ドイツのスポーツとして、人気なものから国技、そしてドイツ発祥のものまで14種類を紹介していきます。ドイツのスポーツ事情を見ていきましょう。
ヨーロッパの雄ドイツは、近現代においてヨーロッパだけでなく、国際社会でも大きな存在感を示してきました。
その影響力は政治や経済だけでなく、社会や芸術にまで及びます。
さらに、ドイツはスポーツの分野でも頻繁に強豪国として名前が挙がる国であり、競技によっては圧倒的な強さを誇ります。
この記事では、そんなドイツにおいて人気なスポーツから国技、そしてドイツ発祥のスポーツなど、合計14のスポーツを紹介していきます。
ドイツのスポーツ1:サッカー
サッカーは間違いなくドイツで最も有名なスポーツ。
アルゼンチンにおけるパトやカナダに置けるアイスホッケーのように、国家として特別な待遇が与えられているわけではないものの、ドイツの国技の一つに数えられるのがサッカーで、それだけとても人気があります。
例えば、ドイツサッカー連盟(DFB)にはおよそ700万人の会員が加わると言われ、会員数で言えば世界最大のスポーツ協会として有名。
ドイツ人の人口が8000万強であることを考えると、全人口の8〜9%の人々が、何らかの形でDFBに加入していることになります。
また、ドイツには「ブンデスリーガ」と呼ばれる超一流のサッカーリーグがあり、これまで世界的にも有名な選手を輩出し、近年だと日本人選手も活躍しています。
そして、ドイツのサッカーと言ったら何と言っても2019年現在までに、FIFAワールドカップでの成績として、優勝4回、準優勝4回の成績を残し、世界で最も強い代表チームの一つとして有名です。
このように、人気だけでなく実力でも世界トップレベルの成績を残すドイツサッカーは、紛れもなくドイツの人気スポーツであり、これまでフランツ・ベッケンバウアーなどのサッカー史上で偉大な人物に数えられる選手達を世に送り出してきました。
ちなみに、ドイツのワールドカップ優勝の中でも特に際立っているのが1954年の初優勝。
ドイツが敗戦国となった第二次世界大戦後から僅か10年足らずで行われた伝説の決勝戦で、ドイツチームは強豪ハンガリーチームを3対2で下して優勝したのです。
ドイツのスポーツ2:ハンドボール
サッカーに並んでドイツの国技と言われるのがハンドボール。
ドイツにはハンドボール・ブンデスリーガと呼ばれるハンドボールのプロリーグがあり、スペインのリーガASOBALと並んで世界最強のリーグとして知られるなど、団体競技としてハンドボールはドイツで人気な種目の一つです。
大都市ではサッカーにより関心が集まるものの、小さめの都市ではむしろハンドボールの方に関心が集まるほど、ドイツではハンドボールが親しまれているんです。
一方で、リーグは世界最強なのにドイツの代表チームの成績はなぜか安定しないことでも知られます。
世界選手権における優勝は、1938年のナチスドイツ時代の優勝、冷戦時代の1978年の優勝、そして2007年の優勝の三回だけで、世界選手権の成績ではフランスやスウェーデン、そしてルーマニアに負けています。
ドイツのスポーツ3:スキー
テレビで観戦するスポーツとしてではなく、好んで練習したりして楽しまれるのがスキー。
ドイツにもまたがるアルプス山脈があることから、ドイツでは伝統的にウィンタースポーツが楽しまれていて、毎年、冬になるとアルプス山脈への道はスキーを楽しむ人たちでごった返します。
そして、アルプス山脈には非常に優れたスキー場が多くあり、訪れた人たちを楽しませてくれるのです。
ちなみに、そんな環境的にも恵まれたドイツは、これまでアルペンスキー、スキージャンプ、ノルディック複合などの競技において、数々のメダリストを輩出してきたことで知られ、ウィンタースポーツの大会では毎回、優勝候補の一角として名前が挙げられます。
ドイツのスポーツ4:リュージュ
そりの先に足を乗せる状態で仰向けに乗って氷上を滑る速さを競うウィンタースポーツ「リュージュ」も、スキーと同様にドイツが強豪として知られるスポーツの一つ。
ドイツでは国技の一つと言われることもあるほどで、過去にはゲオルク・ハックルと言うリュージュ史上で最強選手に数えられる人物がドイツから誕生しています。
