東南アジアの国の一覧やちょっとした解説までをまとめていきます。各国の位置関係を地図で確認したり、その人口規模などをチェックしていきましょう。
日本や中国よりも南に位置し、インドよりも東に位置する東南アジア地域は近年、著しい経済成長を誇ってきました。
また、東南アジアにはタイ、ベトナム、マレーシア、シンガポールといった、観光地としても人気の国が数多く含まれ、美しいビーチや同地域で発展した文化を楽しみに訪れたことがある人も多いでしょう。
では、その東南アジアに含まれる国とは、どのような国々なのでしょうか?
この記事では東南アジアの国を一覧にして紹介し、また、地図や人口規模、それ以外にも各国に関する簡単な解説までをまとめていきたいと思います。
まずは、東南アジアに関して簡単におさらないしていくことから始めていきましょう。
東南アジアについてのおさらい
東南アジアとは、地理的に中国および日本の南、インドの東、パプアニューギニアの西、オーストラリアの北に位置する国々で構成された地域。
北は東アジア、西は南アジアとベンガル湾、東はオセアニアと太平洋、南はオーストラリアとインド洋に囲まれています。
また、地域的に南半球と北半球に位置するアジアの国々を含みますが、大部分は北半球に位置しています。
地図から見る東南アジア地域と東南アジア諸国
そして、東南アジアは現在、大きく分けて「本土地域」と「海上地域」の2つの地域から構成されており、そこには合計11の国が含まれます。
それぞれの地域や国を理解するためにも、そして東南アジア諸国の位置関係を把握するためにも、地図を用いながらここでは確認していきましょう。
- 東南アジア本土地域
- 歴史的にインドシナとして知られる
- ベトナム
- ラオス
- カンボジア
- タイ
- ミャンマー
- マレーシア(西部)
- 歴史的にインドシナとして知られる
- 東南アジア海上地域
- 歴史的にヌサンタラ(島嶼群)、東インド諸島、マレー諸島として知られる
- インドネシア
- マレーシア(東部)
- シンガポール
- フィリピン
- 東ティモール
- ブルネイ
- 歴史的にヌサンタラ(島嶼群)、東インド諸島、マレー諸島として知られる
東南アジア地域をさらに詳しく見ていきたい場合は、以下の地図を拡大したり縮小したりして確認してみましょう。
東南アジア地域全体に関するいくつかのポイント(人口や面積など)
東南アジアは地域全体として約450万㎢に広がり、これはアジアのおよそ10.5%、地球上の全陸地面積のおよそ3%。
そこへ、2018年の時点で総人口6憶5000万人とも言われる人々が暮らしており、これは世界人口の8.5~9%であり、南アジア、東アジアに次いで、東南アジアは世界で3番目に人口が多い地域となっています。
また東南アジアは文化的にも民族的にも多様性があり、様々な民族グループによって数百もの言語が話されている点も特徴的。
そして現在(2019年3月現在)、東ティモールを除く東南アジアの10カ国が、経済的、政治的、軍事的、教育的、文化的な融合を目的として設立された地域国際機関のASEANに加盟しています。
ちなみに、東南アジア地域は地質学的に幾つかのプレートが交差する場所付近に位置するため、地震活動および火山活動が活発で、度々大地震が発生することでも知られます。
東南アジアの国一覧表(人口・国土・首都含む)
東南アジアにある11ヵ国を人口規模や首都の名前を含めた一覧としてまとめると、以下の通りです。
国名(正式名称) | 人口 ※2017年 | 面積(㎢) | 首都 |
ブルネイ・ダルサラーム国 | 42万 | 5,770 | バンダルスリブガワン |
カンボジア王国 | 1601万 | 181,035 | プノンペン |
東ティモール民主共和国 | 129万 | 15,007 | ディリ |
インドネシア共和国 | 2,64億 | 1,919,440 | ジャカルタ |
ラオス人民民主共和国 | 685.8万 | 236,800 | ヴィエンチャン |
マレーシア | 3162万 | 330,803 | クアラルンプール |
ミャンマー連邦共和国 | 5337万 | 676,578 | ネピドー |
フィリピン共和国 | 1.049億 | 299,404 | マニラ |
シンガポール共和国 | 561万 | 719.2 | シンガポール |
タイ王国 | 6904万 | 513,120 | バンコク |
ベトナム社会主義共和国 | 9554万 | 331,210 | ハノイ |
東南アジア諸国の簡単な解説
東南アジアと東南アジアの国一覧を確認してきたところで、ここからは東南アジア各国に関してそれぞれを簡単に解説していきます。
東南アジアの国1:ブルネイ
ブルネイは、マレーシア東部があるボルネオ島に位置する小さな国。南シナ海に面する北側以外は全てマレーシアに囲まれています。
