世界の川|最も重要な10の名前と各川の長さや大切な意味

世界の川の中でも最も重要だと思われる10の川を紹介していきます。それぞれの名前や長さ、なぜ大切なのかの理由などについて見ていきましょう。

先史時代から川は人々にとって非常に重要であり、また、社会を発展させる上で大きな役割を担ってきました。

川は人々へ生きるために必要な水を与え、食料を作るために必要な土地を作り、物をある場所から別の場所へ運ぶ手段となってきました。

さらに、人間のみならず地球全体に対しても、川は生物多様性を維持するという点で重要な存在です。

この記事では、そんな世界中にある川の中から、最も重要だと思われる10の川をピックアップして、それぞれの名前や長さ、さらにはなぜ大切なのかの理由などを見ていきたいと思います。

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重要な世界の川1:ヴォルガ川

ロシア連邦の西部を流れるヴォルガ川は、ヨーロッパで最長の川であり、「ロシアの母なる川」という呼称からも分かる通り、ロシアでは最も重要な役割を持つ川の一つです。

ロシアにある20の大都市のうちモスクワを含む11の都市がヴォルガ川の流域に位置し、その全長は3690km。

モスクワ北西部にある海抜225mほどの高さのヴァルダイ丘陵を源流とし、南に位置する遠く離れた世界最大の湖(塩湖)、有名なカスピ海に注ぎます。

ヴォルガ川はその大部分が年に3ヶ月ほど凍ってしまうにも関わらず、古くからロシアの内陸水運や国内輸送において重要な役割を担っており、現在でもロシアの河川貨物のおよそ2/3はヴォルダ川の支流によって運送されているなど、ロシアにとっては非常に重要な川として存在し続けているのです。

重要な世界の川2:ドナウ川

ドナウ川はヨーロッパで最も重要な川の一つで、全長2850kmを有し、ヨーロッパ地域において上で紹介したヴォルガ川に次いで2番目に長い川。

この川の源流はドイツのシュヴァルツヴァルトで、そこから東に向かって流れており、黒海へ注ぐまでに四つの国の首都を通ります。

かつてローマ帝国によって長い防衛線の一つとして利用され、現在はヨーロッパの国10カ国の国境の一部となっているなど、時代によってその役割を変えてきました。

また、1992年にドイツのライン・マイン・ドナウ運河が完成してからこの川は、ヨーロッパの国々をつなぐ運河の一つとなり、現在は黒海から北海のあるロッテルダムを繋いでいます。

重要な世界の川3:長江

世界で最も重要な川の一つとさえ言える長江は、中国国内で最長の川であり、世界では3番目に長い川です。

6,300kmにも及ぶ全長を誇り、チベット高原東部の氷河を源流とし、その自然の美しさで知られている長江三峡の絶景を通り、東シナ海へ注ぎます。

紀元前14000年頃から紀元前1000年頃までの古代においては、この長江流域で多くの古代文明が興り、それらはまとめて長江文明と言われ、黄河文明と並んで中国を代表する古代文明でした。

また、現在この川には世界最大の水力発電所である三峡ダムがあり、さらに、世界で最も交通量が多い川の一つとして重要な役割を担い、それら長江を行き交う船の中には、石炭などのバラ積み貨物や製造品、そして乗客などを運ぶ商業船などがあります。

このように、長江は人類史においても現在の中国においても、非常に重要な役割を担ってきた世界有数の川なのです。

重要な世界の川4:ミシシッピ川

ミシシッピ川は全長約3,730mのアメリカ合衆国及び北米では最大の河川。

ミネソタ州北西部にある氷河湖「イタスカ湖」を源流とし、ニューオーリンズの下のメキシコ湾に注ぎ、主な支流と共に、アメリカ合衆国の31の州の全てまたは一部の地域を通る一大水系を形成しています。

そんなミシシッピ川では、1820年代に当時人気だった蒸気船が交易の手段として加わり、綿、木材、そして食料が運搬されるようになり、その後、1880年代に鉄道が導入されると蒸気船の運航は減少しましたが、1920年代まで運行を続けていました。

また、その広大な範囲に加えて、ミシシッピ川は高低差が少なくて緩やかな流れを持つこともあり、現代であっても特に大型船舶の通行という点では、アメリカ中央部における一大幹線として重要な役割を果たしています。

重要な世界の川5:セピック川

セピック川は、太平洋南部に位置するニューギニア島において最も長い川。

この川はパプアニューギニアの中央高地にあるヴィクトール・エマニュエル山地を水源とし、同島にあるフライ側と並んで主要な河川で、その大部分がアマゾン川と同じくヘビのようにくねくね曲がっているのが特徴です。

また、他の大きな川と違い、「三角州」と呼ばれる「河口付近において、河川によって運ばれた物質が堆積することにより形成された地形」が無いのも特徴の1つで、その水はまっすぐにビスマルク海へ注ぎます。

この川の全長は1,126km。

セピック川に沿った地域に大きな居住地は無いこともあり、この川は世界の中でも手付かずの自然がもっとも多く残っている場所の一つとして、また、生態学的に見ると、アジア太平洋地域においてセピック川の水系は、最大の汚染されていない淡水の湿地帯であるとしても知られ、重要視されています。

