南米最大の国ブラジルにはアマゾン川や熱帯雨林など、生物の多様性において重要な自然環境が整っていることもあり、非常に多種多様な動物たちが生息しています。
そんなブラジルで確認出来る動物の中から代表的なものを、10種類ピックアップして紹介していこうと思います。
ブラジルで見つかる動物1:ゴールデンライオンタマリン
ブラジル南東部の熱帯雨林に生息するゴールデンライオンタマリンは、ブラジルの固有種でありブラジルの動物の代表格の一種。
鮮やかなオレンジ色の毛皮と、長い毛が顔や耳を覆っていることからこの名前が付きました。
ライオンのような美しいたてがみは、他の霊長類とは一線を画し、成体は体長30cm前後、体重700グラム前後で、かぎ爪のような爪は木の幹にしがみつくのに役立ちます。
ちなみにゴールデンライオンタマリンは雑食性で、一夫一婦制といった特徴も持ちます。
ブラジルで見つかる動物2:ミユビナマケモノ
ミユビナマケモノはその名前が示す通り、三本の指を持つナマケモノで、二本指のナマケモノとは区別して呼ばれており、主にブラジルに生息するブラジルを代表する動物の一種です。
体長は約45cm、体重は3.5~4.5kg。
樹上生活をしていますが週に一度、排泄のために地上近くまで降りてくるのが特徴です。
また、緑色っぽい毛皮でカモフラージュすることで、周りの木や葉っぱから見分けにくくしています。
加えて、木にしっかりつかまり、木の間をジャンプして安全に移動出来るように、ナマケモノは長く曲がった爪を持っていることでも知られます。
ちなみに、このミユビナマケモノはさらに、ヒメミユビナマケモノ、タテガミナマケモノ、ノドジロミユビナマケモノ、ノドチャミユビナマケモノの4種類に分類されます。
ブラジルで見つかる動物3:ピラニア
ピラニアは、ブラジルを通るアマゾン川をはじめとした、南米の熱帯地方に生息する世界的にも有名な肉食の淡水魚。
体長は種類によっても変わり、15cmのものから大きいものでは60cm近くにも及びます。
強靭な顎と鋭い歯で有名で、顎に一列に並んだ歯により、強い咬傷力を持つのが特徴。歯は互いに噛み合い、その咬合力は非常に強力です。
それに加えて、ピラニアは群れで行動することでその獰猛な捕食者としての特徴を最大化していると言えるでしょう。
群れで行動することで飢えたピラニアは、牛を骨だけになるまで食べ尽くすことさえあるのです。
ブラジルで見つかる動物4:カピバラ
カピバラはブラジルを始めとしたアマゾン川流域の温暖な水辺に生息する哺乳類で、世界最大のげっ歯類としても有名。
その体長は106〜134cmほどで、オスよりも大きくなる傾向にあるメスは66kg程度にまでなりますが、ブラジルでは91kgにも達した野生のカピバラが見つかったという報告があります。
体型は樽型で頭部は短く、体の上部は赤褐色の厚い毛で覆われる一方、下部は黄褐色の毛で覆われているといった身体的特徴を持ちます。
ブラジルで見つかる動物5:オニオオハシ
ブラジル南部から東部にかけて主に生息するオニオオハシは、キツツキ目オオハシ科の南米に生息する鳥。
体色は黒が主体な一方、喉と尾の上部が白く、目の周りには細くて青い輪があり、その周りをオレンジ色の外輪が取り囲んでいるといった特徴を持ちます。
そして、最も顕著な特徴は巨大なオレンジ色のクチバシ。
クチバシの長さは15〜23もあります。
このクチバシで果物をむしったり、小さな爬虫類を食べたりするのです。
また、成鳥になると全長は55〜65cm、体重はおよそ500〜870g程度の間に収まります。
ブラジルで見つかる動物6:アリクイ
アリクイは南米の熱帯雨林、サバンナ、乾燥熱帯雨林に生息し、もちろんブラジルでもその姿を確認できる動物であり、ブラジルで見つかる動物としては代表的な一種。
長く曲がった前爪、細長い鼻、細い穴の中を簡単に通せる薄くて長い舌を持ちます。
また、舌はアリを食べるには重要な働きを持ち、そこへ粘着力のある唾液をつけて餌を逃さずに口へ運ぶのです。
そんなアリクイの特徴としては縄張りを持つこと、嗅覚と聴覚が優れていること、さらに歯がないことなども挙げられます。
ブラジルで見つかる動物7:パラグアイカイマン
アリゲーター科に含まれるカイマンの中でも、名前こそ「パラグアイ」がついているものの、ブラジルで非常に多くの個体が確認されているのがパラグアイカイマン。
アルゼンチン、ボリビア、パラグアイ、そしてブラジルに生息するワニで、ブラジルでは南西部から中央部にかけて生息し、体長はオスであれば2〜3m、体重は58kg近くにまでなります。
小魚、爬虫類、小型哺乳類を主に捕食し、通常は水中に潜んでいますが、日光浴や繁殖のために陸に上がることもあります。
ちなみに、カイマンの仲間にはブラジルカイマンと呼ばれる種もいますが、このパラグアイカイマンはブラジルに1000万匹以上生息していると推定され、圧倒的な多数派となっています。
ブラジルで見つかる動物8:ヤドクガエル
その名の通り、200以上存在する種のほとんどが毒性を持つヤドクガエルは、ブラジルを始めとした主に南米で多く確認される毒ガエル。
皮膚から有毒なアルカロイドを分泌し、それによって捕食者から身を守り、捕食者には華やかな色調の体色で危険なことを知らせています。
ブラジルでは主に、熱帯や亜熱帯地域、低地林や淡水沼地、そして湿地帯に生息しています。
ブラジルで見つかる動物9:ジャガー
有名なジャガーは、ブラジルの野生に生息するネコ科の動物の中では最も大型の動物で、ネコ科ヒョウ属に分類されるため、ヒョウに似ているものの、ヒョウよりはやや大型でより強靭。
平均的な成獣の体重は96kg、体長は185cm、体高は76cmで、主に陸上で生活していますが、泳ぐことも出来る肉食動物です。
ブラジルでは食物連鎖の頂点に位置する頂点捕食者で、他の動物に捕食されることはありません。
ちなみに、南下していくとより大きな個体が増える傾向にあるとされます。
ブラジルで見つかる動物10:アルマジロ
ブラジルも含め、北アメリカ南部からアルゼンチンにかけて生息するアルマジロは、下半身を除いて全身が革製の甲羅で覆われているといった特徴を持つ動物。
敵に襲われそうになると手足を引っ込めて、この硬い甲羅で身を守ることで有名です。
また、特徴的な短い脚で非常に速く走ることができ、鋭い爪で地面を上手に掘ることが出来ます。
そんなアルマジロには、いくつか異なる種が存在し、ブラジルには生息していないものの、アルゼンチンに生息するヒメアルマジロは体長が10cm程度であるのに対して、ブラジルでも姿が確認出来るオオアルマジロは大きい個体であれば体長が100cm程度にまで達します。