世界一危険な海と言われる6つの海を紹介していきます。海賊や海水汚染など、その理由は様々ですが、どれも危険だと恐れられている海です。
地表の面積の70%を占める海は生命の源であり、地球に生きる全ての動物や人間にとってはなくてはならないもの。
同時に非常に美しい姿を併せ持ち、世界中のビーチ好きやダイバー達を魅了しています。
一方で、命を育む海は時に牙を向き、命を奪う魔物に変身することがあります。
特にこれから紹介していく6つの場所は、世界一危険だと言われることがある海で、これまで多くの人の命を奪ってきました。
地形的な理由から海賊行為、そして海水汚染や謎に包まれたミステリーなど、危険と言われる理由は様々。
そんな6つの危険な海を見ていきましょう。
世界一危険な海① ダハブのブルーホール
エジプトのシナイ半島の東部に位置する村ダハブは、ダイビングスポットとして有名で多くの環境客が訪れる場所。
そんなダハブの中心地から車で30分ぐらい行った海には、ブルーホール(かつての洞窟や鍾乳洞といった地形が何らかの理由により海中へ水没し、浅瀬に穴が空いたように形成された地形)が存在します。
そして、このダハブのブルーホールは、世界で最も美しいダイビングスポットの1つであると同時に最も危険な海の1つ。
深さ約130m、約6mの出入り口を持ち、海にぽっかりと穴のようになっている、別名「ダイバーの墓地」と呼ばれる場所です。
ではなぜ危険かと言うと、洞窟と開けた海をつなぐトンネルは、
- 推奨される潜水深度の限度の40mよりだいぶ下にある
- 潜水深度30mを超えてくるとアルコール摂取時と似た麻痺感を覚える窒素酔いになりやすい
といった理由から。
加えて、ブルーホールに行くまでにはアーチ状の経路を辿っていく必要があり、その角度のせいで、アーチ状経路の長さが実際よりも短く見えることがあるっていうのも問題。
そのアーチ状経路をすぐに通り抜けられるだろうと予想したダイバーは、泳いでいる途中で思った以上に長い道のりであるのに気づき、パニックを起こしてしまうことがあるんです。
潜水中のダイバーはただでさえ海面からは気付かれにくいため、何か問題があっても誰にも気付かれないまま死亡してしまい、これまで多くのダイバーがブルーホールで命を落としたと考えられています。
世界一危険な海② 南極海
南極大陸の周りには南極海という海域がありますが、この南極海も世界一危険な海の一つ。
南極海を通る船は、絶え間なく厳しい気候に翻弄されることになり、また氷山は季節に関係なくいつでも発生する可能性があるわけで、中には厚さ数メートルを超えるものも現れます。
そして、万が一にも南極海を渡っている船が、この分厚い氷によってダメージを受けてしまったらほぼゲームオーバー。
最も近い陸地は南極大陸しかなく、すぐに十分な捜索隊を手配することが出来ない上に、その地理的な理由から、捜索及び救助活動は非常に困難を極めます。
また、南極海の風は地球上で最も強い強風になることがあり、南緯40度、南緯50度、そして南緯60度は特に風が強いそう。
時には激しいサイクロンが発生することもあります。
加えて、南極海には波を砕く物が船以外何も無いために、高波が発生する確率も高く、危険度が非常に高くなるんです。
世界一危険な海③ インド洋北西
インド洋は太平洋や大西洋に肩を並べる三大洋の一つで、地球表面のおよそ20%の占める大きな海洋。
基本的には暖かい海であり、インドやインド洋周辺の国々にしばしば影響を与えるモンスーンやサイクロンといった、激しい熱帯暴風雨を発生させます。
しかし、インド洋が世界一危険な海の一つに選ばれるのは自然環境が理由ではありません。
その理由とは、インド洋で行われている過激な海賊行為!
