大洪水の神話と伝説|各時代や世界各地に見つかる歴史物語と話

大洪水の神話と歴史の物語を19個紹介していきます。異なる時代や世界各地に散らばる大洪水の伝承はどういったものなのかを見ていきましょう。

大洪水にまつわる話と言えば、旧約聖書に登場するノアの方舟伝説が有名ですが、実は大洪水の話は世界中に存在し、その数は200を超えるとさえ言われます。

さらに、中には歴史的事実を基にした話もあったり、その多くは「人間を超越した存在によって道徳心を失った人間に対する報復」という形で描かれることが多いのも興味深い点です。

この記事では、異なる時代や異なる国に散らばる、大洪水の神話や歴史的な話を19個ピックアップしていき、それぞれ簡単に紹介していこうと思います。

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大洪水の神話や歴史1:ノアの洪水

世界各地に存在する全ての洪水物語の中で、旧約聖書の創世記に出てくる大洪水の話は、最も有名なものでしょう。

エデンの園を離れてから世代を重ねていった人間は、堕落し始めてお互いに争うようになっていきました。

その結果、神は人間を作り出したことに後悔し、大洪水を起こして全ての人々を一掃しようと決意しましたが、唯一、信仰心が厚いノアだけは救うことにしました。

神はノアに対して「ノアの方舟」と知られるようになる巨大な船を作るように指示し、彼の家族と陸上の動物を載せるように伝えます。

その後、神の宣言通りに大洪水が引き起こされましたが、方舟によってノア達は助かったのです。

大洪水の神話や歴史2:デウカリオーンの洪水

古代ギリシャで信仰されていたギリシャ神話において、デウカリオーンは巨神族であるプロメテウスの息子でした。

そして、このデウカリオーンにまつわる大洪水物語として知られるのが、「デウカリオーンの洪水」です。

ギリシャ神話における最高神であるゼウスはある時、その卑劣で貪欲かつ不従順であった人間達の滅亡を望みましたが、これに対してデウカリオーンはゼウスに慈悲を乞います。

しかしながら、デウカリオーンはゼウスの心を変えることはできませんでした。

結果として、父プロメテウスから警告を受けて、いち早く方舟を作って食料を積み込み、妻ピュラーとともに乗り込んでいたデウカリオーン、そして山に逃げ込んだ一部の人々を除く、多くの人々が洪水により命を落としたと言います。

大洪水の神話や歴史3:シュメールの洪水

紀元前4000〜3000年の間に突如として現れたシュメール文明には、洪水にまつわる物語がいくつか存在します。

その中でも、ジウスドラとシュメールの洪水神話は、記録に残る人類の歴史上で最も古い神話の1つと言われます。

この物語で神は、人類の発する騒音により睡眠を妨げられることに不満を募らせ、人類を滅するために大洪水を起こしたと言うのです。

一方で、神は大洪水が襲ってくることをジウスドラに警告すると同時に舟を作ることを指示しました。

結果、ジウスドラは洪水を免れることが出来たと言います。

ちなみに、このシュメールの洪水物語は、その後に世界各地で興った大洪水物語の起源にもなったと言われ、デウカリオーンの洪水やノアの洪水の話などには、様々な共通点が見られます。

また、ジウスドラの洪水の物語自体は、紀元前3000頃の時代にメソポタミア地域で実際に起きた大洪水が元になっていると言います。

大洪水の神話や歴史4:ギルガメシュ叙事詩の大洪水

古代シュメール文明に関わる洪水神話として、別の洪水物語が有名なギルガメシュ叙事詩にて語り継がれています。

この話の中で、ギルガメシュは永遠の命を求めていた途中、永遠の命を持つウトナピシュティムと出会います。

ウトナピシュティムは大洪水の中、神がどうやって警告してくれたのか、どうやって舟を作ったのか、大切な物、家族、そしてすべての生き物の種をどのように舟に積めたのかをギルガメシュへ伝えました。

