カナダの文化や習慣13の特徴|宗教・マナー・食文化など生活するなら知っておきたいこと

カナダの文化や習慣に関する13の特徴を紹介していきます。カナダへ長期に滞在したり生活するなら知っておきたい、宗教やマナー、そして食文化などについて確認してみましょう。

カナダは世界で2番目に大きな国土を誇る北アメリカ大陸の国。

総面積は約1000万㎢にもなり、10の州と3の準州によって構成され、アメリカと国境を接しています。

また、3700万弱の人口の多くは他の国や地域からの移民またはその子孫であり、カナダは世界的に見て最も多様性に富んだ多文化・多民族国家の一つになっているのです。

この記事では、そんなカナダの文化や習慣に関して知っておきたい、13の特徴を紹介していこうと思います。

宗教やマナー、そして食文化など、もしもカナダに訪れてみたり、長期に生活してみたいなら知っておいて損はない豆知識です。

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カナダの文化や習慣1:多文化主義と多民族国家!

歴史的に、カナダは移民を歓迎することによって国家を発展させてきました。そして、この点に関しては現在も同じ。

その結果、カナダには先住民や17世紀頃から入植し始めたイギリス系やフランス系の人々に加えて、他のヨーロッパ人、アジア人、黒人など、異なる様々な人種的・文化的背景を持った人が暮らしています。

また、カナダは1971年、世界で初めて多文化主義を国家の政策として採用した国であり、それが現在、カナダにおける文化的アイデンティティーとなり、カナダに住む人々はそれぞれの文化的背景を維持し、また、多文化を受け入れることを推奨されているんです。

ちなみに、豊かな多様性を受け入れる国として、カナダは世界的にも非常に高い評価を受けています。

カナダの文化や習慣2:英語とフランス語が公用語の他言語国家!

カナダはその歴史から、連邦政府レベルで英語フランス語の2つの言語を公用語と認めているバイリンガル国家(二言語国家)

ケベック州を中心として、いくつかの州または地域においてはフランス語が主に使われ、カナダ全体の人口としてはおよそ20%前後が母語としてフランス語を話します

それに対して、他の州または地域における主な言語は英語であり、カナダ人口の60%弱が母語として英語を使っています

このような状況から、母語として使っていない人々も合わせると、国全体の98%近くの人々が英語かフランス語のどちらかを話すとされる一方、意外にも両言語を話せる人というのは全体のおよそ17%前後しかいません。

さらに、多民族国家であるカナダには、他にも数々の言語グループが存在します。

国内ではスペイン語、イタリア語、ドイツ語、中国語、アラビア語、オランダ語、広東語、ヒンディー語が話されている他、カナダの少数民族(先住民)の言語も一部では使用されているんです。

カナダの文化や習慣3:キリスト教がメインだけど多くの宗教が存在

宗教の自由を認めるカナダには、非常に多くの宗教グループが存在します。

しかし、その中でもヨーロッパの流れを継いでいるカナダにおいて最も主流の宗教はキリスト教。およそ67%の人が何かしらのキリスト教宗派に属していると言われます。

そして、二番目に大きなグループが無宗教の人々で、その割合はおよそ24%。1980年以降、徐々に無宗教の割合が増えているとされ、2001年には16.5%だったのが、2011年には23.9%にまで伸びています。

残りはイスラム教、ヒンドゥー教、シーク教などです。

  • キリスト教67.3%
    • カトリック:38.7%
    • プロテスタント:27%
    • その他のキリスト教宗派
  • 無宗教23.9%
  • イスラム教3.2%
  • ヒンドゥー教1.5%
  • シーク教1.4%
  • その他の宗教&無回答2.7%

(※2011年度国勢調査の結果, 参照:wikipedia

カナダの文化や習慣4:カナダの食文化を定義するのは難しい?

