歴史上で活躍した20名の哲学者を一覧にして紹介していきます。孔子や老子、ジョンロックやホッブズ、そして他にもソクラテスなど、哲学者の有名人を見ていきましょう。
世界の真理や物事のあり方を追求する哲学は、世界を形作ってきました。
科学から政治学まで、現在ある学問のほとんどは、哲学が源流となって派生してきたと言っても過言ではないのです。
そして、この哲学を歴史の中で発展させてきたのが哲学者達。
彼らは、当たり前のことを当たり前とは見ずに、異なった見方や考えを構築・採用して物事を解釈し、人類の知の飛躍を手伝ってきたのです。
この記事では、そんな歴史上の哲学者の中から、有名人20名をピックアップして紹介していこうと思います。
- 世界の哲学者1:ソクラテス
- 世界の哲学者2:プラトン
- 世界の哲学者3:アリストテレス
- 世界の哲学者4:ディオゲネス
- 世界の哲学者5:アウグスティヌス
- 世界の哲学者6:トマス・アクィナス
- 世界の哲学者7:ニッコロ・マキャヴェッリ
- 世界の哲学者8:トマス・ホッブズ
- 世界の哲学者9:ルネ・デカルト
- 世界の哲学者10:バールーフ・デ・スピノザ
- 世界の哲学者11:ジョン・ロック
- 世界の哲学者12:ゴットフリート・ライプニッツ
- 世界の哲学者13:ジョージ・バークリー
- 世界の哲学者14:シャルル・ド・モンテスキュー
- 世界の哲学者15:ヴォルテール
- 世界の哲学者16:デイヴィッド・ヒューム
- 世界の哲学者17:ジャン=ジャック・ルソー
- 世界の哲学者18:イマヌエル・カント
- 世界の哲学者19:孔子
- 世界の哲学者20:老子
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世界の哲学者1:ソクラテス
紀元前469年頃から紀元前399年まで生きたソクラテスは、古代ギリシャの哲学者であり、弟子のプラトンや孫弟子のアリストテレスを通して、西洋哲学の礎を築いたと言っても過言でない人物。
対話の中で相手の矛盾や無知を自覚させながら、より高い認識に導いていく/結論へと導いていく「問答法」や、自分の知識は完全ではないことを知覚することで、相手より優れていると考える「無知の知」などは、哲学者ソクラテスを代表するものとして有名です。
世界の哲学者2:プラトン
ソクラテスの弟子であり、アリストテレスの師にあたるプラトン(紀元前427年〜紀元前347年)は、古代ギリシャにおける有名な哲学者。
永遠不変のイデアという理想的な範型があり、イデアこそが真の実在であり、この世界は不完全な仮象の世界にすぎない
(引用:wikipedia)
というイデア論を中心とした哲学を展開しました。
また、古代ギリシャのアテナイにおいて、西洋社会初の高等教育機関と言える「アカデメイア」を紀元前387年に設立したことでも知られています。
世界の哲学者3:アリストテレス
古代ギリシャに生き、プラトンの弟子だったアリストテレス(紀元前384年〜紀元前322年)は、形而上学、論理学、詩、言語学、政治など様々な分野に貢献した歴史上の有名人。
人間の本性は「知を愛する」ことにあると考え、また、近代哲学や倫理学などにも多大な影響を与えたことから、西洋最大の哲学者の一人として考えられています。
さらにアリストテレスは、歴史上の偉人で有名人であるアレキサンダー大王を教えた家庭教師としても知られています。
世界の哲学者4:ディオゲネス
ディオゲネス(紀元前412年頃〜紀元前323年)は、古代ギリシャに生きた哲学者で、プラトンの兄弟弟子アンティステネスの弟子。ソクラテスにとっては孫弟子にあたる人物です。
プラトンやプラトンの弟子であるアリストテレスに対しては批判的な立場を取り、「古代ギリシャのアテナイは虚栄心で腐敗した」と考えていました。
ディオゲネスは「徳」こそが人生の目的であるべきで、そのためには欲望を追い求めるのではなく、それから解放されて「自足する」そして「動じない心」を持つことが大切だと説いており、「正直者を探している」と言いながら、ランプを持って街を歩いたこともあったと言われます。
ちなみに、アリストテレスを教師に持つアレキサンダー大王は、「もし自分がアレキサンダーでなかったらディオゲネスになりたい」と言ったほど、この哲学者に魅了されたそうです。
世界の哲学者5:アウグスティヌス
北アフリカの現在で言うアルジェリアに生まれたアウグスティヌス(354年〜430年)は、古代キリスト教の神学者であり哲学者。