さらに、洪水が収まるとウトナピシュティムはニシルの山に辿り着き、これに対して神はウトナピシュティムを永遠の命を授けてくれたことをギルガメシュに語ったのです。

大洪水の神話や歴史5:ウヌ・パチャクチ

ウヌ・パチャクチはインカ帝国における大洪水の神話的物語。

物語では、創造神であるコン・ティキ・ウィラコチャ(ビラコチャ)が大きな石から巨人を創造しました。

しかしその後、手に負えなくなった結果、ビラコチャはウヌ・パチャクチと呼ばれる大洪水を引き起こし、その巨人達を滅ぼしたと言います。

その後、ビラコチャは小さな石から人類を創造し、人類の歴史が始まりました。

大洪水の神話や歴史6:タファキの洪水

タファキは、ニュージーランドの先住民として知られるマオリ族に伝わる神話の登場人物。

このマオリ神話の中で、タファキは2人の嫉妬深い義兄弟の村を破壊するために洪水を引き起こしたと信じられているのです。

タファキは村人にヒクランギの山に登るように警告し、村人を洪水から逃れられるようにしました。

大洪水の神話や歴史7:マヌとマツヤ

インドのヒンドュー教に関連する神話の中にも、大洪水の物語が残っています。

そこでは、ヴィシュヌ神の化身として、魚の姿をしたマツヤがマヌという人物に、大洪水が起こることを警告すると同時に、自らを大きな魚から保護してくれるように頼みました。

マヌはその頼みを聞いてマツヤを助け、海へ返してあげると、助けてくれたお礼としてマツヤはマヌに舟を作るように助言し、それによって他の人類は滅びてしまった一方でマヌは助かったのです。

この結果、マヌは新たな人類の祖となりました。

大洪水の神話や歴史8:アーヴァンクの大洪水

イギリスのウェールズに起源を持つウェールズ神話には、アーヴァンクという湖の怪物が存在します。

このアーヴァンクは激しい気性を持つだけでなく人間を喰らい、さらに、洪水さえも引き起こすことが出来る強大な力を持っていました。

ある時、このアーヴァンクが水の中で暴れまわった結果、イギリスのブリテン島全てを巻き込むほどの巨大な洪水を引き起こしてしまいました。

この時、唯一舟を使って逃げ延びたドウィファンとドウィファフというカップル以外、他の人間は全て洪水に飲み込まれてしまったのです。

生き残ったドウィファンとドウィファフはその後、現在のブリテン島に住む人々の祖先となったと言います。

大洪水の神話や歴史9:カメルーンの洪水物語

中部アフリカに位置するカメルーンにも大洪水物語が存在します。

ある時、女の子が小麦を挽いていると、ヤギがそれをなめにやってきました。

女の子は当初ヤギを追い払おうとしましたが、ヤギが戻ってきたので好きなだけなめさせてあげることにしました。

この女の子に親切に対するお礼として、ヤギは「もうすぐ襲ってくる大洪水」について女の子に警告したのです。

女の子と女の子の兄弟が自分の持ち物を持って村から逃げ出した後、少し経ってから振り返ると村は洪水に見舞われていました。

大洪水の神話や歴史10:ジンポーの洪水物語

ミャンマー北部には、パウパウ・ナンーチャウンという名の男性と、彼の姉妹のチャン・コーが大洪水の中、舟によって助かった話が存在します。

この兄妹は洪水が起きた時、幸運にも舟に乗っていました。そして、9羽の雄鶏と、9本の針を持っていました。

洪水の引き金となっている雨が止んだ後、この兄妹は毎日、一羽の雄鶏と一本の針を舟の外へ投げ出していきました。

そして、最後の雄鶏と針を投げた時、大地に当たる音がして、この兄妹は再び土地が蘇ったことを知ることになりました。

大洪水の神話や歴史11:トゥムアンの洪水

マレーシア半島部ヌグリスンビラン州には、トゥムアンと呼ばれる先住民達が住んでいます。

彼らトゥムアンに伝わる神話の一つには、神々を怒らせたため、彼らの祖先の多くが命を落としたという物語があるのです。

神々は大洪水を起こし、生き残るためにイーグルウッドの木に登ったママクとイナク・ブンスクの二人以外、全ての人々の命を奪いました。

大洪水の神話や歴史12:ベルゲルミル

古代の北欧神話では、最初に生まれた神ブーリの息子ボルの子供達によって、巨人の王となったユミルが殺害された伝承が残っています。

これは、巨人達が非常に乱暴であったため、神々と常に対立していたことから生じました。

巨人ユミルが倒された時、大量の血が世界にあふれて世界を押し流し、ユミルの孫に当たるベルゲルミルとその妻を除く、霜の巨人の全てが命を落とすほどの血の大洪水が発生したのです。

舟でこの難をなんとか逃れたベルゲルミルと妻はその後、新たな霜の巨人を生み出して、それから続く巨人達の祖となりました。

大洪水の神話や歴史13:禹(う)

