世界最大の洞窟(世界一大きい洞窟)を10箇所紹介していきます。アメリカのレチュギア洞窟からベトナムのソンドン洞までを見ていきましょう。
洞窟は常に人々の関心を引いてきました。
洞窟は過去への入り口であり、地球の進化の過程を表す自然の造形物とも言えるでしょう。
また、洞窟は神秘的で印象的で、そしてゴージャスでもあります。
そしてこれら洞窟の中には、信じられないほどの長さを誇ったり、高層ビルがすっぽりとそのまま入ってしまう高さを持つ非常に大きな洞窟も存在します。
この記事では、そのような大きな洞窟の中から、世界最大の洞窟または世界一大きい洞窟として名前が挙がる10の洞窟を紹介していこうと思います。
世界最大の洞窟1:レチュギア洞窟
レチュギア洞窟は、アメリカ合衆国のニューメキシコにあるカールズバッド洞窟群国立公園内に位置している巨大な洞窟。
石灰岩と石膏でできている洞窟で全長は222.6km。
また、その深さは489kmとなり、深さにおいては世界で二番目の洞窟で、もちろんアメリカにおいては最も深い洞窟となります。
この洞窟が発見されたのは1950年代の事ですが、約30年間コロラド州はこの洞窟の調査を許可しませんでした。
しかし、1980年代から探検家たちによる調査が進められた結果、レチュギアはたくさんの興味深い鉱物で溢れていることが判明しています。
世界最大の洞窟2:クリアウォーター・ケーブ・システム
クリアウォーター・ケーブ・システム(クリアウォーター洞窟系)は、マレーシアのサワラク州のミリという街に位置している洞窟。
ユネスコ世界遺産に登録されているグヌン・ムル国立公園内にあり、1970年代後期に発見されました。
この洞窟系は石灰岩で出来ており、一つの大きな洞窟ではなく、いくつかの洞窟が中で繋がっている構造を持つのが特徴。
例えば、クリアウォーター洞窟単体の全長は48kmほどですが、クリアウォーター・ケーブ・システム全体になるとその長さは224kmにも達します。
ただし、現時点でこの洞窟の大きさに関して、今だに正確なことは分かっていません。
また、クリアウォーター・ケーブ・システムの中には地下水の川があり、そして多くの独特な岩の構成を見ることが出来るとしても知られ、その巨大な通路と世界最大級の長さから、現地では人気の観光スポットとなっています。
世界最大の洞窟3:ウィンドケーブ
アメリカのサウスダコタ州西部のウインドケーブ国立公園には、ウィンドケーブという名前の洞窟が存在しています。
その長さは239.81kmにも及ぶとされ、入り組んだ構造や多くの地下通路があることから「迷路型洞窟」と呼ばれ、また、洞窟内部の密度が非常に高いことでも知られます。
ちなみに、ウインドケーブ国立公園は絵のような美しい景色に溢れており、その土地の野生動物の保護地区となっています。
世界最大の洞窟4:双河洞
中国の貴州省に位置する双河洞は、中国で最も長い洞窟として有名な洞窟。
また、その長さは238.479mにもおよび、現在のところ、アジア全体でも最も長い洞窟として認定されています。
1987年に発見されて以降、これまで洞窟内の通路の地図化や、洞窟の謎の解明など数々の調査が行われてきました。
その結果、洞窟の下層部には少なくとも3つの川が流れていることが判明しており、また、いくつかの滝も存在すると言われています。
また、その川や滝には魚やサンショウウオなどの生物が生息していることが確認されているなど、地下における生態系研究のためには重要な自然環境となっています。
世界最大の洞窟5:オプティミスティチナ洞窟
ウクライナのコロリョフカ村にあるオプティミスティチナ洞窟は、石膏洞窟の中では世界最長。
その長さは230km以上あり、洞窟内部は10のエリアが存在し、各エリアは内部で見られる様々な通路構造や石膏のタイプによって分かれています。
特に内部の通路構造は非常に精巧に出来ているだけでなく通り抜けるのが難しいことから、迷路型洞窟として広く知られています。
また、洞窟内にあるたくさんの泥も、通路内での行き来を困難にしています。