その国の文化を語る上で重要な食文化。

しかし、カナダに関して言えば、

  • 独自の食文化を定義したり、「カナダ料理」として特定の料理名を言及することは難しい

と言えます。

というのも、カナダの多文化および多民族構造によって、基本的にカナダにある料理はその多くが外国から持ち込まれたものであり、それに加えて様々な食品や調理技術の変化が常にもたらされているから。

ただ、それでもカナダと言えば「メープルシロップ」や「カナダ風ベーコン」などの名前が上がるでしょう。

また、真にカナダ独自の料理として考えられているものの1つに「プーティン(Poutine)」があります。

プーティンは、フライドポテトにグレイビーソースと粒状のチーズカードをかけた食べ物で、その原型は1950年代にケベック州で生まれました。

現在はレシピにちょっとした工夫を加えた様々な味が生まれています。

Sushi Pizza

また、もう一つ外国の料理をカナダ風にアレンジし過ぎた結果、「カナダオリジナル」と言えなくもない料理が、トロントでよく見かけるスシピザ

ピザでもなく寿司でもなく、2つの異なる料理がこの街で一つの料理として生み出された、カナダ生まれの食文化なんです!

カナダの文化や習慣5:平等主義!

多民族国家のカナダには、平等主義の文化的価値観が普及していると言えるかも。

性別、年齢、人種、信条にかかわらず、「誰もがこの社会における平等な権利と機会を有する」と習慣的に考える人が多く、それがまたカナダの魅力です。

実際、第29代首相にジャスティン・トルドーが就いてからは、大臣に移民を採用したり、閣僚の男女比を同じにするだけでなく、積極的に移民や難民を受け入れるなど、平等主義思想が現れた施策を積極的に打ち出しています。

カナダの文化や習慣6:ポリティカル・コレクトネス(政治的妥当性)

ポリティカル・コレクトネスとは、集団を排除し、侮辱し、あるいは軽んじるような言動を控えること、別な定義では、

人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること

(引用:コトバンク

と表現されます。

多様性を認める多民族国家カナダでは、このポリティカル・コレクトネスの考え方が不可欠で、日頃から習慣的に大切にされているんです。

カナダの文化や習慣7:個人主義だけどコミュニティ指向

少し矛盾するかもしれませんが、カナダ人は個人主義だけどコミュニティ指向でもあるといった特徴を持っている傾向にあります。

カナダ人の多くは、個人的な価値観や目標達成を尊重する個人主義者である一方で、地域社会に対する責任を強く認識し、コミュニティの向上に貢献することも大切にしているんです。

その良い例が、多くのカナダ人が積極的に参加する地域のボランティアや募金活動。

また、行動だけでなく、自分が住む地域社会に対して誇りや親近感を保っている人も多く、これがまた、カナダにおけるコミュニティ形成に大いに役立っています。

カナダの文化や習慣8:形式ばらないのがカナディアン!?

これはアメリカオーストラリアなど、英語圏の多民族国家には共通した習慣と言えるかもしれませんが、カナダ人の多くは服装と言葉遣いがカジュアル。

銀行や法律事務所などの一部のオフィスを除いて、日本の会社のように厳密な服装規定がない職場が多く、カジュアルな服で過ごす人が結構多い

仮にスーツを着ていたとしても、日本のように皆が同じような黒いスーツに白いシャツといった感じではありません。

また、一般的に名前で呼び合うのが基本で、先輩または上司に対してさえも名前で呼びます。

しかし、初めて会う人に対しては、「Mr. / Mrs. / Ms.」などをつけて名字で呼ぶのが普通です。

ただその後、ある程度親しくなって以降は、名前で呼んでくれと言われるパターンが多いかと思いますが。

カナダの文化や習慣9:アイスホッケーとラクロス!

