ドイツの文化や習慣|宗教・言語・食文化など生活するなら知っておきたい知識

ドイツの文化や習慣に関する14個のポイントを紹介していきます。宗教、言語、食文化など、将来的にドイツで生活してみたいなら知っておきたい知識です。

かつて神聖ローマ帝国の一部であり、後に世界で最も経済の安定した国の一つとなったドイツ

そのドイツ文化は、長い歴史の中でヨーロッパだけに留まることなく、世界全体にも影響を与えてきました。

例えば、ドイツが生み出した哲学者や作曲家、そして食文化などは、世界的にも有名でしょう。

他にも、現在の人口8200万人の中には、他国から移り住んできた移民も含まれ、人によっては、自分も将来的にドイツで生活してみたいと考えている人もいるかと思います。

そこでこの記事では、ドイツに興味がある人に向けて、ドイツ文化や習慣の中でも特に興味深い、14個の知識を紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

ドイツの文化や習慣1:ドイツの言語状況

ドイツの公用語はドイツ語であり、また、同時に、ドイツ国内においては支配的な言語。

ドイツに在住する95パーセント以上の人々は、標準的なドイツ語、または各方言いずれかのドイツ語を話すとされます。

ただし、「ヨーロッパ地方言語・少数言語憲章(欧州評議会の主導で1992年に採択されたヨーロッパの地方言語や少数言語の保護・促進のためのヨーロッパの条約)」の批准国であるドイツでは同時に、

  • 低ザクセン語
  • デンマーク語
  • フリジア語
  • ソルブ語
  • ロマ語

の5つが、少数言語と公認されて保護対象となっています。

加えてドイツには移民が多いこともあり、トルコ語、クルド語、ロシア語、ギリシャ語、アルバニア語、ポーランド語なども話すバイリンガルの人が多く、ドイツ国民の67%が2つ以上の言語を、27%は3つ以上の言語を操れると言われるほどです。

ドイツの文化や習慣2:ドイツの宗教

西ヨーロッパに分類されるドイツでは、他の西ヨーロッパ諸国と同様に、国内の主要な宗教はキリスト教

60から70%の人々が、自身はキリスト教徒であると答えています。

そして2番目に大きな宗教はイスラム教で、ドイツ人口に占める割合は、2009年の時点で4.6〜5.2%。しかし、2015年に起きた欧州難民危機によってイスラム教徒の難民がドイツに押し寄せたことを考えると、この割合はもう少し増えているかもしれません。

それ以外は、仏教徒、ユダヤ教徒、ヒンドゥー教徒と続き、およそ35%ほどの人々は無宗教と言われます(※他にもその他の宗教を信仰する人たちもそれぞれ僅かながらいる)

各宗教の割合をまとめておくとおおよそ以下の通りとなるでしょう。

  • キリスト教(60~70%)
    • カトリック(約30%)
    • ドイツ福音主義教会(30%弱)
    • 正教会(約1.6%)
    • その他の宗派(それぞれ0.5%以下)
  • イスラム教(4.6~5.2%)※多くはスンニ派かアレヴィー派
  • 仏教(約0.4%)
  • ユダヤ教(約0.3%)
  • ヒンドゥー教(約0.1%)
  • 無宗教(約35%)

ドイツの文化や習慣3:食文化

ドイツの人はビールをよく飲み、ソーセージを食べ、様々な風味のパンを焼くと言うのは、ドイツの食文化を象徴する特徴であり、世界的にも有名なことだと思います。

まず、ドイツ人のビール消費量について。

ドイツでは一人当たり、年間平均にしておよそ104.2リットルのビールを飲むとされ(2016年時点)、これは世界的に見ても4番目に高い数字。

対して日本では、41.4リットルとなっていることから、日本人の2倍以上のビールを消費するドイツ人はビールを良く飲む人たちだというのが分かります(参照:KIRIN

また、ドイツ語では「ヴォルスト(worst)」となるソーセージもまた、ドイツの食卓には欠かせないもの。

豚、牛、子牛などから加工され、様々な風味のものがあります。

さらに、パンを焼くこともドイツ人にとっては長い伝統であり、人々が誇る文化です。

多種多様な形のパン、黒パンに白パン、異なる風味や名前を持つパン、甘いパン、柔らかいパン、ありとあらゆるシード類の入ったプレーンなパンなど、非常に多くの種類を見つけることが出来るんです。

ちなみに、ドイツは伝統料理のみならず、ベジタリアンやビーガン向けの料理も非常に種類が豊富であるなど、現代のトレンドに即した食においても非常に豊かであるため、こだわりを持つ人にも幅広い選択肢がありドイツでは食べたいものや飲みたいものが簡単に見つかります

(豆知識)ベルリンの壁崩壊前後のビール消費量比較が興味深い!

