アルメニアで家を買った話を経験談を元にして詳しく紹介していきます。海外不動産購入の一例として参考していただけると思います。
海外不動産の投資先としてアルメニアの家を検討しては?でも触れた通り、私(筆者)は2019年の夏にアルメニアで家を購入しました。
アルメニアで家を購入した日本人と言うのはおそらく初めてだと思うので、その経験を元にしてアルメニアにおける家の購入方法などを紹介したいと思います。
アルメニアで家を買った理由
まず、アルメニアで家を買う方法を詳しく解説していく前に、なんでアルメニアで家を買ったのかの理由について述べていきます。
海外で不動産の購入を検討している人にとっても参考になると思います。
理由① 月々の支出を抑えられるから
私は現在、アルメニアの首都エレバンにある賃貸に住んでいます。
もしも安いアパートなどを借りれば、首都エレバンであっても月々の家賃を4万円程度に抑えることは可能です。
しかし、私の場合は幾つかのプロジェクトに関わっていたりして、どうしてもエレバンの中心地に住んだ方が良く、またお金にある程度余裕があったりしたので一月13万円のアパートに現在住んでいます。
一月13万円と言うと、東京で言えばむしろ安いぐらいですが、平均的な給料が3~4万円ぐらいのエレバンにおいてはかなり高級。110平米のモダンなアパートです。
生活費やアパート代金についてもっと詳しく知りたければ、アルメニアの生活費|海外で生活費を抑える魅力が分かりますを読んでください。
ある意味、自分の資産になるわけでもない不動産のために毎月13万円を支払っているってことです。
これは、年間にしたら「156万円」の支出で、これだけあれば、家さえ持っている人はエレバンで2年間は余裕で暮らせます。
一方で、私が実践しているFIRE生活において重要なポイントの一つが、毎回支出を見直して無駄なものを無くし身軽にしていくことです。
そこで、
[list class=”li-mainbdr li-double”]だったら資産となる家を買ってしまって、月々の支出を抑えた方が良い
[/list]と結論を出し、エレバン中心でアパートの購入をした方が良いかなと考え始めました。
理由② アルメニアの不動産は価値の維持が可能で、上手く行けば価値の上昇を見込めるから
ただし、日本のように新築を買っても人が住み始めた時点で価値が20~30%も下がってしまっては、資産形成をするにあたってネックになってきます。
しかし、アルメニアでは人が住んだからと言ってすぐに価値が下がることはなく、むしろ現状だと中古も含めて価格が上昇傾向にあり、さらに高く売るための方法もあります(詳しくは海外不動産の投資先としてアルメニアの家を検討しては?)。
このことが、FIREを実践する上で重要な、
[list class=”li-mainbdr li-double”]- 資産を減らさない
という考えに合致し、これが決め手となってアルメニアで家を購入するに至りました。
アルメニアで家を買う時の手順と方法(経験談)
さて、説明してきた経緯でアパートを購入することになったわけですが、アルメニアでの不動産の購入は日本のそれとは違うと思うので、実際に自分の経験に基づいた購入フローを紹介していきます。
購入ステップ① 気になる家を見つける
まず最初は、気になる家がなくては始まらないので、興味が湧く不動産を探していきます。
今回私はいくつかの不動産サイトを確認して、自分の条件に合致した候補を絞っていきました。
始めに見る不動産サイトは、
がおすすめです。
このサイトでは色んな不動産会社や個人のエージェントが抱えている不動産が掲載されているので、最も多くの案件を確認することが出来ます。
一方で、エレバンの街を歩いていると、たまにテラスから「電話番号」と「Sell」の文字が入った幕がぶら下がっていることがあり、そこに書いてある電話番号に電話してアパートの購入をすることも出来るので、運が良ければこの方法でも気に入った物件を見つけることが出来ます。
購入ステップ② 電話番号に連絡する
気に言った家が見つかったら、そのページに書いてある電話番号へ連絡します。
この時気をつけたいのが、エージェントの中には日本語はもちろんのこと、英語も通じない人が結構いるので、もしも本当に気に入った物件があった場合はアルメニア語が分かる人に頼んだり、通訳を雇って(安く頼めます!)連絡してもらうことです。
