セミリタイアやアーリーリタイアで失敗しないためにも、実は人脈を大切にしておくことは重要です。経験からその理由について述べていきます。
私(筆者)はFIREと呼ばれる、早期退職(アーリーリタイア)とセミリタイアを足して2で割ってプラスαしたような生活を送っているわけですが、こういった生活を続けていくには「人脈」は超大切だと思っています。
たまに、十分な資金があったりインターネットで稼ぎながらセミリタイアするなら人脈がなくても問題ないといった意見も聞きますが、私は経験から人脈の大切さを痛感しています。
FIRE生活の中で一時期、収入がほとんど無くなった話
私は2015年ほどから個人でネットメディアを運営しているんですが、最初に始めたある分野に特化したサイトは運が良かったこともあり、ピーク時には月間のページビュー(PV)が600万を超えるまでに成長しました。
そのため、2016年に会社をやめて独立してからは、スタートアップの顧問をしたりと幾つかの小さな収入源が他にもありましたが、主にこのネットメディアの収益が生活の基盤となっていました。
しかし2016年の後半に起こったWelq問題を境に、2017年頃から段々と私が集中していたジャンルにおけるGoogleのアルゴリズムが厳しくなってきたこともあり、収益は横ばいとなります。
さらに、2018年に入ると再びアルゴリズムが変動したことで、徐々に収益が下がっていってしまいます。
一方で2017年から、
- 私のメディアを買収したいという声もいくつか頂いていたこと
- Googleのアルゴリズム変動でサイトの収益のアップが望めなかったこと
の2つから、真剣に事業譲渡を考えるようになりました。
そして2018年には晴れて事業譲渡の話が決まりますが、譲渡先の会社へサイトを渡す1週間前のタイミングで、Googleによる大きな「コアアルゴリズム」の変動が起きてしまいます。
予定されていた以下の譲渡額しか手に入らずに実入りもなくてしんどい状況が続いた
その結果、なんとか事業譲渡はしたものの、本来予定されていた半分の額での譲渡となってしまいました。
こういったこともあり、サイトの売却は出来たものの、譲渡額はそこまで大きくなく、さらに、売却によって毎月入ってくる見入りの大部分が無くなってしまったため、実は2018年の6月から数ヶ月間の間は、収入が10〜20万円程度という心もとない状況になっていました。
ちなみに当時、確かに金融資産的にはそれなり持っていましたが、収入がなくて貯金を切り崩さなくてはいけない生活は正直精神的にかなりしんどかったです。
ラッキーなことに人脈によってしんどい状況から救われた
しかし私が日本にいた時に作っておいた人脈によって、このしんどい状況から運良く救われます。
2017年の後半から2018年の始めの頃だったと思いますが、アルメニアにある大手のIT企業が日本のマーケットに進出したいと言ってきた時、ちょうどそこの取締役が私の友達のアメリカ人だったこともあり、自分としては無償のつもりで手伝いました。
そして、私が以前から仲良くしていた日本の友人の中に、元々アメリカの外資系の日本代表をやっていて、現在は日本の上場企業で事業責任者をやっている人間がいたので、アルメニアのIT企業のサービスを紹介したところ、偶然にも興味あるとの返事をもらいます。
その後、スカイプMTGを実施した時に、1時間そこへ参加して両者を繋げました。
実質1時間の仕事で毎月100万円近く入ってくることになった!
2018年の8月ぐらいだったと思いますが、アルメニアのIT企業のディレクターから「契約を締結した」旨を報告され、謝礼を払いたいからといってコーヒーへ誘われます。
で、そこで言われたのが、
契約が続く限り最大3年間、毎月の契約金の10%をお礼として渡していくから
ん???
私が、
毎月の契約金の10%っていくら?
って聞いたら、
年間約1億円の契約だからだいたい8000ドル
ま、まじすかーーー!!!
