世界一大きい蝶・世界最大の蝶を10種類紹介していきます。世界一でかい蝶として名前が挙がる種は、蝶のイメージを覆すほどの大きさです。
蝶は花粉を媒介する生き物として自然界には無くてなならない存在。
彼らが餌を得たり、住む場所を移動することで、結果的に植物の受粉が行われていきます。
一方で、蝶々は美しい昆虫としても知られ、カラフルな翅をまとってひらひらと花から花へ飛び移っていく姿は、見るものを楽しませてくれます。
そんな蝶には巨大な種も含まれており、中には翅を広げた姿が想像を絶するほどのものも確認できるのです。
この記事では、世界一大きい蝶として名前が挙がる、世界最大級の蝶を10種類紹介していきます。
世界最大級の蝶10:ホメルスアゲハ
ホメルスアゲハはジャマイカアゲハとも呼ばれることから分かる通り、ジャマイカで見つけることができる世界最大級の蝶の一種。
翼を広げた開長は15cmにも達します。
そして、翅にある印象的な暗めの黄色の模様は外見的特徴として有名です。
一方で、ホメルスアゲハの数は目に見えて減少しており、現在ジャマイカでは二つの個体群しかいないとされます。
また、ジャマイカアゲハは熱帯雨林の奥深くに生息しているため、正確な生息数は分からない状態です。
この蝶はなかなか見つけられない蝶であるゆえ、種の存続を守るための効果的な政策をなかなか打ち出せていないことも、個体数減少にブレーキを掛けられない理由の一つとなっています。
世界最大級の蝶9:ミランダキシタアゲハ
ミランダキシタアゲハは、インドからニューギニアにかけて分布するトリバネアゲハの仲間であるキシタアゲハ属に含まれる蝶。
ボルネオ島とスマトラ島に生息しています。
その大きさは開長が17cmにもなり、世界一でかい蝶として名前が挙がる一種で、黄色、黒、黄緑の3つの色によって構成された美しい翅が魅力的です。
世界最大級の蝶8:コウトウキシタアゲハ
コウトウキシタアゲハはフィリピン全土に生息しているのに加え、台湾の一部、台湾本島の南東沖にある周囲40kmの孤島蘭嶼(らんしょ)にも生息している世界最大級の蝶の一つ。
後翅にある黄色部分は、光の当たり具合によって青や緑に反射したり、見る角度によっても変わったりする点が特徴的な美しい蝶です。
また、オス、メスともに色鮮やかであることで知られており、その開長はおよそ18cmです。
英語では「Magellan birdwing」と呼ばれますが、これは、1521年にフィリピンで亡くなった探検家「フェルディナンド・マゼラン(Ferdinand Magellan)」にちなんで名付けられているのが理由です。
世界最大級の蝶7:キメラトリバネアゲハ
キメラトリバネアゲハはギリシャ神話における伝説の生き物「キマイラ」から名付けられました。
インドネシアの熱帯雨林地域に生息し、海抜1,000メートルになる場所でさえ姿が確認されています。
また、これらキメラトリバネアゲハの生息域に入ると、この蝶々が樹の間をひらひらと飛び回っていると言われます。
その大きさはオスが開長した場合で18〜19cmにもなるとされ、世界一大きい蝶の1つとして名前が挙げられます。
世界最大級の蝶6:アカメガネトリバネアゲハ
その鮮やかで深い黄色とオレンジから成る翅によって、これほど良く目立つ蝶はいないと言われるアカメガネトリバネアゲハは、インドネシアに生息する世界最大級の蝶の1つ。
開長時の大きさはオスで15cm、メスで19cmにも達すると言われます。
ちなみに、この蝶は発見者であるアルフレッド・ラッセル・ウォレスの功績を称え、英語名では「Wallace’s Golden Birdwing(ウォレスの黄金のトリバネアゲハ)」となっています。
世界最大級の蝶5:サビモンキシタアゲハ
サビモンキシタアゲハは、東南アジアのスラウェシ島やモルッカ諸島に生息する大きな蝶。
その大きさは開長20cm近くになるとされます。
ちなみに、サビモンキシタアゲハの体は、黒と黄色(またはオレンジ)の派手な体色をまとっていますが、これはスズメバチのような危険なハチに似せることで、敵からの攻撃を防ぐためだと考えられています。
現在は数が減少し希少な蝶として、厳重な保護対象となっています。
世界最大級の蝶4:ブルキシタアゲハ
ブルキシタアゲハはインドネシアのブル島固有の蝶で、主に標高1,300~1,600メートルの場所に生息しています。
開長の約20cmが物語っているように世界最大級の蝶の一つで、後翅の黄色部分は角度や光の辺り方によっては別な色に見えることもある美しい蝶です。
また、この蝶はインドネシアでコレクション用として商業的に繁殖され、飼育されていますが、それでも個体数の減少が危惧されています。
世界最大級の蝶3:ドルーリーオオアゲハ
ドルーリーオオアゲハは、アゲハチョウ上科・アゲハチョウ科に分類されるチョウの一種で、茶色、黒、そしてオレンジ色の斑点がある羽の模様がとてもゴージャスで印象的な蝶。
中央アフリカ全土に分布しており、現地では主に、湿度の高い湿潤広葉樹林地域で確認されており、また、大空を飛び回っている姿で知られています。
一方で、この蝶は高い毒性で敵から身を守っている珍しい蝶としても知られます。
その毒は猫を殺せるほどと言われ、幼虫時代に毒草を主食とすることで体内に毒が溜まり、珍しく毒を持った蝶となるのです。
そんなドルーリーオオアゲハは、開長が24cmにもなる大きさを誇ります。
世界最大級の蝶2:ゴライアストリバネアゲハ
その名前は旧約聖書の巨人ゴリアテから名付けられている通り、ゴライアストリバネアゲハは巨大さで知られる世界最大級の蝶。
開長はなんと27〜28cmにもなり、ニューギニアに生息しています。
一時期は個体数が減少して絶滅も危ぶまれましたが、その後は人工飼育が成功し、徐々に個体数は回復しています。
ちなみに、興味深いことに幼虫は、成長するにつれて異なった種類の植物へ移動し、また、餌の食べ方も成長につれて変化していくようです。
世界最大級の蝶1:アレクサンドラトリバネアゲハ
かつてのイギリス王妃「アレクサンドラ・オブ・デンマーク」の名前を冠するアレクサンドラトリバネアゲハは、その開長において世界一大きな蝶。
なんと28cm以上にもなると言われ、世界で二番目に大きな開長を誇るゴライアストリバネアゲハよりもさらに長さがあることで知られます。
ただし、翅全体の面積はゴライアストリバネアゲハの方が若干広くなります。
アレクサンドラトリバネアゲハは、珍しい暗い青緑色がその大きな羽全体に広がっている非常に美しい種ですが、残念ながらこの蝶は絶滅危惧種であり、パプアニューギニアのオロ州にのみ生息しています。
幼虫は体が大きくて食欲が旺盛なため、葉や枝を幹ごと切り落としてしまったり、幼虫同士が競争して潰し合うために種全体としての数が増えにくい点が、なかなか数を増やせないでいる理由の一つです。
また、この絶滅には1951年に起こったラミントン山の噴火による生息域の破壊も大きく影響しており、不運を辿っている蝶です。
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