正式名称はブルネイ・ダルサラーム国で、スルタンの称号を持つ国王が国家元首となり、またその権限が強いため、絶対君主制に近い体制を敷くイスラム教国です。
またブルネイは、石油や天然ガスなどの資源が豊富なことで知られ、それにより、東南アジアでシンガポールに次いで一人当たりの所得や、それ以外の人間開発指数が高く、通常は先進国に分類されます。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
イスラム教 | ブルネイ・マレー語 | ブルネイ・ドル(BND) |
東南アジアの国2:カンボジア
西をタイ、北をラオス、東をベトアム、そして南をタイランド湾に囲まれたカンボジアは、インドシナ半島に位置する国で、アンコールワット遺跡によって世界的にも有名。
ポルポト政権下で起こった弾圧と、それに伴う内戦の影響で国が荒廃してしまい、依然その荒廃状態から完全には復興していません。
一方で、現在は立憲君主制が敷かれ、徐々に国内の制度が整ってきたこともあり、近年は毎年6~7%強の経済成長率を見せるなど、急速な経済発展並びに人的資源の発展を遂げている最中であり、今後が期待されている国でもあります。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
仏教 | クメール語 | リエル(KHR) |
東南アジアの国3:東ティモール
インドネシア東に位置する島国「東ティモール」は、2002年にインドネシアから独立し、21世紀に入ってから始めて誕生した主権国家となり、また、東南アジアにおいては最も新しい国家となりました。
16世紀にポルトガルにより植民地化された後、1975年に独立を宣言しましたが、続いてインドネシアに侵攻され、国連の介入もあり、1999年に実施された住民投票を通して2002年にようやく独立することとなったのです。
しかし、インドネシアからの独立のために数十年にも渡って奮闘した結果、国内のインフラが崩壊して多くの住民が追放され、その後遺症に今なお苦しみ続けています。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
キリスト教(カトリック) | テトゥン語、ポルトガル語 | 米ドル(USD) |
東南アジアの国4:インドネシア
東南アジア海上地域に位置するインドネシアは、共和制を敷く国家で、また、東南アジアおよび世界で最大の群島国家。
3つの時間帯にまたがり、2億6千万超のインドネシア人が1万5近く含まれると言われる島々で暮らしています。
さらに、同国は世界でも稀に見る多民族国家で、300を超える民族が存在して300を超える言語が使われている点も覚えておきましょう(共通語であるインドネシア語はほとんどすべての国民によって話されている)。
また、地域によって違うものの、国全体としてはおよそ9割弱がイスラム教徒となっており、世界最大のイスラム教徒人口を抱える国としても知られています。
一方で、近年は目覚ましい経済発展を遂げており、その人口規模と合わせて、世界が大きな関心を寄せている東南アジアの国です。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
イスラム教 | インドネシア語 | インドネシアルピア(IDR) |
東南アジアの国5:ラオス
海に面した国が多い東南アジア諸国の中で、周りを中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーに囲まれたラオスは、東南アジア唯一の内陸国。
1949年にフランスから独立してしばらくの間は、国王を国家元首におく立憲君主国家となっていましたが、1975年からは一党独裁制の社会主義の政治体制を敷く国家となっており、人口のおよそ80%は農業に従事しているとされます。
農業に従事する人口割合が多いため国全体のGDPは低いものの、食料が豊富で飢餓に陥りにくい強みを持つのが特徴です。
また、政治体制は社会主義型であるものの、経済は市場経済に移行しており、近年は6~8%の高い経済成長率を誇っています。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
仏教 | ラーオ語 | キップ(LAK) |
東南アジアの国6:マレーシア
マレーシアは、首都クアラルンプールの摩天楼に住む中華系住民から、ボルネオの密林の首狩り族まで含む多民族国家。
北でタイと接するマレー半島から、ブルネイやインドネシアと共有するボルネオ島にまでまたがり、それぞれに国土の西部と東部を置いています。
