アメリカ人の平均身長について見ていきます。アメリカ人と言えば体が大きなイメージが強いですが、実際の平均身長はどの程度なのでしょうか?州ごとの違いや人種間の身長差も確認していきます。
アメリカ合衆国と言えば、世界一の経済大国であり、軍事的にも強大な力を持つ超大国として有名。
そのためか、一般的にも「アメリカ人 ≒ 大きい」というイメージを持たれる傾向にありますが、実際のところ、アメリカ人の平均身長はどの程度なのでしょうか?
この記事では、アメリカ人の平均身長を確認し、さらに、各州毎による身長差や多民族国家ならではの人種による身長差の違いまでも見ていこうと思います。
アメリカ人の平均身長を調べてみた結果
アメリカ人の平均身長を調べるに当たって今回利用した情報源はAVG.HIEGHTというサイトで、該当する国名を英語で入力すると、その国の平均身長が表示されるようになっています。
それでは早速、「United States」と入力して表示されたアメリカ人の平均身長を、男女別に見ていきましょう。
現代における全世界人口の平均身長は、男性で171cm、女性で159cmとされているため、この全世界の平均値から見ると、アメリカ人の身長は世界の中でも比較的高いことが分かります。
一方で、アメリカ人と言えば「デカイ」というイメージが強いですが、単純な身長だけの比較であれば、世界的に見ても非常に高い身長を誇るオランダ人(男性183.8cm/女性169.9cm)や、ドイツ人(男性181cm/女性165cm)よりも低く、どちらかと言うとフランス人の平均身長(男性175.6cm/女性162.5cm)と近いと言えるでしょう。
ちなみに、「アメリカ人 ≒ デカイ」というイメージに関しては、彼らの身長よりは体重に起因していると言えるかもしれません。
というのも、アメリカ国内で肥満とされる人々の割合は「36.2%(参照:World Population Review)」で、別な情報源では「39.6%(参照:Forbes)」となっており、いずれにせよ人口のおよそ40%近くが肥満だからです。
また、経済的にも軍事力的にも超大国であり、広大な国土を持つアメリカの政治や社会経済的な要素も、アメリカ人は大きいというイメージに繋がっているのかもしれません。
日本人の平均身長と比較すると?
では、男性の平均身長が176.3cmで女性の平均身長が162.2cmのアメリカ人は、我々日本人と比べるとどの程度の差があるのでしょうか?
以下で、日本人の平均身長と比較して、その差を客観的に確認してみましょう。
日本 | アメリカ | |
男性 | 1.707m(170.7cm) | 1.763m(176.3cm) |
女性 | 1.580m(158cm) | 1.622m(162.2cm) |
この比較によって分かる通り、アメリカ人と日本人の男性の間には5.6cmの平均身長差があり、女性に関して言えば、その差は少し縮まるものの、4.2cmの平均身長差があることが確認出来ます。
ただし、日本国内でも176cm以上の人は全体のおよそ1/5を占め、162cm以上の女性は全体のおよそ1/4を占めることを考えると、日本の平均身長よりも少し身長が高い人であれば、身長に関してそれほど違和感を感じずにアメリカ国内に滞在出来ると言えるかもしれません。
(豆知識)アメリカの平均身長に関する地域差や人種差
さて、アメリカの平均身長について見てきましたが、ここからはアメリカの身長に関するちょっとした豆知識。
アメリカは非常に広大な国家であると同時に多民族国家であるため、これらの要素はアメリカ人の平均身長にも大きな影響を与えていると言えます。
早速、地域差と人種差による身長への影響について見ていきましょう。
ちなみに、以下の内容はThe Washington Postの記事とworldatlasの記事を参考にしています。
地域によって変わる平均身長:アメリカで一番身長が高い州と低い州とは?
