ベトナム人の性格と特徴を表す11のあれこれを紹介していきます。ベトナムの国民性や価値観を少しでも知るために参考にしてください。
東南アジアに位置するベトナムは、北から南へ細長くS字型に伸びた国で、美しい風景を始めとしたたくさんの魅力に溢れていますが、ベトナムに住むベトナム人についても同じことが言えます。
ベトナム人は親しみやすさと寛大さで有名で、彼らの性格や特徴として挙げられるものの中には、異なる文化や歴史的背景の調和を見て取れます。
この記事では、そんなベトナム人の多くが共有する11の性格や特徴を挙げていき、ベトナムの国民性や価値観の理解へ繋げていこうと思います。
ベトナム人の性格と特徴1:地域によって異なる
ベトナム人と言っても、ベトナムでは、食べ物、洋服、音楽、習慣、文化的性格 、方言などの多くの点で、地域による差異がみられます。
大きく分ければ、ベトナム北部、ベトナム南部、ベトナム中部といった地域ごとの文化的アイデンティティを強く意識していると言え、また、北部は主に中国文化の影響を強く受けている傾向にあり、一方の南部と中部は、クメールやチャムといった少数民族の影響をより強く受けている傾向にあります。
さらに、北部と中部の人々はどちらかと言えば勤勉で堅苦しく、慎重で用心深いと言われ、それに対して南部の人々は、より「リベラル」かつ活動的で「西洋化」されていると描写されることがあります。
実際に、歌手や俳優、実業家を志すベトナム人の多くは、キャリアを追求するために南部へ移り住む傾向にあったりします。
また、北部と南部では料理も異なり、伝統的な料理の作り方にも地域によって大きな違いがあります。
これは、隣を大国中国に接する北側から、タイランド湾へ繋がる南へ細長く伸びるベトナムの地理的要因や、人口の86%ほどをキン族(ベト族)と呼ばれる民族が占めているものの、他にも54の固有な少数民族が住んでいる国内の民族的環境に依るところが大きいと言えるでしょう。
その結果、一括りにベトナム人と言っても、外見的特徴だけでなく、文化や習慣的な特徴でも違いが出てくるのです。
ベトナム人の性格と特徴2:強い家族の絆を持っている
異なる民族的背景に関わらず、多くのベトナム人に共有されている文化的特徴の1つとして、「家族の絆が強く、家族を大切にする」という点を挙げることが出来るでしょう。
ベトナムにおいて、家族で集まることは普段の生活の中で当たり前であり一般的。
家族の規模や親密さにもよりますが、1ヶ月に最低でも数回、または、1年に何回かは親戚一同で集まることが多いです。
また、ベトナムにおいて、テト(ベトナムの伝統的な旧正月)は、実家に帰省して家族が集まる最良の機会の1つだと考えられており、テトの前には、祖父母、両親、子供が一緒になって掃除や飾り付けや料理などを準備し、家族の絆がさらに強くなるのです。
他にも、大晦日や中秋節などの祝日や祭事にも家族一同で集まります。
こうした日々の集まりの中で、ベトナムの家族は食事中に自分のしたことを振り返り、多くを共有し合い、家族皆との有意義な時間を大切にしていきます。
ベトナム人との付き合いが増えていくと、彼らの中に、「疲れた時にはいつでも味方でいてくれる家族を思い浮かべることで、辛くても頑張れる」と言う人を見かけるはずです。
ベトナム人の性格と特徴3:内気だけどフレンドリー
ベトナム人の特報として、内気で引っ込み思案な人が多いという点が挙げられます。
特に、女性はその傾向が強く、初対面の人と最初から会話が弾むことは少ないように思います。
しかし、だからと言ってベトナム人は社交的でないかと言えばそうではなく、ベトナム人は基本的に親切です。
単に、警戒心をすぐに解いて誰とでも友達になるのではなく、少しずつ相手との距離を詰めていき、心を許した相手と友達関係になるという違いなだけです。
そのため、ベトナム人に対して積極的に話しかけたり、微笑みかけたりすれば、いつの間にか友達になっていることでしょう。
そして、信頼の置ける友人だと感じてもらえれば、家に誘われたり、他の友達を紹介してもらったり、家族の食事に誘われたりするかもしれません。
ベトナム人の性格と特徴4:感情的な繋がりが大切
また、ベトナム人は感情的な繋がりを日本人以上に重視しているように感じます。
ベトナムで誰かに助けを求めたり承認を得たりする場合には、この特徴を理解することがとても重要です。
ベトナム人と友達になり、彼らから信頼を得ることが出来れば、基本的に全ての物事が円滑に進むようになるはずです。
遠慮せずに助けを求めてると、ベトナム人は出来る限り手を差し伸べてくれます。
ちなみに、ベトナム人の中には、「真の友情は家族と同等かそれ以上に大切だ」と考える人もおり、「隣人は遠くの家族よりも重要である」という意味を持つベトナムのことわざは、この価値観を表現していると言えるでしょう。
友人になったベトナム人の家へ急に訪問したとしても、彼らが温かく迎え入れてくれるのは、このベトナム人的な価値観が根付いているからかもしれません。
ベトナム人の性格と特徴5:謙虚だけど見栄っ張り?