また、大多数(約65%)を占めるマレー系住民はイスラム教を信仰していることもあり、国教としてイスラム教が制定されています(※他の民族、例えば中華系は仏教を、インド系はヒンドゥー教を信仰する傾向にある)。
加えて、過去にはイギリスの支配下にあったこともあり、現地訛りが入っているものの、英語を使ったコミュニケーション能力が比較的高いのが特徴です。
ちなみに、近年の目覚ましい経済発展により、マレーシア人の平均所得も以前に比べて非常に高くなっています。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
イスラム教 | マレーシア語、英語 | リンギット(MYR) |
東南アジアの国7:ミャンマー(ビルマ)
ミャンマーあるいはビルマと呼ばれるミャンマー連邦共和国は、東南アジアで2番目に大きい国。
長期の軍事政権により、東南アジアの中で最も開発が遅れている国の一つでしたが、2015年に実施された総選挙結果によって民政移管が為され、それによる経済発展を見越して、現在は数多くの企業や投資が同国に入り始めています。
また、天然資源も豊富である上に、優れた人的資源が活用されないまま眠っている状態にあったため、アジア最後のフロンティアとさえ言われる国です。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
仏教 | ビルマ語 | チャット(MMK) |
東南アジアの国8:フィリピン
7000を超える島々を有するフィリピンは、東南アジア北部の海上地域にある群島国家で、スペインに統治されていた歴史から、東南アジアの伝統とスペイン文化が独自に融合した国。
環太平洋の火山帯に位置し、さらに熱帯気候であるために、地震と台風が多い半面、天然資源に恵まれ、なおかつ世界で最も生き物の多様性に富んだ地域の一つです。
また、スペインの後にはアメリカによって支配された過去も持つため、フィリピノ語に加えて英語も公用語となっており、英語人材を比較的豊富に抱えています。
加えて、全人口の90%以上はキリスト教徒となり、東南アジア最大のキリスト教国としても知られます。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
キリスト教(カトリック) | フィリピノ語、英語 | フィリピン・ペソ(PHP) |
東南アジアの国9:シンガポール
マレー半島南端に位置する小さなシンガポールは、60以上の非常に小さな島々から構成される群島国家。
東南アジア並びにアジア太平洋地域のハブとして機能し、著しい経済成長を遂げてきたため、多くの移民がこの国にやってきた結果、国内には様々な国の商品や料理が溢れるなど、まさに人種のるつぼとなっています。
しかし、同時に厳しい規則と規制があることでも有名です。
また、過去数十年に経験してきた飛躍的な経済発展は、後進国であった同国を先進国にまで押し上げており、現在は国全体が高度に都市化され、一人当たりの所得も世界トップレベルにまで上昇しています。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
仏教、イスラム教、キリスト教 道教、ヒンドゥー教 | 英語、マレー語 中国語、タミル語 | シンガポールドル(SGD) |
東南アジアの国10:タイ
正式名称タイ王国、通称タイは、君主制を敷き、インドシナ半島中央部とマレー半島北部にまたがる東南アジアの国。
活気に満ちた首都バンコクや、落ち着いた古都チェンマイ、そして美しいビーチや海を有することで知られ、また、「微笑みの国」という愛称を持つタイは、東南アジア諸国の中で恐らく最も人気のある観光地です。
そして、他の東南アジア諸国と同様に近年は著しい経済成長を見せており、シンガポールやブルネイレベルまで行かないものの、その所得レベルはマレーシアとほぼ同程度になっており、以前と比べて格段に生活が豊かになってきています。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
仏教 | タイ語 | タイバーツ(THB) |
東南アジアの国11:ベトナム
インドシナ半島の東部に位置する社会主義国家のベトナムは、東南アジアにおいて非常に人気の高い観光地の一つ。
南北に細長い国土を持つのが特徴で、中国、ラオス、カンボジアに隣接し、また、南シナ海に面しています。
ベトナム戦争による凄惨な過去を抱えるものの、20世紀後半に取り入れた市場経済システムへの移行によって、過去30年近く、毎年5~9%という高い経済成長率を示してきているため、今後の発展が期待されています。
主な宗教 | 言語 | 通貨 |
仏教 | ベトナム語 | ベトナムドン(VND) |
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