アルゼンチン文化の特徴10選!宗教・食文化・スポーツ・マテ茶など

アルゼンチン文化の特徴を10個紹介していきます。宗教や食文化、スポーツや有名なマテ茶まで、アルゼンチンを理解する上で抑えておきたい特徴です。

南アメリカ南部に位置する大きな国土を抱えるアルゼンチンは、隣のブラジルと同様に南米を代表する国家の一つ。

しかし、同じ南米にありながらも、アルゼンチンの人口はヨーロッパからの移民を先祖に持つ人々が占めているためか、他の南米諸国に比べてヨーロッパからの影響がより色濃く出ています。

ただ、そうは言っても、やはり地理的に南米にあるため、ヨーロッパの国々とは異なります。

そんなアルゼンチンの文化的特徴とは一体どのようなものなのか?

この記事では、宗教に関することからスポーツに関することまで、アルゼンチンの文化を知る上で抑えておきたい10の特徴を紹介していこうと思います。

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アルゼンチンの文化1:ヨーロッパを中心とした多文化社会

アルゼンチンの文化的特徴を一つ挙げるとすれば、それはヨーロッパに起源を持つ文化を中心にしながらも、もともと現地にいた先住民達や非ヨーロッパ系の移民による文化が内包された多文化社会だってこと。

19世紀前半ばには純粋な白人と呼ばれる人の人口割合は10%にも満たない状況でしたが、19世紀半ばから「国家の西欧化」としてヨーロッパからの移民を大量に受け入れる政策を推し進めた結果、現在はヨーロッパ系の住民の割合は85%にまで増えており、南米にありながらも白人国家を標榜しています。

ただし、この地にはヨーロッパ人が住むつく以前から先住民達が住み続けていること、また、先住民達と白人との混血、歴史の中で連れてこられたアフリカ系の移民、さらには、日系や中華系などのアジア人も移住してきたことから、これらの人々も全人口の15%を占める社会となっています。

そのため、都市部ではイタリアやドイツ、そしてもちろんスペインの影響が強く出ている一方で、都市の一部や地方へ行くと、非ヨーロッパ系の文化も見ることが出来るんです。

アルゼンチンの文化2:スペイン語が公用語だが・・・

この地へやってきた初めてのヨーロッパ人がスペイン人だったこともあり、アルゼンチンの公用語はスペイン語。

しかし、ヨーロッパからの移民としてイタリア人が多くアルゼンチンに入ってきたことから、アルゼンチンのスペイン語はイタリア語の特にナポリ方言の影響を強く受けています。

さらに、公用語ではないものの、自らのルーツによって、イタリア語、ドイツ語、英語、フランス語等々、ヨーロッパを中心に、他の多くの国の言語が用いられているのも特徴。

加えて、この地に昔から住んでいる原住民たちの言語、ケチュア語やマプチェ語、そしてグアラニー語やアイマラ語が、アルゼンチンの一部地域や集落などで用いられています。

アルゼンチンの文化3:宗教的特徴は圧倒的なキリスト教!

国家の西欧化を推し進めて白人国家を標榜してきたことからも分かる通り、2018年の時点でアルゼンチンで圧倒的に信仰されている宗教はヨーロッパで圧倒的に支持されてきたキリスト教。

チリをベースとしたNPO「Latinobarómetro」が行った調査によると、全人口の77.4%がキリスト教徒で、65%がキリスト教の中でもローマ・カトリックを信仰しています。

そして、11.7%がキリスト教のプロテスタント信者で、0.7%が他のキリスト教に含まれる宗派を信仰しています。

一方で、キリスト教徒以外で最も多いのが無宗教や無心論者の人たちで人口の20.6%を占め、それ以外の宗教、例えばユダヤ教やイスラム教、そしてヒンドゥー教などを信仰する人も極僅かですが存在します。

ちなみに、アルゼンチンでは信教の自由が守られていますが、キリスト教のローマ・カトリックが優先的に保護されるべき対象とされているだけでなく、同国の大統領にはキリスト教徒しかなれないとされています。

