世界一新しい国(最も新しい国)の一覧と独立国家候補

世界一新しい国(最も新しい国)として6つの独立国家を一覧として紹介していきます。加えて、今後独立するかもしれない候補地域もまとめていきます。

現在の世界には196が国々が存在しているとされ、未承認の国を含めれば、その数はもう少し増えます。

また、国際情勢に関するニュースを見ていると、一年に何度かは国として独立を求める地域の話を耳にすることがあり、もしも新しい国が誕生した場合、その数はさらに増えることになります。

そのため、国の数は普遍的でなく、時代と共に移り変わっていくわけですが、国家の誕生に関心を持つ人は、現存する独立国家の中で最も新しい国々に関して知りたいと思うかもしれません。

そこで、この記事では世界一新しい国を新しい順に6つ紹介していきます(※2019年7月現在の時点で)

さらに今後、もしかしたら独立国家となるかもしれない7つの候補地も挙げていきたいと思います。

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世界一新しい国6つの一覧

新しい国①(最も新しい国):南スーダン(2011年7月)

南スーダン共和国は東アフリカに位置する内陸国で、北側をスーダンと隣接する新しい国。

元々はスーダンの一部でしたが、アラブ系民族が多く住む北部側と数十年に及ぶ激しい内戦の後、ディンカ族が多数派を占める南部地域は、2011年7月9日に南スーダン共和国として独立を宣言。

住民投票では有権者の99%が独立に賛成し、新しく建国された南スーダンは国際社会から速やかに承認され、現在の世界においては最も新しい独立国となりました。

一方で南スーダンは、独立以来様々な問題に直面しており、特に以下2つの問題が課題となっています。

  1. 高い貧困率
  2. 国内における異なる民族間の政治的対立
    1. 独立前は共通の敵であるアラブ人がいたが、独立後は共通の敵がいなくなったことで、まとまりが効かなくなっている

このような状況から、南スーダンでは内戦が断続的に起こっている上、食料不足も深刻で、多くの国民が犠牲となっています。

新しい国②:コソボ(2008年2月)

コソボは北東にセルビア、南東に北マケドニア共和国、南西にアルバニア、北西にモンテネグロを置くバルカン半島の小さな内陸国。

元々、他のバルカン諸国と同じ南スラブ人が住む地域でしたが、17世紀から18世紀頃に、同地を支配したオスマン帝国によって、多くのアルバニア人(スラブ人とは異なる民族)がコソボに当たる地域に入植させられ、同地はイスラム教徒が多く住む地域となりました。

しかし、1913年にはヨーロッパ列強の介入によって行われた国境画定によって、北に隣接するセルビア王国(現在のセルビアの前身)に組み込まれてしまいます。

これ以降、途中で比較的平穏な時期があったものの、コソボとセルビアは対立を繰り返し、1998年2月から1999年6月までは、最終的に多くの人がこの土地を追われた「コソボ紛争」が起きてしまいました。

そして国際的な関心を呼んだコソボ紛争後にコソボは、建前上はセルビアの自治州であり独立国ではないものの、実質的にはセルビア共和国の支配から完全に脱した存在として、宙ぶらりんな状態となっていましたが、2008年2月17日、コソボ自治州議会が独立国家として独立宣言を行ったのです。

現在は世界にある国の半数以上が独立国として承認しており、新しい独立国家として認識されることが一般的です。

新しい国③・④:セルビア共和国とモンテネグロ(2006年6月)

2006年6月は、セルビア共和国とモンテネグロと呼ばれる2つの新しい国が誕生した年となりました。

この2つの国はそれぞれ、1992年まで存在したユーゴスラビア社会主義連邦共和国を構成していた共和国でしたが、他の4つの国が連邦を離脱したことで、セルビア共和国とモンテネグロ共和国として「ユーゴスラビア連邦共和国」を形成。

