世界一大きい魚・世界一でかい魚を見ていきましょう。体重を基準にした場合に世界トップ10にランクインする魚たちとは、どういった種類の魚なのでしょうか。
世界に無数に存在する魚の中には小さいものから大きなものまでいます。
そんな魚の中でも、世界最大の魚と言ったらどれほどのサイズか想像出来ますか?
例えば、一般的に食卓に並ぶことで親しまれるクロマグロは、全長3m、体重は400kgを超える大型の魚ですが、世界一でかいとされる魚は、このクロマグロの何十倍もの体重を誇ります。
この記事では数いる魚の中でも、これまで報告された最大体重を基準にした場合に世界一大きい魚となる10種類の魚を、ランキング形式で10位から1位まで紹介していきます。
世界一大きい魚ランキング10位:ナンヨウマンタ
ナンヨウマンタ(学名 Manta alfredi)は、世界で2番目に大きなエイであり、世界一大きい魚としては10番目にランクインする大きな魚。
2009年12月、元々同種とされていたオニイトマキエイとは別種であることが判明し、個別の種のエイとして登録されたことで、世界第2位のエイの座に就くこととなりました。
一般に熱帯および亜熱帯の海域(主に沖縄以南、インド太平洋の温・熱帯海域)で見られますが、東太平洋および西大西洋では見られません。
そんなナンヨウマンタは世界最大級の魚として名前が挙がるだけあり、体重は1.4トン、全長は最大で5.5mに達することがあります。
一方で、その大きな体にも関わらず、主な餌は動物性プランクトンであり、口に入れたプランクトンをエラで濾過して摂食するのが特徴です。
通常、その巨大な体に加えて、比較的速い速度で泳ぐため、他の生き物に捕食されることはほとんどありませんが、人間による乱獲や環境破壊などはナンヨウマンタの個体数減少を引き起こしており、絶滅が危惧されています。
世界一大きい魚ランキング9位:カクレマンボウ
カクレマンボウ(学名 Mola tecta)は、マンボウ科マンボウ属に含まれる、オーストラリア南東部、ニュージーランド近海、南アフリカ共和国沖に主に生息している世界最大級の魚。
(出典:wikipedia)
全長は平均的に50〜242cmと、長さという点では他の世界一でかい魚たちと比べて見劣りしますが、丸い体が持つ体積は想像を絶するほどで、最大で1.87トンにまでなるとされます。
一方で、このカクレマンボウは、3世紀近くも個別の種として記載されていなかったことからその名前が付き、また、正式に主として記載されたのは近年であるため、その生態についてはほとんど良く分かっていません。
世界一大きい魚ランキング8位:ヤリマンボウ
カクレマンボウと同じマンボウ科(ただし、ヤリマンボウ属)に分類されるヤリマンボウ(学名 Masturus lanceolatus)は、世界中の熱帯および温帯の海域(主に外洋)に生息するマンボウの仲間。
(出典:wikipedia)
日中は水深5〜200mの海中で、夜は100〜250mの深さで時間を過ごすことが多いとされ、神出鬼没で滅多に目撃されることがないため、生態に関してはほとんど知られていません。
体長は成体で約3.4mと、長さという点では他の世界最大級の魚に見劣りしますが、体重は2トンにも達し、体重を軸に見ると世界一大きい魚にランクインします。
ヤリマンボウの食性は多様で、若い時はプランクトンや海綿動物を、大人になるとクラゲ、オキアミ、小魚などを食べます。
世界一大きい魚ランキング7位:マンボウ
カクレマンボウと同じマンボウ科マンボウ属に分類されるマンボウ(学名 Mola mola)は、体重を基準にした場合に世界一大きな硬骨魚(注)となる魚の1つ。
その体重は成魚で約2.3トンにもなります。
一方の全長に関しては、他のマンボウの仲間と同じように、体重に対してそこまで巨大とは言えず、最大でも3.3mほとです。
世界の熱帯および温帯の海に広く生息し、大量のクラゲを捕食します。
また、元々は外洋の浅い部分で浮かぶ様に泳いで生活していると考えられていましたが、最近の研究では深海800mにまで移動することが判明しているなど、生態に関してはまだまだ多くの発見が待たれています。
ちなみに、マンボウの中にはその体の特徴から、体高が体長とほぼ同じである個体も見つかっています。
(注釈)硬骨魚とは、骨格の大部分が硬骨と呼ばれる硬い骨からなる魚のこと。逆に骨格の据えてが軟骨で出来ている魚は軟骨魚と言い、サメやエイなどが含まれる。
世界一大きい魚ランキング6位:オオチョウザメ
オオチョウザメ(学名 Huso huso)は、チョウザメ目チョウザメ科に属する魚。
生息域は黒海、カスピ海、アドリア海に限定され、また、成長段階や環境の変化に応じて生息場所を移動するのが特徴。産卵時期になると鮭と同じ様に川を遡上します。
また、オオチョウザメからは高級で珍味なベルーガキャビアが取れることで有名です。
一方で、その高級なキャビアを狙って、これまで無秩序な漁業と密猟が起こり、個体数は大幅に減ってしまいました。
そんなオオチョウザメは、平均でも1.5〜3.5m、長生きすれば全長が6m近くに達し、過去には体長8.6m、体重2,700kgに達した個体も見つかっているなど、世界最大級の魚としても名前が上がります(※一般的に認められている最大個体の記録は全長7.2m、体重1.476トンの個体)。
寿命が非常に長く、成熟するまでに非常に長い時間がかかるというのが、巨大化の大きな理由の1つです。
世界一大きい魚ランキング5位:オニイトマキエイ
この世界一大きい魚ランキングで最初に紹介したナンヨウマンタの部分でも少し触れたオニイトマキエイ(学名 Manta birostris)は、世界で5番目に大きな魚にランクインしている魚でありエイの中間としては世界最大の種。
