キウイまたはキーウィと呼ばれる鳥は、非常にかわいい外見を持ったニュージーランドの国鳥で、とても面白い特徴を備えています。
キーウィまたはキウイと呼ばれるニュージーランドの国鳥を知っていますか?
鳥と言っても他の鳥とは少し異なった外見や特徴を持っており、非常にかわいい外見から、ニュージーランドのマスコット的存在です。
そのキーウィについて、基本的な特徴から現在の状況、そして、とても興味深い7つの真実について紹介していこうと思います。
ニュージーランドに興味があったり、世界にいる珍しい生き物に興味があれば早速確認してみましょう。
ニュージーランドの国鳥「キーウィ(キウイ)」とは?
キーウィ(Kiwi)は日本語でキウイとも表記されることがある、ニュージーランド固有の鳥。
この鳥の名前を取ってニュージーランド人を「キーウィ(Kiwi)」と呼ぶことからも分かる通り、ニュージーランドの国鳥でもあります。
ニワトリほどの大きさをしており、飛行能力を持っていないのが特徴で、鳥の中では平胸類(原始的な鳥のグループで飛ぶために発達した胸筋を支える竜骨突起がない)に属し、また、その動きや外見が愛嬌たっぷりでかわいいため、ニュージーランドではとても親しまれています。
また、キーウィ(キウイ)には亜種も含めて以下の5つの種類が存在するとされています。
- ブラウンキーウィ
- 北島で最も一般的に見られるキーウィ
- オオマダラキーウィ(ロロア)
- キーウィの中では最大のサイズを誇る
- コマダラキーウィ
- 他のキーウィよりも体格が小さい
- ローウィ
- オカリトという南島の南西部の森にのみ生息する
- トコエカ
- ニュージーランド南端に位置するスチュアート島に多く生息する
(参照:ニュージーランド政府)
そして、キーウィは25~50年生きると言われ、孵化した時には羽が完全に生え揃っているのも特徴的です。
ただし、幼鳥からゆっくりと成鳥になるため、幼鳥が育つまでには3-5年ほどかかります。
キーウィ(キウイ)の生活環境
キーウィは鳥と言っても飛べない鳥であるため、空や木の上でその姿を見かけることはなく、森(の地面)、沼地、草原で見かけられ、巣穴や丸太に空いた穴、密集した植物の下で眠っています。
また、夜行性であるため、日中に眠り夜に活動するといった特徴があり(フクロウ以外の鳥としては珍しい)、夜の活動中は、大抵、餌を探して歩き回ることに時間を費やし、それ以外の時間は自分の縄張りのパトロールをしています。
臭いの強い糞を落として自分の縄張りを守り、配偶関係にあるパートナー以外のキーウィが自分の縄張りに近づこうとするのを防いでいるのです(他のキーウィが縄張りに近づくと喧嘩を始める)。
キーウィ(キウイ)の食事
キーウィ(キウイ)は雑食性の鳥であるため、基本的にはなんでも食べます。
例えば、蛾の幼虫、カブトムシやクワガタの幼虫、その他の昆虫、果物、植物の種など様々で、非常に優れた嗅覚を持つため、夜で視界が効かなくても餌を見つけることが出来るのです。
そして、嗅覚に関して非常に特徴的なのが、キーウィの鼻孔(鼻のあな)はクチバシの先端についているという点(通常、他の鳥の鼻孔は顔に近い部分についており、クチバシの先端に鼻孔を持つのは鳥としてキーウィが唯一)。
キウイはこの臭覚性探知機を、土の中にいる毛虫や他の虫を探すのに使っているのです。
さらに、キーウィは生後5日ほどで巣から出て餌を探しに行き、親から餌をもらうことがない点も特徴的です。
ニュージーランド文化におけるキーウィ(キウイ)の重要性
キーウィは国の象徴として広く知られ、ニュージーランドのあらゆる文化において重要な位置を占めており、同時に、ニュージーランドの自然や天然の遺産の象徴でもある鳥。
特に、ニュージーランド先住民のマオリ族にとっては宝とされており、強い文化的、精神的、歴史的なつながりを持っています。
例えば、キーウィの羽根は位の高い人用のカフキウィ(キーウィの羽でできたマント)を織るために歴史的に重宝されきていたり、また、マオリ族にとっての文化的重要性と歴史的な価値から、マオリ族を中心としてキーウィ保護の活動が積極的に行われていたりするのです。
数を減らしているキーウィ(キウイ)