アメリカでは、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の行動危険因子サーベイランスシステム「Behavioral Risk Factor Surveillance System (BRFSS) 」という大規模な健康調査が毎年行われていますが、2017年にCDCは全国50州の450,000人以上から聞き取り調査を行い、健康に関するデータを収集。
これは、一般的な意識調査が1,000人程度の規模で行われることを考えると、非常に規模が大きくて、より正確な統計を出すのに充分なサンプル数が揃った調査であることが分かります。
そして、この調査の中には、参加者(全員18歳以上)に対して行った「聞き取り調査による身長のデータ」も含まれていました。
その結果分かったのが、以下の点。
- 男性の平均身長は州ごとにバラつきがある
- 身長が最も低いのはハワイ州の175cm
- 身長が最も高いのはアラバマとアイオワの180cm
- 北部の平原地帯の州とアパラチア地域一帯に住む男性の身長が高い傾向がある
- 北東部と南西部では低い傾向がある
- 女性の平均身長も地域によってバラつきがあるが男性とは異なる点も存在する
- 身長が高い地域は男性の場合よりも狭い範囲(北部の平原地帯のみ)に広がっている
- 身長が最も低いのはハワイ州の160cm弱
- 身長が最も高いのはサウスダコタ州で約165cm
ちなみに、それぞれの州がどの程度の身長なのかについては、以下の画像で確認出来ます。
(上は聞き取り調査によって判明した各州ごとのアメリカ人男性の平均身長, 出典:Washington Post)
(上は聞き取り調査によって判明した各州ごとのアメリカ人女性の平均身長, 出典:Washington Post)
人種によっても変わるアメリカ人の平均身長
では、この地域ごとの差はなんなのでしょうか?
ここで考えなければならないのが、アメリカは世界的に見ても非常に多くの多民族が暮らす多民族国家であり、人種間による身長差が存在しているという点。
アメリカに暮らす主な人種を非ヒスパニックの白人系、黒人系、アジア系、ヒスパニック系の4つに分けた場合、それぞれの平均的な身長は以下のようになります。
- 非ヒスパニックの白人系
- 男性の平均身長:5’10 feet = 177.8cm
- 黒人系
- 男性の平均身長:5’9 feet = 175.26cm
- アジア系
- 男性の平均身長:5’7 feet = 170.18cm
- ヒスパニック系
- 男性の平均身長:5’7 feet = 170.18cm
このように、各州に暮らす人種がいずれかに偏ったことで、州ごとの平均身長が変わった可能性があるのです。
実際に、上で紹介したCDCによる聞き取り調査では、ハワイのアメリカ人の中で自らを「非ヒスパニックの白人系」または「黒人系」と回答した人は全体の1/3以下になっているのに対して、アラバマでは自らを「非ヒスパニックの白人系」または「黒人系」と回答した人の割合が96%に上っています。
特に、「非ヒスパニックの白人系」または「黒人系」と、「アジア系」または「ヒスパニック系」の間には、明らかに大きな身長差があり、この人種分布と言うのが、アメリカの平均身長を考える上では大きな要因になっているであろうことが分かるのです。
ただし、人種以外の要因も平均身長の違いに現れていると考えられる
ただし、人種だけでは説明がつかない身長差も、アメリカの各州の間に存在することが浮き彫りになっています。
というのも、The Washington Postの記事では、人種による影響を抑えるため、全国的に最も大きなサンプルサイズとなる「非ヒスパニックの白人系」のデータを比較したところ、同じ人種グループ間であっても州ごとに明確な身長差が存在することが分かったからです。
例えば、
- ワシントン、オレゴン、アラスカ、ユタ、アラバマ、サウスダコタ、アイオワ、ネブラスカ
の「非ヒスパニックの白人系」の男性平均身長は179.5cm以上だったのに対して、
- カリフォルニア、テキサス、ニューメキシコ、ニューヨーク
の「非ヒスパニックの白人系」の男性平均身長は177.5cm未満であることが判明したのです。
また、傾向として、北東部と南西部では平均身長が低い傾向にあることも確認されました。
この結果から、アメリカの州ごとにおける平均身長の差に関しては、人種以外の要因も存在することが考えられ、主には子供の頃の栄養状態が大きな要因ではないかとされています。
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アメリカ人の平均身長|州毎の身長差から人種間の身長差の議論までのまとめ
アメリカ人の平均身長について、全国的な平均身長から各州や人種間の身長差までを見てきました。
ちなみに、上で紹介した各州や人種間の身長差の議論に関しては、一つ抑えておくべきポイントがあります。
それは、これらの数値は自己申告に基づいたものである点。
そう、CDCの調査は電話で調査対象者に身長を聞き取りし、記録しているのです。
そのため、CDCの調査で判明した各州の平均身長の数値については、絶対的に正しいものとは言えません。
あくまでも、各州による平均身長の傾向を掴むものとして参考にしておきましょう。
ちなみに、アメリカの保健福祉省による全国健康栄養調査(NHANES)は、州ごとのデータを発表していないため、ある同じ時点で各州の平均身長がどれほどだったのかを正確に知ることは出来ません。