通訳が必要なら紹介出来るので必要なら相談してください。
または、英語が使える人の場合、最初から英語でも問い合わせが出来る不動産会社で探すのも手です。
その場合のおすすめは、
と言う不動産会社で、英語を使えるスタッフが常駐していて、またオンラインチャットでも問い合わせが出来るのでとてもスムーズです。
ちなみに、私も家を買う時にこの不動産会社を使いました。
必要ならマネージャーや社長を直接紹介出来るので連絡してください。
購入ステップ③ 実際に物件を見にいく
エージェントへ問い合わせをしてまだ売れていない場合は、実際に物件を見に連れて行ってくれます。
もちろん見に行かなくても買うことは出来ますが、不動産は大きな買い物なので絶対に自分の目で確かめてから購入した方がいいです。
この際、個人のエージェントや小さな不動産会社だと現地で待ち合わせることがほとんどですが、上で紹介したKENTRONの様に大手の会社だと、物件まで車で連れて行ってくれたりします。
私は購入を決めるまで7件ほどの物件を周りました。
購入ステップ④ デポジットの支払いを行う
購入したいアルメニアの家が決まったら、必要なデポジットの支払いを行います。
このデポジットは基本的には次の通りです。
[list class=”li-mainbdr li-double”]- エージェントを介して払う
- 通常は数千ドル程度
- この後に家を購入しない場合、デポジットの約40%分は売り手側に送られて自分には60%しか戻らないので注意
購入ステップ④ 残りの代金の支払いと公証役場での承認
デポジットを払った後、取り決めた期限までにデポジット分を差し引いたアパート代金を支払うわけですが、この時、同時に公証役場で承認してもらう必要があります。
残りの代金は「基本的には一括払い」で、
[list class=”li-mainbdr li-double”]- 一括で払うキャッシュがない場合は銀行の住宅ローンを通して払う(居住者でない人は現地の銀行で借りれないので、日本でまとまったお金を用意する必要があります)
- ただし、交渉によっては分割も可能なことがある
と言う2点がポイントになってきます。
また、この際には「エスクローサービスを利用する」のがおすすめです。
このエスクローサービスは、
[list class=”li-mainbdr li-double”]- お金を支払っても契約書に書かれた責任を売り手が履行するまではお金が売り手に渡らないサービス
- 何か起こった場合は自分の所に戻ってくるので安全
という利点を持っています。
ちなみに、
[list class=”li-mainbdr li-double”]- 5千万ドラム以上(1100万円ほど)の物件を購入する場合は「アルメニアドラム」で「銀行送金」をしないと違法となる
- 上記の条件であってもキャッシュでの支払いが求められることがありますが、この場合は将来的に問題となる可能性があるので銀行送金での支払いに変更するよう求めた方がいいです
という法律があるので注意です。
そして、お金を払うと同時に公証役場で承認をしてもらうわけですが、この承認のタイミングは支払い方法などによっても異なります。
[list class=”li-mainbdr li-double”]- 5千万ドラム未満の物件を現金で購入する場合
- 公証役場へ行って売り手へ現金を渡すと同時に公証人へ承認をもらう
- エスクローを通さないで銀行送金をする場合
- 事前に公証役場で承認済みの書類を作ってもらう
- その後に銀行送金を行ったらその証明書を持っていき承認済みの書類を公証人から受け取る
- エスクローを通す場合
- 支払いを終えた後に公証人に承認済みの書類を発行してもらう
- 売り手はこの書類が発行された後にお金を受け取る
購入ステップ⑤ 地籍簿の役所へ登録しに行く
公証役場で不動産購入の承認済み書類を発行してもらったら、その書類を「Cadastre」と呼ばれる物件と物件の持ち主を登録する役所へ持って行き、登録手続きを行います。
基本的には不動産のエージェントが一緒に付いて行ってくれると思うので、手続きは難しくありませんが、予約を入れていたとしても自分の番が回ってくるまで30分ぐらい待つかもしれません。