いや、これにはマジで喜びました。
特に、収入がほとんどなかった時期でもあったので、寝耳に水とはまさにこのことというぐらい嬉しかったのと同時に安堵しました。
ちなみに、今後はさらに契約金額が増えそうなので、私に支払われる額ももっと伸びるみたいです。
人脈はセミリタイアやアーリーリタイアで失敗してしまうリスクを下げる
長々と私の体験談を語ってしまいましたが、会社から毎月給料がもらえるサラリーマンと違って、セミリタイアやアーリーリタイアでは基本的に、同じような安定を求めることは難しいです。
これは、正規の会社員と比べるとセミリタイアやアーリーリタイアで行う仕事は、
- 単発のものだったり
- 期間が区切られているものだったり
- 正社員のように雇用契約が切られにくいものではない
といった理由から、ある日突然、それまであてにしていた収入源が無くなってしまうことが比較的に起こりやすいからです。
しかし、しっかりと人脈を作っておくと、上で紹介した私の経験のように、仕事が無くなった場合でも、
- 仕事を紹介してくれる
- 新しいビジネスに繋がる
といった形で収入源の確保が出来ることがあり、FIREを含めたリタイア生活の失敗を回避することが可能になってきます。
ちなみに私の場合、別の人脈(ベンチャーキャピタリスト)を通して、日本のとあるスタートアップを紹介され、現在はそこの会社の顧問にもなっています。
そのスタートアップに関しては、役務の提供という形で株式を少しもらうと同時に、来年の後半からは毎月報酬(100万円ぐらい?)をもらえるらしく、ここでも人脈の大切さを実感しています。
「セミリタイアの収入源をネットにしたら人脈は必要ない」って意見についての反論
会社を辞めてセミリタイアやアーリーリタイアを実践していくなら、ある意味で人脈は超強力な「セーフティーネット」となるのは、ここまで読み進めれば分かるはずです。
しかし、それでも中には、
インターネットビジネスが収入源なら人脈は必要ない
といった主張をする人がいます。
確かにブログやアフィリエイトのような広告収益で稼ぐネットのビジネスモデルでは、そうでないビジネスに比べると圧倒的に人脈は必要ないです。
というのも、SEOのテクニックを駆使してGoogleの検索を攻略したり、FacebookのSNSチャネルをハックしてしまえばお金を儲けることが出来るからです。
ただ、このようなビジネスはGoogleやFacebookなどのプラットフォーマーに依存しているため、突然Googleのアルゴリズムが変わったり、Facebookからアカウントがストップされれば大きな打撃を喰らうことになります。
実際、私も自分のサイトを売却する直前には大きなGoogleアルゴリズムの変更を喰らっています。
この経験から言えるのは、「インターネットビジネスは水物」だということです。
今は稼げている人も、インターネットビジネスでは、
- 稼げなくなる時は突然やってくる
- 稼げる賞味期限もそこまで長くない
という点は頭に入れておいた方がいいです。
こうなった場合、もしも人脈がないとその時点でセミリタイアやアーリーリタイアが失敗してしまうリスクが一気に高まります。
なので、一見すると人脈が必要ないインターネットビジネスであっても、そこからの収益を食い扶持としている人は、絶対に人脈を作っておいた方がいいと思います。
セミリタイアやアーリーリタイアで失敗しないために人脈は大事って話のまとめ
FIREをはじめとして、セミリタイアやアーリーリタイアの生活は、自由を謳歌出来るという点で非常に大きなメリットがあります。
一方で、会社に雇われる安定した生活を捨てるということは、それなりに大きなリスクを取る必要があります。
そういった時に人脈があると、最悪の状況を回避することが出来るだけでなく、運がよければ新しい収入源に繋がったりビジネスチャンスにも繋がるので、絶対に人脈は甘く見ないで大事にしておいた方がいいです。
ちなみに私は、収入が途切れて精神的にしんどくなった経験から、今後はお金や不動産の運用を増やしていこうと思っています。
働いて得らえれる収入が無くなったとしても、最低でも毎月の生活に必要なお金を受動的に受け取れるようになれば、より安定した生活が送れると思うので。
近々アルメニアの銀行で10%弱の定期預金にお金を入れて運用を始めるので、実際に始めたらそのことも記事にしてみます。