世界最大の亀「オサガメ」について詳しく紹介していきます。世界一大きい亀や世界一でかい亀と呼ばれる巨大な亀について見ていきましょう。
世界各地には海に生きるウミガメと陸に生きるリクガメの両方を合わせて、亀と呼ばれる生き物が多く存在しています。
そんな中で、世界最大の亀と呼ばれるのが「オサガメ」という名前のウミガメ。
その大きさは、一般的に想像出来る亀の大きさを遙かに凌駕しています。
一方で、この世界一大きい亀は様々な興味深い特徴も持ち合わせています。
この記事では、そんな世界一でかい亀「オサガメ」について詳しく紹介していきます。
世界最大の亀「オサガメ」とは?
世界最大の亀とされる「オサガメ」は、全長で183〜220cm、甲羅の長さで120〜189cm、体重で250〜700kgものサイズを誇る大きなウミガメの仲間。
過去には体重が916kgにも及ぶほど巨大な個体が確認されているなど、世界一大きい亀の名前にふさわしい大きさを有します。
現在でも生息が確認される爬虫類の生物としては、唯一その進化の歴史を一億年以上遡ることが出来る生物としても知られ、かつては北極圏と南極圏を除く世界中の海において姿が確認されたと考えられています。
また、その外見的特徴として、
- 頭部に2つの突起を持つ
- 深い刻み目のついた上顎を持つ
- 固い甲羅を持たない
- 甲皮は濃い灰色または黒で、白または淡い色の斑点がある
- 腹甲は白っぽい黒色をしており、5本の突起がある
- 身体を縦に走る7本の独特な突起部がある
といった点が挙げられます。
世界一でかい亀の生息域とは?
そんな世界一でかい亀「オサガメ」は、爬虫類の動物としては、地球上最も広域においてその姿が確認されている存在。
大西洋、太平洋そしてインド洋および地中海の熱帯、温帯海域に生息しており、成熟したオサガメの成体は、北はカナダやノルウェー、そして南はニュージーランドや南アメリカといった地域まで海を渡り移動するのです。
簡単に言えば、北はアラスカから南はアフリカ最南端にまで及ぶと表現出来るでしょう。
この世界最大の亀が持つ流線型の体型と力強い前脚という特徴によって、強い海流に逆らいながら外洋を何千kmも泳ぐことが可能なのです。
さらに甲皮の筋模様は、水の流れによる推進力を向上させる構造となっており、加えてオサガメは1300m近くもの深海にまで潜水することが出来、深海への潜水能力はどのカメよりも優れており、85分にも及ぶ長時間を深海で過ごすことが出来ます。
ちなみに、主に外洋で見られますが、オサガメは沖合地域で食物を捕食していることが判っています。
世界一大きい亀の特徴まとめ
以下では、世界一大きい亀「オサガメ」の特徴を、いくつかのポイントに分けて簡単にまとめておきます。
世界最大の亀の特徴1:オサガメの甲羅は柔らかい
硬く骨質であるほかの他のウミガメの甲羅に比べ、真っ青なオサガメの甲羅(甲皮)は比較的柔らかく、触れるとゴムであるかのような感触です。
甲皮は何千もの小さな骨片で強化され、薄くて丈夫なゴム状の皮膚の層で出来ているのです。
世界最大の亀の特徴2:低温への適応力が高い
多くの爬虫類の生物とは異なり、オサガメは体熱を発生させ維持し、低温にも順応することの出来る能力を備えているのも特徴。
水温の低い海域においても体温を維持することができるようになっているのです。
具体的には約5℃以下の海水でも活動出来るとされ、そのような低温下でも活発に動ける唯一の爬虫類として知られています。
この特徴は、体の大きさ、血流の変化、厚みのある脂肪層などが影響し合いながら作り上げられているようです。
世界最大の亀の特徴3:興味深い繁殖行動
オサガメはウミガメの中でも繁殖地まで最も離れた距離を移動する習性があり、その距離は平均6000kmとさえ言われます。
そして、水中で交尾が行われると、雌のオサガメは巣作りのために繁殖期を陸で過ごし、産卵時期を迎えると砂浜に穴を掘り、夜間に80個ほどの卵を産み落とすのです。
ちなみに、オサガメは巣内の温度によって孵化する卵の性別が決定されます。
巣内の温度がおよそ29.5℃であると雄と雌の組み合わせが産まれ、これより温度が高い場合は雌、低い場合は雄となります。
世界最大の亀の特徴4:クラゲが大好きで口の中が興味深い
オサガメはもっぱらクラゲを食料として摂取することで知られます。
そして、このクラゲの捕食を助けるための構造として、口の中には無数の非常にユニークな突起物が存在します。
この突起物によって、一度口に入れられたクラゲが、滑って外に出にくくなると考えられるのです。
詳しくは以下の記事も参考にしてください。
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世界最大の亀・世界一大きいカメ【オサガメ】|世界一でかい亀まとめのまとめ
世界最大の亀であるオサガメについて、特徴を含めて紹介してきました。
このオサガメですが、現在は絶滅危惧種に指定されるなど、絶滅の危機に直面しています。
というのも、クラゲを好むオサガメは、海に大量に廃棄されたプラスチックゴミを間違えて飲み込んでしまうことが多く、消化もされずに胃の中に溜まったプラスチックによって本来の寿命をまっとう出来ずに死んでしまうことがあるからです。
また、媚薬目的として多くの卵が人間の手によって巣から奪われていたり、釣り糸や漁網、船舶によって犠牲となっていることも、オサガメの個体が減少している理由です。