一方、現在、ニュージーランドには、およそ68,000匹のキーウィが生存しているとされますが、人の手によって保護されている個体を除いた自然界に暮らすキーウィは、毎年2%減少しているとされており、数に換算すると一週間に20匹程度減っていると言われます(参照:ニュージーランド政府)。
これは、羽と胸筋が発達していないキーウィは飛ぶことができず、人間が持ち込んだ他の動物に捕食されているというのが大きな理由。
代表例を挙げると、キーウィの幼鳥にとって最も危険なのはオコジョで、成鳥にとって最も危険なのは犬です。
(オコジョは愛くるしい動物だが、キーウィにとっては危険な存在)
- オコジョ
- ニュージーランドのほとんどの地域において、オコジョはキーウィの幼鳥の死の半数の原因となっている。
- 人間の管理がないままだと、生後6カ月まで成長できるのはわずか10%
- 一方、体重が1kg以上になると、キーウィの幼鳥はオコジョによる脅威から身を守れるようになる
- 犬
- 成鳥は犬に殺されることが多く、生息数が大幅に減少する原因となっている
- 大きさ、種類、しつけ、性格に関わらず、どの犬もキーウィを殺す可能性がある
- 遊んでいるつもりで押しただけでも死んでしまうことがある
また、猫も幼鳥を殺すことがあったり、フェレットが成鳥を殺すこともある他、同じようなものを食物とするげっ歯類によってキーウィの幼鳥の成長が妨げられ、地域によってはこのことが全体数に影響を及ぼしています。
また他に、
- 生息地の変化/喪失
- 自動車などによる事故
- 種によっては生息数の少なさや分布
- 個体数が少ないと、遺伝子の多様性の低下、近親交配、火事、病気、捕食動物の増加などのリスクが高まる
- 繁殖相手を見つける確率が低下することで、繁殖率の低さに繋がり減少に拍車をかける
- ニュージーランドに入ってくる新たな鳥や人によってもたらされる病気や寄生虫
などもキーウィ減少の原因となっています。
ニュージーランドではキーウィ(キウイ)の保護が積極的に取り組まれている
一方で、国鳥であるキーウィ(キウイ)の個体数減少を食い止めようと、現在キーウィは大掛かりな保護活動の対象となっており、キーウィの繁殖率や個体数の増減が、自然環境の状態や、地域社会の環境保護プロジェクトの成果と価値を測る方法として使われています。
また今日では、ニュージーランド政府以外にも、地域社会やマオリ部族主導のグループが、合計23万ヘクタールを超える広さを対象に積極的にキーウィの保護活動を行っており、捕食動物が管理地域に入らないようにしたり、捕食動物がいない本来の島の姿に戻すような取り組みが行われています。
特に、捕食動物が管理されている地域ではキーウィの生息数が増加しているとされ、例えば、コロマンデル(Coromandel)という地域では、捕食動物の管理が集中的に行われているため、10年ごとにキーウィの生息数が倍増しているようです。
かわいいニュージーランドの国鳥キーウィに関する7つの興味深い特徴的な真実
そのずんぐりむっくりした、かわいいニュージーランド固有の鳥キーウィについて基本的なことは分かったかと思いますが、ここからはキーウィ(キウイ)に対してもっと興味が湧くような、7個の特徴的な真実を紹介していきます。
キーウィ(キウイ)の特徴1:「名誉哺乳類」である
キーウィは他の鳥とはとても違うため、生物学者の中にはキーウィを「名誉哺乳類」と呼ぶ人たちがいるらしいです。
キーウィは哺乳類に似た素質をいくつか持っていて、例えば、
- 羽というより髪の毛に近い感じ
- 脊髄のあるずっしりとした骨
- 走るための強い足
などがそれに含まれます。
ニュージーランドに昔から生息している唯一の哺乳類はこうもりだけで、実は現在のニュージーランドに近年生息する多くの哺乳類の多くは、1800年代以降のヨーロッパの入植によって、一緒に連れられてきたもの(ネズミは、もっと早く上陸しているらしい)。
結局、それまでキーウィにとって、ニュージーランドは天敵がいなくて平和な国だったのに、人間のせいで個体数を減らしてしまったってわけですね。
キーウィ(キウイ)の特徴2:ものすごく大きな卵を産む
キーウィの卵は大きなものであれば、大人のキーウィの1/4にもなる重さになる点がびっくり。
この数字がどのくらいかと言うと、例えば体重50kgの女性が赤ちゃんを産んだとすると、その赤ちゃんの体重がおよそ12~3kgにもなるってこと!