手続き自体は10分程度です。
これが済めばアルメニアでの不動産購入手続きは終了で、晴れて海外不動産のオーナーになれます。
ちなみに、Cadastreに購入手続きをした後、手続きが完了するまで通常は1~2週間かかりますが、不安な場合はお金を支払って早めてもらうことが出来ます。
[list class=”li-mainbdr li-double”]- 2日以内に完了させる場合は約2万円
- 1日以内に完了させる場合は約4万円
です。
アルメニアで家を購入したその後
アルメニアで家を購入してCadastreで登録したら、後は自分が所有する不動産となるので問題ありませんが、もしも「zero condition(ゼロコンディション)」と呼ばれる内装が全く整備されていない物件を購入した場合、これからさらに「renovation(リフォーム)」を行っていく必要があります。
リフォームに掛かる代金は希望する内装や家のサイズなどにもよるので一概には言えませんが、100平米程度の物件ならおそらく300~400万円ほど掛かると思います。
上で紹介したKENTRONという不動産会社は、このリフォームに関しても代行してくれたり、またデザイナーを使って完成後の画像を見せてくれます。
私が買ったアパートは最初こんな感じです。
こちらはリビングルームになる予定の部屋
寝室予定部屋と向こうに見えるのは仕事部屋
で、完成後のイメージはこんな感じです。
リビングルームめっちゃ綺麗でしょ!
寝室もモダンな感じでイケてます。
日本人がアルメニアの家を買う際の注意点
僕がアルメニアで家を買った経験を元にして、購入方法を解説してきましたが、日本人も含めた外国人がアルメニアで家を買う場合、いくつかの注意点もあります。
この注意点に関しては他の国でも問題になることがあると思うので、海外不動産購入に関するポイントとして覚えておいた方がいいです。
外国人は土地を購入できない
外国籍である日本人は、アルメニアで土地を購入することが出来ません。
これは、日本人に人気なタイなんかでも一緒です。
なので、海外不動産購入と言うと、基本的にはアパートの購入になるはずです。
ただし、アルメニアで土地を購入する方法もあると言えばあります。
それは、アルメニアで現地の会社を立ち上げて、その会社の所有として土地を買う方法です。
現地で何かしら事業を行いたい人にとってはありかもしれません。
アパート購入に必要な期間を把握しておく
アルメニアでアパートを購入したいなら、最低でも2週間ぐらいは時間が欲しいです。
また、もしもリフォームが必要な場合は、もっと長くなります。
リフォーム済みの家を購入する場合
実際に物件を確認してから契約書に署名をし、アルメニアへお金を送金して支払い、その後に公証役場とCadastreへ行って登録することを考えると、ここまでで最短でも1週間は掛かります。
また、その後に水道、ガス、電気の名義変更などをしなくてはいけないので、それを含めると2週間は絶対に見ておいた方がいいです。
リフォームが必要な場合
Cadastreで登録されるまでに最短で1週間と考えた場合、この後には、
[list class=”li-mainbdr li-double”]- 内装のデザインを決める
- 水道、ガス、電気の名義登録
- 名義変更ではなく新しく登録する場合は、実際の物件に担当者が訪れて確認したりするので1ヶ月以上掛かることもあります
- リフォームが終了してから家具の購入をする
といったことが必要になってきます。
そのため、季節にもよりますが、夏だと比較的早いので最短で3ヶ月ほど、冬だと一般的にはもっと時間が掛かるので6ヶ月ほど必要な場合があります。
このことを考えると、アルメニアへ滞在しない限りはリフォーム済みのアパートを買った方がいいと思います。
もしもゼロコンディションを購入した場合、現地に代理人を立てることも可能かもしれないですが、それでもアルメニアに来なくてはいけない状況が生まれる可能性があるので面倒臭いです。
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アルメニアで家を買った話。海外不動産購入の例としていかが?のまとめ
最初の方で説明したように、アルメニアで不動産を買うのは資産運用の面から見てもなかなか魅力的だと思います。