ほとんどのベトナム人は控えめで謙虚な性格的特徴を有します。
褒められると「そんなことはない」と言ったり、周囲の人への感謝の言葉を述べたりします。
この謙虚な性格は、特に何かを達成した時に顕著に現れると言え、自分の手柄にせず「他人のおかげだ」と言うのです。
これは、ベトナム人の中では、友達や同僚と友好的な関係を維持する上で効果的な方法なのです。
一方で、謙虚でありながらもベトナム人は、若干見栄っ張りでもあります。
他の人から助けられることを嫌がる傾向にあるだけでなく、高級車、高級品、お洒落な服など、高いものを身につけたいという欲求が所々に見え隠れします。
ベトナム人の性格と特徴6:自分の国に強い誇りを持っている
過去にベトナム人は、数十年にわたる戦争と貧困を経験しました。
ベトナムの歴史は侵入者との戦いに結びついているとさえ言え、その歴史の中でベトナム人は、自由と独立、領土の保全のために国境を守ってきました。
こういった背景もあってか、ベトナム人は自国に対して高い誇りを持っています。
ベトナム人の中には、自分達が自由のために戦った歴史の話をすることが大好なだけでなく(特に高齢者)、命を落としかねない血なまぐさい戦争で国境を守るため、兵士に志願し続ける若い男子も多くいます。
昨今は特に、ますますこの精神的傾向が高まっていると言えるかもしれません。
例えば、2011年にベトナムと中国が東シナ海を巡って対立した際、ベトナム中でこの係争が話題となり、ほとんどのベトナム人は「自国の領海を守るんだ」という強い意志を共有していました。
また、ベトナム人はベトナムにある多くの景勝地に誇りを持っています。
これは、外国人観光客からベトナムの歴史や景勝地について質問されると喜ぶ、ベトナム人の性格的特徴に反映されていると言えるでしょう。
ベトナム人の性格と特徴7:知識欲が高い
一般的にベトナム人は、知識欲が高く、学ぶことが好きです。
これは、ベトナム人最大の性格的特徴の1つとして挙げられるでしょう。
例えば、ベトナムの観光地へ行くと、歴史や地理など様々な話題を通じて、外国人と英語を話す練習としている健気な学生を見かけるはずです。
学習環境という点で、日本ほど英語学習用の教材も無ければ人材もいないのに、知識欲が高いベトナム人は創意工夫して、貪欲に学んでいく精神に溢れています。
ベトナム人の性格と特徴8:勤勉
また、知識欲のところで挙げた例で分かると思いますが、ベトナム人は勤勉な性格の持ち主である傾向が強いと言えます。
そして、この勤勉な性格は勉強だけでなく、労働面でも現れ、とりわけベトナム人女性の中には、朝早くから夜遅くまで一生懸命働く人が多くいます。
外がまだ真っ暗な午前2時に起き出して、家庭のことを一通りやって早朝から仕事へ行く準備を始める人もいるぐらいです。
ベトナム人のこの勤勉な性格は、「勤勉は報われる」という意味を持つことわざや、「蜂がいなければ蜂蜜はない、仕事をしなければ金は入ってこない」といった意味を持つことわざにも表現されています。
ベトナム人の性格と特徴9:意外に冗談好き(理解が難しいことあり)
最初は引っ込み思案で謙虚な面が目につきやすいベトナム人の意外な性格な特徴として、実は冗談好きというものがあります。
ベトナム人は、冗談や皮肉、ダジャレが大好きで、一度仲良くなるとこの性格を表に出し始めます。
ただし、ベトナム人の笑いのツボは、地域によって異なる上に、共通した文化的背景を持っていないと理解しがたいこともあります。
それでも彼らは一生懸命、表情や身振り手振りも合わせて相手を楽しませようと健気に頑張るんです。
ベトナム人の性格と特徴10:スピリチュアル/宗教的
ベトナム人の特徴として、そのライフスタイルは日本人のそれと比べ、よりスピリチュアル又は宗教的だと言えるかもしれません。
特に他人とのやり取りに関しては、儒教の影響を強く受けています。
ベトナム北部と国境を接する中国で誕生した儒教は、1000年にも渡って、ベトナム人の考え方や概念に重要な役割を果たしており、人道主義、博愛、相手へ寛大であることの基盤となっています。
また、仏教や道教などもベトナム人へ強い影響を与えています。
実際、この儒教、仏教、道教は三教と呼ばれ、ベトナム人の習慣や文化の形成においては重要な役割を担っており、例えばベトナムでは、「無宗教」だと主張している人であっても仏教的な考えを持っていたり、儒教的な教えに沿った生活を送っていたりします。
ベトナム人の性格と特徴11:伝統的
社会主義国家を標榜しているものの、近年は市場経済化しつつあるベトナムは現在、産業化と近代化の時代にあると言え、ホーチミンなどの大都市は目覚ましい発展を見せています。
そのため、こういった大都市で生きる多くのベトナム人の生活は都市化しています。
しかし、それでありながらも、伝統的な価値観を大切にするのがベトナム人の特徴。
テト(旧正月)にはチュンと呼ばれる食べ物を食べたり、中秋節にはランタンを持って行進したりするなど、昔からの伝統が世代から世代へと受け継がれています。
また、日常生活では衣類や食事に至るまで、昔ながらの伝統を見ることが出来、アオザイやアオトゥタンなどの民族衣装や伝統的な食事は、今も彼らの日常生活で見ることが出来ます。
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ベトナム人の性格と特徴を表す11の国民性や価値観のまとめ
11のベトナム人の性格と特徴を紹介してきました。
ちなみに、ベトナム人は全体的に、将来的に対して希望に満ち溢れている人々だと言えるかもしれません。
というのも、過去数十年にわたる戦争や貧困を経験してきたベトナム人にとって、目覚ましい発展を続ける現在のベトナムは黄金期を迎えていると言えるからです。