南米(南アメリカ)の国を一覧としてまとめていきます。各国の首都の名前や特徴などを確認して、南米に関しての知識を高めていきましょう。
南アメリカ大陸は多種多様な動植物が住む自然の宝庫であると同時に、かつてはインカ文明などが栄え、また現在ではラテンアメリカと呼ばれる一大文化圏を作っているバラエティー豊かな大陸。
世界を6つの大陸に分けた場合は4番目に大きな大陸で、総面積はおよそ1784万㎢。
そこに12の主権国家が存在し、同じ南米諸国でありながら、それぞれ独特な特徴も有しています。
これら南米12ヵ国とはどのような国々なのか?
首都の名前や特徴を簡単に解説しながら、一覧にまとめて紹介していきます。
南米の国1:ブラジル(首都:ブラジリア)
ブラジル連邦共和国、通称ブラジルは、日本の22.5倍の国土を誇り、ロシアを除いた場合はヨーロッパ全土よりも大きくなると言われる、南米大陸最大のとび抜けて大きな国土を持つ国。
過去にはポルトガルの植民地だったこともあり、南アメリカではほとんどの国でスペイン語が話されていますが、ブラジルはこの大陸で唯一ポルトガル語が公用語として話されている国として有名です。
ビジネスの中心であるサンパウロと、ビーチ都市として有名なリオ・デ・ジャネイロの二大都市が世界的にも知られていますが、ブラジルの都市はブラジリアと呼ばれる内陸の高原地帯に建設された計画都市になります。
近年は新興経済国の一つとして目覚ましい経済成長を遂げ、その象徴として2016年にはリオデジャネイロで夏季オリンピックが開催されました。
一方で、ブラジルには世界最大級のアマゾン熱帯雨林とアマゾン川が存在し、同時に300を超える先住民が暮らしています。
そして、ブラジルは2億を超える人口を抱えるなど、人口規模においても圧倒的に南米最大の国です。
南米の国2:アルゼンチン(首都:ブエノスアイレス)
アルゼンチン共和国、通称アルゼンチンは、南米大陸の南部東海岸の大部分を領土とする国で、スペインとイタリアを中心に、フランス、ロシア、ドイツ、オーストリア、イギリス、ポルトガルなど、歴史の中でヨーロッパの多くの国から移民を受け入れてきました。
それゆえ、南アメリカの国の中でも特にアルゼンチンの国民は、ヨーロッパの血を色濃く引いていると言え、また、文化的にもヨーロッパの影響を強く受けています。
ちなみに国土的にはブラジルの1/3弱で、南米大陸では二番目に大きな面積を持つ国。
また、人口数は約4400万人と、南米では3番目ぐらいの規模を誇ります。
一方で、公用語はスペイン語で、スペイン語を公用語としている国の中では、世界一広い領土を持つ国です。
そして、首都は東に位置して大西洋に面しているブエノスアイレスです。
南米の国3:ペルー(首都:リマ)
南米大陸北部の西海岸に隣接しているペルーは、同大陸においては3番目に大きな国土を誇る国で、首都は西側の海岸砂漠地帯にある同国最大の都市リマ。
ペルーはまた、世界でも有数の大きさを誇ったインカ帝国が栄えた場所としても有名です。
アンデス山脈の標高3400mに位置する天空都市「クスコ」は、かつてはインカ帝国の首都として機能し、現在でもペルーを代表する有名な観光都市として知られ、また、インカ帝国の遺跡として有名なマチュピチュ遺跡もクスコから遠くない所にあります。
一方で、上に挙げたアルゼンチンとは異なり、ヨーロッパ人と南米の先住民の混血の人々や先住民がペルーには多く暮らしているため、ペルー人の平均的な外見はかなり異なります。
そんなペルーでの公用語はスペイン語、ケチュア語、アイマラ語で人口は約3200万。その国土を考慮した場合、比較的人口密度が低い国と言えるでしょう。
国土の一部にはアンデス山脈があるだけでなく、アマゾンの熱帯雨林も広がっています。
南米の国4:コロンビア(首都:ボゴタ)
南米の北西部に位置するコロンビア共和国、通称コロンビアは、人口が100万人を超える都市が5つもあり、国全体の人口数は約4900万など、南アメリカの中では2番目の人口規模を誇る国。