世界最大の洞窟6:オックス・ベル・ハ洞窟系
オックス・ベル・ハ洞窟系はメキシコのトゥルムの南に位置する世界最大級の洞窟の一つ。
(出典:Alchetron)
ドス・オホスと呼ばれるもう一つの国内最大級の洞窟から、半径50km以内の場所に位置しており、確認されている長さだけでも269kmに及びます。
そして、1996年に発見されたこの洞窟の名前は、現地ユカタン半島で話されるユカテコ語が由来で、「三つの水路」と言う意味を持ち、現在この洞窟は周辺地域にとって真水の貴重な供給源となっています。
一方で、オックス・ベル・ハではその構造により、過去には地球温暖化の影響で洪水が起きたことがありました。
世界最大の洞窟7:ジュエルケーブ
ジェエルケーブと呼ばれる洞窟はオーストラリアにもありますが、世界最大級に数えられるのは、アメリカのサウスダコタ州にあるジュエルケーブ。
洞窟の美しさを語るには欠かせない洞窟と言われ、「宝石」という意味のジェエルが名前に含まれるこの洞窟は、ブラックヒルズ国立森林公園内に位置しており、上層部にも下層部にも素晴らしい景色が広がっています。
洞窟の中の隅々に飾られたようにしてある、色とりどりの結晶からその名前が付けられました。
世界最大の洞窟8:ドス・オホス洞窟系
オックス・ベル・ハ洞窟系部分でも触れたドス・オホス洞窟系は、メキシコのキンタナロー州トゥルムにある巨大な水中洞窟。
1987年に発見されて以降、探検家たちの興味を引いています。
確認されているだけでも全長350km近くになるこの洞窟は、石灰岩でできており、水中洞窟であるサクアクトゥンと繋がっていることで有名。
ドス・オホス洞窟とサクアクトゥン洞窟を繋ぐ水路が発見された後、この洞窟は認識されている水中洞窟の中では世界一大きいものとなりました。
また、ドス・オホス洞窟系は考古学的にも重要な遺跡と考えられており、これまでこの洞窟から確認された様々な情報や発見はその後、多くの文化に関する発見につながりました。
世界最大の洞窟9:マンモス・ケーブ
アメリカのケンタッキー州にあるマンモス・ケーブ国立公園内には、マンモス・ケーブと呼ばれる世界最大級の洞窟の1つが横たわります。
その正確な長さは不明ですが、現在は少なくとも650kmはあるとされ、長さにおいては世界一の洞窟です。
マンモス・ケーブは、4,000年以上に渡り人類によって探索されてきました。
そして、現在でも洞窟内では新しい単体の洞窟が常に発見され続けており、この洞窟系がどこまで広がっているのかについては、未だにはっきりとは分かっていません。
また、洞窟内では多くの鍾乳石を見ることができ、これら鍾乳石は数千年の年月をかけて石灰岩の天井から漏れる水により作られてきました。
世界最大の洞窟10:ソンドン洞
世界には多くの長い洞窟がありますが、断面を切り取って測った場合に世界最大となり、一般的にも世界最大の洞窟や世界一大きい洞窟として知られるのが、比較的近年にベトナム中部のフォンニャ=ケバン国立公園で発見された洞窟。
今のところ確認されている全長は9kmであるものの、なんとその最大の「高さ」は約240mにも達することが判明しており、高さ238mの六本木ヒルズ森タワーがまるごと入ってしまいます。
ちなみに、ソンドン洞は1991年に現地に住むホー・カーンと言う男性によって発見され、この洞窟初の本格的な調査が実施されたのは、イギリス洞窟研究協会の主導で行われた2009年のことでした。
この調査によって、ソンドン洞は約300万年前に形成されたことが分かりました。
合わせて読みたい世界雑学記事
- 世界一深い海溝ランキング!最も深い海溝トップ11を紹介!
- →こちらから世界の自然に関する情報をさらに確認出来ます
世界最大の洞窟・世界一大きい洞窟|レチュギア洞窟からソンドン洞まで10選!のまとめ
世界最大級とされる洞窟を10箇所紹介してきました。
これら洞窟の内部では、地上とは違う美や、驚くほどの自然の力強さを感じることが出来ます。