世界で最も深い海または海溝として有名なマリアナ海溝の深さを解説します。
様々な記録がありますが、世界的に認められる公式記録を一目で分かりやすく明記しています。
マリアナ海溝の深さはどのぐらい?
マリアナ海溝の深さ | 10,994m |
現在、正式に確認され認められているマリアナ海溝の最深部の深さは10,994mです。
これは、2010年10月に、アメリカ海軍の海洋観測艦「USNS Summer(サムナー)」によって計測された数値で、マリアナ海溝の中でもチャレンジャー海淵(かいえん)の底に位置しています。
また、ギネス世界記録にも認められています。
ちなみに、日本では10,911mというのがマリアナ海溝の深さとされますが、これは、1995年に日本の無人探査機「かいこう」がチャレンジャー海淵の最深部とされる地点に到達した時の記録です。
マリアナ海溝の深さ測定のその他の記録
マリアナ海溝の深さに関してはこれまで、数多くの調査が行われてきました。
参考として、その中のいくつかを以下にまとめておきます。
- 1899年
- 調査船UUS Neroによって行われた調査で9,636mが記録される
- 1925年
- 日本の満州号がケーブルを海底まで沈めて計測し、9,814mが確認された
- 1951年
- 英国海軍がチャレンジャー号により音響測深を行い、水深10,900mの海底地点を発見
- これによって、この海底がチャレンジャー海淵と名付けられた
- 英国海軍がチャレンジャー号により音響測深を行い、水深10,900mの海底地点を発見
- 1957年
- ソビエトの船「ヴィチャージ」が11,034mの最深部を発見したと発表
- 1962年
- アメリカの調査船「スペンサー・F・ビアード」が10,915mの値を得たと発表
- 1984年
- 日本の「拓洋」が計測した結果、10,924mの数値を発表
- 1995年
- 遠隔操作で動く日本の「かいこう」が10,911mとなるマリアナ海溝の最深部に到達
- 2009年
- ハワイ大学の調査船からチャレンジャー海淵の水深が10,971mであると測深される
- 2010年
- アメリカ海軍の「USNS Summer(サムナー)」によって10,994mの数値が記録される
- 2012年
- 映画監督のジェームズ・キャメロンが潜水艇で10,898mの海底に到達
ちなみに、1957年にソ連の海軍艦艇「ヴィチャージ」によって記録されたとする11,034mの記録は、その後に測定を何度も重ねた結果、現在では正確ではないとされ、公式記録とは認められていません。
マリアナ海溝の深さを他のものと比較すると?
マリアナ海溝の深さを数値だけで示してもイマイチ分かりにくいと思うので、他のものと比較していきましょう。
世界一高いエベレストよりも高くなる
10,994mの深さを誇るマリアナ海溝が仮に地上に立っていたと仮定した場合、その高さは世界最高峰のエベレスト山よりも高くなります。
エベレストの高さは8,848mであり、マリアナ海溝の方が2,146m、スカイツリー3個分以上もの差を付けて高くなります。
仮に歩いた場合は2時間以上掛かる
また、マリアナ海溝の深さである10,994m(約11km)を歩いた場合、最低でも2時間強は掛かります。
まず、成人の一般的な徒歩の速度は1時間4kmほどだということを考えると、
- 11 ÷ 4 = 2.75
となり、2時間と3/4時間=2時間45分程度が必要となります。
さらに、気持ち早歩きをした場合の速度は時速4.8kmとなるため、
- 11 ÷ 4.8 = 約2.3
となり、2時間18分程度は必要だと見込まれます。
マリアナ海溝の深さを理解をするためにも参考に
以下の動画では最深部が10,927mとされていますが、マリアナ海溝を潜った場合を想像する上で役立つので、マリアナ海溝の深さを実感するためにも参考にすると良さそうです。