また、国土はペルーに次いで大きく、南米では4番目に大きな国となります。
20世紀後半にはパブロ・エスコバルを筆頭とした麻薬のカルテル「メデジン・カルテル」と政府の間で、大規模なゲリラ戦闘が続くなどした結果、過去には世界一犯罪率が高い国として汚名を着せられたこともあります。
一方で、現在でも凶悪犯罪は起こってはいるものの、昔に比べればだいぶ治安が改善してきたとも言われます。
そんなコロンビアの首都は内陸の標高2640mのアンデス山脈に位置するボゴタで、およそ800万の人口を抱える大都市。
また、公用語はスペイン語になります。
さらに、コロンビアは太平洋とカリブ海、両方の海岸線を有する数少ない国の一つで、南アメリカでは唯一2つの海に面している国だったりします。
南米の国5:ボリビア(首都:スクレ/ラパス)
ボリビア多民族国、通称ボリビアは、南米大陸においてはコロンビアとあまり変わらない、5番目に大きな国土を持つ国。
しかし、その人口数はおよそ1100万人であるため、南アメリカ大陸では最も人口密度が低い国となります。
一方で、ボリビアは陸地に囲まれた国であり、国を通るアンデス山脈によって、国全体の標高が高いことでも知られています。
例えば、事実上の首都とされるラパスは、標高およそ3600mの所に位置し、首都としては世界一高い標高の都市として有名です。
ただし、ラパスは行政や立法府が集中して置かれた結果、「事実上の」都市となった街で、憲法上は「スクレ(標高2810m)」という都市が首都とされている点も、ボリビアの独特な点でしょう。
また他にも、標高4150mのエル・アルトや標高4090mのポトシなど、標高の高い都市が複数存在しています。
公用語にはスペイン語を筆頭に、現地で昔から話されているケチュア語、アイマラ語、グアラニー語に加え、その他33の先住民言語が含まれています。
南米の国6:ベネズエラ(首都:カラカス)
北側をカリブ海に隣接するベネズエラ・ボリバル共和国、通称ベネズエラは、南米大陸の最北部に位置して西にコロンビアを抱えるスペイン語が公用語の国。
首都は標高約1000mに位置するカラカスで、周辺地域も合わせればその人口は620万にもなる大都市です。
また、ボリビアに次ぐ大きさの国土に対して国全体ではおよそ3200万の人口数を抱えるため、比較的人口密度が高いことでも知られます。
一方で、世界最大のおよそ3000億バレルの原油埋蔵量を誇りますが、近年の政治不安によって経済は疲弊し、ハイパーインフレが起こった結果、治安も一気に悪化し、2019年までの過去数年間の間におよそ400万人もの人々が国外へ脱出するなど、大きな問題を抱えています。
ちなみに、国の南部はアマゾン熱帯雨林の一部となっており、さらにアンデス山脈が延びているなど、実は南アメリカ大陸でも有数の自然を抱える国だったりします。
南米の国7:チリ(首都:サンティアゴ)
チリ共和国、通称チリは、南アメリカ大陸の東海岸沿いの細長い形をした国。
その北から南への縦の距離は世界で最も長い国の一つである一方、東から西への横の距離はたったの350km強しかありません。
また、同じ国内にも関わらず、北と南では大きく気候が異なることでも有名です。
さらに、南米の国の中ではもっとも経済的に安定しており、比較的良い治安に加えて生活も安定しています。
公用語はスペイン語で、人口の半分以上がヨーロッパから移住してきた白人の子孫で、残りの半分の大半も、白人の血が色濃く出たメスティーソ(白人とラテンアメリカの先住民の混血)であるなど、住民達の人種構成的には東隣のアルゼンチンに近いといった特徴を持ちます。
そして、人口規模は1800万で、そのほとんどは国土の中央地域に住んでおり、南部に関してはほとんど人が住んでいません。
南米の国8:パラグアイ(首都:アスンシオン)
パラグアイ共和国、通称パラグアイは、南アメリカにおける内陸国の一つで、国土はチリに次いで南米では8番目と、比較的小さな国。
