韓国、正式名称「大韓民国」は、東アジアに含まれる国家の1つで、朝鮮半島の南側半分に位置する日本の隣国。日本とは何かと様々な点で比較されることがあります。
そして、その比較対象として挙げられることの一つが平均身長です。
韓国人の平均身長について、日本との比較や、今日では日本よりも高いとされるに至った理由などを含めて解説していきます。
韓国人の平均身長を調べてみた結果
韓国人の身長を調べるに当たって今回利用した情報源はAVG.HIEGHTというサイトで、該当する国名を英語で入力すると、その国の平均身長が表示されるようになっています。
それでは早速、「South Korea」と入力して表示された韓国人の平均身長を、男女別に見ていきましょう。
- 男性
- 1.735m(173.5cm)
- 女性
- 1.611m(161.1cm)
韓国人の平均身長は男性で173.5cm、女性で161.1cmです。
現代における全世界の平均身長とされる男性171cmと女性159cmと比較すると、韓国人の男性は平均的に2.5cmほど高く、そして女性は平均的に2.1cmほど高く、全体的に世界平均よりも若干身長が高くなっていることが分かります。
また韓国は、東アジア地域に分類される他の国と比較して、最も平均身長が高い国であるようです。
以下は東アジア諸国の男性の平均身長を基に高い順に一覧にした表です。
日本人の平均身長と比較すると?
では、男性の平均身長が約173.5cmで女性の平均身長が161.1cmの韓国人の平均身長は、我々日本人と比べるとどの程度の差になるのでしょうか?
以下で、日本人の平均身長と比較して、その差を客観的に確認してみましょう。
韓国 | 日本 | |
男性 | 1.735m(173.5cm) | 1.707m(170.7cm) |
女性 | 1.611m(161.1cm) | 1.580m(158cm) |
表で見て分かる通り、韓国人男性は日本人男性よりも平均で2.8cm身長が高く、女性は日本人よりも平均で3.1cm高くなっているのが分かります。
結果として地理的にとても近い隣国ではあるものの、多くの日本人が韓国の現地へ行くと、周囲の人々の身長が若干高くなっていることに気づくはずです。
韓国人の平均身長に関する豆知識
1960年代は日本人の方が高く、1990年以降は韓国人の方が伸びてきた
現在でこそ、それぞれの国の平均身長を比べると、韓国人の方が日本人よりも高くなっていることが分かりますが、実は1960年代に韓国人は日本人よりも平均身長が低かったのにも関わらず、1990年代以降、逆転してきました。
- 1960年代
- 韓国人の身長は日本人より低かった
- 1970年代〜1980年代
- 両者は同じくらいだった
- 1990年代
- 韓国人が日本人の平均身長を抜いた
そして、今では韓国人は日本人よりも明らかに身長が高いのです。
これは主に、
- 韓国人ティーンエイジャーの平均身長は
- 2000年代半ばまで伸び続けた
- 日本人ティーンエイジャーの平均身長は
- 1990年代から伸び悩んでいる
というそれぞれの傾向に大きく起因します。
また、このことに関して、日本人と韓国人の平均身長を考察してきた専修大学の「森宏」名誉教授は、
韓国の高校生の平均身長は2000年代中頃に173.7cmで止まっていると書かれていました。私がまだ専修大学で教えていた1990年代初頭の1年生は、もう身長が伸びていませんでした(中略)日本の高校生は同じ時期に170.8cmで、その後はほぼ伸びず、韓国の同じ歳の男子よりも3cm低いことにも驚かされました。
と語っていました。
なぜ、ある時を境に韓国人の方が日本人よりも身長が高くなったのか?
森名誉教授は、日本人が韓国人に平均身長で追い越された原因が気になりました。
特に、次のような点を踏まえると、その原因となる要因がすぐに思いつかずに頭の隅に常に引っかかっていたと言います。
- 日本人の方が韓国人よりも肉類と牛乳の摂取量は多い
- 肉類や牛乳は主なタンパク源であり、身長に大きく影響すると言われている
- 韓国人は日本人よりも穀類の摂取量が多いとされている
- ただし、穀類の摂取量と身長の相関性を指摘する研究はほとんどない
そして、これについて広範な比較調査を行った森名誉教授は、日本と韓国の食物摂取パターンに興味深い違いを見つけました。
フルーツや野菜の摂取が鍵?
その違いとは、
- 日本における果物や野菜の消費量は減っているのに対して韓国では増えていた
という点でした。
二国間の身長が逆転したのはここに原因があるのではないかと森名誉教授は考え、以下のようなコメントを残しています。
日本の子供たちは1980年代初頭から果物や野菜の摂取量が減ってきています。いわゆる果物離れです。
そしてこの点は、次の日本と韓国間の果物と野菜の消費量の違いによって確認出来ます。
- 日本では1人辺りの果物及び野菜の消費量は第二次世界大戦後からほとんど変わっていない
- 年間120kgからほとんど変わっていない
- 韓国における果物と野菜の消費量は戦後大幅に増加して3倍になった
- 1965年の年間野菜消費量は82.3kgだった
- 1980年代には197.9kgまで増加
- 2000年には235.7kgにまで増加
これに関して森名誉教授は、以下のように述べています。
子供の身長が果物や野菜で大きく決定づけられると言っているわけではありません。しかし、日本の若者の果物と野菜の摂取量が著しく少ないことは、骨塩量に悪影響を及ぼしているのではないかと考えています。
そして、この仮説に対して韓国にある江原大学(カンウォン大学)のイ・ビョンホン氏は、森教授の話には納得がいくとして、次のように触れています。
栄養が人間の身長を決定づける要因であるというのは非常に説得力があります。(同じ民族である)韓国人と北朝鮮人の成人身長を比較すると、栄養が影響を与えていることが分かります。一般的に、北朝鮮の人々は韓国人よりも身長が低いですが、これは北朝鮮で食糧が不足していることが原因であると考えられるのです。
ただし、遺伝的な要因も理由として考えられる
一方で、イ氏は身長は複数の要因が影響しあって決定されるのであり、栄養はその1つに過ぎないとしています。
韓国人と日本人の平均身長の差に関して遺伝子的要因を当てはめるにあたってイ氏は、昔の韓国では日本人のことを差別的に「背の低い人」と呼んでいたことを例に出し、元々、韓国人の方が日本人よりも身長が高い傾向にある時期が多かったことを挙げ、イ氏自身は「遺伝子も身長を決定する要素である」と考えていることを示したのです。
実際、タフツ大学の分子生物学者は、個人の身長を決める要因として20〜40%は環境的要因になるのに対して、60〜80%は遺伝子的要因だとしています。
話をまとめると
この一連の仮説をまとめると、韓国人の平均身長が日本人の平均身長を1990年代に追い越し、今日では明らかに日本人よりも高くなっている理由は、以下のような複数の要因が絡んでいると考えられるでしょう。
- 日本人と韓国人の栄養状況の変化
- 主に果物と野菜に関して日本人の摂取量を韓国人の摂取量が追い越した
- 元々の遺伝的な違いが現れた
- 元々韓国人は遺伝的に日本人よりも身長が高くなる傾向にあるようだ
- ただし、戦後間も無くは韓国と日本間の栄養環境の違いによって、日本人の平均身長の方が高い時期があった
- しかし、韓国内における影響環境が改善されていった結果、韓国人の平均身長は日本人の平均身長を超えるようになったのではないか
(参照:The Korea Times)