実は、インド洋の北西を占めるソマリア沖(アデン湾やイエメン沿岸)では、ソマリアを拠点とする海賊達が活発に活動しているため、この地域周辺を航行しなくてはいけない商船にとって、とても大きな脅威になっているんです。
そのため、「ソマリア海賊問題」として国際社会で有名な海洋問題になっているほど。
基本的には商船が狙われやすいと言えますが、ソマリアの沿岸あたりに迷い込んでしまったら、船の種類に関係なく海賊に襲撃される可能性が高まります。
ちなみに、このソマリア海賊問題の根本的な原因は、1980年から続くソマリア内戦によって、ソマリアが失敗国家になってしまったこと。
政府が機能しなくなった結果、
- 困窮した多くの人々(元漁民が中心)が生活のために海賊行為を始めた
- 無政府状態の隙をついて武装集団が海賊行為を始めた
など、いくつかの説がありますが、どちらにしろ、ソマリアが無政府状態となって国内のコントロールが効かなくなってしまったことに行き着きます。
ちなみに、ソマリア沖では海賊行為が頻発することから、多くの国は一定の距離以上ソマリアへ船で近づくことは禁止していたり、ソマリア沖に入ると無効になる保険なども存在します。
世界一危険な海④ ドレーク海峡
南アメリカのホーン岬と、南極半島の北およそ150kmにあるサウスシェスト諸島の間に広がるドレーク海峡は、幅が世界一広いとしてギネス認定されている海峡。
しかし、海と関わっている人にとっては、それ以上に世界一危険な海として記憶している人も多いかも。
この海峡では凄まじい暴風が起こることがあり、普段から時速20〜40km程度の風が吹くのは当たり前(※全く荒れない日ももちろんあります)。
世界で最も荒れる海域の一つとして知られ、瞬間風速が130km弱にもなるスーパー暴風が発生することも。
しかも、暴風雨中は視界が一気に悪くなる上、運が悪いと時期によっては氷山も出没することもあり、風だけでなく氷山によってもダメージを受けた船は、ほぼ確実に墓場へ直行します。
世界一危険な海⑤ 中国の川から繋がる海
中国は深刻な汚染問題を抱えています。
汚染問題は工業国にとって珍しいことではありませんが、中国は面積が広く工場も多数ある上、まだまだ環境規制もそこまで厳しくないため、汚水をそのまま川へ垂れ流すことがあり、多くの河川は汚染されている状況。
実際、場所によって川や湖は吐き気を催すほどで、全く魚がいない河川もあり、中国国内のおよそ70~80%の水は飲用として安全ではないと言われるほどです。
(出典:The New Economy)
そして、川は海に流れ込んでいる点を考えた場合、中国の川から水が流れ込む陸地付近の海の多くは程度の差こそあれ海水汚染が起こっていると考えられ、健康面で見た場合、世界一危ない海に含めることが出来るのではないでしょうか。
しかも、それほどの海水汚染問題が発生しているのに、根本的な問題解決への取り組みは、まだそれほど進められていない状況です。
ちなみに、汚染された水が体に与える影響は汚染レベルによって異なりますが、慢性疾患や臓器障害が起こりやすいと言われます。
そして、この汚染された海水が太平洋へと流れ込んでいる点もお忘れなく。
世界一危険な海⑥ バミューダトライアングル
フラロダ半島の先端からプエルトリコ、そしてバミューダ諸島の3つを結んだ三角形の海域バミューダトライアングルは、世界的にも有名でオカルト好きなら絶対に知っているであろう海。
その有名な理由というのが、これまで多くの船や飛行機、そしてそれらに乗っていた人々が「何故か消えてしまった」という話が尽きないから。
結果、バミューダトライアングルで起こる現象は謎のままであるにも関わらず、世界一危険な海として語られることが良くあります。
ちなみに、なぜこの海域で船や飛行機、そして多くの人々が消息不明になるのかの理由は未だに謎のままですが、以下のような説が存在します。
- ブラックホール説
- ブラックホールが存在しており、そこに飲み込まれて異世界へ送られてしまう
- 宇宙人説
- UFOが船や飛行機をさらった
- メタンハイドレート説
- メタンハイドレートによってメタンの泡が大量に瞬時に発生して船の浮力が無くなる
- 海中で爆発が起きて大きな穴が開き、船が吸い込まれる
- 飛行機のエンジンがメタンを吸い込み酸欠によって不完全燃焼を起こして墜落する
- マイクロバースト説
- 冷気の塊が海面に落下して破裂したように強風を引き起こす
上記以外にも複数の説がありますが、とにかくバミューダ海峡で船舶や飛行機が消息不明となる不可解な出来事が、世界一危険な海のイメージを作り出しているんです。
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世界一危険な海6つ|海賊や海水汚染など理由は様々だけどとにかく怖い!のまとめ
地球の大部分の面積を占める広大な海の中でも、世界一危険な海といわれる6つの海を見てきました。
世界にはまだまだ危険な海がありますが、今回紹介した6つを覚えておけば、ちょっとした世界の雑学ネタとして困らないはずです!