スポーツはカナダの文化において、また、カナダ人が習慣的に楽しむこととして、とても重要な役割を担っていると言えるかも。

サッカーや野球、そしてカナダが加盟するイギリス連邦の国々で人気のクリケットは、かなりの数の観客を集めます。

しかし、やはり人気があるのは、カナダの国技である「アイスホッケー」。

アイスホッケーは国内でとても広く普及していて、単に「ホッケー」と呼ばれており、カナダが国際試合で最も活躍していると言えるスポーツです。

多くの子供たちは幼い頃からホッケーを学び、高校や大学を含めた大会が頻繁に開催されています。

GOLD MEDAL Canada vs. Iroquois World Indoor Lacrosse Championship Highlights

また、先に網の付いたスティックを用いてボールを奪い合い、相手のゴールに入れることで点数を競う「ラクロス」は、あまり知られていないけど実はカナダのもう一つの国技。

こちらも1月から4月までのシーズン中は大いに盛り上がります。

カナダの文化や習慣10:秩序・空間・プライバシーは大切

カナダ人は習慣的に、秩序プライバシーを尊重する点は覚えておいた方が良いかも。

まず、秩序に関して言えば、日本ほど徹底しているとは言えないものの、それでも、

  • 割り込みをする
  • 余計な口出しをする
  • 叫ぶ
  • 大声で話す
  • 礼節を怠る

などの規律を乱す行動は、間違いなく眉をひそめられます。

次にプライバシーも、カナダ人にとってはとても大切なこと。

例えば、

  • 給料
  • 家庭生活
  • 体重
  • 宗教
  • その他の個人的な話題

に関しては、自然な流れでその話題になったり、相手がその話題について話を始めるまでは、基本的に避けるのが賢明でしょう。

カナダの文化や習慣11:時間には比較的おおらかだけどまとも

時間厳守に厳しすぎると言われる日本人から見ると、カナダにおける時間に対しての感覚は少しおおらかと言えるかもしれません。

例えば、5分程度遅れるということは普通に起こります。

しかし、それでも世界中にある多くの国と比べれば、カナダ人は習慣的に時間に対してキッチリしている方

なかには、必ず時間通りに来る人や、少なくとも5〜10分早く到着する人だって珍しくありません。

カナダ人の時間に対する習慣としては、基本的に次のポイントを押さえておけば良いかと思います。

  • ビジネスミーティング
    • 時間厳守が基本
  • 友達との待ち合わせ
    • → 人によるが15分ぐらいの遅刻は起こってもおかしくない(※ただし、30分以上遅れるなんてのは許容範囲を超える)

カナダの文化や習慣12:相手を尊重したコミュニケーション

カナダ人の多くは、相手に対する尊重を込めたコミュニケーションが上手い傾向にあると言えるかもしれません。

多文化で多民族国家のカナダでは、皆がそれぞれ異なる外見やバックグラウンドを持っており、その違い(外見、信仰、年齢、性別、生活状況 など)について、あれこれと軽蔑した態度を見せることは嫌がられます。

そのため、カナダ人の話し方は丁寧で外交的であろうとするために、適度に間接的な印象を与える場合が多いかも。

一方で、隣の国アメリカと比べて慎重ではあるものの、明確で直接的な意見を言うこともしばしばあります

しかし、それでも丁寧に映るのがカナダ人によるコミュニケーションの特徴です。

カナダの文化や習慣13:芸術や文学活動は結構盛ん

多くの芸術作品や文学を輩出してきたイギリスフランスの文化が根付いているためか、カナダでは思った以上に芸術や文学活動が盛ん。

例えば、カナダ政府は毎年、数々のプログラムを芸術家たちに提供しており、国内には劇場や映画館があちこちにあります。

また、トロント、モントリオール、ハリファックス、バンクーバーなどは、芸術が盛んな街としても有名です。

さらにカナダには、英語またはフランス語で優れた作品を世に送り出してきた文学作家が多く現れています。

例えば、

  • マーガレット・アトウッド
  • アリス・マンロー
  • ヤン・マーテル
  • ロバート・マンチ
  • レナード・コーエン
  • ティモシー・フィンドリー

は、カナダの文学シーンを代表する人々です。

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カナダの文化や習慣を少しでも理解する上で役立つかもしれない、13の特徴を紹介してきました。

カナダは隣国のアメリカとは物理的に近いものの、違った文化や習慣を大切にしている国で、両国を訪れてみるとその差を実感出来ます。

ちなみに、「カナダ」という名前は、この地に昔から住んでいたイロコイ族の「村落」を意味する単語「カナタ」に由来しており、この点からもカナダが異なる民族や文化を大切にしている姿勢が伺えます。

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