タイの川を厳選して5つ紹介していきます。東南アジア最大でタイも流れるメコン川から、タイ国内のみを流れるメークローン川まで、長い川から重要な川までを見ていきましょう。
川は人類の歴史の中で生活を支える重要な役割を果たしてきただけでなく、多くの文明や社会を誕生させる基盤ともなってきました。
そして、これはタイにおいても同じで、タイ国内では米や魚といった食料をもたらしてくれる大切な存在であり、日々の生活に必要な電気や水を供給する上でも重要な役割を担っています。
また、タイの川は棲息する様々な水生動物はもちろんのこと、それ以外の生き物にとっても生命の源となっており、生物多様性を維持する上で重要な働きをしています。
一方で、タイを流れる川の中には、タイ王国の歴史と経済の形成においても大切な役割を担ってきたものあり、実際にタイの首都バンコクを始めとしたいくつかの主要都市は、川の周辺に建設されたことで栄えてきました。
タイの人々は水の存在を崇拝して讃えており、開催される祭りのいくつかは、水を使って行われるなど、タイ王国の根幹には常に川の存在があるのです。
この記事では、そんなタイに流れる川の中から、巨大なサイズを誇る川から文化や経済面で重要な川など、合わせて5つを厳選して紹介していこうと思います。
タイの川1:メコン川
メコン川は、東南アジアにある川であり、全長4023〜4350kmの長さがあり、東南アジアでは最長、アジア全体でも7番目、世界全体でも12番目に長い巨大な川として有名。
チベット高原を源流とし、中国の雲南省、ビルマ、ラオス、タイ、カンボジア、そしてベトナムを流れ、南シナ海に注ぐ国際河川です。
タイでは、「偉大な母なる水」を意味する「Mai Nam Khing」という呼び方で知られ、タイ国内の中では北東部分を流れています。
この川自体はタイの文化形成において大きな影響を与えてきたわけではありませんが、生活においては重要な資源となってきました。
例えば、タイの国全体の漁獲量において大きな割合を占めており、数千もの人々へ生活の源を提供しているなど、その巨大さはもとより、タイにおいては重要な川の1つとなっているのです。
タイの川2:サルウィン川
サルウィン川は、メコン川と同じようにチベットを源流として中国の雲南省を流れ、その後はミャンマーとタイを流れていき、ミャンマーのマルタバン湾に注ぐ川。
2815kmと非常に長い距離を流れることで知られる巨大な国際河川です。
とても流れの速い急流がところどころにあることで知られ、これまでほとんど人の手が入ってこなかったことから、この川の流域は生物の多様性でとても重要な場所となっており、7000を超える植物に加えて、80種の希少種や絶滅が危惧される動物と魚が暮らしています。
特に上流域は世界で最も生物の多様性に富む可能性が示唆されており、2003年にはユネスコによって上流域が世界遺産として登録されました。
一方で、人にとっては開拓が難しい川であることから、タイを含めた他の国にとって、文化または経済の面でそれほど大きな貢献はしていません。
タイの川3:チー川
メコン川やサルウィン川はその長さにより巨大な川であるものの、どちらも国際河川であるため、純粋にタイの川というわけではありません。
一方で、チー川は765kmの長さを誇りながら、タイ国内のみを流れるため、国内のみを流れる純粋なタイの川として最長になります。
タイ中北部にあって南北に延びる山脈「ペッチャブーン山脈」に水源を持ち、その後、タイの7つの県を流れていきます。
そしてこのチー川は、18世紀に起こったラオ族やモン族の入植の経路となってきました。
これは、チー川の周辺は豊かな土壌を抱えるため、農業にとても適していたのが大きな理由です。
タイの川4:チャオプラヤー川
チャオプラヤー川は、タイを流れる主要な、また大きな川の1つであり、タイの首都バンコクなどを中心に、タイ王国の南にあるタイランド湾へと流れていきます。
長さ372kmのこの川の途上では様々な支流が形成されており、川から派生した運河も多くあります。
国の主要な地域を流れており、中央地域には低い沖積平野を形成。
この川の存在によって、タイでは豊かな農業を行うことが出来るようになっているとさえ言えるでしょう。
川には魚が豊富で、周辺地域の土壌は肥沃なこともあり、様々な施設や町がこの川とその支流の沿岸部に作られてきました。
ちなみに、チャオプラヤーとは「川の王」という意味を表していますが、これは、アユタヤ王家の血を引いており、1782年から1809年まで国王を務めたラーマ1世によって、
この川がバンコクの生活に不可欠な物であり、活力の源である
ことから名付けられたと言います。
約5万人の人々が毎日この川を船で行き来しており、材木や米の貿易にも利用されてきました。
また、この川の岸辺には高さのある建築物や、寺院、市場などが広がっており、チャオプラヤー川とその周辺を印象深い景観に仕立て上げています。
さらに、川の至る所には様々な水上マーケットが存在しており、観光客や労働者たちで賑わいを見せています。
そして、チャオプラヤー川によって肥沃な土地となった周辺地域は、生物の多様性でも重要な場所となっており、虎、象、サイ、鹿、鶴の他にも、色々な渡り鳥や280種にも及ぶ魚が生息しています。
タイの川5:メークローン川
日本語ではメークロン川やメクロン川とも表記されるメークローン川は、タイ王国の西部を広がるようにして流れる川。
タイ中部にあるカーンチャナブリー県のクウェー・ノーイ川と、クウェー・ヤイ川の2つの川が合流した所から流れ出し、そして、南に向かって流れていき、サムットソンクラーム県のタイランド湾へと注ぎます。
その長さは140kmに及び、また、この国で一番のアカエイの捕獲ポイントがあることで知られると同時に、冒険家や野生に興味のある人に人気で、2006年には新種の淡水に生息する「メークロンエイ」と名付けられたエイが発見されました。
数百に及ぶ水路、運河、支流がメークローン川へ繋がっており、これらが広がっていくことで、本流から離れた遠い町まで川が続いている状態となっています。
ちなみに、メークローン川は首都バンコクから90分ほどの所にあり、観光客に人気のある水上マーケットで有名です。
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タイの川厳選5選!一番長い川から重要な川までのまとめ
タイにある川の中から5つを厳選して紹介してきました。
タイには25以上の流水域がありますが、その主な水源の多くは雨水。
タイは熱帯に属する地域の国であるため、豊富な雨に恵まれており、川には豊かな水が流れているのです。
そんなタイには、ソンクーランと呼ばれるタイの旧正月を祝う祭りがあり、世界最大級の水の祭典となっています。
また他にも、ローイクラトンと呼ばれる祭りがあり、そこでは人々が川に豊かな水をもたらす神へと感謝を捧げ、川に花を流す習慣があります。