哲学者としてのアウグスティヌスで注目に値することは、自由意志と予定説(個々が救われるかどうかはあらかじめ定められているとする説)の溝を埋めたことでしょう。
人間には自由意志があっても善悪を判断する知識あるいは能力がないために、救いの根拠は「人間の」自由意志ではなく、「神の」自由な選びと予定である
(引用:wikipedia)
と説いたことで、自由意志と予定説を結びつけたのです。
世界の哲学者6:トマス・アクィナス
中世ヨーロッパで最も有名な哲学者とさえ言われるトマス・アクィナス(1225年頃〜1274年)は、イタリア出身の神学者としても知られる人物。
キリスト教の教えと、アリストテレスから続くギリシャ思想または哲学を、融合または統合して、総合的な体系の構築に成功しました。
また、彼が生涯の中で成し遂げてきた様々な功績によって、カトリック教会と聖公会においては聖人の一人とされています。
世界の哲学者7:ニッコロ・マキャヴェッリ
イタリア、ルネサンス期の哲学者であるマキャヴェッリ(1469年〜1527年)は、政治哲学への貢献で有名な人物。
著書「君主論」では、どうすれば君主は権力を獲得して保持し続けられるかについて論じています。
当時、「君主は高潔な(あるいは高潔であるべき)人だと誰もが考えていた」なかで、
- 「力は正義なり」
- 「愛されるよりも恐れられる方が良い」
といった思想を展開したマキャヴェッリは、人々に衝撃を与えました。
一方で、このマキャヴェッリの考え方はリアリズム(現実主義)の古典と言われ、国際関係学において、他国との勢力バランスを「パワー」の観点から冷静に分析する理論の礎となっていきました。
世界の哲学者8:トマス・ホッブズ
イギリスの哲学者ホッブズ(1588年〜1679年)は、ピューリタン革命と呼ばれる内戦または革命を始めとした、社会の混乱期を生きました。
その影響からかホッブズは、
- 人間の自然状態は闘争状態にある
と規定した思想を持っていたことで知られます。
また、
- 戦争よりも悪いものはない
- よって、平和が訪れるのであれば、
- 人は権威に絶対に従わなければならない
と主張するなど、権威主義を擁護した立場をとっていました。
ホッブズが著した国家についての政治哲学書「リヴァイアサン」は有名です。
世界の哲学者9:ルネ・デカルト
フランス生まれの哲学者の一人「ルネ・デカルト(1596年〜1650年)」は、「近代哲学の父」や「近代哲学の祖」として知られる人物。
「我思う、故に我あり」の言葉は、デカルトを象徴する最も有名な言葉で、「考える主体だけが確か」である、つまり「物事を考えている自分の存在だけしか確かなものはない」という命題を残しました。
また、数学者としても活躍し、現在でも一般的に使われる「直交座標系(2つの実数で平面上の位置を表す座標)」の概念を確立したことでも知られ、この座標はまた、デカルト座標系とも呼ばれます。
世界の哲学者10:バールーフ・デ・スピノザ
17世紀にオランダのアムステルダムで生まれたユダヤ人の哲学者スピノザ(1632年〜1677年)は、近代合理主義哲学者の一人として知られ、ユダヤ教やキリスト教の教義の多くを合理的に捉えて説明しようとしました。
例えばスピノザにとって「奇跡は超自然的なことではない」となったのです。
このようにスピノザは、信仰のあり方に対して批判的な態度をとったため、当時の宗教界から追放されたり、命を狙われたりしています。
世界の哲学者11:ジョン・ロック
イギリスの哲学者であるジョン・ロック(1632年〜1704年)は、全ての観念は、
- 外的な感覚
- 内的な反省
から成る経験に由来し、人間が意識的に出来ることは、それらを認識して加工するだけだと主張したことで知られます。
このロックの思想が、その後に生まれたカントやヒュームなどの哲学者の思想に影響を与えていったと言われ、いわゆる経験論や認識論を体系化していった哲学者でした。
世界の哲学者12:ゴットフリート・ライプニッツ
ドイツの哲学者の一人ライプニッツ(1646年〜1716年)は、哲学者であり、また数学者としても知られた人物。
精神を含む世界全体は「モナド(それ以上分割できない究極の実体)」から出来ていると主張し、哲学のみならず、心理学、数学、自然科学など、個々の分野と考えられていた学問を「普遍学」として捉えて体系づけることを構想していました。
ちなみに、数学者としてはニュートンとは別に微積分の方法を発見したことで知られ、微分・積分で使われる記号は、ライプニッツによるものも多いと言われます。
世界の哲学者13:ジョージ・バークリー
