東南アジアの川を紹介していきます。東南アジア最長の川から2番目3番目に長い川など、東南アジアの中では最上級に長くて重要な10の川を確認していきましょう。
東南アジアは多くの川が点在する地域の一つですが、その中でも最長の川は何か知っていますか?
また、最長の川は知っていても、その次に長い川や、東南アジアにおいて重要な存在とされる川を知っていますか?
この記事では、東南アジアを流れる川の中から、最大級に長い川から抑えておきたい川まで10の川をピックアップして紹介していきます。
東南アジアの川1:メコン川
東南アジアの川として最も有名で代表的な川と言えば、東南アジア一の長さを誇るメコン川。
4023kmの長さを誇る東南アジア最長の川は、中国のチベット高原から雲南省を通り、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムと東南アジアを代表する国々を通る国際河川です。
その長さはアジア全体で見ても7番目、世界でも12番目となり、最終的には南シナ海へ注ぎ込みます。
また、メコン川が南シナ海へ注ぐ河口付近のベトナム南西部では、「メコンデルタ」と呼ばれる巨大な三角州一体を作っており、メコン川によって運ばれた栄養が現地の土壌を肥沃にしていることで、世界でも稀に見る「生物多様性の宝庫」といった状況を作り出しています。
そして、食料生産や水産資源の点で、周辺地域へ生きる人々にとっても重要な生活の糧となっています。
東南アジアの川2:サルウィン川
メコン川と同じようにチベットを源流として中国の雲南省を流れ、その後はミャンマーとタイを流れていき、最終的にはミャンマー南部からアンダマン海に注ぐのが、東南アジアにおいては2番目に長い国際河川のサルウィン川。
その長さは2815kmにもなります。
東南アジアの川と言えるものの、実際には全長の7割近くが中国に位置する川で、中国領内におよそ2000kmが含まれます。
また、この川は非常に流れが急なことで有名。
そのため、河口からおよそ120kmの地点までしか進出出来ないと言われます。
しかしその分、自然はありのままの姿で残っており、サルウィン川の流域には数千を超える植物から数十に及ぶ希少生物が生息するなど、生物の多様性でとても重要な場所となっています。
東南アジアの川3:エーヤワディー川
東南アジアにおいて3番目に長い川となるのが、2170kmにも及ぶ長さを持つエーヤワディー川。
非常に長い川である一方で、メコン川やサルウィン川のように国際河川ではなく、東南アジアのミャンマーの国内のみを流れ、最終的にはアンダマン海へ注ぎます。
ミャンマーにおいては、貿易活動へ貢献する水路の役割と分水点を持ち、同国では長さにおいて最大であるだけでなく、経済活動の点でも最も重要な川となります。
ミャンマー2番目の都市「マンダレー」に繋がることから、かつては「マンダレーへの道」と呼ばれていました。
東南アジアの川4:チンドウィン川
上に挙げたエーヤワディー川の最大の支流となるのが、同じくミャンマー国内を流れるチンドウィン川。
ミャンマーのカチン州にあるフーコン渓谷が水源となっており、その長さは1207km。
最終的にはマンダレーの近郊でエーヤワディー川と合流します。
ちなみに、この合流地点は20kmもの幅を持つデルタ地帯となっており、肥沃な土壌が広がっています。
東南アジアの川5:カプアス川
全長1143kmを誇るカプアス川は、インドネシア、マレーシア、ブルネイが分割して領有する東南アジアの島「ボルネオ島」の西部の西カリマンタを流れる川。
ボルネオ島の西部、南部、東部はインドネシアが領有しており、西カリマンタはインドネシアの州となるため、カプアス川はインドネシの川となります。
島を流れる川としては世界最長であり、もちろんインドネシアを流れる川としても最長。
この地域においては重要な交通路となっているだけでなく、この川が流れる流域の一部は広大な保護区となっており、珍しい生き物も生息します。
東南アジアの川6:セピック川
セピック川は、太平洋南部に位置するニューギニア島において最も長い川であり、惜しくもカプアスからより17kmほど短い1126kmの長さのため、島にある川としての「世界最長」の称号を逃してしまった川。
パプアニューギニアの中央高地にあるヴィクトール・エマニュエル山地を水源とします。
- ヘビのようにくねくね曲がっている
- 他の大きな川と違い「三角州」と呼ばれる河口付近において「河川によって運ばれた物質が堆積することにより形成された地形」が無い
という点が最大の特徴で、最終的にはビスマルク海へ注ぎます。
また、手付かずの汚染されてない淡水の河川系としては世界最大とされ、この川の流域には豊かな生態系が残っています。
東南アジアの川7:フライ川
セピック川と同じようにニューギニア島を流れる川であり、同島では二大河川のうちの1つとされるのが、1050kmの長さを持つフライ川。
エマニュエル・ヴィクター山から南西に走り、最終的にはパプア湾に流れています。
長さではセピック川に負けているものの、その平均流量は一秒間に6000㎥であり、セピック川の3804㎥を上回ります。
ちなみに、川の名前の「フライ」は、1842年にブラックウッド船長によって率いられた探検に使われた船「HMS Fly号」が由来です。
東南アジアの川8:マハカム川
マハカム川はインドネシアで2番目に長い川で、ボルネオ島(インドネシアでは”カリマンタン“と呼ばれる)の東カリマンタン州にある川。
同州では最大の長さを誇る980kmで、また、流域面積としては、ボルネオ島最長のカプアス川を凌ぎ、同島で一番大きな川となります。
西クタイ県の源流から流れ出して、マカサッル海峡に注ぎこむマハカム川は、長きに渡って現地の人々にとって、水源、水産品養殖の場、輸送のための水路として、重要な役割を担ってきました。
東南アジアの川9:バリト川
カプアス川とマハカム川のように、インドネシアのボルネオ島に流れるバリト川は、別名ドスゥン川とも呼ばれる、ボルネオ島南部に流れる川。
890kmを誇る長さは、インドネシアに流れる川としてはトップレベルで、ミュラー山脈を水源とし、ジャワ海に流れこみます。
また、バリト川はマルタプラ川という小さな川と合流する地点に三角州を作っており、そこには南カリマンタン州の州都であるバンジャルマシンが建設されています。
東南アジアの川10:バタン・ハリ川
バタンガリ川は、インドネシアのスマトラ島の中央部東海岸にあるジャンビ州に位置する大きな川で、インドネシアの首都ジャカルタからは、北西へ600kmほど行ったところにあります。
その長さは800kmに渡り、ジャンビ州では最長。
スマトラ島のラサン山を水源とし、現地の人にとっては水産資源や交通、さらには衛生面の維持において重要な役割を果たしています。
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東南アジアの川|東南アジア最長の川からその他重要な川10選!のまとめ
東南アジアを流れる10の川を紹介してきました。
中にはメコン川のように世界的にも有名な川も含まれますが、それ以外にも現地において重要な川は数多くあり、こういった川は東南アジアの豊かな土壌を作ると同時に、生物の多様性維持に役立っています。