ドイツ人のビール消費量に関して見ていくと、非常に興味深いことに気づきます。

それは、1989年に起きた「ベルリンの壁崩壊」前後で、ビールの消費量に急激な変化が起きていること。

ベルリン崩壊前のドイツでは、一人当たりの年間ビール消費量はおよそ140〜145リットル。

それに対して、ベルリンの壁崩壊後からおよそ10年経った2000年には125.6リットルまでさがり、さらに後年が経つと115.3リットルに減り、現在まで少しずつ下降傾向にあるんです。

(参照:statista

ドイツの文化や習慣4:西洋のクラシック界に貢献した音楽家達

ドイツはまた、西洋のクラシック音楽に寄与した有名な音楽家達を多数輩出した文化を持つ国。

German Classical Music – Great German Composers

世界的に有名な作曲家であり、古典派、ロマン派時代から西洋クラシック音楽の発展に寄与した、「バッハ」と「ベートーベン」はドイツに生まれて生涯を過ごしたドイツ人です。

また他にも、

  • ブラームス
  • シューベルト
  • ヘンデル
  • テレマン
  • オルフ

など、有名な作曲家を多く輩出しています。

加えて、ドイツには多くのオペラハウスがあり、ドイツ国民にはもちろんのこと、海外からの観光客にも親しまれています。

ちなみに、ドイツはクラシック音楽だけでなく、現代のテクノミュージックからヒップホップ、そしてロックやポップに関しても、多くの音楽祭が開催される地となっており、中でも世界最大規模の音楽イベント「ロック・アム・リング」には、世界中からアーティストや音楽ファンが集まります。

ドイツの文化や習慣5:ドイツ文化を象徴する建築物

歴史的に様々な変化や困難を乗り越えてきたドイツは、その歴史を示すように多様な建築物が残されています。

例えば、円形劇場などのローマ建築は、古代建築の一部として、今日のドイツの地においてかつて繁栄しいた文明の遺産として残っています。

プリロマネスク式の建造物としては、10世紀初期にさかのぼる聖ミカエル教会などが挙げられ、その後、11世紀頃から13世紀までに発展したロマネスク式建築を用いた大聖堂なども、今日のドイツに残っています。

さらに、ケルン大聖堂などは、ゴシック時代(12世紀〜15世紀)に建てられ、15世紀から17世紀にかけてのルネサンス時代の物としては、ハイデルベルク城ランツフート公爵邸などの城や宮殿が代表的です。

そして、アウグストゥスブルク城など、16世紀以降に盛んになったバロック式の建物も今日まで多く残されており、ドイツ文化を豊かなものにしているのです。

もちろん、アインシュタイン塔ベルリンのモダニズム集合住宅群グリヴィツェのラジオ塔などといった、近代建築もたくさん見つけることが出来ます。

ドイツの文化や習慣6:ドイツにおける伝統的な衣服

その国の文化を表す衣服に関して言えば、現在のドイツでは洋服が一般的となっていますが、ドイツには、地域ごとに少しずつ異なった伝統的な衣服が存在していると言えるでしょう。

例としてバイエルン州を挙げると、「膝丈の革製のズボン」と言える男性向けの伝統的な衣服があり、女性向けにはボディス(15世紀の西欧で登場した、体にぴったりとした腰の上までの長さの女性用の衣服)、ブラウス、スカートそしてエプロンからなるドレスが存在します。

そして、現在のドイツにおいては、お祭りの際などで、このような伝統衣服を身にまとった人々を見かけることがあるでしょう(ミュンヘンで毎年恒例のオクトーバーフェストで普通の恰好をしていると、逆に目立ってしまうかも!?)

ドイツの文化や習慣7:読書において世界を代表する国の一つ!

勤勉で真面目」というイメージの強いドイツ人ですが、このイメージを裏付けるようなドイツの文化的特徴の一つに、ドイツは「読書において世界を代表する国」の一つであるという点を挙げられるかもしれません。

ドイツ国内では、年間、およそ9万から9万5000点の新書が出版され、世界で最も有名な本のイベント「フランクフルト・ブックフェア」もドイツで開催されます(※日本の新書出版点数は年間およそ8万)

また広く知られてはいないものの、世界で最初の書籍そして雑誌は、ドイツで印刷されていたりするんです。

ドイツの文化や習慣8:偉大な哲学者を多く輩出!

世界有数の出版数が多い国であるドイツに住む人々は、習慣的に読書をよくするのかもしれません。

そのせいなのかどうか分かりませんが、ドイツにはかつて、世界的にも有名な哲学者が多く住んでいました

(イマヌエル・カント)

例えば、ドイツ観念論哲学の祖と言われる「イマヌエル・カント」を始め、

  • シェリング
  • ヘーゲル
  • ショーペンハウアー
  • ニーチェ

など、哲学史を勉強すれば必ずと言って良いほど耳にする哲学者を多く輩出してきたんです。

また、近現代史において一大思想となった共産主義思想を構築した「カール・マルクス」と「フリードリヒ・エンゲルス」もまた、ドイツ出身であり、世界に大きな影響を与えてきました。

ドイツの文化や習慣9:落とし物を木にぶら下げるのは思いやり?

