オーストラリアのエアーズロックに関する10の知識を紹介していきます。行き方や過ごし方、その他の特徴など、興味がある人は抑えておきたいことばかりです。
オーストラリアをイメージする時、カンガルーやコアラ、そして美しいビーチの他に、「エアーズロック」を思い浮かべる人もいるかと思います。
オーストラリアの中心部にあるエアーズロックは、オーストラリアを象徴する物の一つとして世界中に知られ、一方ではオーストラリアの先住民達にとって非常に神聖な場所です。
そして現在では観光地としても人気。毎年多くの人たちがエアーズロック周辺で楽しい時間を過ごします。
この記事ではそんなエアーズロックについて、行き方や過ごし方からその他の特徴など、エアーズロックに興味を持ったら知っておきたい10の知識を紹介していこうと思います。
エアーズロックの知識1:エアーズロック ≒ ウルル
エアーズロックはこの大きな一枚岩を見つけたイギリス人探検家が1873年に付けたもの。
そのため、本来エアーズロックは、
- 先住民の言葉で「ウルル」と呼ばれる
と、一般的にも言われることがあります。
しかし本来、ウルルが指す対象には、
- エアーズロックだけではなくてその周囲も含まれる
らしい。
この二つの違いは非常に小さいものの、両者の違いをしっかりと区別しておかないと、微妙に異なる解釈が生まれてしまったりする可能性があるので、頭に入れておくと良さそうです。
とはいえ、実際には「エアーズロック=ウルル」と使われている場面がほとんどだとは思いますが。
エアーズロックの知識2:思っていたよりもはるかにデカい!
エアーズロックが写っている写真のほとんどは、この一枚岩全体が収まるように上手いこと撮影されているはず。
そのため、エアーズロックを写真だけで見ていると、実際にはどれぐらい大きな岩か想像するのが難しいかと思います。
一方で、実物のエアーズロックを見たことない人が、初めて間近でこの巨大一枚岩を見た時、一番最初に驚くことが、その「巨大さ」。
エアーズロックを一周するにはおよそ10km近くも歩かねばならない上に、最も近くにある地点からエアーズロック頂上部までの高さ(比高)は335mで、比高ではない標高は868mもあるんです。
しかも、現在地表面に顔を出しているエアーズロックは、全体の5%程度しかないらしく、その大部分は地下に埋まっており、地下部分の高さは数千メートルあるらしい。
とにかく、実際に行ってみると、その大きさと迫力にびっくりするのがエアーズロックなんです。
表面は結構凸凹
また、写真などでは分かりにくいですが、側に行って実際のエアーズロックを確認すると、その表面は非常に荒く、これもちょっとした驚きになるかと思います。
ちなみに、オーストラリアの先住民アボリジニの文化や宗教の基本概念となる「ドリームタイム」によって、アボリジニ達にとって先祖は非常に重要な存在。
このエアーズロックの表面の凸凹は、その祖先が辿ってきた道を表していると考えられているらしいです。
世界最大の一枚岩ではない
その巨大さにびっくりすること間違い無しなエアーズロックは、しばしば「世界最大の一枚岩」と紹介されることがありますが、これについては間違いなので注意。
最も大きいのは、西オーストラリアのマウント・オーガスタスで、エアーズロックのおよそ2.5倍の大きさがあるとされるんです。
エアーズロックの知識3:行き方は難しくない
オーストラリアのちょうど中央辺りに位置するエアーズロックへの行き方は、少し大変そうな気がしますが、実際のところそこまで難しくはありません。
エアーズロックから少し離れた所には、ノーザンテリトリーの都市「アリススプリングス」があり、この都市へは、大陸横断鉄道を使って行くことが可能。
そして、アリススプリングスから車を使えば、大体5~6時間でエアーズロックに到着出来ます。
一方で、5~6時間のドライブも結構大変だと思うので、より簡単でおすすめな方法として、エアーズロックから車で20分程度の距離にある「エアーズロック空港」から向かう方法があります。
オーストラリアの二大都市、シドニーとメルボルンからエアーズロック空港までは直行便があり、
- メルボルンから
- 約3時間
- シドニーから
- 約3時間半
で到着することが可能です。
エアーズロックの知識4:観光地となったのは比較的最近
エアーズロックは世界中で最もよく知られるオーストラリアの象徴の一つ。
そのため、現在ではオーストラリアの観光地としても人気ですが、観光客が訪れるようになったのは比較的最近のことなんです。
その主な理由は、エアーズロックが都市部からあまりにも遠く離れた場所にあるってこと。
つまり、エアーズロックとアリススプリングスを結ぶ舗装道路が完成し、エアーズロック空港が開港した1940年代まで、エアーズロックを訪れるのは非常に骨の折れることだったんです。
