後半に再建されました。
そして、再建されてから間も無くシャルル8世とアンヌ・ド・ブルターニュが結婚式を挙げたことで、歴史の中に名前を残すことになりました。
また、再建されて以降、ランジェ城は戦闘で使われたことが無いため、その姿は当時のままで、15世紀、16世紀当時のコレクションが残っている場所としても有名。
さらに、ランジェ城では現在観光客向けに、剣術の再現が行われたり、跳ね橋が1日数回上げ下げされたりします。
フランスの城8:ヴァンセンヌ城
パリ東の郊外に位置するヴァンセンヌ城は、決して外観が美しい城ではないかもしれないけど、とても興味深くて歴史的にも重要な城。
ヨーロッパで最も高いと言われる天守で有名で、14世紀に建てられて以降、およそ400年の間、フランスの王によって使われたことで知られます。
一方で、19世紀から20世紀にかけては処刑の舞台ともなり、第二次世界大戦中にフランスがナチスドイツの支配下になった際には、30人もの人が虐殺された舞台となりました。
現在では、フランス陸軍の機関の一つである国防史編纂部(こくぼうしへんさんぶ)が置かれています。
フランスの城9:オー・クニグスブール城
オー・クニグスブール城は、今まで何世紀にもわたって様々な民族や帝国によって領有権が争われてきた、フランスのアルザス地方に建っている城。
アルザス平原を見下ろす標高755mの山の上にそびえ立ち、周りに広がる美しい山地や森を望むパノラマを有しています。
また、オー・クニグスブール城はピンク色の砂岩で造られているため、日に当たると少し色が変わるのが特徴で、それがまたこの城を魅力的にしています。
セレスタ駅からバスに揺られて40分ほどで到着します。
フランスの城10:ヴィランドリー城
シャンボール城と同じロワール峡谷に位置するヴィランドリー城は、ルネサンス様式の美しいお城で、また、荘厳な幾何学模様を持つ庭園が有名。
庭園は4つに区切られていて、20世紀初頭にスペイン人医師ヨアキム・カルヴァロが14世紀の文献を基に修復を行いました。
写真では分かりづらいですが、実際に訪れるとその豪勢さ、精密さ、規模に驚くはずです。
また、4つに区切られた庭には、
- 太陽の庭園
- 水の庭園
- 装飾庭園
- 装飾菜園
と、それぞれ異なるテーマが与えられ整備されています。
フランスの城11:ヴォー=ル=ヴィコント城
17世紀半ばにパリの南東部にあるセーヌ=エ=マルヌ県に建てられたヴォー=ル=ヴィコント城は、見た目も見事で歴史的にも重要なフランスのお城。
フランス史において野心家として描写さえることもあるルイ14世の大蔵卿ニコラ・フーケによって建設されました。
当時における最高峰の芸術家や建築家が招かれ、非常に豪勢で力強い雰囲気のお城となっています。
また、敷地も広大で、手入れするには18,000人もの労働者が必要だったこともあったそうです。
ちなみに、現在このお城を見学する場合、カートの利用が可能なので、広大な敷地を効率良く移動するためにおすすめです。
さらに、当時を再現した衣装の貸し出しも行っています。
フランスの城12:サルス要塞
フランスのピレネー=オリアンタル県にあるサルス要塞は、その名前から分かる通り、城と言っても実際の戦闘を想定し、要塞として建てられた城。
もともとは15世紀末から16世紀初頭にかけてカタロニア人によって建てられましたが、1642年にはフランス側に奪われ、その後はフランスの物となって今日まで残っています。
現在はこの巨大な要塞を一目見ようと、毎年10万人を超える人々が訪れると言います。
フランスの城13:ペルペルテューズ城
ピレネー山脈東部の丘の頂上には、かつて支配力を持っていた要塞の跡が多数あり、ペルペルテューズ城もその一つです。
このペルペルテューズ城は、キリスト教のカトリック教会に異端とされたカタリ派が、カトリック教会から派遣されたアルビジョワ十字軍と戦うために籠城戦を繰り広げた城として知られます。
最終的には17世紀に廃墟となり、現在は標高800mの険しい石灰岩の岩山に溶け込み、美しい景観を作り出しています。
フランスの城14:シュヴェルニー城
フランスのロワール・エ・シェール県のシュヴェルニーにあるシュヴェルニー城は、歴史の中でなんども持ち主が変わってきましたが、ここ数百年の間はユロー家によって所有されています。
外見は比較的地味でこじんまりとした印象を持つものの、居間には豪華な17世紀と18世紀の内装が残っていることで有名。
さらにシュヴェルニー城には、100匹程の猟犬が毎日訓練されている犬舎もあったり、上品なカフェがあったり、他にも芸術のコレクションがあったりします。
1914年以降は一般公開されているので、興味があれば観光目的で中に入ることが可能です。
フランスの城15:ボナギル城
テーズ川とレマンス川の合流地点で岩の上に建てられているボナギル城は、半分廃墟と化している城塞。
その基盤は14世紀に遡るものの、現在の姿が完成したのは15世紀から16世紀にかけて。
当時最先端の防衛を誇っていたことで、そこに攻め込もうとした者はいなかったのか、ボナギル城の外観は17世紀初頭から変わっておらず、完璧な姿のまま残っていると言われます。
そのため、フランスを代表する歴史的軍事建築として価値の高い建築物の一つでもあります。
フランスの城16:ヴァル城
フランスのオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏、カンタル県のコミューン(地方自治体の最小単位)にあるヴァル城は、小規模ながらも湖畔に面した姿がとても印象的なフランスのお城。
訪問するにも交通の便が良くないため、ある意味で隠れた秘境と言える観光地で、湖とのコントラストによって、天候次第で様々な表情を見せます。
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フランスの城一覧|ヴァンセンヌ城・ランジェ城・シュヴェルニー城などのまとめ
見てきたように、フランスに残る城の中には王族や貴族が贅を尽くした城もあれば、激しい戦いが繰り広げられた城塞もあり、フランスの城めぐりは、フランスの歴史や文化を知る上で最高です。
ちなみに、城が多く点在するロワール渓谷は現在、「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」として世界遺産に登録されています。