その後、2003年には国家の再編によってセルビア・モンテネグロという連邦国家となりました。

しかし、この連邦国家に対して最終的にモンテネグロが終止符を打つことになります。

2006年5月21日にモンテネグロで行われた住民投票において、55%の国民がセルビアとの関係を終わらせることを選びました。

その結果、2006年6月3日にモンテネグロ議会がモンテネグロとして独立を宣言し、セルビアも同様にセルビア共和国として独立を宣言した結果、新たに2つの独立国家が誕生したのです。

新しい国⑤:東ティモール(200年5月)

東ティモール民主共和国は、新しい国として2002年5月20日にインドネシアから独立した国家。

1975年11月に同地へ侵攻してきたインドネシアによって、東ティモールはインドネシアの27番目の州として併合宣言され、以降、同地ではインドネシアと東ティモール側との衝突が相次ぎ、何十万にも及ぶ人々が直接的または間接的に犠牲となったと言われます。

1999年5月には、国際社会の協力もあり独立に関する住民投票が実施された結果、インドネシアの特別自治となる提案が完全に否定され、事実上は独立国家となることが決定されました。

しかし、自治州となる選択肢を拒否されたインドネシア側は、強行策として東ティモールに5500人の増兵を行い、多国籍軍が派遣されるまで武力によって破壊と虐殺を繰り返しました。

このような経緯があったものの、国際社会の支援によって2002年5月20日には新しい国として独立を果たしたのです。

独立した後も、解決していない問題は存在します。

しかし、東ティモールは石油を豊富に産出する国であることから、かなりの経済発展を遂げており、2007年から2011までの年間GDP成長率は平均12.1%にもなりました。

経済の成長が石油収入に依存しているという課題はあるものの、独立直後にも関わらずは著しい社会的、経済的発展を遂げているのが東ティモールなのです。

新しい国⑥:パラオ(1994年10月)

パラオ共和国は、西太平洋の広域に広がるミクロネシア地域の島々からなる群島国家で、同地域では最も人口規模が小さな国。

約250の島々に21,000をわずかに超える程度の人々が暮らしています。

かつて日本の統治下にくみし、第二次世界大戦以降は国連によってアメリカの信託統治下に置かれたパラオは、1900年代後半から独立への動きを見せ始め、1993年にはアメリカとの自由連合盟約「コンパクト(国家としての独立を承認し、且つ経済援助を与える代わりに安全保障、主に軍事権と外交権に関してはアメリカが統轄するというも」が結ばれた結果、1994年10月に新しい国として誕生したのです。

ちなみに、国連がパラオをアメリカの信託統治とした時、ミクロネシアは6つの地域に分けられ、パラオはそのうちの一つとなりました。

そして、1970年代後半からは複数の地域が一緒に構成する「ミクロネシア連邦」の構想が生まれましたが、パラオはミクロネシア連邦の一部になることを拒否。

この結果、6つのうち4つの地域で構成されたミクロネシア連邦が1986年11月、パラオより先に独立国家として誕生しています(※もう一つのマーシャル諸島は1986年10月に独立している)

新しく独立国家として誕生するかもしれない7つの候補

独立国家候補1:カタルーニャ

スペインの豊かな地域であり、FCバルセロナのホーム、さらに歴史的な画家ダリの故郷、ピレネー山脈の美しい景色などを誇るスペインの自治州「カタルーニャ州」は、以前から独立運動が盛んでしたが、2010年代に入るとその動きが一気に加速しました。

そして、2017年10月には「カタルーニャ共和国」として独立が可決されました。

しかし、スペイン憲法裁判所はこれをまったく認めず、また国際社会も沈黙を続けた結果、事態が進展する様子は今のところありません。

今後、カタルーニャがスペインの一部として留まるのか、または新しい独立国となるのかに注目です。

独立国家候補2:スコットランド

スコットランドはイギリス(正式名称:グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)を構成する主権を持たない国(地域)の一つで、イギリスの観光地としても有名ですが、この地域では近年、独立への動きが高まっています。

2014年の住民投票でかろうじて独立は否決されましたが、イギリスのEU離脱問題と、スコットランド政府を担うスコットランド国民党によって、再び住民投票が行われる可能性があります。

