世界三大夜景(せかいさんだいやけい)とは、主に日本と中華圏において使われている言葉で、世界を代表する美しい夜景が眺められるとされる函館、香港、ナポリの3つの場所を指しています。
ただし、日本と中華圏以外では一般的な言葉ではないため、中華圏以外の外国人が使っている場合、あくまでも日本または中華圏を訪問中に耳にした結果、同フレーズを使っている人達がほとんど。
また、中間圏でもあくまでも和製漢語(中華圏においては日本人によって作られた漢語)として利用されています。
つまり、この世界三大夜景という言葉は日本発祥である可能性が高く、上記で示した3つの場所を世界のどこかの団体が公式に認定しているわけでもなく出どころは不明。日本を中心にいつの間にかその三ヶ所が世界三大夜景として知られるようになっていったのです。
この記事ではそんな世界三大夜景とされる3つの場所について簡単に見ていきたいと思います。
世界三大夜景① 函館(函館山からの夜景)
日本は北海道南端の渡島半島南東部にある函館市は、日本国内で最も美しい夜景の一つを有する街として知られると同時に、おそらく日本発祥であろう言葉「世界三大夜景」の中にもしっかりと含まれています。
そして、世界三大夜景として紹介される場合の函館の夜景は通常、函館山から一望出来る内陸方面に広がる街の夜景。
右を函館湾、左を津軽海峡に挟まれた函館の街が、内陸へ向かうと扇のように広がっていく様子が楽しめます。
特に、煌々と輝く街の灯りと街を挟んで静かに佇む海のコントラストは最高で、この場所を訪れた人は日本人、外国人関係なく感動します。
世界三大夜景② 香港(ビクトリア・ピークからの夜景)
世界三大夜景に含まれる香港の中で、その世界を代表する夜景が見られる場所として知られるのがビクトリア・ピーク、ザ・ピーク、太平山などと呼ばれる場所。
香港は北の九龍半島側とビクトリア湾を挟んで南に位置する香港島から成るわけですが、ビクトリア・ピークは標高552mの香港島における最高峰の山で、観光地として、もちろん夜景が美しいスポットとして有名です。
現地にはピーク・トラムという名のケーブルカーがあるので通常はそれに乗って山頂へ辿り着き、そこから九龍半島側を眺めると、香港島と九龍半島に建ち並ぶ光り輝いた高層ビル群、そしてその間に挟まれたビクトリア湾の大迫力な景色を楽しむことが出来ます。
また、ビクトリア湾から一望する香港の夜景は「100万ドルの夜景」などというフレーズでも知られています。
世界三大夜景③ ナポリ(ポジリポの丘からの夜景)
イタリア南部の都市として有名でカンパニア州の州都であるナポリも、世界三大夜景を持つ街に数えられているわけですが、その美しい夜景を望めるのがナポリの中心部から南西へ向かったところにあるメルジェッリーナ港からケーブルカーで向かう「ポジリポの丘」という場所。
現地では「聖アントニオのテラス」と呼ばれています。
そのポジリポの丘から港に囲まれた丘の上に作られたナポリの街並みを見下ろすと、穏やかなオレンジ色の街灯が街全体を包んでおり、函館や香港とはまた違った魅力ある夜景を楽しむことが出来ます。
さらにこの美しい夜の街に加えて、ナポリから東へ9kmほどいったところに聳え立つベスビオ火山のシルエットと、メルジェッリーナ港に停泊するヨットが、その夜景にアクセントを加えて世界三大夜景に選ばれてもおかしくない美しい夜景を作り出しています。
ちなみに、日本の熱海にある熱海城から街を望んだ夜景はナポリの夜景と少し構成が似ていることから、「東洋のナポリ」と呼ばれることがあります。