アイルランド生まれのジョージ・バークリー(1685年〜1753年)は、哲学者であり聖職者として活躍した人物。
「存在することは知覚されることである」という思想を提唱したことで知られ、彼の思想を簡潔に言い換えれば、「物質世界は存在しないかもしれない」となります。
バークリーの考えによると、この世に実体として存在するのは、知覚する精神と神のみだとされたのです。
世界の哲学者14:シャルル・ド・モンテスキュー
フランスの哲学者モンテスキュー(1689年〜1755年)は政治哲学に貢献し、アメリカやその他の国の憲法に大いに影響を与えたことで知られる哲学者。
大学で学んだ法律の知識を基にして、三権分立の理論を発表するなどしました。
また、1721年に匿名で発表した「ペルシア人の手紙」の中では、フランスの政治と社会を分析し、その結果を風刺したことでも知られ、現代社会学の父と言われることもあります。
世界の哲学者15:ヴォルテール
ヨーロッパで啓蒙思想が主流となっていた17世紀後半から18世紀にかけての啓蒙時代に活躍したヴォルテール(1694年〜1778年)は、フランス生まれの哲学者で文学者、そして歴史家。
理性による思考と普遍性と不変性を主張する啓蒙思想を代表する哲学者の一人で、人間の苦悩に注目し、それを解決出来ない(腐敗した)教会や宗教を批判する一方で、人間の理性に全般的な信頼を置き、理性の利用を強調していたことで知られます。
世界の哲学者16:デイヴィッド・ヒューム
スコットランド生まれのデイヴィッド・ヒューム(1711年〜1776年)は、懐疑論者であり経験論を代表する英語圏の哲学者。
ヒュームの著作「人間本性論」では、「人間の信念は理性ではなく、感情や世界がこうあるべきだという考えによってもたらされる」といった思想を展開し、これが人間の全ての知識はその人の経験に由来するという経験論の哲学者であると言われる所以でした。
ちなみに、ドイツ出身のイマヌエル・カントは、ヒュームから多くの影響を受けたと言われます。
世界の哲学者17:ジャン=ジャック・ルソー
スイスで生まれたルソー(1712年〜1778年)は、主にフランスで活躍することになった哲学者。
ある国家とその市民の関係についての契約説いた、「社会契約説」の理論を提唱した哲学者の一人として知られます。
また、ルソーは「学問と芸術は、人間の道徳を向上させたか、あるいは低下させたか」というテーマの論文を著し、その中でルソーは、学問の進歩はさらなる不平等を引き起こし、政府の力を強化しただけだと主張して人々を驚かせました。
世界の哲学者18:イマヌエル・カント
ドイツ(当時はプロイセン王国)で生まれたカント(1724年〜1804年)は、認識についての思想である「認識論」で有名。
カントは「人間は、世界が実際にどのようなものかを知ることは出来ず、人間が知っているのは世界がどのようなものか自分達が知覚するものだけだ」と主張しました。
またカントの哲学は、
認識条件を吟味しないで形而上学を立てようとする独断論(ドグマチズム)に対し、認識の前提、原理、目標、限界などを考察する哲学的批判の立場
(引用:コトバンク)
を示したことで「批判哲学」とも呼ばれます。
世界の哲学者19:孔子
中国で生まれた哲学者としては最も有名で、かつ中国社会に影響を与えてきた孔子(紀元前552年〜紀元前479年)は、儒教の始祖として知られる有名人。
人間関係と社会における家族の重要性ならびに必要性を重要視した思想を展開し、それが、中国思想の根幹となり、現在までの中国社会に大きな影響を与えてきたのです。
世界の哲学者20:老子
紀元前6世紀頃に生きたであろうと言われる老子は、孔子ほどではないにしろ中国生まれの哲学者としては非常に有名な人物。
名付けることのできない人知を超越した真理「道」に焦点をあてた道教の始祖であり、自然のままで作為的ではないことを意味する「無為」を強調した思想を展開しました。
この無為は、ある意味でより能動的な思想であった孔子の哲学とは正反対だと言えます。
そして、老子の哲学はその後、中国思想の一部へ多大な影響を与えていき、例えば「陰陽」といった考えや、中国の古武術「太極拳」などに繋がっていきました。
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歴史上の哲学者一覧|孔子・老子・ジョンロックなど有名人20選!のまとめ
歴史上の哲学者を20名紹介してきました。
他にもまだまだ多くの哲学者が人類の歴史には存在しますが、この20人の有名人は特に知っておきたい人達だと思います。