中国には洪水神話がいくつかありますが、夏朝の創始者である禹(う)にまつわる洪水物語は特に知られています。

ある時、禹が住んでいた地域には黄河の氾濫による歴史的な洪水が起こりました。

この洪水をどうにか抑えるため、鯀(こん)という人物に白羽の矢が立てられましたが、鯀は結局、9年間費やしたものの治水に成功することはなく処刑されてしまいました。

その後、鯀の意思を次ぐようにして13年間かけて治水に成功したのが、鯀の息子の禹だったのです。

大洪水の神話や歴史14:朝鮮の洪水物語

朝鮮の古い神話には、人類の起源に関する話が存在します。

その話によると、妖精と月桂樹の間に男の子「木道令」が生まれました。

そして地上が大洪水に襲われた時、月桂樹は息子である木道令の命を助けるために、水に浮かぶ自ら(月桂樹)の上に乗るように伝えました。

その後、他の人々は洪水によって命を落としてしまいましたが、木道令は別の少年を助け、さらに、老婦人とその娘孫二人を見つけて助けることに成功しました。

この神話によると、この時に助かった木道令と少年の二人と、老婦人の娘孫である女子二人のカップルが、その後の人類の祖となったと言うのです。

そして、木道令は善人と祖先で、少年は悪人の祖先だとも言います。

大洪水の神話や歴史15:ニスクアリーの洪水

北アメリカの先住民達の間に伝わる一つの伝説には、ニスクアリーの洪水として知られる大洪水の話が存在します。

この話によると、かつてピュージェットサウンド島に住んでいた先住民達の人口が、非常に増えたことがありました。

すると、人口爆発によって周辺に棲んでいた魚も動物も全て食べつくしてしまい、次には人々がお互いを殺して食べ始めました。

これを見た高貴で神に近い存在のドキバトゥルは、人間達を罰するために大洪水を起こしたというのです。

残った生き物は女性1人と犬1匹だけで、彼らから次の人類が生まれたと言います。

大洪水の神話や歴史16:エスキモーの洪水神話

アメリカ合衆国に属するアラスカに、昔から生きるエスキモーの中にも洪水神話は存在します。

その洪水神話の1つでは、大洪水によってすべての土地が飲み込まれたとあります。

その時、人々はイカダを結んでテントを張り、生き残った者達が身を寄せ合うようにして暖をとったことで、なんとか命をつなぎました。

その後、魔術師が弓を水の中に投げ込み、風を落ち着かせるように命じ、さらにイヤリングを水面へ投げ込んだことで、最終的に洪水は収まりました。

大洪水の神話や歴史17:ホピの洪水

アメリカ合衆国の南西部に昔から住むアメリカ先住民ホピ族の神話には、創造主ソツクナングによって大洪水が起こされた話が残っています。

これは、他の神話と同じように、人間が繰り返し堕落したことに対して、ソツクナングが怒ったことによります。

大洪水の神話や歴史18:ボチカ

南アメリカのコロンビアの先住民「ムイスカ」達の間に残る神話の一つによれば、かつてこの土地にボチカという名の男性がやってきました。

そしてボチカは「常に神々へ頼るのではなく、自分たちのことは自分たちでなんとかする術を身につけるべきだ」と現地の人々へ諭すと同時に、ムイスカの人々を助けるために莫大な時間を費やしました。

このように先住民達と莫大な時間を費やした結果、ボチカの妻は相手にされなくなったと激しく怒り、ある時、水の神に大地に水をあふれさせてムイスカの人々の命を奪うよう懇願。

水の神であるチブチャクンはその祈りを聞き入れ、大洪水を起こすために大量の水を流し始めました。

しかし、ボチカは虹を登り、金のしゃくで岩を叩き、水の流れを食い止め、新たな水路を作った結果、一部の人々の命は救われたのです。

大洪水の神話や歴史19:マヤの洪水

南米に興ったマヤ文明において信仰されていたマヤ神話の中には、マヤの洪水という物語が存在します。

風と嵐の神であるフラカンは、木から生まれた最初の人類に対して大洪水を引き起こすことを決意しました。

これは、人々が神々を崇拝しなくなったのが原因です。

大洪水の後、ほとんどの人類は亡くなってしまいましたが、3人の男性と4人の女性は生き残り、彼らはその後、人類の祖となていきました。

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大洪水の神話と伝説|各時代や世界各地に見つかる歴史物語と話のまとめ

大洪水にまつわる19の物語を紹介してきました。

時代や地域こそ異なるものの、大洪水の話の多くは、人々へのある種の教訓として描かれているのがとても興味深いと思います。

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

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