その後、エアーズロックへ訪れる人が徐々に増え始め、1970年代にはオーストラリア文化を象徴する一つとして知られるようになり、多くの環境客が訪れるようになっていきました。
エアーズロックの知識5:1日では十分じゃない
飛行機で降り立ち、エアーズロックを見て翌日に帰ることは出来ますが、それではこの巨大岩を十分に見たとは言えません。
いくつかの散策コースを周るのに加えて、
- 「カタ・ジュタ」を訪れる
- エアーズロックから約25kmの所にあるいくつもの岩山
- 岩を登ったり歩き回ったりすることができ、日没時には夕日で真っ赤に染まる素晴らしい眺めが楽しめる
- 一日でエアーズロックとカタ・ジュタ両方を回ることも出来るが、かなり疲れるので、それぞれ1日かけて楽しんだ方が良い
- フェールド・オブ・ライトを見る
- 広大な地面に5万球以上の電球を灯すイルミネーション
- 夜明けに訪れると、静けさの中を歩きながら次々に変わる電球の色と地平線に輝く夜明けの光を眺める「心休まる経験」が出来る
- 現在は2020年12月31日まで続けられる予定
- カルチャーツアーやカルチャーアクティビティへの参加
- この地の文化をより理解することが出来る
- 夜明けと日没で異なるエアーズロックの顔を見る
- 時間帯(陽の当たり具合)によって結構色が変わる
- 現地の食事を十分に楽しむ
など、様々な過ごし方を考えると、エアーズロックを十分に体験するには3日間程度は必要だと思います。
様々なニーズに対応した異なる宿泊施設
また、エアーズロックへ数日間滞在して楽しむなら、宿泊施設が大切になってくるかと思いますが、エアーズロックの周囲にはいくつかの宿泊施設があるので、自分の予算や目的に合わせて選べばOK。
値段は張るけどここでしか出来ない体験をしたいなら、
- LONGITUDE 131°
- SAILS IN THE DESERT
といった宿泊オプションがグッド。
値段はもう少し抑えたいけど、十分に楽しみたいなら、
- DESERT GARDENS HOTEL
- EMU WALK APARTMENTS
が良さそう。
一方で、リゾート気分は要らないからもっと予算を抑えたいという人は、
- OUTBACK PIONEER LOGE
を検討してみるのがおすすめです。
ちなみに、LONGITUDE 131°以外は「AYERS ROCK RESORT」のサイトで確認出来るので、詳細が気になったら調べてみてください。
食事も心配無し
都市部から遠く離れているにもかかわらず、エアーズロック周辺では食事の心配はありません。
最近では食事の選択肢が増え、カジュアルなものから高級なものまで、様々なレストランが営業されています。
南オーストラリアから巨大なトラックが毎週二便やってきて、新鮮な農産物を届けているのです。
(出典:AYERS ROCK RESORT)
そしておすすめは、アウトドアレストランを予約すること。
エアーズロックの日没を眺めながらの食事が出来、ここでしか経験出来ない食事を楽しめます。
エアーズロックの知識6:厳しい自然環境ではあるが・・・
ご想像の通り、エアーズロック周辺の自然環境はきわめて厳しく、夏には平均気温が38℃以上(最高気温は45℃を超えることもある!)にもなり、この地域はとても乾燥する「半乾燥地帯」に分類されます。
一方で、乾燥していると言っても完全に乾燥した「乾燥地帯」ではないため、決して砂漠が広がっているわけではなく、生命の営みを確認することが出来るんです。
ちなみに、北半球が夏の時期になるとオーストラリアには冬が訪れるわけですが、この時期のエアーズロックは夜になると非常に寒くなります。
日中の平均気温は25℃ぐらいで比較的過ごしやすいものの、夜間には0℃かそれ以下になることもあるんです。
そのため、時期によっては寒さ対策をしておく必要がある点はお忘れなく。
また、この地は空気が乾燥しているために湿気がほとんどなく、どんなに寒くなっても雪は降りません。
水はある
エアーズロックにおける生命の営みに大切なものが水。
エアーズロック周辺は、厳しい自然環境にもかかわらず水があり、この辺りではデザートオークと呼ばれる、この特殊な環境に適応した木を見ることが出来ます。
ちなみに、デザートオークは成長スピードが非常に遅いことで有名。
これは、水が少ない同地では、地中深くある水を吸い上げるために、10メートル程度を根を伸ばさなくてはいけないのが主な理由です。
また、エアーズロックの麓(ふもと)にある窪みには、池が存在する場所もあります。
動物は多くない
エアーズロックに存在する池や水たまりには、(乾季には泥の中に潜って過ごす)カエルや、カブトガニの一種など、いくつかの水生生物が存在します。