アルゼンチンの文化4:西欧と原住民の食文化が混ざった食文化

文化を語る上で大切な料理について見ていくと、一般的なアルゼンチン料理は、地中海料理(スペイン料理やイタリア料理)の影響や、原住民の食文化の影響を色濃く受けているのが特徴。

ヨーロッパ料理に、現地の素材を活かした原住民達の料理が混ざって受け継がれてきました。

そんなアルゼンチン料理を代表する一品と言えば、「アサード」と呼ばれるバーベキューでしょう。

アサードは主に牛肉を炭火で焼いて作る料理で、家族の大切な日課だったりもします。

ちなみに、牛肉はアルゼンチンの食文化には欠かすことの出来ない食材で、特に牛カルビやステーキのグリルは多く食べられています。

また、豚肉や鶏肉などのソーゼージ類や、スペインなどで食べられる具入りのペイストリー「エンパナーダ」なども、アルゼンチンではどこでも見ることが出来る食べ物です。

一方で、先住民達が食べていた料理として受け継がれている一つの例を挙げると、ウミータがあります。

これは、未熟なとうもろこしに他の材料やスパイスを加えて煮たり蒸したりする料理です。

また、スペインやイタリアから多くの移民が入ってきたこともあり、アルゼンチンの食文化においてはワインも大切で、様々な種類のものがあります。

アルゼンチンの文化5:マテ茶は忘れずに!

他の一部の南米諸国でも飲まれていますが、アルゼンチン文化と言えばマテ茶を忘れてはいけません。

マテ茶は「イェルバ・マテの葉や小枝を乾燥させた茶葉に、水または湯を注ぎ成分を浸出した飲み物」で、アルゼンチンでは国民的飲み物。

それを、銀や金属で出来た専用のストローを使い、特別なひょうたん製の容器から飲みます。

ちなみに、マテ茶を飲む時は分け合うことが多く、マテ茶を回し飲みすることは、ある意味で楽しい社会的儀式と言え、友達や他の人との社交の場ともなるんです。

アルゼンチンの文化6:遅く始まる夕食とナイトライフ

アルゼンチンでの夕食は日本と比べると圧倒的に遅く、21時や22時頃から始まるのが一般的。

これは恐らく、同じ様に遅くに夕食を摂るスペイン文化の影響だと思います。

そのため、人によっては18時や19時に簡単なおやつと一緒にマテ茶を飲むなんていうこともざら。

そして、遅くに夕食をとった後、人によってはバーやパブに出かけ、その後はクラブやディスコで深夜のダンスと続くんです。

遅い時間に始まるアルゼンチンの夕食とナイトライフは、慣れないと最初は辛いかもしれません。

アルゼンチンの文化7:アルゼンチンの文学や芸術

歴史的にアルゼンチンからは多くの優れた文芸作品が輩出されており、この点においては南アメリカで最も成熟した国であったり。

まず、文学作品に関して見ていくと、19世紀前半には政治やナショナリズムをテーマとした作品が主でしたが、この頃からアルゼンチン文学はラテンアメリカ文学のリーダー的存在となっていきました。

ホルヘ・ルイス・ボルヘスのような世界的名声のある作家が多く生まれています。

また、現在のアルゼンチンは、毎年、国際ブックフェアの開催国になっていて、100万人以上の人が訪れます。

一方で、絵画に関しても、印象派、写実主義、耽美主義(たんびしゅぎ)などの領域で、特筆すべき作家を多く輩出し、彫刻家に関しても世界的に有名な作家を多数輩出しています。

アルゼンチンの文化8:パフォーミングアーツ!

芸術と関連することではさらに、演劇や舞台などのパフォーミングアーツもアルゼンチン文化を支える重要な柱となっています。

実際、アルゼンチン人は劇場へ行ってパフォーミングアーツを鑑賞するのを好み、ダンスやちょっとしたバンドの音楽が、近所の公園で披露されているなんてこともよくあります。

さらに、このパフォーミングアーツの人気のおかげで、映画産業や音楽産業も、アルゼンチンで発展してきた業界として挙げることが出来ると思います。

アルゼンチンのパフォーミングアーツと言えば「タンゴ」!