このゲオルク・ハックルは、1988年に出場した冬季オリンピックで銀メダル、そして1992年、1994年、1998年の3つの冬季オリピックで3大会連続で金メダルを獲得し、2002年の冬季オリンピックでも銀メダルを獲得。
冬季オリンピックで史上初の5大会連続メダリストになったことで知られます。
ドイツのスポーツ5:ボブスレー
チーム制のリュージュとも言えるボブスレーに関しても、リュージュが得意なドイツは強豪国として有名。
冬季オリンピックにおいてはスイスに次いで2番目に多くのメダルを獲得しており、もしも冷戦時代に別れていた東西ドイツ時代のものも含んだ場合はスイスの倍になるなど、世界的に見てもボブスレーでは圧倒的強さを誇る国として知られます。
例えば、2018年に開催された平昌オリンピックでは、ドイツチームが2位以下に大差を付けて優勝しています。
ドイツのスポーツ6:アイスホッケー
ドイツではアイスホッケーの試合ほどスタジアムでファンが騒ぎ立てて盛り上がるスポーツはないと言われていることからも分かる通り、ドイツではサッカー以外に人気のある団体競技の一つ。
ほとんどの主要都市には、一部リーグで競うアイスホッケーチームがあり、都市間で激しい試合が繰り広げられます。
また、アメリカのNHL(ナショナルホッケーリーグ)には叶わないものの、ドイツのアイスホッケーリーグは、世界的に見ても優れたリーグと言われており、NHLでも大活躍したウーヴェ・クルップなどの選手を育ててきた実績もあります。
そんな底力を持つドイツのアイスホッケーチームは、2018年の冬季オリピックで銀メダルを獲得。
この功績が讃えられ、後には様々なスポーツ分野のドイツ代表チームの中で、ドイツ代表のアイスホッケーチームが最優秀チームに選ばれました。
ドイツのスポーツ7:モータースポーツ
モータースポーツ業界においてドイツは主要国の一つとして見なされていること、そして、ドイツ自体が優れた車の生産国として知られることからも分かる通り、同国においてモータースポーツは大人気。
ミハエル・シューマッハやセバスチャン・ベッテルなど、熱狂的なF1ブームを引き起こしたトップレーサーを世の中に輩出してきました。
特に、F1史上で最も成功したと言われるミハエル・シューマッハは、F1世界選手権で史上最多7度の優勝を誇り、この7度目の優勝は記憶に残る名シーンとして世界中のF1ファンに語り継がれています。
また、F1だけでなく、例えば、世界的な四輪耐久レースとして知られる「ル・マン24時間レース」において、ドイツの自動車メーカー「ポルシェ」は、これまで20回近い優勝を誇っています。
このようなことから、ドイツではモータースポーツも人気な競技になっています。
ドイツのスポーツ8:ゴルフ
決してドイツで一番人気なサッカーの様に多くのファンを抱えていたり、テレビで放送されるわけではないけど、ドイツでは多くの人にプレーされる人気なスポーツがゴルフ。
ゴルフ道具は値段が張り、ゴルフクラブへ所属するのにもお金が掛かるため、比較的富裕層の間で楽しまれるスポーツとして人気です。
ちなみに、ドイツは世界クラスのゴルフプレーヤーを輩出したことがある国で、現在(2019年現在)は、ドイツ出身で全米プロゴルフ選手権でも優勝したマルティン・カイマーが活躍中です。
2011年には、8週間超に渡って世界最優秀選手でさえありました。
ドイツのスポーツ9:バスケットボール
アメリカのNBAのチームを始め、世界的に強豪として知られるバスケットボールチームと比べるとドイツのそれは見劣りするかもしれません。
しかし、だからと言ってバスケットボールはドイツで人気がないわけではなく、むしろ逆で比較的多くのファンを抱えるスポーツとなっています。
デトレフ・シュレンプやダーク・ノヴィツキーの二人のNBAで大活躍した選手によって、バスケットボールはドイツでも人気なスポーツとして定着しました。
中でもダーク・ノヴィツキーは、ヨーロッパ出身者としては初のNBA最優秀選手に輝いたこともあり、ドイツの誇りとなっています。
あいにくドイツチームは、世界的な功績をあまり残せていませんが、最も際立った試合として、1993年のヨーロッパ選手権での優勝が挙げられます。