そのため、エアーズロック周辺には動物が暮らしていることは確かです。
しかし、どんなに水があるとは言え、厳しい環境には変わりないエアーズロックの周囲では、想像するほど動物を目にすることは少ないでしょう。
一応、動物はいることはいますが、水源が少ないこの地では、多くの動物を一度に目にする機会がほとんどないんです。
ただ、一般的に想像されるいわゆる動物を一度に多く見ることはほぼ無いものの、ハエちゃん達を一度に見ることは結構あると思います。
エアーズロック周辺だけでなくオーストラリアの大部分では、乾燥しているせいかハエが人間の口(唾液という水分を狙って!)を目掛けて突っ込んでくることが良くあるため、運が良ければ大量のハエに遭遇することになります。
日中は「ハエを手で払う動作」を忘れずに。
エアーズロックの知識7:古代文化を確認出来る
エアーズロック周辺の土地には、数万年前より人が住んでいた形跡があり、いくつかの物語が語り継がれてきました。
この古代文化を象徴するものの一つとして、エアーズロックのあちこちにある窪みに描かれた「古代の壁画」を挙げることが出来ます。
これら壁画の多くは物語を意味しているとされ、先住民の文化を知る上でも、そして人類にとって大切な古代文化を知る上でも重要なんです。
ちなみに、エアーズロックの麓にあるカルチャーセンターでは、これら文化的なことに関して学べるので、興味があれば訪れてみましょう。
また、食べられる植物の見つけ方や調理法、狩りのテクニック、アートなど、毎日様々なデモンストレーションが行われているため、エアーズロックや先住民族の文化に対する理解を深める上ではおすすめです。
エアーズロックの知識8:登山は今後禁止になる
エアーズロックはこれまで、運が良ければ(天気やアボリジニの文化的イベントが無いなどの条件を満たした場合)、登ることが可能な場所でした。
そのため、この地を訪れた観光客のおよそ1/3はエアーズロックに登っていました。
しかし、エアーズロック周辺を管理する「ウルルーカタジュタ国立公園の役員会」は、アボリジニ達にとって聖域とされるエアーズロックの環境を守るためにも、そしてアボリジニ達を尊重するためにも、2019年10月26日からエアーズロック登山を全面的に禁止すると発表。
安全に登山するために設置された手すりは全て撤去し、禁止しているのにも関わらず登った者に対しては、「実刑2年+約600万円の罰金」が課されるんだとか。
このように今後、エアーズロックは基本的に、登山が出来無い場所となることは覚えておきましょう。
(参照:トラトラ)
エアーズロックの知識9:写真撮影が禁止された区域の存在
エアーズロックは1日では全て見れないほど巨大なのにも関わらず、エアーズロックを撮影した写真は、大体どれも似たり寄ったりなのには理由があります。
それは、「エアーズロックの撮影が許可された場所は制限されている」から。
エアーズロックの多くの場所が、先住民(アナング族)達にとっては神聖な聖地とされ、古くから儀式に使われてきました。
また、中には男性だけが立ち入れる場所や、逆に女性だけが立ち入れる場所が存在します。
このように、先住民達の伝統や信仰を尊重して保護するためにも、エアーズロックの至るところに撮影禁止の看板が立っているんです。
エアーズロックの知識10:セグウェイツアーが良い!
エアーズロックを肌で感じるには、麓の散策コースを徒歩で移動し、巨大な一枚岩をあらゆる方向から眺め、洞窟を探検して古代の洞窟壁画を確認し、岩の大きさや様子を目で見るのが一番です。
しかしながら、中には長い距離を歩きたくないなんて人もいることでしょう。
そこでおすすめなのが「セグウェイツアー」!
立ち乗り二輪車で操作が簡単なセグウェイを使って移動する、ガイド付きのセグウェイツアーであれば、体力を消耗せずにエアーズロックを見て回ることが出来ます。
興味があれば予約して利用してみましょう。
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エアーズロック(オーストラリア)の知識|行き方・過ごし方・特徴などのまとめ
オーストラリアの観光地であり、先住民の聖地として知られるエアーズロックに関して、抑えておきたい10の知識を紹介してきました。
ちなみにこのエアーズロック、1987年には独特な地質学的価値をユネスコにより認められて「世界自然遺産」となり、さらに1994年には、先住民にとって文化的な意味を持つことが認められ「世界文化遺産」となりました。
このように、1つの場所に対して2つの世界遺産認定が2つあるのは世界でも非常に珍しく、エアーズロックの素晴らしさを象徴しています。