平均的な個体でさえ全長が3〜5mにもなるのに、これまで最大とされる個体は9.1m、体重は3トンにもなるとされた巨大な魚です。
熱帯および亜熱帯の海域に生息し、主にプランクトンを食べ、単独で泳いでるか同じ種あるいは他の海洋生物と群れをなして泳いでいます。
また、普段は大きく羽ばたくようにゆっくりと進むのに対して、餌となるプランクトンの集団を見つけた時には一気に加速して速く泳ぐのが特徴です。
一方で、ナンヨウマンタと同じように、巨大な体を持っているために、自然界で捕食されることはほとんどありませんが、無責任な人間による漁業や環境破壊によって個体は減少傾向にあります。
世界一大きい魚ランキング4位:イタチザメ
英語で「Tiger Shark(トラザメ)」とも呼ばれるイタチザメ(学名 Galeocerdo cuvier)は、現存する魚としては、世界で4番目に大きな種。
サメの仲間としては最も大型の部類に入るとされ、平均的なサイズは全長が3.25〜4.25m、体重は400〜650kgにもなり、それなりに大きな個体であれば900kgを超え、1957年にインドシナ沖で捕獲された巨大なメスの個体は、体長が7.4m、体重は3.11トンだったと言われます。
地中海などの一部の地域を除き、熱帯および温帯の海域に広く生息し、その多くは中央太平洋の島々の周辺に生息。
幼魚は体に黒いトラのような縞模様があり、これは成長とともに消えますが、この縞が虎の縞のようであるため、英語で「Tiger Shark(トラザメ)」と呼ばれる理由となっています。
そんなイタチザメは、サメの中で最も餌場が広く、水生生物から海鳥、さらには産業廃棄物などの人間が捨てたゴミまでも飲み込んでしまいます。
しかし、このように本来は食べられない物を飲み込むことは、イタチザメを命の危険にさらしてしまっています。
世界一大きい魚ランキング3位:ホホジロザメ(ホオジロザメ)
映画「ジョーズ」のモデルとなったことで世界的にも有名になったホホジロザメ(学名 Carcharodon carcharias)は、「白い死神」や「人食いザメ」とも呼ばれる世界最大級の魚。
平均的なサイズは全長4〜5m、体重は680〜1.100(1.1トン)であるものの、それなりに大きいメスの個体であれば全長6m、体重は2トン近くに達することもあるとされます。
さらに、切り落とされた頭部などから推定された大きさが体長7m、体重2.5トンにも及ぶ個体が補足されたり、過去には全長が6.4m、体重が3.324トンにもなる個体が報告されたこともあります(※ただし、この3.324トンという記録については現在、もう少し小さかったと考えられている)。
水温12~24℃の範囲を好み、亜熱帯から亜寒帯まで、世界中の海に広く分布し、あらゆる海の沿岸水域で姿が確認されています。
そんなホホジロザメは、沿岸水域にも来ることが多いため、人間との遭遇がより頻繁に生じ、これが、ホホジロザメに襲われて命を落としてしまう人が絶えない理由です。
また、人間がサメに襲われる事件の多くは、ホホジロザメによるものと言われます。
このように、生態系の頂点に立つ捕食者のように思われるホホジロザメですが、時にはシャチに襲われてしまうことはあまり知られていません。
世界一大きい魚ランキング2位:ウバザメ
ウバザメ(学名 Cetorhinus maximus)は、世界で二番目に大きな魚とされる世界最大級の魚類。
サメであるものの、イタチザメやホホジロザメとは違い、口へ大量に入れたプランクトンをエラで濾過するように摂取する濾過摂食者であり、そのため人間にとっては非常に危険性が低いサメです。
また、同時に動きも緩慢です。
一方で、成体の平均的な全長は7.9m、体重は4.65トンにもなり、1851年にカナダで捕獲された個体は全長が12.27cm、体重は推定で16トンにも及んだとされます。
ちなみに、英語では「Basking Shark(日光浴をしているサメ)」と呼ばれますが、これは、濾過摂食を行うために海面近くで餌を食べる姿が、まるで日光浴でもしてるようだからというのが理由です。
世界一大きい魚ランキング1位:ジンベエザメ
正真正銘の「世界一大きい魚」・「世界一でかい魚」そして「世界最大の魚」とされるのが、サメの仲間であるジンベイザメ(学名 Rhincodon typus)。
例えば、沖縄の「美ら海水族館」や大阪の海遊館、さらには横浜の八景島シーパラダイスなどでは目玉とされる魚で、その巨大な体を見に多くの人がこれらの水族館を訪れます。
平均的な個体であっても成体であれば全長が9.8m、体重は9トンにもなるとされ、また、信頼が担保されている報告による最大個体の全長は18.8m。
また、推定される大型個体の体重は20トンにも及ぶとされます。
さらに、信憑性は別として、過去には40トン近くにもなる個体が報告されたこともあります。
ジンベイザメは地球上で現存する「最大の非哺乳類脊椎動物」であり、また、温かい熱帯海域の外洋を回遊しながら生息し、大量のプランクトンをエラで濾過しながら摂取して最長で70年ほど生き、同時に大きな体を維持しています。
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世界一大きい魚・世界一でかい魚|世界最大級10種の魚たちのまとめ
報告された体重を基準にした場合に、世界一大きい魚となる10種類を紹介してきました。
世界最大級の魚はゆうに体重が1トンを超えるなど、その大きさが想像出来ないほどであることが分かります。