接戦を勝ち抜いたドイツチームは、ロシアチームとの対戦を迎えました。
その試合ではまた接戦となったものの、最後には71対70で感動的な勝利を収め、ドイツに初の優勝トロフィーをもたらしたのです。
ドイツのスポーツ10:テニス
これまでドイツ出身の選手がコンスタントに大活躍してきたこともあり、ドイツではテニスも人気なスポーツ。
特に、男子テニスで圧倒的な成績を残した「ボリス・ベッカー」と、「女王」として恐れられた女子テニスの偉人「シュテフィー・グラフ」によって、1990年代のドイツにはテニスの熱狂的ブームが起き、ドイツテニスの黄金期が訪れました。
一方で、この二人の後にテニス界に君臨する圧倒的存在が現れなかったため、近年は人気が少しずつ落ちているとされますが、ドイツ出身の新星「アレクサンダー・ズベレフ」がその片鱗を見せているため、近い将来にはまたテニスの人気がドイツで爆発するかもしれません。
ただし、観戦ではなくて実際にプレーするスポーツとしては、テニスは安定した人気を誇っています。
ドイツのスポーツ11:ボクシング
ボクシングの強豪国として名前が挙がることは少ないものの、実は歴史的にボクシング王者を輩出してきているのがドイツ。
例えば、アメリカ人以外で初の世界ヘビー級王者となったマックス・シュメリングを始め、アルツール・アブラハムやスベン・オットケ、ヘンリー・マスケ、フェリックス・シュトルム、ビタリ・タイベルトなどの世界王者を世界に送り出してきました。
また、ドイツ出身ではないもののピタリ・クリチコやウラジミール・クリチコなど、主に旧ソ連圏の世界王者たちがドイツを拠点にしていることもあり、ドイツでボクシングは大人気スポーツの一つとなっています。
そのため、ドイツで世界大会が開かれればスタジアムは非常に多くの人で埋め尽くされ、何百万人もの人がテレビの前で観戦します。
ドイツのスポーツ12:自転車競技
自転車競技は、多くのドイツ人たちが日曜日の午後に好んでテレビ観戦したいスポーツの一つ。
実際に練習したり参加する人は少ないですが、テレビで観戦するという点で言えば、ドイツ国内で人気なスポーツのトップ10に入ると言えそうです。
特に、ドイツ出身の選手として活躍したエリック・ツァベルやヤン・ウルリッヒの登場は、ドイツ国内における自転車のロードレース人気の高まりに貢献しました。
しかし、2006年以降、この二人を始め、他のドイツ選手にもドーピング違反が見つかったことで、ドイツの自転車競技ファンの多くを落胆させることになってしまいました。
ドイツのスポーツ13:シュラークバル
シュラークバルとは、イギリスのクリケットを原型として発展したドイツ式野球のことで、1890年代にドイツで始まったことから、ドイツ発祥のスポーツであり、また、国技の一つにも数えられるスポーツ。
第二次世界大戦以前にドイツで流行していましたが、他のスポーツの人気上昇などもあり、大戦以降は人気を失っていきました。
ただし、最近はこの自国を発祥とするスポーツに対して再びドイツ国内で人気が出始めていると言われるため、時間を掛けて、将来的には再び、多くの競技人口やファンを抱えるスポーツになっていくかもしれません。
ドイツのスポーツ14:卓球
どちらかと言えばレクリエーションとして楽しまれるスポーツですが、卓球はドイツの国技にも含まれることがある競技。
ドミトリ・オフチャロフやパトリック・フランチスカなどの世界的プレーヤーがいるだけでなく、オーストリアを合わせたドイツ語圏における卓球のリーグ「卓球ブンデスリーガ」を抱えるなど、意外にドイツは卓球界で存在感を示しています。
特に、卓球ブンデスリーガは卓球のリーグとして比較的金銭面での条件が良いため、主にヨーロッパ各国から強豪が集まってくるのも、ドイツが卓球で意外なほど存在感を持っている理由でしょう。
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ドイツのスポーツ|人気な競技から国技やドイツ発祥の競技14選!のまとめ
ドイツのスポーツとして、人気なものから国技、そしてドイツ発祥の競技まで14種類を紹介してきました。
ドイツの文化を知る上でも抑えておくと良さそうです。