ちなみに、アルゼンチンのパフォーミングアーツの代表的なものと言えばタンゴ!

元々はスペインが位置するイベリア半島を起源とすると言われますが、アルゼンチンへもたらされ、首都ブエノスアイレスで発展してきたタンゴの音楽やダンスは、アルゼンチン文化の形成に大きく貢献しています。

この「世界で最も官能的で情熱的なダンスの一つ」と呼ばれるタンゴは、ブエノスアイレス周辺の貧しい地域を中心に発展し、アフリカ文化、原住民文化、ヨーロッパ文化が複雑に絡み合った、アルゼンチン文化の象徴なんです。

最近では、アルゼンチンの国民的アイデンティティ形成に、タンゴはサッカーと同じくらい強い影響を与えていて、多くのアルゼンチン人達も国家の象徴として誇りに思っています。

アルゼンチンの文化9:アルゼンチンにおける社会生活の特徴

男女の平等意識

国家の西欧化を目指してきただけあり、アルゼンチンでは男女の平等に関しては比較的意識が高め。

例えば、家庭内では夫婦が家事を分担して行うことが多い傾向にあります。

また、アルゼンチンでは法律上、息子であっても娘であっても、生まれたときの性別に関わらず、平等に家督を継ぐ権利を有します。

一方で、いくら男女平等が叫ばれていても、キャリアの面では未だに不平等が残っていると言えるかも。

特に、政治や行政などの分野においては、女性の活躍が今でも限られているのが現状です。

家族や友達と一緒に時間を過ごすのが好き!

全体的にアルゼンチン人は、友人や家族と過ごす時間を日本人以上に大切にしていると言えます。

特に、アルゼンチンでは家族との生活がとても重要で、公園や川辺で集まってバーベキューをしている姿を見かけることがあるでしょう。

また、住んでいる家によっては、休日のランチに食文化のところで紹介したアサードを行って、家族に加えて友達も呼んでみんなで一緒に時間を過ごすことがあります。

ちなみに、アルゼンチンでは35歳になっても家族と一緒に住んでいる人は珍しくはなく、30代半ばで結婚する人も結構いることを考えると、他の国よりも晩婚の傾向があると言えるかもしれません。

アルゼンチンの文化10:人気のスポーツと国技

アルゼンチンは世界でも有数のサッカー強豪国であることからも分かる通り、アルゼンチンにおける最も人気なスポーツはサッカー。

アルゼンチン代表はこれまで、FIFAワールドカップでの優勝を始め、数々の国際的な大会で優れた成績をあげてきました。

さらに、サッカーに関連したスポーツとして、ビーチサッカーやフットサルも、ここ数十年は競技人口を増やしています。

また、サッカーとは関係ないスポーツとしては、バスケットボールとラグビーも人気が高く、バスケットボールのアルゼンチン代表チームは、2004年のオリンピックで金メダルを獲得するなど、目覚ましい成績を数々残しています。

他にも、オートレース、フィールドホッケー、ポロ、テニス、ボクシング、ゴルフ、ハンドボール、等のスポーツも比較的人気です。

アルゼンチンの国技は「パト」

Final del Abierto Argentino de Pato 2014

アルゼンチンでは国技かと思うぐらいサッカーが大人気ですが、実際に国技とされているのは「パト」という名前のスポーツ。

パトは馬に乗って行う競技で、6つの取っ手がついた革のボールを馬に乗りながら奪い合ってゴール数を競う競技です。

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アルゼンチン文化の特徴10選!宗教・食文化・スポーツ・マテ茶などのまとめ

南米のアルゼンチンの文化的特徴として10個紹介してきました。

アルゼンチンの文化はヨーロッパからの移民の影響を強く受けてきていますが、それでもやはり現地南米の文化の影響も受けており、独特で非常に興味深いものとなっています。

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

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