首都のアスンシオンは郊外の人口も含めると200万を超える大都市となっていますが、国全体の人口規模は700万弱と小さいため、国土が狭いものの人口密度は高くありません。
また、経済的な不平等のため、国民のおよそ4割近くが貧困層に含まれるなど、平均所得は南米においても低いほうで、首都アスンシオンでさえ税引後月収は380ドル(およそ40000万円)とされます(参照:Check in Price)。
一方で、隣国のブラジルとの国境に流れるパラナ川にはイタイプダムが建設されており、このダムを利用した水力発電ではパラグアイのほぼ全ての電力需要が賄われています。
また、他の発電所もあるため、パラグアイだけでは使い切れないほどの電力供給があり、余った電力は隣国へ輸出しているなど、電力輸出国として知られます。
南米の国9:エクアドル(首都:キト)
インカ帝国の重要な一部であったエクアドル共和国、通称エクアドルは、太平洋沿岸に位置する小さなスペイン語を公用語とする国。
同国における最大都市はグアヤキルと呼ばれる港湾都市ですが、首都は内陸部にあっておよそ200万人の人口を抱えるキトです。
また、国全体の人口としては1700万弱で、国土は下から数えて南米諸国では4番目に小さいため、実は南アメリカ大陸においては最も人口密度が高くなります。
最近は観光で世界中から注目を集めてり、特に本土から西に1000kmほど離れたエクアドルの領土「ガラパゴス諸島」は、エクアドルを代表する観光地。
またこのガラパゴス諸島によって、同国は生物の種類が非常に豊富な国とされています。
ちなみに、名前のエクアドル(Ecuador)が赤道に由来していることからも分かる通り、エクアドルは赤道直下にあります。
南米の国10:ガイアナ(首都:ジョージタウン)
南アメリカ大陸の北東部に位置するガイアナ共和国は、南米の国としてはいくつかの点でとても珍しい国。
まず、この国は南米諸国において唯一英語が話されているという点。
これは、1928年から1966年に独立するまで、イギリスの直轄植民地だったことが理由です。
そして第二には、インド系移民の子孫が非常に多く、その割合は40%を超えるという点で、これはかつて労働者として19世紀に多くのインド人が連れてこられたのが理由です。
このように、人口面で少し変わったガイアナは、カリブ海に面する南米では下から三番目に小さな国で、人口はおよそ80万人。
あまり訪れる観光客はいませんが、カイエトゥール滝と呼ばれる滝は、水の落ち口から滝つぼまで226mの落差を持ち、一気に水が流れる滝としては世界一の落差だと言われます。
南米の国11:ウルグアイ(首都:モンテビデオ)
南アメリカ大陸の南東部にあり、西をアルゼンチン、北東をブラジル、南を大西洋に隣接しているウルグアイ東方共和国、通称ウルグアイは、南米諸国の中では二番目に小さな国。
一方で、人口は約350万人となるため、人口密度は比較的高めです。
また、生活の安定度で言うとチリに次いで良いと言われ、公用語はスペイン語。人口のおよそ90%弱がヨーロッパ人であるため、人口構成的にはアルゼンチンやチリと似ています。
さらに、農牧業が盛んな事で有名で、ウルグアイ人は世界で最も一人当たりの牛肉消費量が高いとも言われます。
南米の国12:スリナム(首都:パラマリボ)
スリナム共和国、通称スリナムは、南米大陸の北東部に位置し、ガイアナの東隣りにあって北側は大西洋に面する南アメリカ諸国最小の面積を持つ国。
この国もガイアナと似ており、英語ではないものの公用語はオランダ語で、インド系移民の子孫たちが人口の30%を占めています。
これは、かつて同国がオランダの植民地であったこと、そして労働力としてインド人が多く連れてこられたのが理由です。
南部と言われるガイアナの80%を占めるのは熱帯雨林で、60万人弱の国民の多くは、海岸沿いの地域に暮らしており、中でも首都のパラマリボとその周辺に人口の約半分が集中しています。
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