体重との比較で見ると、キーウィは世界中の鳥の中でも最大の卵を生むみたいです。
キーウィ(キウイ)の特徴3:生まれてから直ぐに自立する
キーウィの卵が体重比で非常に大きなことは、同時に優位な点も生み出しているとか。
どういうことかと言うと、巨大な卵だからこそ、幼鳥が生まれる頃にはすでに十分に走り回れるような力を持っており、同時にお腹は栄養で満たされているため、2~3週間程度なら何も食べなくても生きていけるっていうもの。
その結果、生まれて5日ぐらいすれば幼鳥は自分で餌を探し始め、同時に、親鳥から餌を一切もらうことのない生活を送っても問題ないんです。
何も出来ない人間の赤ちゃんと比べたら、かなり凄いことかと!
キーウィ(キウイ)の特徴4:目がそこまで良くない
キーウィの視力はよくありません。
夜行性だから普通は目が良さそうな気もしますが、実は暗闇の中では基本的にほとんど視覚に頼ることがないぐらい、キーウィにとって視力はそこまで大切なものではないんです。
その代わり、先述したように優れた嗅覚を持っており、他の鳥に比べると、幅広い嗅覚の受容体(嗅覚を感じ取る器官)を持っているそう。
一方で、色の識別に関するいくつかの遺伝子は機能していないと言われます。
通常、鳥は優れた視覚を持っているのに、キーウィはある意味真逆の特徴を兼ね備えた鳥だったんです。
キーウィ(キウイ)の特徴5:ひげがある
キーウィがいくら優れた嗅覚を持っているからと言っても、時にはその嗅覚が役に立たないことだってあります。
そんな時でもキーウィは暗闇で餌を見つけることが出来ちゃうんです!
というのも、キーウィには猫のような長いヒゲがあり、それによって暗闇であっても、周りのものや落ちているものを感じることが可能になるから。
キーウィにとって、ある意味ヒゲは秘密兵器的存在なんです。
キーウィ(キウイ)の特徴6:騙しにくい
かわいい顔をしておどけた感じの動きをするキーウィからはなかなか想像出来ないんですが、実はキーウィはかなり優れた記憶力を持っているらしく、最低でも過去5年間の間に起こった嫌なことなどを記録していると言われます。
なので、最初こそキーウィを騙して罠に掛けることが出来ても、その後同じ手はなかなか通用しなくなってしまうんだとか。
もしもキーウィに遭遇したら「嫌な人」として記憶されないように、扱いは丁寧にしておかないと、二度とそのキーウィに見向きされなくなりますよ!
キーウィ(キウイ)の特徴7:ニュージーランドでは何にでも〜!
1800年代の中盤、ニュージーランドの事実上のマスコットとして採用されたのを皮切りに、かわいいキーウィの画像は、薬、保険、大学、切手、軍の記章、通貨のトレードマークなど、様々なところで登場することになります。
そして、第一次世界大戦が終わりを迎えるまでに、キーウィという言葉はニュージーランド軍のニックネームになり、その後、一般のニュージーランド国民にも使われるようになったんです。
また、金融業界ではニュージーランドドルを「キーウィ」ということもあり、ニュージーランドに関することならどこにでも顔を出してくる存在です。
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キウイという鳥|キーウィはかわいいニュージーランドの国鳥のまとめ
キーウィ(キウイ)はニュージーランドの国鳥であり、そのかわいい外見でマスコット的キャラとして存在している鳥です。
ニュージーランドへ訪問する際は、ぜひキーウィに会いに行ってみましょう。
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