重要な世界の川6:ザンベジ川

その長さの数値については、2470〜3540kmまで資料によって幅があるものの、アフリカで4番目に長い川とされるザンベジ川は、アフリカ南部において重要な役割を果たしている川。

ザンビア北西部の黒い湿地帯を源流とし、アンゴラ、そしてナミビア、ボツワナ、ザンビアの国境を流れ、ジンバブエを通り、そしてモザンビークからインド洋へ注ぎます。

また、世界三大瀑布の1つとして有名な壮大で美しいヴィクトリア滝を途中に有することでも知られます。

そんなザンベジ川が重要な理由は、この川が多くの動物や生き物たちの生態を支えているから。

この川の静かな地域には多くのカバやワニが生息し、ザンベジ川はまた、巨大魚を含む何百種類もの魚たちの生息地でもあります。

さらに、流域には水力発電所が2つ設置されており、ザンビアとジンバブエ、そして南アフリカへ電力を供給しているという点でも重要度が高い川です。

重要な世界の川7:ガンジス川

インド亜大陸を流れる大河として有名な全長2,525kmのガンジス川は、インドの西ヒマラヤ山脈を源流とし、ベンガル湾のシュンドルボンの三角州に注ぎます。

この川は長きに渡ってヒンドゥー教徒から聖なる川として扱われ、ヒンドゥー教の女神ガンガーとして崇拝されているなど、宗教的にも歴史的にも非常に重要な役割を果たしてきました。

また、過去に存在した多くの州や帝国の首都などは、この川の川岸に作られてきたなど、インダス文明以降のインドにおいては社会や文化の発展に大きく寄与してきました。

現在、ガンジス川の川岸に位置するヴァーラーナシーは、ヒンドゥー教の一部の教徒からは最も神聖な都市と考えられています。

ヒンドゥー教徒の中にはまた、愛する人たちの遺灰をガンジス川にまいたり、少なくとも一度はガンジス川で沐浴をしなければ人生は未完成と考える人もいます。

このように、ガンジス川はインドにおいてあらゆる意味でとても重要な川であるため、インドはガンジス川を国の川として定めているほどです。

重要な世界の川8:メコン川

東南アジアを流れ、同地域では最長となるメコン川は、推定4,023〜4,350kmの長さを持ち、世界で12番目位に長い川。

この川はチベット高原を源流とし、中国の雲南省、ビルマ、ラオス、タイ、カンボジア、そしてベトナムを流れ、南シナ海に注ぎます。

ただし、季節によって流れが激変したり急流や滝があるため、船の運航が難しい川としても知られます。

一方で、メコン川流域はアマゾンに次ぐ世界でも非常に生物多様性に富んだ地域として知られ、特に、ベトナム南部で形成するメコンデルタは非常に肥沃な地域であり、現地の農業生産に大きく貢献しているなど、非常に重要です。

しかし、中国のダムが建設されて以降、近年は、メコン川に生きるカワゴンドウやマナティーなど多くの生き物たちが絶滅の危機にさらされており、その「自然の豊かさ」という点において、懸念が広がっています。

重要な世界の川9:ナイル川

一般的に世界最長の川とされるナイル川は、6,650kmの全長を誇ることで知られ、東アフリカから地中海へ向かって北へ伸びています。

中央アフリカの大湖沼地域を水源とする白ナイルと、エチオピアのタナ湖を水源とする青ナイルを支流に持つ大河で、歴史の中でエジプト文明の発展に関して大変重要な役割を担っていました。

「ナイル川から堆積した沈泥が川の周りの土地を非常に豊かにしてきた」と言うのがその理由です。

この川は毎年氾濫を起こし、それによって川岸から溢れ出した結果、周辺の土地は肥沃になり、エジプト人たちは小麦やその他の穀物を栽培することが出来たのです。

また、ナイル川は古代エジプト人のスピリチュアルな生活の重要な一部分でした。

毎年起こるナイル川の氾濫はハピと呼ばれる神として神格化され、このハピとファラオが氾濫をコントロールしていると考えられていました。

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重要な世界の川10:アマゾン川

一般的には全長約6,500kmでナイル川に次いで世界二番目に長い川とされるものの、資料によっては全長6,992kmで世界最長の川とされるアマゾン川は、常にナイル川と世界最長の座を争ってきました。

一方で、長さではなく流量または体積に関しては、ナイル川を突き放して圧倒的な世界一となっており、世界全体のおよそ5〜6分の1の河川流量を、アマゾン川単体で占めるとされています。

アマゾン川とその支流はペルー、ボリビア、べネズエラ、コロンビア、エクアドル、そしてブラジルを流れ、大西洋に注ぎ、この超巨大な川には認識されているだけでも3,000以上の魚類が生息。

また、毎年のように次々と新しい種も発見されているなど、生物の多様性においては世界的に見ても非常に重要な川なのです。

さらに、その巨大さから本流にはダムが1つもなく、世界一汚染の少ない河川でもあることから、地球最後の水資源の宝庫と見られています。

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世界の川|最も重要な10の名前と各川の長さや大切な意味のまとめ

世界中にある川の中でも、重要な10の川について見てきました。

川は人間はもちろんのこと、他の生き物や地球自体にとって非常に重要な存在。

その大切さを理解する上でも、紹介した10の川については頭に入れておくのが良いかと思います。

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

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