シンガポールの川を6つ紹介していきます。有名なシンガポール川を始めとして、シンガポールにある数々の川は、国の発展に大いに貢献してきました。
イギリス人がシンガポールに入植したのは、今から200年近く前の1819年のことです。
それ以来、シンガポールの川と川岸は、国際貿易や地方との取引の中心となってきました。
つまり、シンガポールは商業や経済など、様々な面において、川にその発展を助けられてきたということです。
シンガポールを流れる川は浅く、狭く、短いながらも様々な分野において重要な役割を果たし、今日では運河になったり、または堰き止められたりしながら、現地に住む人々の生活へ欠かせない存在となっています。
この記事では、そんなシンガポールの川の中から、知っておきたい6つの川を集めて紹介していきます。
シンガポールの川1:シンガポール川
シンガポール川は、その名前の通り、シンガポールを流れる主要な川の1つであり、また、シンガポールを代表する川。
地元では「スンガイ・シンガプーラ(Sungai Singapura)」として知られています。
アレクサンドラ運河のキム・セン橋辺りから始まり、シンガポールの中心部を流れていく長さ3.2 kmの川で、キム・セン橋の遊歩道からマリーナ水路を経てシンガポール海峡に注ぎます。
シンガポール川が流れる地区は、1世紀以上にわたって港の周りから貿易と商業の中心地として発展してきました。
今でも、川の東側にあるダウンタウンコアは、シンガポールのビジネス街および金融ハブとして重要な意味合いを持っており、ボート・キーやクラーク・キーといったエリアは、繁華街として賑わいます。
ちなみに、ダウンタウンコアとは、都市国家シンガポールの歴史的かつ商業的な中心地の中でもさらに中心となる場所で、世界で最も高価な建物の1つであるマリーナベイサンズなど、多くの主要商業施設が固まっているエリアです。
シンガポールの川2:カラン川
マレー語でスンゲイ・カラン(Sungei Kallang)と呼ばれるカラン川は、シンガポールで最も長い川。
といっても、その長さは約10kmと、世界最長6000km級のアマゾン川やナイル川、また東南アジア一の長さを誇る4023kmのメコン川の足下にも及びませんが、小さな面積のシンガポールにおいては、それでも最長となります。
ローワー・ピアース貯水池から、アン・モ・キオ、ビシャン、トア・パヨ、ゲイラン・バールを流れ、そしてカラン集水地域(カランにある囲まれた湾)に入ってマリーナ運河を流れ、最終的にはシンガポール海峡へと繋がっていきます。
スンゲイ・ワンポアやペルトン運河などはカラン川の支流です。
カラン川沿いに発展した産業として、ガス事業や街灯事業、服飾や印刷素材事業などは有名で、またこの川沿いに見られる有名な建物としては、旧カラン飛行場の建物、国立スタジアム、メルデカ橋、スリ・マンマタ・カルネーシュヴァーラー寺院などがあります。
ちなみに、カラン川は1500年代にカラン川の沼地に住み着き、船上生活者として初めてシンガポールに暮らし始めたオラン・カランと呼ばれる人々から名付けられています。
シンガポールの川3:ゲイラン川
マレー語でスンゲイ・ゲイラン(Sungei Geylang)とも呼ばれるこの川は、シンガポール中央にあるゲイラン地区からカラン地区を流れる運河状の川。
ウビ付近に水源を発し、運河としてゲイランロード、ギレマールロード、ダンマンロードを流れ、最終的にはカラン地区南部のタンジョン・ルー近くにあるカラン集水地域にまで流れていきます。
また、2008年にマリーナバラージと呼ばれるダムがマリーナ運河を横切る5つの川の合流点に建設されたことに合わせ、マリーナ貯水池も建設されましたが、ゲイラン川はこのマリーナ貯水池の一部を形成しています。
シンガポールの川4:ローチョー川
ローチョー川は小さいながらもシンガポールでは有名な川。
長さおよそ0.8 kmで、カラン地区内では運河となっていることで知られます。
逆に言うと、ローチョー川はローチョー運河から続いている川と言え、ビクトリア橋の下から始まり、カラン集水地域へと流れ出しており、その水源はブキッ・ティマにある地下鉄ダウンタウン線のビューティー・ワールドMRT駅辺りです。
過去にはひどい汚染に悩まされたこともありますが、近年では美しいリバーフロントに生まれ変わった川沿いには、ベンチ、ショッピングモール、広場や庭園があり、人々の憩いの場となりました。
また、川沿いのインフラや交通網もかなり改善されています。
そして、他にも、泥棒市場「Sungei Road Flea Market」を始めとした様々なマーケットから、マラバー・モスク、ルルドの聖母教会、マドラサ・アルジュニード・アル=イスラミア、ジャラン・クボール墓地なども見つけることが出来ます。
シンガポールの川5:プンゴル川
プンゴル川は、シンガポールの北東部を流れる川。
シンガポールはそれ自体が大きな街と言える都市国家ですが、国内には小さなタウン(町)がいくつもあり、プンゴル川は団地が立ち並ぶプンゴル・ニュータウンを始めとして、他にも7つのタウンを通る川として知られます。
1990年代から2000年代始めまでに、この川の河岸の多くは埋め立てられて運河化され、2011年以降はプンゴル貯水池の一部を形成するようになりました。
一方で、プンゴル川が流れるタウンの住民にとって憩いの場を提供する目的で、川沿いは緑化され、自然公園地区やスポーツやレクリエーションセンターへの接続がされるなど、より住みやすい環境にするための開発がプンゴル川周辺では行われています。
シンガポールの川6:セラングーン川
セラングーン川は、シンガポール北東部を流れている長さおよそ8kmの川。
運河としてタンピンロード近くから始まってホウガンを流れ、最終的にはセランゴーン湾に注ぎます。
また周囲では、オールド・タンピネス・ロードとカラン・パヤレバー・エクスプレスウェイを繋ぐ高架橋の建設、プンゴル・イーストとロロン・ハルスを繋ぐ鉄橋の建設、セランゴーン貯水池の建設など、今日まで、複数の開発事業が行われてきました。
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シンガポールの川6選!シンガポール川・カラン川・ゲイラン川などのまとめ
シンガポールの川を6つピックアップして紹介してきました。
シンガポールの川の多くは、今日まで国の発展へ大いに寄与してきましたが、一方では開発や汚染といった変革や危機にさらされ、川に生息する生き物の生態系に悪影響を及ぼしてきました。
その結果、これまでは一方的な開発が行われていましたが、近年では川の環境改善に繋がる試みも行われています。