世界最大のネズミ(世界一大きいネズミ)について、現生するものから史上最大の大きさを誇ったものまで、5種類の仲間を紹介していきます。
哺乳類ネズミ目(齧歯目)の数科の総称である「ネズミ」には現在、1065〜1800に及ぶ種類が含まれているとされます。
日本でもドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミと言った、人家やその周辺に棲息する家ネズミは有名で、ネズミと聞くとそこまで大きくない動物が想像されることでしょう。
しかし、実は世界に目を向けると、一般的にネズミとして想像される以上に大きな体を持ったネズミの仲間が存在するのです。
この記事では、現生する世界一大きいネズミの仲間4種と、絶滅してしまったものの歴史上に存在し、史上最大の大きさを誇ったとされる史上最大のネズミ1種の合計5種類を紹介していこうと思います。
現生する世界最大のネズミの仲間
ヌートリア
ヌートリアは南アメリカ原産のネズミの仲間。
巣穴で生活する草食性で半水生の齧歯類で、その大きさは全長70〜107cm、平均的な個体では体重は6~9kg程度であるものの、巨大な個体は17kgになることもあるとされます。
1800年代、ヌートリアは本来の生息地を追われ、毛皮採取の目的で繁殖が推し進められた結果、現在では北アメリカや一部のヨーロッパ、さらにはアジアにも分布するようになりました。
1940年代以降は原産地以外の地域において外来種としてはびこるようになり、地域によってはヌートリア撲滅の活動が繰り広げられ、例えば1950年代後半にはアメリカのルイジアナ州で、ヌートリアを駆除すると報奨金がもらえる制度も始まりました。
一方で中国などでは食肉として利用され、また、他の国ではヌートリアの肉で作られたドッグフードが販売されていたりします。
ヴァイキング・ラット
(出典:MailOnline)
2014年、スウェーデンのソルナの家庭のキッチンで、体長38cm以上の「ヴァイキング・ラット」という異名で呼ばれる超巨大なネズミが発見されました。
木とコンクリートをかじり、家に侵入したヴァイキング・ラットは、最終的に業務用の大きな罠によって捕獲され、世に知られるようになったのです。
ヴァイキング・ラットはすぐには息絶えませんでしたが、結局は罠を引っ張って逃げようとしたことで窒息死。
その大きさはなんと、飼い猫の大きさを上回っていたとされます。
また、過去にアイルランドのダブリンでは、アパート内で体長61cmのヴァイキング・ラットが捕獲された例もあります。
ヨーロッパやイギリス、アメリカでも発見例がある「ヴァイキング・ラット」は、ネズミの突然変異の可能性もあると考えられおり、将来的にはネズミの新種として分類されるかもしれません。
さらに、ヴァイキング・ラットは毒に免疫があるため、殺鼠剤は効かないとされます。
ボサビ・ウーリー・ラット
ボサビ・ウーリー・ラットは、2009年にパプアニューギニアのボサビ山の噴火口付近で発見された巨大な新種のネズミ。
これまでほとんど人間との接触がなかったと考えられているボサビ・ウーリー・ラットは、体長が90cmに及ぶと言われ、狭義に「ネズミ」と分類される動物としては現存する世界一大きいネズミになります。
ただし、このボサビ・ウーリー・ラットが生息する周辺地域にはかつて、もっと大きなネズミたちが沢山存在していたようです。
例えば、過去に東ティモールで行われた調査では、ボサビ・ウーリー・ラットの3倍も大きくて体重約6kgにも及んだであろうネズミの化石が見つかっており、その他にも12種の化石が見つかり、そのうち10種は新種でした。
ちなみにボサビ・ウーリー・ラットは、その巨大な体に反して性格は非常に大人しく、また人間を一切恐れないとされます。
カピバラ
現存する世界最大の齧歯類であるカピバラは、狭義ではネズミではないものの、ネズミ目テンジクネズミ科カピバラ属に分類されるため広義ではネズミの仲間と言える動物。
そのため、広義ではこのカピバラが現存するネズミの仲間としては世界最大と言えるでしょう。
ブラジル周辺のアマゾン河流域を中心に生息し、半水生で樽の形をしたカピバラは、体長106cmから134cm、肩高最大61cm、体重は35kgから66kgにもなる巨体を持ちます。
また、日本では温泉に入った姿が可愛くて愛嬌があるとして、比較的良く知られて人気のある動物です。
ちなみに、南米のベネズエラでは、特に復活祭の際、カピバラの肉が食べられる習慣があります。
史上最大の大きさを誇るネズミ「ジョセフォアルチガシア」
1981年にウルグアイのモンテビデオで初めて化石が発見されたジョセフォアルチガシアは、先史時代の齧歯類。
その頭蓋骨は、現代に生きる牛の物よりも大きく、長さが53cmもありました。
また、体長は244cm、体重は907kgに及んだと推定され、個体によっては体長3m、体重は1トンに達しただろうと考えられており、地球の歴史上で存在した世界最大のネズミの仲間です。
外見は現存する動物の中では最もカピパラが近しいだろうと言われます。
鮮新世から更新世時代に南アメリカの森で暮らしており、独特な門歯を持っていたことから、主に水生植物を食べていたと推測されています。
また、その門歯は捕食者と戦う際に武器として使ったり、雌を巡る雄同士の戦いの際に使われたとも考えられています。
約400万年前に存在したジョセフォアルチガシアは、巨大な鳥や肉食の有袋類、大きなネコ科の動物と共存していました。
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世界最大のネズミ・世界一大きいネズミ|5種類の仲間を紹介!のまとめ
世界最大のネズミ仲間5種類を、現生するものから歴史上存在したものまで合わせて紹介してきました。
世界には想像を絶するほど大きなネズミがいるのです。