特にスコットランドの住民の多くはEU残留を望んでいるため、イギリスがEUから離脱した場合には独立問題が再燃することになりそうです。

独立国家候補3:ニューカレドニア

オーストラリアの東側、西太平洋に浮かぶニューカレドニアは、フランスの海外領土であり、豊かな美しいビーチに内陸の山々などを求める観光客に有名です。

しかし、過去数十年に渡り独立運動が起こっており、2018年11月にはフランスからの独立の是非を問う住民投票が実施されました。

この時は独立反対が56.4%を獲得したため、独立は実現されませんでしたが、今後も独立を求めた運動が断続的に起こっていくことでしょう。

独立国家候補4:プエルトリコ

アメリカ大陸のカリブ海に浮かプエルトリコは、プエルトリコ自治連邦区という正式名称から分かる通り、国家ではなくてアメリカ合衆国の自治的・未編入の海外領域という、変わった状況下にある地域。

そのため同地域内では、アメリカからの独立派、アメリカ合衆国を構成する州の一部となる州昇格派、そして現状維持をしながら自治権の拡大を求める自治権拡大派の3つの大きな動きが存在しています。

2012年に行われた住民投票では、州昇格派が多数派を占めたため、近い将来に独立国家となることはないかもしれませんが、それでもアメリカとの関係が変化したり、国際社会の中でアメリカの存在低下などが起こった場合、プエルトリコは新しい国としての道を模索し始めるかもしれません。

独立国家候補5:クルディスタン

クルド人は主にイラク、シリア、イラン、トルコの各地域に居住している少数民族で、中でもクルド民族主義者達は、クルド人国家の誕生を夢見て活動してきました。

当然のことながら、クルド人地区を有する4つの国々は自国の領地を手放すことには消極的ですが、イラクにはクルド人自治区「クルディスタン地域」が存在。

このクルド人自治区はイラク国内で最も安定した地域の一つであると同時に、新しい国として分離独立の可能性が最も高いところです。

しかし、この地域が独立することで、他の地域のクルド人達も独立運動をさらに活発化させるかもしれないという懸念から、トルコやイランはイラクのクルディスタン地域の独立を徹底的に阻止すると予想されます。

独立国家候補6:ソマリランド

アフリカ大陸東端のソマリアでは、何十年にもわたり混乱が続いていますが、かつて英領ソマリランドと呼ばれた北部一帯は、比較的安定しており事実上の独立国家として機能しています。

またすでに、1991年5月には独立を宣言しています。

しかし、まだ国際的な承認が得られていないことから、国際社会においてソマリアの自治州とみなされていますが、現実的には独立国としての要件は満たしており、ソマリランド共和国という新しい国が誕生するのは時間の問題かもしれません。

独立国家候補7:東リビアと西リビア

北アフリカに位置するリビアは、2011年8月までカダフィ大佐という呼称で知られたムアンマル・アル・カダフィーによる独裁政権によって支配されていました。

しかし、アラブの春に端を発したリビア内戦によって政権が崩壊し、カダフィーも殺害されると、リビアは現在にまで続く内戦状態に陥ってしまいます。

長年の部族間抗争と政権の空白状態により混乱が生じた結果、リビアには実質的に2つの政府が存在。

それぞれトリポリと、東部にあるトブルクを本拠地としており、内部分裂が長期化した場合、リビアが東西に分離独立する可能性が考えられるのです。

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世界一新しい国(最も新しい国)の一覧と独立国家候補のまとめ

現在の国際社会において最も新しい国々と、今後独立国家になるかもしれない候補を紹介してきました。

世界には他にも新しい国となるかもしれない地域は多く存在しています。

例えば、南オセチアは1990年にジョージアから独立を宣言し、ロシアとその他数カ国に承認されているものの、国際社会からはまだ承認を受けていないため、独立国家とは言えない状況が続いています。

他にも、アルメニアとアゼルバイジャンの間ではナゴルノ=カラバフという地域があり、この地域もまた、独立の道を探し続けています。

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