ドイツ人を象徴することとして紹介しておきたいのが、「落とし物を木にぶら下げる」という習慣。

例えば、歩いている時にハンカチを落としてしまったとしたら、そのハンカチを見つけたドイツ人が近くの低い枝にぶら下げてくれる可能性があるんです。

これは、持ち主が落とし物を探しに来たときに見つけやすいようにするため、ドイツ社会では当たり前のことで、ちょっとした「思いやり」と言えるもの。

なので、ドイツの公園など、樹木のある場所で低い枝に何かがぶら下がっていたら、それは恐らく誰かの落し物であることを理解しておくと良いかと思います。

ドイツの文化や習慣10:プレゼントはクリスマスイヴに!

キリスト教の中でもカトリックの習慣に従うと言って良いドイツでは、日本やアメリカと同じように12月25日がクリスマスで、12月24日がクリスマスイブ。

そして、子供達は日本と同じようにプレゼントを貰うわけですが、この点について少しだけ違いがあると言えるかも。

日本では、12月25日のクリスマスの朝に子供達が目を覚ますと、その枕元へプレゼントが置いてあり、そこで始めてプレゼントを開けるのが一般的です(家庭によっては違う場合もあると思いますが)

一方、ドイツではクリスマス当日を待たずしてプレゼントが渡され、子供達はクリスマスイヴにプレゼントを開封してしまうパターンが多いんです。

ドイツの文化や習慣11:警察と話す時はDuとSieに気をつけて!

日本語には相手に対して尊敬を表す丁寧語や敬語が存在するわけですが、ドイツ語にも同じような言葉の使い分けが存在し、中でも「Du」の形と「Sie」の形の使い分けは重要。

その違いの例を挙げると以下のような感じです。

  • Duで話す場合
    • 敬語を使う必要のない親しい間柄での気さくな会話
    • 例)Trinkst du Bier?  「ビール、飲む?」
  • Sieで話す場合
    • 相手に敬意を払った丁寧な会話。相手と距離を置く会話。
    • 例)Trinken Sie Bier?「 ビールを飲みますか?」

(引用:Stepin

そして、ここで絶対に抑えておきたいのが、「警察に対してはDuの形で話かけるな!」ってこと。

実は以前、警察に「Du」の形を使って話しかけた男性が、警察を侮辱したとして法廷に連れていかれ、その法廷の判決で有罪となり、罰金500ユーロが課せられたことがあるんです(参照:DW

この判例を見る限り、ドイツ国内で警察に会ったら、よっぽど個人的に仲の良い友達でない限り「du」の形で話しかけない方が良さそうです。

ドイツの文化や習慣12:休みは真剣に。

ドイツ人にとって、余暇は非常に重要。

そのことを示す一例を挙げると、

  • 日曜日には多くのお店がやっていない
  • よって、週の他の6日のうちに食料品の買い物をしないとダメ!

というものがあります。

この習慣は元々、宗教的な動機から始まりましたが、今日では休暇のための時間を確保し、喧噪から離れて友人や家族達との時間を楽しむ大切さが主な理由として強調されています。

ちなみに、この余暇を大切にする習慣(価値観?)から生まれたもう一つの例として、「日曜日に電動ドリルを使用することは禁止されている」というものも挙げることが出来るんです。

ドイツの文化や習慣13:実はスポーツ好き?

勤勉で真面目というイメージが強いドイツ人に対して、「スポーツ好き」というイメージを持つことは少ないかもしれません。

しかし、約8000万の人口の中でおよそ2500万人が、何かしらのスポーツクラブの会員であると言われるドイツは、実は結構なスポーツ大国であったりするのです。

例えば、ドイツのサッカーリーグブンデスリーガ」は、プロスポーツにおいて平均観客動員数が世界で二番目と言われるほどで、また、サッカーのドイツ代表は、世界トップレベルのチームとして知られ、過去、ワールドカップにおいて何度も優勝しています。

また、1896年のアテネ夏季オリンピックから2016年のリオデジャネイロ夏季オリンピックまでの「メダル獲得総数」に関して、ドイツは世界で4位だったりするんです。

ドイツの文化や習慣14:ヌードに対して異常なほど抵抗がない

ドイツの文化ならびに習慣を示すこととして、「ドイツ人は驚くほどヌードに抵抗が無い」っていうのは知っておくべき。

オンライントラベルサイト「エクスペディア」によると、ドイツは「ヌーディズム先進国」であり。「開放的な海の男・女ランキング」では世界一!

さらに、公認のヌーディストエリアも多数存在し、ドイツでは他の国以上にヌードの男性や女性を見かける機会が多いんです。

なので例えば、入会したジムの更衣室で、ドイツ人同士が素っ裸で会話を楽しんでいるなんて光景を見ても驚くに値しません。

合わせて読みたい世界雑学記事

ドイツの文化や習慣|宗教・言語・食文化など生活するなら知っておきたい知識のまとめ

ドイツの文化や習慣に関して、知っておきたい14個のポイントを紹介してきました。

ドイツで生活したいなんて人は、参考にしてみてください!

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

error:Content is protected !!